旅の仕事は必ず本を買う。最近単行本もつまらなくて新書が多くなった。大体駅の構内の本屋でサッと買って列車に乗り込む。もう当たり外れはハッキリしてる。でも殆ど乱読だから中にはチャンと読めば面白い本も混じっていたかも知れない。その時はごめん!!今回紹介した殆どが21世紀に入って買った本!   三遊亭 円 丈

 【円丈の新書読書法】

(1)本屋で大した単行本がない時に新書を買う
(2)旅の時、カバンに本がないと本屋に飛び込んで新書
(3)買う理由は新しい知識、思考法をえるため
(4)読み方は殆ど乱読!飛ばし読み、斜め読みもある
(5)読まずにつんどくコトは殆どしない。
(6)90%以上2月以内に捨てる。保管場所がない。ゴメン
(7)1週間経つと殆どその内容を忘れてる!

 



【乱読NO.1】
 そんなこと知ってるよ!
        『なぜ国家は衰亡するのか?』 PHP文庫

 【買った理由】
帝政ローマ末期、民衆はパンとサーカスに熱を上げた。今の日本、グルメと格闘技にお熱。これはやっぱ末期では?どうなる日本?
どうなる人類?でカルーク買ってみた。

タイトルと著者 『なぜ国家は衰亡するのか?』
出版社&定価 中西輝政 PHP出版 定価657円+税
初版時期 1998年11月4日第1版第1刷  2000年11月9日第1版第16刷
読み方 かなり乱読--ザザッと1時間ほどで
感想  正直、日本の学者の書いた本の大半が、西洋学者のご説をただの紹介みたいな本。残念だが、これもそのタイプだね。文明論は3〜4冊読んだが、その中でもかなり平凡な出来!読んいてなる程とか、うんと言うキレが全く感じられない。読んで退屈でしかも学ぶべきものがない!そんなこと知ってるよみたいな本。

 【一言採点】 凡庸な書。ノーサンキュー!(読み違えてたらゴメン!!)


 【乱読NO.2】
安くてお買い得!
    『徹底検証東京直下大地震』  溝上恵(東京大学名誉教授)


【 買った理由】
 地震大国日本は、危機意識がないと言うか、みんなと死ねば恐くないというのか、とにかく地震本って殆どない。だから地震本は、見かけたら買うことした。 もうそろそろ備えが必用!よくある意見
"死ぬ時はみんな一緒だから"
  しかし死ぬ時はみんなバラバラで死ぬ。備えよ!!

タイトルと著者 『徹底検証東京直下大地震』 溝上恵(東京大学名誉教授)
出版社&定価 小学館文庫 定価476円+税 
初版時期 2001年1月1日初版第1版発行
読み方 平均的乱読--必要なとこだけ
 感 想  1997年8月に東京都が作成した『東京における直下型地震の被害想定に関する調査報告』に基づく東京はこうなる。一目で分る地域別危険度。
  住んでる足立区は地盤が弱いのでくれば震度が六以上になる。液状化による被害も多いね。ただ死者数は、足立は以外と少ない。もちろん東京都調査報告によればだけどね。これから引越しする場合、こう言う安全を考えてした方がいいね。
  まあ、安い本だから一冊持っていても良い。 しかし東海沖地震も迫ってるし、富士山の噴火もそろそろ。地震にはマジで備える時代!

   【一言採点】 シロウトに良く分り、持ってると気休めにもなる。476円は買い!◎!


【乱読NO.3】
集中力がなくて思わず買ってしまった!
            『集中力』   

【買った理由】
とにかく年で集中力が落ちている。なんかこの「集中力」高めるハウツー本がありそうだ。新幹線に乗る時、駅の本屋で飛び込み、10秒あっ、集中力!って咄嗟に飛びついて買った本。 

タイトルと著者 『集中力』棋士谷川浩司 
出版社&定価 角川書店 定価571円+税
初版時期 2000年12月1日初版発行
読み方 拾い読み30分程度
感 想  将棋の勝負でいかに集中力が必要かと言う本。しかしその集中力をどうして高めるか、その方法はどこにも書いてない。あ〜〜あ〜〜〜あ。ガックリ!がっかりしながら読んだから内容も良く覚えてない。ああ、がっくし!!
  でもあらゆる職業で集中力のいらない職業はない! これは将棋が好きな人は面白いかも知れない。しかし「集中力」で思わず飛びついた私は集中力がなかった。やはり集中力は必要だ。

【一言採点】 将棋の好きな人向き。私にはバツ!!!!


