落語家 新作落語 愛犬 三遊亭円丈落語の世界

「円丈らくご塾」と書いてあるタイトル

最終更新日:15/05/27

次回13「らくご塾」は、2015年8月末の土日辺りになりそう:場所は松一会館京王線明大前徒歩10分

さあ、2015年1月25日(日)の今回は、久々のけい木くん、それに毎回、歌を歌う増井山かなりやる気みたいだね。楽しみだね。早いもんで今回が11回目だ。
今回は、来ると必ず受けて帰る羽光くんに、必ず噺で唄う夏丸くん、一体、今回はどんな歌を歌うのかいや、楽しみだ。それに粋歌くんもいいね。
いや~あ、盛り上がったね。どの位盛り上がったりかはこの下に書いてある。だから読んで!!近々、次回の予定を書くよ。


らくご塾の打ち上げにて

【画像:打ち上げ「つぼ八」にて、左から粋歌、円丈、羽光、夏丸、清麿、ワカバヤシさん(だれ)、けい木】


久しぶりの打ち上げ風景
【画像:12回終演後のみんなで打ち上げ風景、こっちは殆どお客さんだね】

【開  場】2015年5月24(日)16:30開場 17:00開演。
【12回目の出演者】
雨乞い村・・・・古今亭今いち
だぶるくりっく・三遊亭わん丈
ご当地ROCK・ ・古今亭志ん八
「昌子の皿」・・夢月亭清麿
もごもご・・・・・三遊亭はらしょう
仲入り 
「ランゴランゴ」三遊亭円丈 
「ほれうそ」・・・・A太郎


・打ち上げ・・ <希望者でビールで乾杯!!・・・・乞う、ご期待!>

「らくご塾」!とにかく前座、二つ目の噺家さんの新作落語道場みたいな会を以前からやってみたかった。最近、前座さん、二つ目さんの中で結構新作に対する興味が、高まったいる。

【場 所】松一会館:世田谷区松原1-52-4
(京王線明大前徒歩10分 TEL03-3325-1709)
時 間:16:30開場 17:00開演・・終演20:00頃
入場料:当日1780円 前売1380円
・・打ち上げ券の情報はこの下だよ・・

<当会は、時間制限あり>
しかし、前座、二つ目の新作落語をダラダラ聴くのはつらい。ご安心を!
この会は時間制限付きだよ。
・前座は10分! ・二つ目15分 ・仲入り、トリは20分!
・ゲストは、20分と決まっている。
そして「打ち上げ付き落語会」、落語会500円でビールが、ついて打ち上げに参加できる。
ぜひぜひ参加してちょうだ~~い!
・そして今回から「大川はなちゃんの聴きました」が始まる。この下だよ

らくご塾第12回15年5月24日(日)・・「大川はなちゃんの聴きました」

1.今いちさん・・・「雨乞い村」

ある村で、日照りのために困っていた村長が、雨乞いの先生を呼んできた。
陰陽師 安倍の清流と名乗る雨乞師は、水あめから始まって、さまざまなものを降らせるが、肝心の雨は一向に降らず、ついに村民山田君を生贄にする。水あめ、春雨、ゲリラ等、いろいろ降らせるところは、並列になって少し飽きやすいので、いつ切り上げるかが難しいですね。声が大きくてよく聞こえますし、歌も入って、にぎやかな、楽しい高座でした。

 

2.わん丈さん・・・「だぶるくりっく」

げんぞうおじいさんは、ネットで千葉県産落花生を買いたくて、パソコンと格闘中。
そこへ幼馴染のルキアが通りかかり、ダブルクリックができなくて悪戦苦闘しているところを、フェイスブックにアップされてしまう。
そのとき遠くへお嫁にいったはずのセツ子さんが現れて・・・
展開がスムースで、途中挟み込まれる「Say Yes」もうまく、よくまとまっていました。サゲが下ネタ風なのも、わん丈さんらしいです。 

 

3.志ん八さん・・・「ご当地ROCK」

こちらも村を舞台にしており、村おこしの話です。
出身地川越の話を枕でしてあるため、噺がわかりやすくなっています。
落語の中の村おこしはたいていうまくいかないのですが、
現実にも難しいものですね。
こちらも歌を歌いましたが、みんなで手拍子をして、あれは・・・落差が笑えます。

4.清麿師匠・・『昌子の皿』

 

勲章までもらった老陶芸家のところに、弟子入り志願の女性がやってきた。
初めは断っていた師匠も、相撲やプロレスの話で意気投合したためか、
弟子入りを認め、生涯最後の作品を焼く。
できあがった作品を前に、師匠があるゲストを呼び、意外な注文をつける。
東日本大震災のとき、一枚だけ残った皿の話が核になっています。
最後に出てくる中島誠之助さんもいい役どころです。
芸術とは何か、ということを考えさせる深い話だと思います。
私は今回初めて聞きましたが、ぜひまたどこかで演っていただきたい噺です。
黒門亭あたりで、かからないかな、と期待しています。

 

5.はらしょうさん・・「もごもご」

   

前座だった頃も、声が大きかったですが、さらに大きく、太い声になりました。
アスファルト寄席(路上ライブ)などをやっているからでしょう。
今日の漫談は、豊島園のアルバイトの話ですが、
ここに出てくるベテランのおじいさんの存在が光っています。
放送作家として、また演出の仕事もしており、とにかく一所懸命なのがよくわかりました。
今日の会以外にも、落語会に出演するそうで、これからますます楽しみです。

 

6.円丈師匠 「ランゴランゴ」

   

この噺は、あの小噺や、あの前座噺が、アフガニスタン語?だと
どうなるか、が楽しみな噺です。
何かよくわからなくても、言葉のリズムを聞いているだけでも楽しいです。
寄席でも人気の噺ですので、まだお聞きでない方は、ぜひ寄席や落語会でどうぞ。

 

7.A太郎さん・・「ほれうそ」

小学生の孫に、反対語を教えてくれと頼まれたおじいちゃん。
独自の解釈で珍解答を繰り出します。
途中から、お客さんにリクエストをつのり、その場でいくつか即席の回答をこしらえていました。
あれだけたくさん作るのは大変だと思います。
ただ、並列なので、ストーリーがなかなか展開しないのが難しいところだと思います。
宅急便の反対は「白犬」とのことで、これは黒猫の反対だとすぐわかりますが、
ではペリカンの反対は何だろう、と考え始めたら、寝られなくなりそうです。
次回も楽しみです。次回がいつであっても行きたいです。

 

<君は何人芸人が分かるか?・・答えは下に・・>

らくご塾第12回・・・・塾長のぶつくさ

<塾長円丈のワン・コメント・じっくり聴くと辛口になる~~っ>

今回は、キチンと横で聴いたので・・。全体に良かったんじゃないかね。

古今亭今いち・・・・「雨乞い村」
 雨が降らないので、雨乞いの祈祷師を呼んだら、もう水アメは降る。もうダジャレ繋がりの言葉が、これでもかという位でてくる。ダジャレ天才みたいな・・すごいね。お客さんは、結構笑ってた。
三遊亭わん丈・・・・・・「だぶるくりっく」
 じいさんが、パソコンを覚えようととして悪戦苦闘する噺。ダブルクリッウは分かるけど、細かいとこが良く分からない。20年ほど昔、どうやっても思い通りに動かないパソコンを穴掘って埋めちゃうって話しを作ったことはあるけど、お客さんは、良く笑ってた。円丈が、理解出来なかっただけだろうとお思う?
古今亭志ん八・・・・・「ご当地ROCK」
 マクラでゆるキャラとかかなりふってからネタに入る。本ネタが、村おこしでゆるキャラをとか、マクラで話していることと、本ネタがくっ付く、このマクラと本ネタは、違うようにしないとダメなことが多いね。
夢月亭清麿・・・「「昌子の皿」
 今日のネタは、以前1~2度やったネタを大胆にデフォルメしたと言う。日本一の陶芸家にわかい娘が弟子入りをしにくる。結構奥が深そうな話だけど、陶芸は全然わからん。この噺」は奥が深すぎる。
三遊亭はらしょう・・・・「もごもご」
 円丈が一番面白かったネタが、コレ!ネタに勢いがあったね。商売っ気抜きでこれだね。
この路線をドンドン突き進んだら売れる。ヨゴレのきみまろでいけるね。はらしょう、売れちまえ!!
塾長三遊亭円丈・・・・・「ランゴ・ランゴ」
 この「ランゴ・ランゴ」を久しぶりにやる。ISなんて出て来ると、どうもイスラム教徒の噺家は出しにくいんだ。それでしばらく、やらなかったが、最近、「」ランゴランゴ」を解禁した。しかし、この「ランゴランゴ」をかなりのお客さんが聞いてたね。そんなに良くやる話じゃない。それを半分ぐらいあ聞いてると言う恐ろしい」噺だね。いつもそうだけど、思ったほどはうけなかった。
トリ松福亭羽光・・・・・「拝啓、15の君へ」
 室を片づけていたら、15歳の自分は、15年後の自分に手紙を書いていた。それから、現在の自分と15歳の自分との間で、手紙をやりとりすると言う。
 少し感じが、円丈が昔、作った「振り返れば」とテーマが似てる。

 でもなかなか良く出来た作品で、よかった。これからもこう言う本格新作みたいなネタも作り続けて欲しい。いやいや、よかった。

◎今回、お客さん的には盛り上がったが、ネタ的に言えば何時もより、チョイ低い。

らくご塾第11回15年1月25日(日)・・松一会館:世田谷区松原1-52-4:(京王線明大前徒歩10分】

<君は何人芸人が分かるか?・・答えは下に・・>
【画像:10回のメンバー左から、喜太郎、鯉八、円丈、A太郎、たん丈、清麿、花いち】

<第11回・・円丈らくご塾:1月25日(日)17:00開演>

今回は31人、まあまあこんなもんだろうね。しかし、完全に定着して来た会になったね。

前節・・みんなでワイワイ
三遊亭ふう丈・・・・・「同窓会」
林家けい木・・・・・・「少年G」
桂 夏 丸・・・・・・・「増位山物語」
ゲスト夢月亭清麿・・・「もてたい」
三遊亭粋歌・・・・・・・・・「卒業」
仲入り
塾長三遊亭円丈・・・・「リクエス・トブック」
松福亭羽光・・・・・・・・「拝見15の君へ」



