ベストセラ−は、ベストセラ−作家が見ればぴたりと分かる。誰、それ?ワシだ。ワシ! かって主婦の友社から落語協会分裂ドキュメンタリ−を書いた『御乱心』公称25万部! 主婦の友社 。名古屋本(名古屋をテ−マにした本)の元祖『雁道』海越出版で6万部。 これは実売部数!これから見たら『ザ狛犬コレクション』立風書房は、もう情けないほどまだ 売れてない。それはともかく、そのアタイが見ればたちまちなんじゃこりゃ!
『五体不満足』は、読んでやや不満足! 『五体不満足』 乙武洋匡 講談社 1600円(税別) これは、もう1ヶ月以上前に読んだ本。著者乙武洋匡クンは、 早稲田大学4年生。生まれながらにして手足がなく、それでいて 小学校〜大学まで一般の学校に通い。明るく学校でも人気者 なのだ。彼の今までの奮闘生活を描いた本。 彼は言う。 「健常者が、障害者を見る時に心のバリアがある。その心のバリア をなくすこと。それを“バリア.フリ−”が必用だ」 だからこの本は、読んで明るく全く暗さがなく。あまり深刻にならずに 軽く読める。その限りにおいて見事に彼の主張と作品は、統一性が とれている。 しかし大体この手の本を買う側は、密かに「涙」とか、「苦悩」とか、を無意識の内に期待して しまう。まあ、そんなことを期待するコト自体が、心にバリアがあると言うことになるんだろうが、 実は私も期待した。でもって。見事にそれは裏切られた。 全編明るい。メチャ明るい!なぜ?なぜ?こんなに明るいのか?イヤ、そう思うことが、 心のバリアかも知れない。 しかし本当に彼の今まで生きてきた21年間。すべて明るかったのか? 私は、本質的に暗い人間で。暗いものが大好きだ。だが私の暗さの裏に底抜けの明るさある。 同時に明るさの裏には暗さがある。それが、物の本質だと思う。乙武クンのこの本には、光りだけ で闇がない。そこが私は物足りない。 乙武洋匡クンのバリア.フリ−と言うひとつの運動の一環としては、大成功だと思う。しかしこれを 純粋に本として読んだ時。『五体不満足』は、やや不満足!と言う評価になる。 『本当は恐ろしいグリム童話』が、 売れることが本当に恐ろしい! 『本当は恐ろしいグリム童話』 桐生操著 1500円(税別) KKベストセラ−
グリム童話の初版当時の内容は非常に恐いスト−リ−で世間から 非難を浴び、書きなおして今のようなグリム童話になったと言うのだ。 本当はこんなに恐ろしい内容でした!と言うのがこの本なのだ。 ところがこんなに恐ろしい筈の「初版原書の訳文」はどこにもない!! こんなに恐ろしいと言っておきながら元グリム童話は具体的にどんな スト−リ−が書いてあったのか?それを読者に教えないで! その初版を元に深層心理的解釈を取り入れ、それを作者桐生操氏が、 エロティックに近親相姦的なシ−ンを濃厚に 好き勝手にコッテリ書き なおして。 「ねえ!ホントに恐いでしょ?」ってそりゃないよ。 あんた、フェアじゃないよ。「初版原書の訳文」をつけなさい!ここで意地悪く解釈すれば 「初版原書の訳文」と桐生操氏の書き上げた作品の 内容が、あまりにも違い過ぎ、 「初版原書の訳文」を付けるとその 矛盾が出てくるためにそれが出来なかったのでは ないのか?そう勘繰りたくもなる。どうにも納得できない本だね。 一体なぜ?この本が売れるのか?おせ−て!おせ−て!信じられん。 もっともワシも買った訳だけど。新幹線に乗ってる間に読もうと思ったのが、敗因だったね。 しかもこれの第2弾が出て結構売れてるようだけど。 なぜ売れるのか本当に恐ろしい!
二匹目ドジョウ狙い 『本当は恐い日本むかし話』は、ちっとも恐くない! 『本当は恐い日本むかし話』 深層心理研究会 590円(税別) 竹書房 こりゃ、もう上のグリムの2匹目のドジョウ狙いだね!日本の伝統的な商法だね。 日本むかし話には、初版がないので深層心理的解釈をふんだんに取り入れ、大胆に スト−リ−を変えてる。例えば 「花咲か爺さん」 〜愛人達に助けられる正直爺さん〜 「一寸法師」 〜小男の性欲が大男に打ち勝つ〜 なんて。結構面白そうだが。読んでみると見事に外ずしてる! 大体我々になじみ深い日本のむかし話を大胆に変えてもしっくり来ない。 2匹目のドジョウを狙ったが、獲れたのはミミズだったみたいな感じだね。 これから見ると『本当は恐ろしいグリム童話』の方が遥かに良い。 次回未定!! (背景はスダコjpg使用) |
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