乱読NO.4】
結局石油はいつまで持つのか分らないことが分った本!
      『石油神話』〜時代は天然ガスへ〜  藤和彦 


【買った理由】 エネルギー問題とか、未来に関わることはとても興味がある。でどうなの?と買った本

タイトルと著者 『石油神話』藤和彦 
出版社&定価 文藝春秋 文春新書 定価660円+税 
初版時期 2001年1月20日第1版 
読み方 平均的な乱読--一応、全部読む
評価  今まで何度ももうなくなると言われて来た石油はまだある!一体、いつまであるのか?これが本書の内容。それが実にむずかしい。石油は、圧力が下がってもかなり長い間出る。更に汲み上げ技術向上で今まで出来なかった分も汲めるし。新たな油田が発見されるだろうし、・・・・・なんだかんだと書いてある。だから実際どの位使えるものなのか良く分らない。
  しかし我々が、考えているよりはるかに多くある。さらにそれ以上の天然ガスや、のメタンハイドレートが確認されてる。あと百年は人類がジャンジャン使っても平気な量はあるようだ。しかし人類があと100年化石燃料を湯水のように使ったら?怖いねえ。

【一言採点】良く分らないことが分った。なんとか合格かな??..!


【乱読NO5】
役に立つような立たないような本
    『出身地で分る性格.相性辞典』  矢野新一 

【買った理由】
駅の本屋で急いで買う。出身地で分る性格.相性辞典と言うのが目に飛び込んだ。
1分以内でこれを買う。あまり迷ってると新幹線が出てしまう!

タイトルと著者 『出身地で分る性格.相性辞典』矢野新一 
出版社&定価 PHP文庫 定価629円+税
初版時期   2001年1月19日第1版第1刷 
読み方 たのしく乱読!
感 想  今まで各都道府県データ本は何冊か買ったが、この本が一番良い。内容は各県人ごとに書かれている。読んでみるとなるほどそうかと県人の性格を納得する。しかしホントに当たっているかどうかは分らない。 私の名古屋(尾張)は、「金銭感覚に細かく閉鎖性が強い」とある。この閉鎖性がつよいは、京都と二つだけ。少し偏見があるんじゃ? それから東京、神奈川の解放性が高い!
  しかし私は全国4千社近くの神社を回って見て首都圏は逆に閉鎖性、警戒感が強い!とくに山の手はその警戒感が強く解放性が低い!解放性が高いのは下町!これに関しては私の方が自信がある。 しかしこの県民性ってどうやって調べたんだろう?これを営業に役立てて欲しいとあるけどホントに役立つのか? でも安くておもしろく、根拠は希薄だが納得できる!

【一言採点】楽しく乱読できて良い。なかなかの乱読本。合格!!


乱読NO.6】
勉強になるけど
  『ユダヤ人〜迫害.放浪.建国〜』  松村剛 
 

【買った理由】
以前何冊も怪しげなユダヤ本って読んだことがある。でも考えると本当のユダヤ人ってどんな人たち?どんな歴史だったのか?それで買った。

タイトルと著者 『ユダヤ人〜迫害.放浪.建国〜』松村剛 
出版社&定価 中公新書30 定価660円+税
初版時期 1963年12月12日初版 現在...71版
読み方 前半まで乱読...あとギブアップ!
感 想  これはなんと1963年に書かれた本だった。序章建国への道では、1948年の建国のことが書かれ、なかなか良い。まず最初のユダヤ本としてこれを読むべきだった。そのユダヤの歴史になると旧約聖書を元に語られ、いろんな地名が出てくる!
  これがさっぱり分らない。土地勘がない。地図と年表が必要だ。それにあの聖書に書かれたことが全て歴史的事実だったのか?これがどうも分らないし、歯が立たないので流浪の民になる肝心の歴史が、理解できなかった。

【一言採点】 旧約聖書を知ってればマル!ほんとかよ?