<塾長円丈のワン・コメント・じっくり聴くと辛口になる~~っ>
今回は、キチンと横で聴いたので・・。全体に良かったんじゃないかね。

古今亭今いち・・・・「雨乞い村」
 雨が降らないので、雨乞いの祈祷師を呼んだら、もう水アメは降る。もうダジャレ繋がりの言葉が、これでもかという位でてくる。ダジャレ天才みたいな・・すごいね。お客さんは、結構笑ってた。
三遊亭わん丈・・・・・・「だぶるくりっく」
 じいさんが、パソコンを覚えようととして悪戦苦闘する噺。ダブルクリッウは分かるけど、細かいとこが良く分からない。20年ほど昔、どうやっても思い通りに動かないパソコンを穴掘って埋めちゃうって話しを作ったことはあるけど、お客さんは、良く笑ってた。円丈が、理解出来なかっただけだろうとお思う?
古今亭志ん八・・・・・「ご当地ROCK」
 マクラでゆるキャラとかかなりふってからネタに入る。本ネタが、村おこしでゆるキャラをとか、マクラで話していることと、本ネタがくっ付く、このマクラと本ネタは、違うようにしないとダメなことが多いね。
夢月亭清麿・・・「「昌子の皿」
 今日のネタは、以前1~2度やったネタを大胆にデフォルメしたと言う。日本一の陶芸家にわかい娘が弟子入りをしにくる。結構奥が深そうな話だけど、陶芸は全然わからん。この噺」は奥が深すぎる。
三遊亭はらしょう・・・・「もごもご」
 円丈が一番面白かったネタが、コレ!ネタに勢いがあったね。商売っ気抜きでこれだね。
この路線をドンドン突き進んだら売れる。ヨゴレのきみまろでいけるね。はらしょう、売れちまえ!!
塾長三遊亭円丈・・・・・「ランゴ・ランゴ」
 この「ランゴ・ランゴ」を久しぶりにやる。ISなんて出て来ると、どうもイスラム教徒の噺家は出しにくいんだ。それでしばらく、やらなかったが、最近、「」ランゴランゴ」を解禁した。しかし、この「ランゴランゴ」をかなりのお客さんが聞いてたね。そんなに良くやる話じゃない。それを半分ぐらいあ聞いてると言う恐ろしい」噺だね。いつもそうだけど、思ったほどはうけなかった。
トリ松福亭羽光・・・・・「拝啓、15の君へ」
 室を片づけていたら、15歳の自分は、15年後の自分に手紙を書いていた。それから、現在の自分と15歳の自分との間で、手紙をやりとりすると言う。
 少し感じが、円丈が昔、作った「振り返れば」とテーマが似てる。

 でもなかなか良く出来た作品で、よかった。これからもこう言う本格新作みたいなネタも作り続けて欲しい。いやいや、よかった。

◎今回、お客さん的には盛り上がったが、ネタ的に言えば何時もより、チョイ低い。

第12円丈らくご塾・・・「大川はなちゃんの聴きました・10」・・15年5月24日】

~~今年最初の円丈らくご塾です。今年も宜しくお願いしま~~す。

1.古今亭今いちさん 「同窓会」 

 小学6年生のときの同級生山本君に呼び出され、相談を受けた白井君。
山本君は、当時好きだった渡辺さんの日記帳をつい、盗ってしまい、
それを20年間持ち続けていたという。山本君は日記帳を渡辺さんに返し、
あることを告げようとするのですが・・・

 以前「落語会にゅ」で聞いた噺ですが、久しぶりだったからか、
新鮮な気持ちで聞けました。
古典的な手法が使われていますが、よくまとまっています。

2.林家けい木さん 「少年G」

 風邪で学校を休み、念のためもう一日休んだものの、
退屈で困っている彼は、あこがれの女の子が見舞いにきてくれないかな
と思っていると、本当に彼女がやってきます。
文化祭の実行委員長をしている彼は、オープニングの曲が入っている
USBを渡したつもりが、別のとんでもないUSBを渡してしまい・・・

 ふう丈さんに続き、学園物、ただし昔を振り返るのではなく、現在進行形で
す。
下ネタも多分に入っているのですが、そこが噺のポイントになっているので、
これは外せないと思います。

 途中から「紙入れ」のようになってくるのですが
あこがれの女子の懐の深さで、後味よく仕上がっています。

3.桂夏丸さん 「増位山物語」

 羽光さんの到着が遅れているとのことで、順番が変更になりました。

 大関増位山の噺ですが、途中色々な豆知識も織り込んだ、
夏丸さんらしい一席です。
得意の歌は今日は二節のみでしたが、
噺のバランスを考えてのことでしょう。
できれば、もう少し聞きたかったです。

4.夢月亭清麿師匠 「もてたい」

 枕で、師匠の趣味の話をされましたが、プロレスに映画にカーリング、高飛
び込みと、
多趣味で、しかも各々につき、たくさん知識をお持ちの清麿師匠。
一度、落語を離れて、映画の話などを伺ってみたいと思います。

 噺は、以前落語協会の新作台本コンクールで受賞した作品(「もてたい」)。

定年退職を控え、父はある決意を息子に語る。それは、整形してもてたい、
という夢だった。

 この噺で素敵なところは、奥さんの「あんたの顔は、味があるわよ。
いまだに飽きないわ」というところだと思います。
さげも、奥さんからの思いやり、と思えるので、
この夫婦が定年後も仲良く暮らしていきそうな感じがして、幸せな気持ちに
なります。

5.三遊亭粋歌さん 「卒業」

 ある日、松本さんという女性の前に、長野さんという男性が現れる。
初対面なのに、なぜか彼女の名前を知る長野さんは、
ほかにも彼女の色々なことを知っていて…

 扱いによっては深刻な話にもなりかねない題材を
うまく落語に仕上げてあります。
こういう場合、男が女を密かに見守りながら恋している、
というパターンが多いのですが、
粋歌さんらしく、ちょっと苦味のある大人の味です。
 粋歌さんの噺のヒロインは、たいてい、あまり幸せではないのですが、
松本さんは、真面目な人のようですし、幸せになってほしいと思います。

6.三遊亭円丈師匠  「リクエスト・ブック」

 久しぶりにリクエスト・ブックを。
リクエストのみならず、「なくなったものベスト100」
「名古屋アンケート」「落語アンケート」も聞けました。

 時間の都合もあったかと思いますが、「落語アンケート」はもう少し聞きた
かったです。
また、リクエスト・ブックのページのリクエストが、なかなか面白く、
特に最後はうまくしまりました。時にはこういうのもいいですね。

7.笑福亭羽光さん

 羽光さんの私小説落語に、SF的な要素を織り交ぜた噺。
15歳の自分が未来の自分に宛てて書いた手紙を今の自分が見つけて読み、
返事を書いてみたところ、時空が捩じれて15歳の自分に届いてしまい…

 羽光さんのお母さんに対する思いがしみじみと感じられる、佳作だと思います。
過去は変えられないのですが、未来の自分が過去の自分に大切なことを知ら
せることで、
お母さんを喜ばせることができたのでした。
関西弁だからか、しめっぽくならず、明るく、からりとしています。

今年も、いい噺をたくさん聞きたいと思います。
次回も楽しみです。

第11円丈らくご塾・・・「大川はなちゃんの聴きました・10」・・15年1月25日】

~~今年最初の円丈らくご塾です。今年も宜しくお願いしま~~す。

1.三遊亭ふう丈さん 「同窓会」 

 小学6年生のときの同級生山本君に呼び出され、相談を受けた白井君。
山本君は、当時好きだった渡辺さんの日記帳をつい、盗ってしまい、
それを20年間持ち続けていたという。山本君は日記帳を渡辺さんに返し、
あることを告げようとするのですが・・・

 以前「落語会にゅ」で聞いた噺ですが、久しぶりだったからか、
新鮮な気持ちで聞けました。
古典的な手法が使われていますが、よくまとまっています。

2.林家けい木さん 「少年G」

 風邪で学校を休み、念のためもう一日休んだものの、
退屈で困っている彼は、あこがれの女の子が見舞いにきてくれないかな
と思っていると、本当に彼女がやってきます。
文化祭の実行委員長をしている彼は、オープニングの曲が入っている
USBを渡したつもりが、別のとんでもないUSBを渡してしまい・・・

 ふう丈さんに続き、学園物、ただし昔を振り返るのではなく、現在進行形で
す。
下ネタも多分に入っているのですが、そこが噺のポイントになっているので、
これは外せないと思います。

 途中から「紙入れ」のようになってくるのですが
あこがれの女子の懐の深さで、後味よく仕上がっています。

3.桂夏丸さん 「増位山物語」

 羽光さんの到着が遅れているとのことで、順番が変更になりました。

 大関増位山の噺ですが、途中色々な豆知識も織り込んだ、
夏丸さんらしい一席です。
得意の歌は今日は二節のみでしたが、
噺のバランスを考えてのことでしょう。
できれば、もう少し聞きたかったです。

 4.夢月亭清麿師匠 「もてたい」

 枕で、師匠の趣味の話をされましたが、プロレスに映画にカーリング、高飛
び込みと、
多趣味で、しかも各々につき、たくさん知識をお持ちの清麿師匠。
一度、落語を離れて、映画の話などを伺ってみたいと思います。

 噺は、以前落語協会の新作台本コンクールで受賞した作品(「もてたい」)。

定年退職を控え、父はある決意を息子に語る。それは、整形してもてたい、
という夢だった。

 この噺で素敵なところは、奥さんの「あんたの顔は、味があるわよ。
いまだに飽きないわ」というところだと思います。
さげも、奥さんからの思いやり、と思えるので、
この夫婦が定年後も仲良く暮らしていきそうな感じがして、幸せな気持ちに
なります。

5.三遊亭粋歌さん 「卒業」

 ある日、松本さんという女性の前に、長野さんという男性が現れる。
初対面なのに、なぜか彼女の名前を知る長野さんは、
ほかにも彼女の色々なことを知っていて…

 扱いによっては深刻な話にもなりかねない題材を
うまく落語に仕上げてあります。
こういう場合、男が女を密かに見守りながら恋している、
というパターンが多いのですが、
粋歌さんらしく、ちょっと苦味のある大人の味です。
 粋歌さんの噺のヒロインは、たいてい、あまり幸せではないのですが、
松本さんは、真面目な人のようですし、幸せになってほしいと思います。

6.三遊亭円丈師匠  「リクエスト・ブック」

 久しぶりにリクエスト・ブックを。
リクエストのみならず、「なくなったものベスト100」
「名古屋アンケート」「落語アンケート」も聞けました。

 時間の都合もあったかと思いますが、「落語アンケート」はもう少し聞きた
かったです。
また、リクエスト・ブックのページのリクエストが、なかなか面白く、
特に最後はうまくしまりました。時にはこういうのもいいですね。

7.笑福亭羽光さん

 羽光さんの私小説落語に、SF的な要素を織り交ぜた噺。
15歳の自分が未来の自分に宛てて書いた手紙を今の自分が見つけて読み、
返事を書いてみたところ、時空が捩じれて15歳の自分に届いてしまい…

 羽光さんのお母さんに対する思いがしみじみと感じられる、佳作だと思います。
過去は変えられないのですが、未来の自分が過去の自分に大切なことを知ら
せることで、
お母さんを喜ばせることができたのでした。
関西弁だからか、しめっぽくならず、明るく、からりとしています。

 今年も、いい噺をたくさん聞きたいと思います。
次回も楽しみです。

らくご塾第10回14年10月26日(日)・・急きょ会場が変更したが・・下高井戸徒歩5分・松原三・四丁目会館】

<君は何人、】芸人が分かるか?・・答えは下に・・>
【画像:10回のメンバー左から、喜太郎、鯉八、円丈、A太郎、たん丈、清麿、花いち】

10回の出演者

<第10回・・円丈らくご塾:6月28日17:00開演>

今回は急きょ会場が変わったから客と演者が、道でばったり、地図と睨めッこで会館探し!珍しい会だね

前節・・みんなでワイワイ
昔昔亭喜太郎・・・・・「ままごと」
柳家花いち・・・・・・「かわいい指南」
三遊亭たん丈・・・・・「なまはげ相談」
ゲスト夢月亭清麿・・・「やさしさだが怖かった」
瀧川鯉八・・・・・・・・・・「俺ほめ」
仲入り
塾長三遊亭円丈・・・・「噺家と万歩計」
昔昔亭A太郎・・「ウサギとカメとアリとキリギリス」


