東京新聞5月1日夕刊「ハロー・ペット」より
ハロー・ペット

  【注】全文新聞のまま
今ではボクまで
      犬式卵かけご飯
 ほのぼのトーク三遊亭円丈さん(落語家)
犬ロッキー柴犬1才10ヶ月メス
  ミッキー雑種推定1才メス
*他に錦鯉、へらブナ、金魚など

「十五年前ぐらいにこの家に引っ越してきて、庭でニワトりを放し飼いにでもしようかと思ったら、家族が犬を飼おうと。それで柴犬を飼って以来、わが家の犬はすべて柴犬の『ロッキー』。現在で三代目です」
 いずれも血縁関係はないが、初めてメスを飼った理由は「夢として、自分の飼ってる犬の子供が欲しい。それに、ただでさえ強い意志を持った柴犬のオスはキツいですからね」。ところが、ひょんなことからミッキーが加わり、「これ以上増えると無理かも…」と思案中の様子だ。
 
●お嬢様と野性児
 ご主人の複雑な心境を物語るかのように、今あたかも生理を迎えているロッキー。幼児用のパンツをはかされた姿こそちょっぴり情けないが、見るからに精かんで堂々とした態度。一方のミッキーは何となくオドオドした目付きで、二匹の雰囲気はまるで違う。  「ロッキーは母親が年取っていたせいで″乳母″に育てられたお嬢さん。そこへいくとミッキーは拾った犬。庭で飼って徐々に家の中に入れたんだけど、いまだに扱いにくいんですよ」  約半年前、近所の大型犬の元へもぐり込んでいたミッキーを捕まえようとしたが、うまくいかず、東京都の係に頼んで捕獲してもらった。
「そんなのは特例だそうで、『いったん野良犬になると扱いにくいし、飼うことを勧められない』と言われたのは本当でした」
 まず、ミッキーは人間の言葉が分からない。「言葉を学習する時期を、逸したんでしょね。頭はいいし運動能力も抜群なんだけど、まるで野生動物を飼ってるような感じ。例えば、目の前にある食べ物は、早い者勝ちどというのがミッキーの価値観。
  ロッキーがまねして困るけど、怒ればなおさら溝が広がるし、やっぱり飼いにくい」 ほかにもフローリングの床は傷つけるし、ホット・カーペットをかじる。庭のフェンスを飛び越えるため、背の高いものに替えるなど、出費はかさむ一方だという。
【新聞の写真をスキャナーしただけ】

●かじったな!

  「引っ越してきた当時から庭の池で飼ってた金色のコイが、自分から飛び出して死んだことがあるんですが、傷が残ってたから、ミッキーがかじったのかもしれない。あれはショックでした..。おかげで、小さいこを気にしてたらきりがないから、心が大きくなりましたよ」  そんなミッキーも、 ある時、ロッキーに右目の下をガブリ!とやられて以来、彼女には頭が上がらない。
「ロッキーは、食事の後に必ずミッキーにガンを飛ばすし、家の中では絶対的な存在。散歩で外に出ると協力し合うようなところもあるけど、オス犬が近寄ってくると、お互いにしっとするから面白いね」
 夜はロッキーと一緒に寝て、彼女のプライドを保ちつつも、「ミッキーはずっと飼われて‥たら、いい犬になっただろうなあ..。でも脱走しないんだから幸せなんだろうと思いたい」  話す言葉にも、愛情がこもる。  「一緒に暮らしてる動物と、同じものを食べたいと思ってるうちに、彼らの大好物の生卵かけご飯と同様、僕までしょうゆ抜きになってしまいました」
     文・武田和衝  撮影・小河慶一郎
円丈一言コメント
 自分の紹介より、犬の紹介の方が、10倍うれしい。いやいやうれしい。ホントうれしい。
つくづくうれしい。心底うれしい・・・・・。もう犬バカだね。

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