乱読NO.7】
・・でアンタはどう考えてんだ?
  『なぜ人を殺してはいけないのか?』
 小浜逸郎 

【買った理由】
これははっきりこの著者は「なぜ人を殺してはいけないのか?」の問にどう答を出したのか?知りたかった。 

タイトルと著者 『なぜ人を殺してはいけないのか?』小浜逸郎 
出版社&定価 新書Y海泉社定価680円+税 
初版時期 2000年7月21日初版発行 
読み方 ヘイキン的乱読
感 想  本の最後にこのテーマで本を書いてくれと言う出版社の依頼に対して「これは私の任ではないような気がする」と書いているが、全くその通り。なぜ人を殺してはいけないのかと言うテーマをいろんな角度からアプローチしているが、すべてヘナチョコアプローチ。読んでて歯がゆい。情けない!
  一般論ではなく一番大切なことは作者自身がどう思っているのか?それが最大の問題なのだ。それに対して作者の腰が完全に引けてる。これでは子供たちは納得せず!少年たちは、大人の心を見透かしているのだ。私も全然納得してない。

【一言採点】 激しく×・・無駄本!出版社さん、私に書かせなさい。


【乱読NO.8】
でどう言う生き物の共通原理だったの?
 『なぜザリガニはハサミをふるうのか? 〜生き物の共通原理を探る〜』  山口恒夫 
  
【買った理由】
結構生き物が好きでザリガニには親しみを持っている。そこで楽しく読めることを期待すて買った。

タイトルと著者 『なぜザリガニはハサミをふるうのか?』 山口恒夫 
出版社&定価 中公新書1545 定価740円+税
初版時期 2000年7月15日印刷  2000年7月25日発行
読み方 かなりの乱読、半分以上読み飛ばし!
評価  中公新書って硬派で結構好きだけどこれは外れ!早い話、ザリガニの学術書だね。もうこれ一冊あればザリガニの全てが分る。ただあまりにもシロウトには学術的過ぎて眠くなる。もっと別な視点から面白くザリガニを書いて欲しかった。それでどう生き物の共通原理だったの?サッパリ分からん!

【一言採点】 シロウトはザリガニに対し、そこまで学問的にはなれない。硬すぎる×!!


【乱読NO.9】
狙い目が良い!
  『江戸のナポレオン伝説 〜西洋英雄伝はどう読まれたのか〜』  岩下哲典 


【買った理由】
「江戸のナポレオン伝説」と言う本のタイトルの意外性でオヤッと思って買った。

タイトルと著者 『江戸のナポレオン伝説』岩下哲典
出版社&定価 中公新書1495 定価700円+税 
初版時期 1999年9月25日発行
読み方 乱読!(一時間ほどで)
感 想

 江戸時代にナポレオンはどう噂されたかと言う本。なんとあの頼山陽が、ナポレオンを詩にして謳っている。とても興味深い。私が、講釈師だったら「江戸のナポレオン」と言う講談を作ったね。 中身そのものは、かなりマジな本なので少し退屈する部分もあるが狙い目は正しい!読んでいて「へえ、そうなの..」素朴な驚きを感じる

【一言採点】それなりに良い!!! 買う本が見つからない時に勧めるね。


【乱読NO10】
学校の怪談も現代の民話!
  『現代の民話 〜あなたも語り手、わたしも語り手〜』  松谷みよ子 


【買った理由】
民話と落語は兄弟みたいなもの。それを民話の第一人者の松谷みよ子氏が書いている。興味がある。それに民話では有名な松谷みよ子氏だもんね。

タイトルと著者 『現代の民話 〜あなたも語り手、わたしも語り手〜』松谷みよ子
出版社&定価  中公新書1550 定価700円+税 
初版時期 2000年8月15日印刷  2000年8月25日発行
読み方 一応、キチンと読む!
感 想  昔松谷みよ子氏の角川の「日本の民話」を全巻買ったことがある。この本は明治以降から現代の民話。その中には学校の怪談まで含まれてる。とてもおもしろい。この中からネタになりそうな話もある。好きだね。サクサク読めてしかも楽しい。