<塾長円丈のワン・コメント・じっくり聴くと辛口になる~~っ>

昔昔亭喜太郎・・・・・「ままごと」
 ままごとで、恋愛ごっこになるが、いいねえ!!どんどん作って・
柳家花いち・・・・・・「かわいい指南」
 喜太郎くんと少しネタが被った。古典落語で恋愛モノでネタが被ると言うのはないけど、恋愛指南でのカマっぽい先生のとこにいく。しかしこのカマっぽいきゃらがどうだったんだろうね?う~~ん。
三遊亭たん丈・・・・・「なまはげ相談」
「ネタ的には、完成度は、まだまだだけど、たん丈的には良く作ったといったが、・・・いやいや、そんなんじゃダメ。たん丈キャラ歯いじられておもしろい。でも落語は、いじる者がいない。さあ、どうする。
夢月亭清麿・・・「やさしさだが怖かった」
 いやいや、マクラから、客を手玉にとって、本題に入っても最後まで、うけてた!エライ!
瀧川鯉八・・・・・・・・・・「俺ほめ」
 「俺ほめ」と言うと「子ほめ」を思い出すが、中身は、「俺をドンドン褒めてくれ、うまく褒めたら金平糖を上げるからという。古典の『うん回し』に近い。
 これが、あの鯉八独特の感じで演じるから、かなり強烈な感じがする。お客さんは笑っていた。面白いって言えば面白いけど、何をやっても鯉八ワールドになる。いいちゃいいけど、一度は鯉八ワールドをぶっこわして、もっと大きな芸人になって欲しいな。このママ行くと、ドカンと壁にぶち当たりそうな感じがするからね。でもまあ、このキャラでドカンかもしれないし・・むずかしいね!
塾長三遊亭円丈・・・・・「噺家と万歩計」 
 このネタは、覚え込んだら、寄席なんかでド~~ンとうけそう・・まだ口慣れない・・まあ、なんとか、うけた。
トリ昔昔亭A太郎・・・・・「ウサギとカメとアリとキリギリス」
ウサギとカメの噺にアリとキリギリスのキリギリスが、出て来て登場人物が、増えたことで、テーマがあいまいになって来た感じがする。
 なかなかオシャレな噺の組み立てだが・・・、残念なのは、ギャグがなく淡々とはなしが進むとこ・・。昔のジャンジャンでやった「実験落語」のような感じだったかね。でもなかなかの意欲作だね。

◎今回、お客さん的には盛り上がったが、ネタ的に言えば何時もより、チョイ低い。

第10円丈らくご塾・・・「大川はなちゃんの聴きました・10」・・14年10月26日】

~~はなちゃんのイントロ~~

久しぶりに松一会館で円丈らくご塾に参加することができ、やはり、ここはいいなあ、と思いました。 他の会場も、それぞれにいいのですが、 馴染んだのか、松一会館に来ると、落ち着きます。

 

1.昔昔亭喜太郎さん

 初めて拝見しました。明るくて、口調もはっきりしているし、とても聞きやすい高座です。現代のままごとがリアルだ、という枕から、始まります。
姉さんの娘のお守りをすることになった青年が、姪っ子に付き合ってお見合いから始めるのですが…
大人の事情と子供のままごとの対比が笑えます。子供は、意味がわからないまま、すごいことを言ったりするので、どきりとすることがありますね。

2.柳家花いちさん

 今回で二度目ですが、今日は少し出だしを抑えめにしていました。初めに声を落とすと、お客さんも、何だろうと思って耳をそばだてるので、効果的ですね。
勉強ばかりしてきた21歳の女子学生が、卒業を控え、片思いしている同級生を振り向かせたくて、かわいい の指南所へ…
おかま風の師範代のキャラクターが面白いです。また、終盤の師弟二人の会話には、しみじみしつつ、サゲではクスリと笑いが出る、いい噺だと思います。

3.三遊亭たん丈さん

なまはげ小噺を、一つの噺に仕立てたもの。絶滅危惧の「なまはげ」が各家庭を訪ねて歩くが、少子化で、どこも子供がいない。
最後に訪ねた教会で、人の相談にのることになり…枕で、絶滅危惧種の説明をしていましたが、いくつもの絶滅危惧種の動物を列挙していて、並列になっています。
これらを、どうつなげて、どんな落ちにするのか、考えながら聞いていましたが、結局まとまらないまま噺に入ってしまいました。これなら、もう少し短くした方がいいと思います。サゲも、意味はわかるのですが、今一つピンと来なくて、工夫の余地は、たくさんあると思います。

4.夢月亭清麿師匠

 以前一度聞いた、学校の先生と生徒の恋愛(?)の噺。噺が進むにつれて、生徒の境遇が明らかになっていき、また、この先生がどんな人か、も判明していきます。二人の会話だけで、徐々に情景が浮かび上がるのも落語ならではのものでしょう。最後に少しだけ出てくる校長先生もお茶目です。
この噺は学校寄席では絶対にできないと思いますが、たとえば教員だけの会合でこれをやったら、どんな反応が返ってくるのでしょうか。恐ろしいような、聞いてみたいような気がします。

5.瀧川鯉八さん

 まあちゃん(多分小学生)は、今日も夕暮れ時に仲間を集めて、自分を褒めてもらい、いいことを言った子には金平糖をあげている。鯉八さんの噺は、時間や場所がほとんど特定されず、登場人物の年齢等も、あまりよくわからないので、昔話のような感じがします。
加えて独特の語り口が、日本語で話しているのに、日本ではないような感じを醸し出します。特に、ロシアの民話を聞いているような感じがするのです。なぜかはよくわかりませんが。

6.三遊亭円丈師匠 「噺家と万歩計」

 ほとんど歩かない師匠に代わって、万歩計をつけて歩く弟子の一番丈と二番丈。
二人の競争はエスカレートしていき…他の人が代りに万歩計を着ける、という発想が面白いです。そして、説明書に、「効果がない」とは書いていないから、効果はある、という論理(?)展開には、何でも説明書に書く、アメリカのPL法に対する皮肉のような感じもします。
日本でも同じような法律ができ、説明書が長くなっていますが、こうして、つきあたりまで説明することで、人の思考能力や、洞察力が衰えていくのかもしれないと思うと、空恐ろしい気がします。

7.昔昔亭A太郎さん

亀と競争して途中で眠ってしまったウサギが、奥さんに責められて、何とか再試合にこぎつけるのですが…
 アリとキリギリスのキリギリスも途中から出演し、助太刀しようとしたり、有名な物語を、もう一つの物語に仕上げています。最後は、あの有名な古典と同じようにして下げていて、落語好きも、初めて落語を聞いた人も、ともに楽しめる作品に仕上がっています。

◎以上です!!

らくご塾第9回14年6月28日(土)・・急きょ会場が変更したが・・下高井戸徒歩5分・松原三・四丁目会館】

<君は何人、】芸人が分かるか?・・答えは下に・・>

出演者全員にポーズ  【画像:打ち上げ後の記念写真、左から馬桜、志ん八、天どん、円丈、夏丸、羽光、わん丈、清麿、昇羊】

<第9回・・円丈らくご塾:6月28日17:00開演>

今回は急きょ会場が変わったから客と演者が、道でばったり、地図と睨めッこで会館探し!珍しい会だね

前節・・みんなでワイワイ
春風亭昇羊さん・・・・・「犬が猿と雉に・・」)
笑福亭羽光さん・・・・・・・「文化系クラブ紹介」
桂夏丸さん・・・・・・・・・・「橘ノ円物語」
ゲスト三遊亭天どん・・「ともびき寄席」
仲入り
三遊亭わん丈・・・・・・・「自殺屋さん」
塾長三遊亭円丈・・・・・「聖なる我が家」作杉山聡 
トリ古今亭志ん八・・・・「犯人は府中にいる」

<塾長円丈のワン・コメント・今回は辛口だよ~~っ>

春風亭昇羊さん・・・・・「犬が猿と雉に・・」
 途中から聞いたので・・・・なんだけど・・・悪くはない!
笑福亭羽光さん・・・・・・・「文化系クラブ紹介」
 相変わらず手堅いネタ、今まで出たネタの中では一番手堅い!正直、手堅すぎる・・もう少し、未知のモノが欲しい気もする。でもプロだね。
桂夏丸さん・・・・・・・・・・「橘ノ圓(まどか)物語」
今回は、つい最近、亡くなられた圓師の漫談、亡くなる数時間前まで、酒を飲んでいたと言う・・。昔は大ぼら吹きで有名だった師匠。他のネタも聞きたかった気もするね。
三遊亭天どん・・「ともびき寄席」
 今日の中では一番受けてた、セレモニーホールの友引は、誰もいやがって借りないので従業員たちで、友引寄席をしてた・・・。お客さんは喜んでいたけど、師匠の私は、もっと天どんギャグが際立つような鋭い噺を聞きたかったね。
三遊亭わん丈・・・・・・・「自殺屋さん」
 この日、前座がいなくて、わん丈は、他から急いで来た。しかも電車が遅れ、上がったのが、仲入り後だぜ。
 しかし、いくら遅れたって、前座が仲入り後に上がったんじゃ、ダメだろ?えっ、ネタの方は?うけてたよ。そのやったネタが、やや下ネタだぜ。前座が大幅に遅れて。しかもやったのがやや下ネタって、そりゃWダメだろ?塾長は、今回のわん丈にバツ!違うよ!
塾長三遊亭円丈・・・・・「聖なる我が家」作杉山聡 
 まあ、なんとか、うけた。
トリ古今亭志ん八・・・・「犯人は府中にいる」
 「どんな話も1回百円」で聞いてくれる男に色んな人がやってきて、ぼやいて行く。実はその最初からぼやいた連中は、あの府中の三億円の犯人の家族だったと言う・・・ことが、噺を聞いて分かって来る。
 なかなかオシャレな噺の組み立てだが・・・、残念なのは、ギャグがなく淡々とはなしが進むとこ・・。昔のジャンジャンでやった「実験落語」のような感じだったかね。でもなかなかの意欲作だね。

◎今回、お客さん的には盛り上がったが、ネタ的に言えば何時もより、チョイ低い。

第8円丈らくご塾・・・「大川はなちゃんの聴きました・8」・・14年6月23日:17時開演

~~はなちゃんのイントロ~~

大川 はな です。今回は、会場がいつものところと違ったので、地図を用意して行きました。たどり着けるか心配でしたが他のお客さん方が行かれるのに着いていったので、大丈夫でした。会場に着いたら、撮影をしている方がいて、円丈師匠のドキュメンタリーを撮っている方でした。

1.春風亭昇羊さん・「犬が猿と雉に・・」
桃太郎の家来達の間で起こる、軽い仲間割れ。雉を気に入らない犬が猿に愚痴るのですが、そこへ雉が家来をやめたいと言い出して…どこの世界にもある内輪の話を桃太郎の家来に置き換えたのですが、前座さん達も、師匠方との間だけでなく、いろいろ大変だな、と思いますそれぞれの動物の特性が出ていて面白かったですし、これからもいろいろな噺を作ってほしいと思います。
2.笑福亭羽光さん・・・「文化系クラブ紹介」
関西弁の明るい語り口で場を和ませてくれるうえ、噺に安定感がある方だと思いました。今回は、学校のクラブ紹介(文化部)を題材にしているのですが、噺が入れ子になっていて、この噺はどう着地するのか、最後までどきどきしました。いわゆる並列の噺ですが、飽きさせません。>
3.桂夏丸さん・・「橘ノ圓(まどか)物語」
先月亡くなった、橘ノ円師匠の思い出話。枕からの流れも自然で、師匠の人柄が偲ばれる、絶妙な話題選びでした。途中の歌も、あいかわらずいい声で、聞きほれてしまいました。以前出演されたときも、今回も、地噺でしたので、違うタイプの噺も聞いてみたいと思います。
 4.三遊亭天どん師匠・・「ともびき寄席」
素人の落語を題材にした噺。ある日近所を散歩していると、「友引寄席」の看板が。会場はセレモニーホール。何気なく入ってみると、葬儀社の社員達の落語会。これがとんでもない代物で…昔、アマチュア演奏家のピアノ発表会に行ったことがあります。入場料2000円でした。演奏者は大人ばかりです。率直に言って、入ったことを後悔しました。一人当たりの時間制限があるはずなのに、皆平気で長くやるし、そもそもきちんと弾けていない人もいるし、これでお金をとるのはあんまりだ、お金をもらっても聞きたくない、とさえ思いました。一番の問題は、たぶんその人達の誰一人として観客を楽しませる気持ちがなく、自己満足で弾いていたことのように思います。やはりプロはすごい、としみじみ思いました。この噺を聞いて、つい余計なことを思い出しましたが、私は天狗連の会には行ったことがないので、どんな高座かはわかりません。でも、きっと落語を演じる人たちは、素人であってもお客さんを楽しませるという気持ちを持った人たちだと思います。落語は本来楽しい物語です。
5・三遊亭わん丈さん・・「自殺屋さん」
他の仕事でどうしても開演に間に合わず、食いつきにあがることになってしまったという説明がありました。事情を聞くと、なるほどこれでは仕方がないと思います。今日の噺は、以前落語会にゅで演じた「自殺やさん」を少し改変したものでした。無理に下ネタを入れなくても面白い噺なのに、と思いながら聞いていましたが、帯をほどいて鞭の代りに使うのですが、下締めをしないのは、あえてなのかな、終盤でSM的なところが出てくるので、そのための布石ということでしょうか。高座を降りるのが大変そうだな、と思いました。
6・三遊亭円丈師匠・・「聖なる我が家」作杉山聡
「聖なる我が家」ですが、ちょうど今、ノアの方舟が映画化されて公開中ですので、その意味でタイムリーかなと思います。師匠は、今日は特にお元気で、力強い高座でした。少しぐらい忘れているところがあっても、勢いがあると、お客さんも流れに乗りやすいとおもいます。テレビ局の方々が、落語会の様子も撮影していましたが、師匠の高座は当然、初めから終いまで撮影していたようです。特に、師匠がカンペに目を落とすと、すかさずカメラを下げて、手ぬぐいを映していました。枕で言っておられた、「寄席沈没」も、いつか聞いてみたいです。
7.古今亭志ん八さん・・「犯人は府中にいる」
府中の街角で、1回100円で話を聞いてくれる男性のもとへ、お客さん達がやってくる。会社の余興で小話をやる人、誕生日を祝ってくれない夫の愚痴を言う70歳の女性、そして女房が誕生日プレゼントを欲しがる、とこぼす男性が来るのですが、聞き上手を前に、途方もない秘密を明かしてしまう…話を聞いていくうちに、隠れていた事柄が明らかになっていき、そして聞き上手な男性の素性も意外なものであることが判明します。これからこの回もが盛況で続きますように・・。

第8円丈らくご塾・・・「大川はなちゃんの聴きました・8」・・14年6月23日:17時開演

~~はなちゃんのイントロ~~

大川 はな です。今回は、会場がいつものところと違ったので、地図を用意して行きました。たどり着けるか心配でしたが他のお客さん方が行かれるのに着いていったので、大丈夫でした。会場に着いたら、撮影をしている方がいて、円丈師匠のドキュメンタリーを撮っている方でした。

1.春風亭昇羊さん・「犬が猿と雉に・・」
桃太郎の家来達の間で起こる、軽い仲間割れ。雉を気に入らない犬が猿に愚痴るのですが、そこへ雉が家来をやめたいと言い出して…どこの世界にもある内輪の話を桃太郎の家来に置き換えたのですが、前座さん達も、師匠方との間だけでなく、いろいろ大変だな、と思いますそれぞれの動物の特性が出ていて面白かったですし、これからもいろいろな噺を作ってほしいと思います。
2.笑福亭羽光さん・・・「文化系クラブ紹介」
関西弁の明るい語り口で場を和ませてくれるうえ、噺に安定感がある方だと思いました。今回は、学校のクラブ紹介(文化部)を題材にしているのですが、噺が入れ子になっていて、この噺はどう着地するのか、最後までどきどきしました。いわゆる並列の噺ですが、飽きさせません。
3.桂夏丸さん・・「橘ノ圓(まどか)物語」
先月亡くなった、橘ノ円師匠の思い出話。枕からの流れも自然で、師匠の人柄が偲ばれる、絶妙な話題選びでした。途中の歌も、あいかわらずいい声で、聞きほれてしまいました。以前出演されたときも、今回も、地噺でしたので、違うタイプの噺も聞いてみたいと思います。
4.三遊亭天どん師匠・・「ともびき寄席」
素人の落語を題材にした噺。ある日近所を散歩していると、「友引寄席」の看板が。会場はセレモニーホール。何気なく入ってみると、葬儀社の社員達の落語会。これがとんでもない代物で…昔、アマチュア演奏家のピアノ発表会に行ったことがあります。入場料2000円でした。演奏者は大人ばかりです。率直に言って、入ったことを後悔しました。一人当たりの時間制限があるはずなのに、皆平気で長くやるし、そもそもきちんと弾けていない人もいるし、これでお金をとるのはあんまりだ、お金をもらっても聞きたくない、とさえ思いました。一番の問題は、たぶんその人達の誰一人として観客を楽しませる気持ちがなく、自己満足で弾いていたことのように思います。やはりプロはすごい、としみじみ思いました。この噺を聞いて、つい余計なことを思い出しましたが、私は天狗連の会には行ったことがないので、どんな高座かはわかりません。でも、きっと落語を演じる人たちは、素人であってもお客さんを楽しませるという気持ちを持った人たちだと思います。落語は本来楽しい物語です。
5・三遊亭わん丈さん・・「自殺屋さん」
他の仕事でどうしても開演に間に合わず、食いつきにあがることになってしまったという説明がありました。事情を聞くと、なるほどこれでは仕方がないと思います。今日の噺は、以前落語会にゅで演じた「自殺やさん」を少し改変したものでした。無理に下ネタを入れなくても面白い噺なのに、と思いながら聞いていましたが、帯をほどいて鞭の代りに使うのですが、下締めをしないのは、あえてなのかな、終盤でSM的なところが出てくるので、そのための布石ということでしょうか。高座を降りるのが大変そうだな、と思いました。
6・三遊亭円丈師匠・・「聖なる我が家」作杉山聡
「聖なる我が家」ですが、ちょうど今、ノアの方舟が映画化されて公開中ですので、その意味でタイムリーかなと思います。師匠は、今日は特にお元気で、力強い高座でした。少しぐらい忘れているところがあっても、勢いがあると、お客さんも流れに乗りやすいとおもいます。テレビ局の方々が、落語会の様子も撮影していましたが、師匠の高座は当然、初めから終いまで撮影していたようです。特に、師匠がカンペに目を落とすと、すかさずカメラを下げて、手ぬぐいを映していました。枕で言っておられた、「寄席沈没」も、いつか聞いてみたいです。
7.古今亭志ん八さん・・「犯人は府中にいる」
府中の街角で、1回100円で話を聞いてくれる男性のもとへ、お客さん達がやってくる。会社の余興で小話をやる人、誕生日を祝ってくれない夫の愚痴を言う70歳の女性、そして女房が誕生日プレゼントを欲しがる、とこぼす男性が来るのですが、聞き上手を前に、途方もない秘密を明かしてしまう…話を聞いていくうちに、隠れていた事柄が明らかになっていき、そして聞き上手な男性の素性も意外なものであることが判明します。これからこの回もが盛況で続きますように・・。

らくご塾8回14年3月23日(日)・・盛り上がったよ。明大前徒歩・・10分松一会館】

らくご塾も回を重ねて、円丈らくご塾,第8回3月23日(日):夜

らくご塾出清麿師とワンショット<第8回・・円丈らくご塾:3月23日17:00開演>

前節・・みんなでワイワイ
古今亭今いち・・・・「スキー天国」
三遊亭わん丈・・・・「ごりら穴」
三遊亭玉々丈・・・・「ニワトリ」
ゲスト夢月亭清麿・・「時の過ぎゆくままに」
仲トリ柳家かゑる・・「小三治とかまぼこ」

   仲 入 り

塾長三遊亭円丈・・「東京足立伝説」 
トリ古今亭駒次・・・「公園のひかり号」

<終ってからいつもの反省会・・>




第8円丈らくご塾・・・「大川はなちゃんの聴きました・7」・・14年3月23日:17時開演

~~はなちゃんのイントロ~~

路肩に雪が残る状態で、電車は時間通り動いているか、
路面は滑らないか、心配しながら伺いました。
連休3日目で、生落語連続3日目ですが、元気にお伝え致します。

 1・古今亭 今いち さん・・・「スキー天国」
新作を作って人前で かけるのは初めてという今いちさん。
 この会も初めてです。今輔師匠のお弟子さんです。女子大生えいこにお熱の主人公は、友達と、もう一人引き立て役の にぶお、そしてえいこを含む女子大生3人とともにスキー旅行へ。
 田舎者の にぶお の力を借りて、えいこの心をつかもうとするが・・・。
 とても初めて作ったとは思えないほどの完成度でした。仕込みもサゲもちゃんとしているし、登場人物も光っています。この作品の背景はバブル時代かとも思われますが、時代が変わっても変わらない人の心が描かれています。
2・三遊亭 わん丈 さん・・・「ごりら穴」
以前出演した際、女性のお客様から、もっと下ネタを出してもいいのでは、とのアドバイスを受けて作った作品とのことです。
  今後この作品が高座にかけられるかはわかりませんが、 ピンクの白鳥あたりでなら、かけられるかもしれません。 リアリズムをどこまで出すか、というのは難しい問題だと再認識しました。
3・三遊亭 めぐろ(当時・玉々丈)さん・・・「ニワトリ」
弟弟子を擁護しつつ、以前にもかけた「ニワトリ」を。
「鶏の恩返し」としてもいいような、ほのぼのとした噺です。
回を重ねる毎に、手の内に入っていくように思います。
会場の空気も和やかになりました。
4・夢月亭 清麿 師匠・・・「時の過ぎゆくままに」
枕で、ご自身の体調について触れたのち、 鉄板ネタの「時の過ぎゆくままに」 以前にも、この会で聞きましたし、寄席でも良く聞きますが、何度聞いても笑えます。
 主人公の「バーボン! オンザロック 」が微妙に変化していくところなど、
「禁酒番屋」の番人が、あるいは「らくだ」の屑屋が 酔って変化していくときのようで、 細かなところまで楽しめます。
5・柳家 かゑる さん・・「」小三治とかまぼこ」
ご自身の前座体験と、後半は声帯模写を。 かゑるさんが「いっぽん」だった頃、
よく古典の会の前座として高座にあがっていたのを拝見しました。大きな体で、声を張り上げて、満員の会場を沸かせていました。
  久しぶりに拝見しましたが、元気の良さに人をそらさない力が加わって、これからますます楽しみです。特に馬風師匠と南喬師匠の物まねが秀逸でした。 この次は、かゑるさんの作った新作(漫談風のでないもの)を聞いてみたいです。
6・三遊亭 円丈 師匠・・以前に1度だけ聞いた「東京足立伝説」
師匠は、あまり受けないからやらない、とおっしゃっていましたが、このような、天地創造物語のような噺は、人の心に訴えかける力を持っていると思います。
 世界中に天地創造の物語があるのは、人の心の奥底に、自分の、ひいては世界のルーツを知りたいという欲求があるからではないでしょうか。
  今の長さでも面白いですが、いろいろな天地創造伝説を盛り込んだ長講にしてみても、聞きごたえのある作品に、なりそうな気がします。
7・古今亭 駒次 さん・・「公園のひかり号」
インフルエンザから回復して最初の仕事だそうです。
池袋下席を休んでおられたので、心配でしたが、元気になられて良かったです。
  作品は、本にもなっている「公園のひかり号」 車掌さんと奥さんの夫婦の情愛、少年よしお君と車掌さんの心の交流が自然に描かれており、終盤では、つい泣いてしまいます。 美しい幕切れに、清々しい心持になりました。
 今回は、たくさんのお客様がおいでになり、特に初めての方が多かったようで、今後益々この会が発展していくことを祈っております。次回も楽しみです。