 【一言採点】今回、紹介した中でイチオシの本!マルだ。


【乱読NO.11】
 へえ、アイヌ歳時記ねえ!
  『アイヌ歳時記 〜二風谷のくらしの心〜』  萱野茂
  

【 買った理由】
北海道の空港売店で見た。買った!!なんとなく北海道らしくて。

タイトルと著者 『アイヌ歳時記 〜二風谷のくらしの心〜』萱野茂
出版社&定価 平凡社新書 定価700円+税
初版時期 2000年8月21日初版第一刷
読み方 ぼんやりと乱読!
 感 想  戦前のアイヌの暮らしが書かれてるが、なんとなく牧歌的でいい。もう少し内容を書こうと思ったら、本が見当たらない。残念!いや、この本を少しネタにしようかなと思っていたんだけどない。どうやら捨てたみたいだね。

【一言採点】なんかのんびりとしちゃう本。まあ、◎かな〜〜〜あ!


【乱読NO.12】
こう言う本って好き
  『安部晴明伝説』  諏訪春雄


【 買った理由】
陰陽師安部晴明!こう言うまがまがしい人の話って大好きだね。平将門とか、そこで買った。  

タイトルと著者 『安部晴明伝説』諏訪春雄
出版社&定価 ちくま新書276 定価680円+税
初版時期 2000年12月20日第一刷発行
読み方 丁寧に乱読!
感 想  どのように阿部晴明伝説になって行ったか。それを追って行く内に阿部晴明伝説に母がキツネであったと言う伝説に行き当たる。そしてそれを広めたのは下級陰陽師たち。そのかれらは被差別民であった。その上で
「恋しくばたずね来てみよ。 泉なるしのだの森のうらみ葛の葉」
  の句にある。
  本当の意味は、どこか知らない土地で結婚しても陰陽師たちは、被差別民であるが故に自分の素性を名乗ることが出来なかった。それがキツネ女房の真の意味ではないか?と言う。 まず実在した阿部晴明を検証し、それが伝説化して行く過程を追いながら。最後、被差別民の陰陽師の話になる。1本筋のピーンと通った本だ。なかなか読ませる。

【一言採点】面白い一冊だ。◎!!


【乱読NO.13】
犬好きにはお勧め
  『デキのいい犬、わるい犬 〜あなたの犬の偏差値は?〜』  スタンレー.コレン著 

【 買った理由】
犬好きだから!目についた犬本は基本的に買う!

タイトルと著者 『デキのいい犬、わるい犬 』スタンレー.コレン著 訳木村博恵江
出版社&定価 文藝春秋 文春新書 定価657円+税 
初版時期 2000年9月1日第1版 2000年9月20日2版 
読み方 部分的な乱読
感 想  とにかく同じものでも翻訳ものは、活字量が多く、コストパフォーマンスに優れている。文庫だが内容的に良い。活字量だけでも日本の単行本の2冊分、これだけでもお買い得。犬の歴史もあり、犬種によって扱い難い順位や、内容充実!

【一言採点】犬好きには一冊欲しい。マル!!

【参考ムック】
新書買う参考にするなら
  『この新書がすごい! 〜目からウロコのイチオシガイド〜』  ムックY 006 洋泉社 

【 買った理由】
やはり新書の一冊ガイド本が欲しい。

タイトルと著者 『この新書がすごい! ムックY 006 洋泉社 
出版社&定価 洋泉社 定価720円+税 
初版時期 2002年2月発行
読み方 パラパラパラ読み
感 想

 ムックと言えば、宝島社が有名で実は20冊近く買った。しかし正直、宝島のムックに飽きた。それは、テーマが変っても編集方針とライターが同じで読む前からある程度予測できてしまう。もう飽きた。その点この「ムックY」は初めて買ったから新鮮だ。内容もマジメで良い。新書を買う時の参考にして欲しい。

【この本の欠点】
別に本の欠点じゃないんだけど本屋に行くとここに書かれていた内容を忘れてしまい、思ったほど役に立たない。役立てるためにはメモを持って行かないとね..。


・・見たらまだ10冊ぐらいあった。でも書くのが大変なのでこの辺でやめとくね。

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