画像:この日のネタとアンケートを持って、円丈、清麿でハイ、チーズ】

第8円丈らくご塾・・・「大川はなちゃんの聴きました・6」・・14年3月23日:17時開演

~~はなちゃんのイントロ~~

路肩に雪が残る状態で、電車は時間通り動いているか、
 路面は滑らないか、心配しながら伺いました。
 連休3日目で、生落語連続3日目ですが、元気にお伝え致します。

 1・古今亭 今いち さん・・・「スキー天国」
新作を作って人前で かけるのは初めてという今いちさん。
 この会も初めてです。今輔師匠のお弟子さんです。女子大生えいこにお熱の主人公は、友達と、もう一人引き立て役の にぶお、そしてえいこを含む女子大生3人とともにスキー旅行へ。
 田舎者の にぶお の力を借りて、えいこの心をつかもうとするが・・・。
 とても初めて作ったとは思えないほどの完成度でした。仕込みもサゲもちゃんとしているし、登場人物も光っています。この作品の背景はバブル時代かとも思われますが、時代が変わっても変わらない人の心が描かれています。
2・三遊亭 わん丈 さん・・・「ごりら穴」
以前出演した際、女性のお客様から、もっと下ネタを出してもいいのでは、とのアドバイスを受けて作った作品とのことです。
  今後この作品が高座にかけられるかはわかりませんが、 ピンクの白鳥あたりでなら、かけられるかもしれません。 リアリズムをどこまで出すか、というのは難しい問題だと再認識しました。
3・三遊亭 めぐろ(当時・玉々丈)さん・・・「ニワトリ」
弟弟子を擁護しつつ、以前にもかけた「ニワトリ」を。
「鶏の恩返し」としてもいいような、ほのぼのとした噺です。
回を重ねる毎に、手の内に入っていくように思います。
会場の空気も和やかになりました。
4・夢月亭 清麿 師匠・・・「時の過ぎゆくままに」
枕で、ご自身の体調について触れたのち、 鉄板ネタの「時の過ぎゆくままに」 以前にも、この会で聞きましたし、寄席でも良く聞きますが、何度聞いても笑えます。
 主人公の「バーボン! オンザロック 」が微妙に変化していくところなど、
「禁酒番屋」の番人が、あるいは「らくだ」の屑屋が 酔って変化していくときのようで、 細かなところまで楽しめます。
5・柳家 かゑる さん・・「小三治とかまぼこ」
ご自身の前座体験と、後半は声帯模写を。 かゑるさんが「いっぽん」だった頃、
よく古典の会の前座として高座にあがっていたのを拝見しました。大きな体で、声を張り上げて、満員の会場を沸かせていました。
  久しぶりに拝見しましたが、元気の良さに人をそらさない力が加わって、これからますます楽しみです。特に馬風師匠と南喬師匠の物まねが秀逸でした。 この次は、かゑるさんの作った新作(漫談風のでないもの)を聞いてみたいです。
6・三遊亭 円丈 師匠・・以前に1度だけ聞いた「東京足立伝説」
師匠は、あまり受けないからやらない、とおっしゃっていましたが、このような、天地創造物語のような噺は、人の心に訴えかける力を持っていると思います。
 世界中に天地創造の物語があるのは、人の心の奥底に、自分の、ひいては世界のルーツを知りたいという欲求があるからではないでしょうか。
  今の長さでも面白いですが、いろいろな天地創造伝説を盛り込んだ長講にしてみても、聞きごたえのある作品に、なりそうな気がします。
7・古今亭 駒次 さん・・「公園のひかり号」
インフルエンザから回復して最初の仕事だそうです。
池袋下席を休んでおられたので、心配でしたが、元気になられて良かったです。
  作品は、本にもなっている「公園のひかり号」 車掌さんと奥さんの夫婦の情愛、少年よしお君と車掌さんの心の交流が自然に描かれており、終盤では、つい泣いてしまいます。 美しい幕切れに、清々しい心持になりました。
 今回は、たくさんのお客様がおいでになり、特に初めての方が多かったようで、今後益々この会が発展していくことを祈っております。次回も楽しみです。

落語会の会場への地図京王線明大前から徒歩5分

<打ち上げ券・・・500円>
・終演後30分、缶ビール、チュウハイ、ウーロン茶で乾杯一人2枚まで!終演後、直ちに会場で打ち上げ

<前座、二つ目は時間制限>
前 座10分:二つ目15分
トリ、仲入り:ゲストは20分

<メール予約>
住所、氏名、人数、打ち上げ券の有無、枚数を・・。

enjojuku@yahoo.co.jp
<電話予約>
10~20時:時間厳守
090-8723-1524(担当鈴木)
・・打ち上げ券は、仕入れの関係で前以て予約の時

第7回「円丈らくご塾」の塾長便り・14年2月16日:17時開演

この日トリで頑張ったの粋歌クントリで頑張った粋歌くん
 <よかった二人>
今回ッ聴いて、みんなよかったけど、さらに良かったのは。。

 仲入りの昇々くん、そしてトリの粋歌くん、どちらもとてもよかった。

 めでたし、めでたし!
 
美形揃いの昇太一文
仲トリで頑張った個性的な昇々くん

第7回「円丈らくご塾」・・松一会館

平成26年2月16日:17:00開演

<塾長の一言・・今回は、この寒さに負けない強いお客さんだった>
でもお客さんの数は、少ないのは、やはり寒さが影響したのか、お客さんが、なんと12人!でも少なくても数に負けない陽気なお客さんだった!らくご塾は、熱気があった。うん会の自体は熱気御があった。いやよかった。


オープニング・・・・・・・円丈、竹のこ、ふう丈
三遊亭ふう丈・・・・・・「先輩後輩ごっこ」(後輩欲しい男に「先輩」と言う酔っ払いが・・)
桂竹のこ・・・・・・・・・「山下の母」(デートに行く男に占い師のお婆ちゃんが・・・)
桂 翔丸・・・・・・・・・「悋気の幽霊」 (「三年目」みたいな古典ベースのの自作で・・)
瀧川鯉朝・・・・・・・・・「街角のあの子」(鯉朝くんの得意ネタ・・「ペコちゃん物語」だね) 
春風亭昇々・・・・・・・「町医者」(昇々くんの独特のキャラが生きる)
  仲入り
三遊亭円丈・・・・・・・・・「なんばん」(今回は、間違えずに出来た!当り前だろ)
三遊亭粋歌・・・・・・・・「おじいせん」(おじさんが好きなオジセンの上を行くオジイセン)
---------------------------------
【円丈のワン・ポイント】
ふう丈・・今日のこのネタは、先日、円丈の前でやって見せた。テーマも悪くないけど、どうもふう丈は、高座でやると、なぜか、今一つ受けない。どうもギャグを作るより、ストーリィに行っちゃうからじゃないかね。ガンバレ!ふう丈
竹のこ・・・ストーリィは占い師と恋してる男の噺で割とオーソドックスな感じだが、会話の中でのツッコミが、クールなツッコミで、面白い味になってる。これからどう進歩するのか楽しみだ

翔 丸・・・江戸小咄から、持って来て一席作った新作。だから何とかにいろんな古典に感じが似てる気が吸う。これからどう変わって行くかだね。
鯉 朝・・・鯉朝くんのこの噺が好きなんだ。不二家のぺこちゃんが、主人公のお噺話!なかなかおもしろい。まだ聴いてなかったら、一度でひ聴いてちょうだい。ただ一つだけケチを付けると、南千住の日の出町が舞台だけど、あそこには、不二家の建つイメージはない。
翔 々・・・「町医者」と言うタイトルと少し違う気がするが、この翔々のキャラの立て方が、じつに良い。中身は単純に医者と次々に現れる患者のかいわだが、それが一人一人キャラが立ってて、じつにおもしろい。いいね。好きだ。
・・・仲入り・・・
円 丈・・・義理の父さんと一緒に食事をしよう、しかし、世代層があってなかなか決まらない。まあ、そこそこ受けたかね。
粋 歌・・・・「オジイセン」ねらいがピタッとあったね。それにこのオジイセンは、男じゃあまりネタにならない。なかなかいいネタだった。ただ前半にもう少しわらいがあると良かった。


<本日のお客さん・・12名>
今日は、きゃくが少なかったけど、なかなか良かったと思う。

第7回円丈らくご塾」「大川はなちゃんの聴きました・6」・・14年2月16日:17時開演

路肩に雪が残る状態で、電車は時間通り動いているか、
路面は滑らないか、心配しながら伺いました。 
いつも通り世話人さん方の笑顔で迎えていただきました。
温かいお茶をご馳走様でした。

1.三遊亭ふう丈さん

 会社で、いつまでも後輩が入らないため、
 社長に遅くまで酒につきあわされている青年。
 後輩がほしい、後輩がほしいと思っていると、 
 酔っぱらって路上にうずくまっている若い男に人違いされ…

 雪のせいか、テンションがいつもよりさらに高いふう丈さん。
 なんとなく不安になりながら聞いていたら、
 サゲで噛んでしまいました。もったいなかったです。
 噺自体は面白いので、次の機会が楽しみです。

2.桂竹の子さん

 

おばあさん占い師から、今度の大切なデートについて予言された青年。
 占い師の言ったとおりにすればうまくいくと思ったけれど…。
 仕込みの段階で結末がわかるのですが、
 おばあさん占い師のキャラクターが面白く、
 長さも適切で、飽きずに聞けました。

 初めて高座を拝見したのですが、
 愛嬌があって楽しい高座ですので、
 他の噺も聞いてみたいと思います。

3.桂翔丸さん

 江戸時代の小話をもとにした創作。
 自分が死んでも、夫に後添えをもらってほしくないおかみさん。 
 死後、夫が再婚したことを知り、化けて出ようとするが…

 夫の再婚を嫌がるところが「三年目」や
 ラフカディオ・ハーンの「破られた約束」に似ていますが、
 閻魔大王が出てくるあたりが落語らしく楽しいです。

 ふたくちおんな(二口女)は、
 民話で、頭に口のある女が、頭の口からおにぎりをたくさん食べるところを連想させ、
 日本の物語らしい懐かしさを感じます。

4.瀧川鯉朝さん

 大須演芸場や、大阪西成に関する話をしばらくしてから、
 以前にも聞いた「街角のあの子」
 南千住の町に今日も立つペコちゃんと、彼女を取り巻く人々、
 中心となる店長の恋の行方が、何とも温かい、いい噺です。
 どことなくキューピーさんに似た鯉朝さんの風貌にも合っています。
 大須演芸場が高須演芸場になるのか、
 今後の展開から目が離せません。

5.春風亭昇々さん

 

 極度の心配性など、いろいろ変わった患者を診ているお医者さん。
 患者も医者もそれぞれにストレスを溜めていて…
 
 具体的な町名と医院の名前が出てきたり、
 お医者さんが「ストレスが溜まってるな」とつぶやくあたり、
 伏線になっていることが後でわかります。

 中盤くらいまで、並列ネタのような感じもするのですが、
 よく考えて作られている噺だと思います。

6.中入で、鯉朝さんが西成の話をいろいろしてくださいました。

 

本当に、話すのが好きな人なのだと思います。
 こういうおまけは嬉しいですね。

7.三遊亭円丈師匠

 

 最近はまっているドラクエ2のオンライン版の話から、
 箸の持ち方、そして「なんばん」へ。

 熟年世代が持つ外来語に対する違和感、
 頑固者同士がかえってうまくいく等、
 あるある、と思える現象が詰まっています。
 
 この季節に、熱々の鴨南蛮蕎麦はご馳走です。
 新作も、季節感があると、よりいいですね。

8.三遊亭粋歌さん

 ひものような男と別れて落ち込んでいる30代の女性。
 職場の後輩と合コンに出かけることにするが、
 後輩とその友達は、○○専だった…

 粋歌さんの噺は、今を生きている女性の感覚が出ていて、
 共感を得やすく、この人ならではのものと思います。
 そのうえ、ややブラックなところもあり、
 それがスパイスとなって、いい味が出ています。

 

来月の会の頃には、もっと暖かくなっているといいですね。
楽しみです。

第6回円丈らくご塾」の塾長便り・14年1月26日:17時開演

夏丸くんの高座ご第二の川柳か?・・桂夏丸 クールな鯉八くんの高座姿
 純落語なのか・瀧川鯉八
ぬう生の高座姿 十年ぶりのネタをやる
三遊亭ぬう生

第6回「円丈らくご塾」・・松一会館

平成26年1月26日:17:00開演

<塾長の一言・・なんとなく低調・・いや、円丈がダメだった・・>
今回は、まずい!うっかりして出演者全員の落語を録音したつもりが、レコーダー・ボタンを押さないという、馬鹿みたいなことをしちゃった。
それに気がついて、録音し直したのは、小ゑんさんのとこから、最後まで!いやいや、 もう完全に録音してるつもりになっていたのがパー!とにかく簡単にいこう。

オープニング・・・・・・・けい木、しあわせ、円丈
三遊亭しあわせ・・・・・・「嫁発電」
林家けい木・・・・・・・・・「結婚しようよ」
桂 夏 丸・・・・・・・・・・「なつかしのCM」
柳家ゑん・・・・・・・・・「江戸会話教室」 
瀧川鯉八・・・・・・・・・・・「カエル」
   仲入り
三遊亭円丈・・・・・・・・・「帰ってこなかった金さん銀さん」
三遊亭ぬう生・・・・・・・・「おばさんドライバー」
---------------------------------
 【円丈のワン・ポイント】
しあわせ・・部分、部分しか聞けなかった。とにかく嫁で発電すると言うコメントは控える
けい木・・・・本人は、かなり力が入ってけど、ごめん聞けなかった!
夏 丸・・・これは、昔懐かしいCM・ソングネタの漫談、CMソングを歌いながらのネタ、
     これは、川柳さんの「ガーコン」に変わる新しいガーコンかもしれない。
小ゑん・・・去年の落語協会台本募集の佳作の中の1本。
      ネタ下ろしの時は、あまりウケなかったが、回数を重ねて今は結構ウケる。
鯉 八・・・この鯉八くんは、小説に「純文学」があるが、落語の中の「純落語」を
      目指しているんじゃないかと言う気がする。
       果たしてこの鯉八くんは、落語に笑いを目指しているのか?それがわからん。
       一度、彼の新作の持ちネタを全部聴かないと分からないね。不思議な落語。
円 丈・・・・「帰って来た金さん銀さん」アレンジして・・それが結局、覚えられなくて、
       メロメロ!ホント、恥ずかしい!
ぬう生・・・・「おばさんドライバー」は、前座の時、作らせた1本のなかにあった。
       あれから、十年ぶりにやるネタ。それなりにおもしろくはなっていたが、
       10年の蓄積がほしかった。

<本日のお客さん・・22名>

第6回円丈らくご塾」「大川はなちゃんの聴きました・4」・・13年11月24日:17時開演

<大川はなちゃんの聴きました・・第5回>

今日も寒いなか、お疲れ様でした。
皆様、平成26年最初の円丈らくご塾です。
今年もよろしくお願い致します。

1.三遊亭しあわせさん

 節電対策のソーラーパネルを、友人のマサオに自慢されたヨシオは、
 つい、自分の妻せつこは体から電気が出て発電できる、と言ってしまう。
 帰宅して相談すると、せつこは乗り気になり、親子3人で何やら始める。

 奥さんの張り切りぶりがほほえましく、かなり奇妙な恰好をするにもかかわらず、
 かわいいと思ってしまいます。ヨシオも、この奥さんがいるから、
 (何とかしてくれると心のどこかで思って)

 つい見栄を張ってしまうのかもしれません。
 この作品にはエネループが出てくるのですが、
 よく考えると、エネループがどういう仕組みの何なのか、
 わかっていないことに気づきました。
 知っているつもりで知らないことに気づけるというのも、
 落語を聞いていて助かるところです。

2.林家けい木さん

 

 幼馴染のタツヤとカナの結婚式の日、
 二人の共通の友人は、重い心を抱えていた。
 彼には二人の結婚を祝福できないわけがあり…。
 向田邦子さんの小説「三角波」に似た構成で、
 三人の気持ちを思うとせつなくなるのですが、
 落語らしく、笑いへ持って行っていました。
 サゲは、人により好みがわかれるかと思います。

3.桂夏丸さん

懐かしのCMあれこれ、と題した、昭和のCMソングのメドレーです。
声がいいうえに、細かな描写が楽しく、特にラジオCMは
聞いたことのないものばかりで、珍しく、楽しい体験でした。

志の輔師匠の「ペヤングワンタン」のCMは、よく覚えています。
最後のセリフは確か、
師匠:「ワンタン好きだけど、あんたも好きよ」
OL:「ワンタン好きだけど、あんたは考えとくわ」でした。

コンパクトですし、時間調整しやすい作品なので、
寄席でもよくかけられているかと思います。
久しぶりに芸術協会の寄席にも行ってみようと思いました。

4.柳家小ゑん師匠

 

 以前にも聞いた、一般公募の作品「江戸会話学校」。
 手の内に入ってきて、テンポよく、
 指南役の姿がいきいきとしてみえました。
  小ゑん師匠お得意の、薀蓄も物の名前の羅列もないですが、
 小ゑん師匠がいろいろ手を加えて、
 より面白くしてくださっているのがわかります。
 また聞いてみたい作品です。

5.瀧川鯉八さん

 

枕でいろいろなことを話していて、どこかで関連するのかと思うと、
 特にそういうわけではない、という鯉八さん特有の流れから、
 兄と弟の会話になります。
 
 「女のほかに何のことを考えてるの?」と聞く弟に
 「蛙」と答える兄。
 話は「もしも蛙でなかったら」という話題になっていくのです。

 それで、この兄弟は実は蛙なのか(手の動きもなんとなく変だし)と
 思っていると、「もし蛙だったら」という話題になるので、
 結局二人は蛙ではない、とわかるのですが、
 二人が兄弟であること以外は、よくわからないまま終わります。
 鯉八さんらしい、非常に不思議でよくわからない、印象的な噺でした。

6.三遊亭円丈師匠

 亡くなった金さん銀さんが生き返ってする会話が主な噺。
 名古屋弁なので、「やっとかめ探偵団」を彷彿とさせ、
 名古屋出身でなくとも、どこか懐かしい感じがします。
 しばらくしてから、ロングバージョンで聞いてみたいです。

7.三遊亭ぬう生さん

 免許はとったものの、運転が怖いおばさんが、
 仲良しの奥さんと二人で車に乗ってお買いもの。
 右折が怖くて3回左折をし、一方通行を逆走、
 あげくに道を譲ってくれた若い男性ドライバーに
 ずうずうしくも頼みごとをして…。

 図太いのに運転は怖くて、なのに運転をするという
 どこかにいそうな女性ドライバーを活写し、
 さらに、人が良くて頼まれると断れない青年を好演していました。

 もし外国だったら(例えばドイツなど)
 ありそうにないのですが、日本だと受容されそうな人達が出てきて、
 仕方ないなあ、と笑ってしまいます。


 これまで隔月でしたが、今年は2月3月と続けて開かれることになり、
 楽しみが増えました。次はどんな噺が聞けるのか、
 わくわくしながら待っています。

第5回円丈らくご塾」「大川はなちゃんの聴きました・4」・・13年11月24日:17時開演

<大川はなちゃんの聴きました・・第5回>

1.三遊亭ふう丈さん

 ビニール傘の伝説は、以前無限落語でも聞いたのですが、
 そのときはネタおろしということもあって少し固かった記憶があります。 
 今回は、そのときよりこなれた感じになって安定感がありました。

 この噺を聞いてふと思ったのですが、コンビニの千円傘は
 誰がどんな場面で買うのでしょうか。
 間に合わせに買うなら安い方を買う人が多いと思うのですが、
 これからデートなのに傘を忘れてしまい、ビニール傘だと
 彼女の手前、カッコ悪い、そんな人が買うのかな、等と想像しています。

2.三遊亭ございますさん

娘が連れてきた男はニートで、絶対に結婚を許せない父親。
 しかしその父親にも問題があって・・・
  父親がどんな人か、途中から薄々気づくのですが
 初めて聞いた新作が予定調和な展開だと、
 なんとなく安心感があります。  
 このニート青年みたいな人は実在しそうな気がします。

3.三遊亭たん丈さん

  なまはげ伝道師の話、とくれば当然なまはげ小噺で、
 このあたりで結構時間を使っているのでどうするのかと思ったら
 漁師親子でした。時間がないからどこか短くするのかと思ったら
 フルバージョンでした。
 
  持ち時間のことはおくとしても、親子の会話場面は
 もう少しカットしてもいいと思います。 
  長く話しているわりに伏線を張るとかの作業をしてないので、
 結局、後になって生きてくるということがなく、もったいない気がします。

4.夢月亭清麿師匠

 東急駅長会議は何度聞いても面白く、
 今日もよく受けていました。
 これが他の鉄道会社ならどうだろうか、
 と思って置き換えてみましたが(例えば小田急とか、東武とか)
 やはりこの噺は東急がぴったりします。

5.昔昔亭A太郎さん

 ホームランを打ってヒーローインタビューを受ける鈴木選手は、
 この喜びを誰に伝えたいですか、と聞かれ、
 「今日球場に来ている母に」と回答。 
 帰宅すると拗ねている妻がいて・・・

 この会には以前にも一度出ていたA太郎さん、
 今回も、しっかりしていて分かりやすい筋立て、
 はっきりしたキャラクター、 
 ブラックなところと下ネタが少々。それぞれのバランスが絶妙です。

 こうなったら鈴木選手は毎回ホームランを打ち、
 「僕の家族全員に伝えたいです」と言ってみてはどうでしょうか。
 そうすると今度はMVP受賞のときにどうするかが問題になりますが。

6.三遊亭円丈師匠

 来年一月末に閉館する大須演芸場を描いた一席。
 初めて聞きましたが、今日この会に来て良かったと思いました。
 行ったことがなくてもその構造が良くわかる大須演芸場の描写、
 そして、今はもう引退したり亡くなった芸人さん達が、
 師匠の噺の中では生き生きと活動しています。
 できることなら何とか開館しているうちに行ってみたいです。
 (あと、名古屋名物台湾ラーメンアメリカンも食べてみたいです)

7.笑福亭羽光さん

 大阪弁だからか、この人の高座を見ていると、鶴光師匠の姿が
 オーバーラップして見えます。
 しかし、その噺には羽光さんにしかない個性が光っています。

  元あるある芸人で今はゲームセンターでバイトしている山本氏は、
 あるある大魔王に誘拐された、あるある国のローラ姫を救助しに行く。
 あるある対決で将軍を倒し、大魔王にも勝った山本氏だが・・・

 SFも十分いけそうだと思われます。
 それにこの噺の肝は「あるある」にあると思うのです。

 何故あるあるネタは笑えるのか、それは
 あるあるネタの多くは誰もがやりそうな小さな失敗をネタにしているから
 だと思います。
 こういう失敗、自分だけでなく、人もやっているということに
 安心し、ホッとして笑いが出る、そういうところがとても日本的だと思います。

<来年もよろしく>

 

来年も円丈らくご塾で新しい噺の誕生や成長を楽しみたいですね。
 今回も読んでくださいまして、ありがとうございます。
 また来年もよろしくお願い致します。

第5回円丈らくご塾」の塾長便り・13年11月24日:17時開演

新作命のございますクンございますクン イケメンのA太郎くん イケメンのA太郎くん のってる羽光くん 外さない羽光くん

第5回「円丈らくご塾」・・松一会館

平成25年11月24日:17:00開演

<塾長の一言・・今回はなかなかだった・・>

今回は、全体に盛り上がって良かった!まず2本目の「求婚ニート」のございますクンが、一皮プルンとむけた感じでよかった。
 
そしてA太郎くんのヒーロインタビュー物の「表と裏」これも良かった。それから清麿さんお「東急駅長会議」いぜんからやってるけど、無駄がとれ、更にギャグが強烈になった。
駅モノは今が旬とも言えるね。完成度は高い!
 そしてトリの羽光くん、ゲーム冒険ネタをあるあるで勝負する噺に変えた。そんなにすごいギャグではないんだけど、チャンと笑える。最近、ホクトピアとか、連続で優勝してるし、その場その場で、中身まで替える。彼は、プロだ。では円丈は、シロウトのプロだ。どっちにしてもスゴイ!
 その反面、うちのふう丈、たん丈は、持ちネタをやって、あまりうけず!まずいよな
 えっ、塾長のアンタは?実はなごやの大須演芸場が、来年1月いっぱいで閉鎖になるので、それ忍んで「悲しみの大須」やった。まあ、それなりに受けたけど、・・・しかし、噺が、最初に出演した四十数年前から始まる・・・って考えたら噺が、古いよなあ。新作だけど古典みたいな新作になっちゃったなあ。(円)

オープニング・・・・・・・わん丈、円丈
三遊亭ふう丈・・・・・・・「ビニール傘」
三遊亭ございます・・・・「求婚ニート」
三遊亭たん丈・・・・・・・「漁師親子」
夢月亭清麿・・・・・・・・「東急駅長会議」 
昔昔亭A太郎・・・・・・・・「表と裏」

 仲入り
 三遊亭円丈・・・・・・・・・「悲しみの大須」
 松福亭羽光・・・・・・・・・・「あるある帝国」

<来られなかった藤原さんから、たこ焼き百個差し入れ・ごちそうさま!!>

第5回円丈らくご塾」「大川はなちゃんの聴きました・4」・・13年11月24日:17時開演

<大川はなちゃんの聴きました・・第5回>

1.三遊亭ふう丈さん

 ビニール傘の伝説は、以前無限落語でも聞いたのですが、
 そのときはネタおろしということもあって少し固かった記憶があります。 
 今回は、そのときよりこなれた感じになって安定感がありました。

 この噺を聞いてふと思ったのですが、コンビニの千円傘は
 誰がどんな場面で買うのでしょうか。
 間に合わせに買うなら安い方を買う人が多いと思うのですが、
 これからデートなのに傘を忘れてしまい、ビニール傘だと
 彼女の手前、カッコ悪い、そんな人が買うのかな、等と想像しています。

2.三遊亭ございますさん

  娘が連れてきた男はニートで、絶対に結婚を許せない父親。
 しかしその父親にも問題があって・・・
  父親がどんな人か、途中から薄々気づくのですが
 初めて聞いた新作が予定調和な展開だと、
 なんとなく安心感があります。  
 このニート青年みたいな人は実在しそうな気がします。

3.三遊亭たん丈さん

  なまはげ伝道師の話、とくれば当然なまはげ小噺で、
 このあたりで結構時間を使っているのでどうするのかと思ったら
 漁師親子でした。時間がないからどこか短くするのかと思ったら
 フルバージョンでした。
 
  持ち時間のことはおくとしても、親子の会話場面は
 もう少しカットしてもいいと思います。 
  長く話しているわりに伏線を張るとかの作業をしてないので、
 結局、後になって生きてくるということがなく、もったいない気がします。

4.夢月亭清麿師匠

 東急駅長会議は何度聞いても面白く、
 今日もよく受けていました。
 これが他の鉄道会社ならどうだろうか、
 と思って置き換えてみましたが(例えば小田急とか、東武とか)
 やはりこの噺は東急がぴったりします。

5.昔昔亭A太郎さん

 ホームランを打ってヒーローインタビューを受ける鈴木選手は、
 この喜びを誰に伝えたいですか、と聞かれ、
 「今日球場に来ている母に」と回答。 
 帰宅すると拗ねている妻がいて・・・

 この会には以前にも一度出ていたA太郎さん、
 今回も、しっかりしていて分かりやすい筋立て、
 はっきりしたキャラクター、 
 ブラックなところと下ネタが少々。それぞれのバランスが絶妙です。

 こうなったら鈴木選手は毎回ホームランを打ち、
 「僕の家族全員に伝えたいです」と言ってみてはどうでしょうか。
 そうすると今度はMVP受賞のときにどうするかが問題になりますが。

6.三遊亭円丈師匠

 来年一月末に閉館する大須演芸場を描いた一席。
 初めて聞きましたが、今日この会に来て良かったと思いました。
 行ったことがなくてもその構造が良くわかる大須演芸場の描写、
 そして、今はもう引退したり亡くなった芸人さん達が、
 師匠の噺の中では生き生きと活動しています。
 できることなら何とか開館しているうちに行ってみたいです。
 (あと、名古屋名物台湾ラーメンアメリカンも食べてみたいです)

7.笑福亭羽光さん

 大阪弁だからか、この人の高座を見ていると、鶴光師匠の姿が
 オーバーラップして見えます。
 しかし、その噺には羽光さんにしかない個性が光っています。

  元あるある芸人で今はゲームセンターでバイトしている山本氏は、
 あるある大魔王に誘拐された、あるある国のローラ姫を救助しに行く。
 あるある対決で将軍を倒し、大魔王にも勝った山本氏だが・・・

 SFも十分いけそうだと思われます。
 それにこの噺の肝は「あるある」にあると思うのです。

 何故あるあるネタは笑えるのか、それは
 あるあるネタの多くは誰もがやりそうな小さな失敗をネタにしているから
 だと思います。
 こういう失敗、自分だけでなく、人もやっているということに
 安心し、ホッとして笑いが出る、そういうところがとても日本的だと思います。

<来年もよろしく>

来年も円丈らくご塾で新しい噺の誕生や成長を楽しみたいですね。
今回も読んでくださいまして、ありがとうございます。
また来年もよろしくお願い致します。

第4回円丈らくご塾」の塾長便り・13年10月6日:17時開演

らくご塾の塾長円丈の高座
 【画像:らくご塾塾長円丈の「新ガマの油」・・】
 
 第4回「円丈らくご塾」・・松一会館
平成25年10月6日:17:00開演
オープニング・・・・・わん丈、円丈
三遊亭わん丈・・・・「隣の芝」
桂竹のこ・・・・・・・・「メイド喫茶ヨネ」
柳家花いち・・・・・「幸せって」
柳福家小ゑん・・「「ほっとけない娘」
笑福亭笑子・・・
・「パペット落語目指せゆるキャラNo1」
 仲入り
三遊亭円丈・・・「新ガマの油」
春風亭 昇々・・・・・「最終面接」

<こんな感じだよ~~!!>

今回は、舞台の袖でじっと聞いてた。お客さんもそれなりに笑っていたけど、良く分からない。各噺が良く分からない。そこでレコーダーで録音したのを聞いたあとで聞いてやっとわかった。それで正直言うと前座、二つ目の今回の噺は、あまりいい出来ではなかった。まあ、暖かいお客さんの声援によって、なんとか形になったけど、静かに聞いてみると、今までの中ではやや下がる出来だった。

 わん丈ももうちょっと足りないし、竹の子くんの「メイド喫茶ヨネ」も、今、メイド喫茶というのがへんに古く感じた。もう少し・・・違うものがよかった。
花いちくんのネタは、発想自体はいいんだけど、父親をデートする相手に見立て、やるのは少し苦しい感じがしなくもない。でも元のネタはいいので、もう少しアレンジしてやったらうけるかもしれないね。
 笑子さんのパペット落語、今回のは、ネタ下ろしとか、えらいな。この人は、ホントすんごい真面目な努力家だと思う。もう少し楽しんでパペット落語をやるともっと面白くなると思うんだけど、まあ、言うのはやさしいけど実行するのはむずかしいんだよね。

 トリの昇々くんのネタは、かれは、勢いで持ってくような噺家なんだろうか?荒削りだけどパワーがっていい。ただ「面接試験」をうける男キャラが、オーバーワークするようなキャラで、一体、その時どんなアクションをしてるのか?全然分からない。彼の落語は、DVD向きだね。 ただ今回は、やはり少し足りない感じがする。(円丈)

第4回円丈らくご塾」「大川はなちゃんの聴きました・4」・・13年10月6日:17時開演

1.三遊亭わん丈さん「隣の芝」

 モルツ師匠の弟子で前座である金麦君は、 師匠に言われて名前を取り換える。
人のものが羨ましくてならない師匠は、金麦君の彼女とデートすることに。
 果たしてどうなる…
仕事のため自分の彼女に、師匠とデートしてくれと頼むところで少しひやりとしましたが
(自分の彼女を差し出すみたいで) そこは落語らしく、コミカル仕立てでほっとしました。
 師匠が小柄で彼女がハイヒールを履いていて、最初は身長差があるのですが、次の場面では同じ高さになっています。
 一瞬何が起きたのかわからなかったのですが、
師匠「なんで人がみんな見るんだろう」
彼女「私がおじいさんの恰好をして、師匠が女装してるからですよ」
 というセリフで謎が解けました。サゲも単なるダジャレでなく、納得です。

2.桂竹のこさん「メイド喫茶ヨネ」

 おばあちゃんが働くファミレス「めいど喫茶よね」へ入るが、様々な騒動が巻き起こる。
おばあさんをある程度したたかに描いているので、 まあ何とか大丈夫なのですが、
客がおばあさんに向かって「ばばあ、やめろ」と怒鳴るところは少し気の毒になります。
 ただし、おばあさんも負けておらず、脅しをかけますので、そんなに可哀そうでもないのですが。
 実際に高齢者が働くファーストフード店があるそうで、意外にきびきびした接客で、好評だと聞きました。よぼよぼの高齢者でなく、かくしゃくとした高齢者が働く店にして、食事の仕方を見て小言を言ったりして、若者の客がたじたじとする、 という展開もあり得ると思います。

3.柳家花いちさん「幸せって」 

 すずきけいこは、38回目の、男性との食事会で振られ、落ち込む。
母親が盗撮してきた隣家のなつこのデートの様子を見て 自分の父親で練習するが…
なつこのぶりっこぶりが徹底していて笑えるのですが、 父親相手にデートの練習することで変な話になっていく、よくできたおうむ返しです。
 けいこさんには、あんな見え透いた策略に引っかかる男ではなく、
もっとまともな男性と出会って幸せになってほしいと思います。

4.柳家小ゑん師匠  小林由紀作「ほっとけない娘の縁談」

新作台本発表会で受賞した作品です。最近流行の仏像好きな女性を主人公にし、
似合いの男性を配した軽くて心温まる素敵な噺です。
地名や仏像の名前がたくさん出てきて (ついでに小ゑん師匠の好きな鉄道も)、
ちょっとした観光案内にもなっています。

5.笑福亭笑子師匠「パペット落語パペット落語目指せゆるキャラNo1」

人形を使い、腹話術をしながらの落語です。段ボール製の釈台の下からは、たくさんの小物が出てきます。寿司スッキーというかっぱ巻きのゆるキャラがかわいらしいです。
 途中音響のトラブルがあり、音楽なしになったものの、観客の手拍子で無事に中入りを迎えました。
 これまでオーストラリアで活動してこられましたが、7年後の東京オリンピックに向けて、
日本で活動されているそうです。今回は日本語でしたが、英語での公演も行うそうです。
 気軽に楽しみながら英語の勉強にもなるかも、と思います。

6.三遊亭円丈師匠 「新がまの油」

がまの油売りの口上がすらすらと澱みなく、聞いていて気持ちの良い高座でした。
おなじみのあの軟膏やこの化粧品も出てきます。そういえばアメ横でも最近はバナナのたたき売りを見かけなくなりました。古典でありながら新しく、そして懐かしい一席です。

7.春風亭昇々さん

就職活動中の学生が、ある会社の最終面接に臨む。あまりに緊張して頓珍漢なやりとりが続き、彼が退室した後の面接室は…
  この噺も音だけでなく映像も楽しめます。 学生が高座からずり落ちそうになりながら、
「落ちますか」という場面等、かなりのオーバーアクションが目を引きます。途中
面接官「よく最終面接まで残れましたね」
学生「奇跡です。奇跡でここまできました」
という会話があるのですが、その奇跡のもとはなんだったのか、サゲで判明します。
しかし、そうするとこの会話自体がおかしいことになってしまい、矛盾します。
どういうことか知りたい方は、昇々さんの高座を聞いてみてください。

「大川はなちゃんの聴きました・3」・・・・・第3回円丈らくご塾・13年8月25日:17時開演 】

蒸し暑さは残るものの、夕方には虫の声も聞こえる今日この頃ですね。
ご常連の方や初めての方とともに、今日も松一会館で和んでまいりました。

1.前節・・オープニング わん丈さん ふう丈さん 

途中から塾長である円丈師匠も加わって、第2回のおさらいがありました。
塾らしい構成です。時節柄、夏期講習のようでした。
また、今回から、仲入りのときの手洗いの使用方法が、時間によって
男女にわかれることになりました。ご配慮ありがとうございます。

2.春風亭昇羊さん「金の斧銀の斧」

落語界の上下関係を神様の間の序列になぞらえた作品です。金の斧、銀の斧、普通の斧の物語ですが、おちがあると良かったように思います。
初々しい高座でした。これからが楽しみです。

3.三遊亭しあわせさん 「「半身半畳」

お地蔵様に不敬な行為をした酔っ払い、ある朝目覚めると体に異変が起きていて…。
  ちょっと汚いのがなんですが、まとまっていたこと、主人公は罰があたって当然なことをしているので、後味は悪くないです。

4.三遊亭玉々丈さん「子役の旬」

国民的人気漫画の実写版と子役を絡めて 噺を運んでいきます。以前聞いたときより、流れが良くなっていました。それにしても、サザエさんの登場人物って皆年齢が若いですね。

5.夢月亭清麿師匠 「時の過ぎゆくままに」

松一会館に飾ってある写真や額についての説明があり、また一つ勉強になりました。歴代会長の写真を見ると、田舎の祖父母の家に行ったとき、曽祖父母の写真が飾ってあったのを思い出します。この噺は聞くたびに細かいところが少しずつ変わっていて (主人公が戦線離脱していくライバル達を嗤うところなど)毎回発見があります。今回も笑いが多く、楽しい高座でした。

6.昔昔亭A太郎さん「面会」

昇羊さんもそうですが、芸術協会所属の芸人さんの高座は、聞く機会が少ないので、このような会に出ていただけるといろいろな方の高座を聞けるので、ありがたいです。
病気で入院中の男の子のところへ、仕事を終えた母親がやってくる。もしドラえもんがいたらという話をしているところへ、なぜかバスの運転手が現れて…。母親のキャラクターが強烈です。 男の子が気の毒になりました。しかし快復を予感させるオチがついていて一安心です。

仲入り

 

7.三遊亭円丈師匠 「聖なるわが家」作杉山聡

自分達の家をノアの方舟の遺跡と言われた夫婦は、たくさんのお供えものを頂いて、有頂天に。しかし世の中甘くはないもので…。

 この噺も、骨格がしっかりしていて、ありえないことなのに、引き込まれていきます。めでたい大団円に拍手です。

8.古今亭駒次さん 「夏」

3回のトリで熱演する駒次くんせいりょう高校野球部キャプテン小川ようじは、幼馴染で吹奏楽部部長の松本めぐみと今日も軽口をたたいている。

 チームメイトの田中しゅうじがめぐみに恋をし、小川に仲立ちを頼んだことから噺が急展開を始め…。登場人物のキャラクターが明確で、噺もとんとんと運び、場面転換や時間の経過が無理なく理解できる、理想的な噺だと思います。


【画像:駒次くんが、高校時代んみ野球部だったそうで、その恋愛モノ】
<以上「はなちゃんの聴きました」でしたあ・・・・>

第3回円丈らくご塾」の塾長便り・13年8月25日:17時開演

  落語会の後、客席を片づけて、輪になって打ち上げ
第三回「円丈らくご塾」・・松一会館
  平成25年8月25日:17:00開演
  オープニング・・・・・わん丈、ふう丈、円丈
  春風亭昇羊・・・・・・「金の斧銀の斧」
  三遊亭しあわせ・・・・「半身半畳」
  三遊亭玉々丈・・・・・「子役の旬」
  夢月亭清麿・・・・・・「時の過ぎゆくままに」
  昔昔亭A太郎・・・・・「面会」

  仲入り

  三遊亭円丈・・・「聖なる我が家」作杉山聡
  古今亭駒次・・・・・・「夏」


  -------------------


【画像:らくご塾名物、希望者と演者全員が輪になって打ち上げ】

  
演者とタイトル  ・・簡単な説明・・」
春風亭昇羊
「金の斧銀の斧」
 昇太君くんのお弟子さんで昇羊(しょうよう)くん、しかし、なんで羊だと思ったら、ひつじ歳、生まれだから・・!もっと深い意味があるかと思ったら、そういうことね。入門1年半ほど、昇太君のお弟子さんはみんな新作をやる。えらい!はんせいかいでも言ったんだけど、「金の斧銀の斧」のギャグ・パターンは、出尽してるから、他のネタのほうがいいね。
三遊亭しあわせ
  「半身半畳」
課長帰りましょう!課長と飲んでて、お地蔵さんにおしっこを引掛ける、翌日、起きると左半身が埋まって右半身が、畳から出てる?シビンとシビンを吟じます。サゲが「おれが、半身埋まってるのは、祟りのせいか?」
無駄におしっこするとこが多すぎる。ストーリーがやや長い。
三遊亭玉々丈
 ・・「子役の旬」
聞いたことある噺だね。ストーリーは出来てるけど、今一つ盛り上がらない。打ち上げでも言ったのは、「こうこう・・こうして、子役として一流になりました」みたいなあらすじがメインストリーでは、あまり笑うとこがない。
夢月亭清麿
「時の過ぎゆくままに」
最近、清丸師匠が再発見てな感じだ。この日の「時の過ぎゆくまま」も良く受けていた。このネタは、出来て30年近く経つが、しっかりうけていた。そう言えば円丈が昔、さん喬クンに書いた「稲葉さんの大冒険」もうけてるし、「白いらせん階段」儲けている。時代がやっと作品に追いついたのかもしれない。
仲トリ
昔昔亭A太郎
 ・・・・・「面会」
A太郎くんのAは、どうも半角の「A太郎」で全角の「A太郎」じゃないみたい。しかもネットなんかで表記を見ると小文字「a太郎」を使ってるとこがある。まちがいと思うけど、アルファベットの入る名前って難しいね。A太郎くんは、花があるし、安心して聞いていられる、いいねえ!
  仲入り
三遊亭円丈
「聖なる我が家」
 作杉山聡、
これは2010年落語協会台本で佳作に入った作品、後半部分が、結構重くなって、受けがわるくなるので、殆ど円丈アレンジになっている。
トリ
古今亭駒次
 ・・・・・・「夏」
結構思い入れのある噺のようだ。野球部の恋愛もの、かなりお客さん、反応はよかった。トリらしいネタでグッド。駒次くんあたりが、そろそろドッカ~ンと来るころだ。弾けちゃおうじゃん!!
  ・・この後、希望者だけでビール飲みながら反省会!いや盛りあがったみたいだね。
わあ、打ち上げだあ 今回も場内を演者と客でぐるっと車座になって打ち上げ!これが、毎回盛り上がる。これが、らくご塾のキモみたいなもんかね。このコストパーフォーマンスとこの雰囲気、この会はお客さんは減らないね。
 前座、二つ目、主体の会でも前座の持ち時間10分、二つ目15分の制約があるから、結構トントン行く。打ち上げの関係で、お客さんは、6~70人で止めちゃね。とにかくこの中から早くブレイクする若手が出てきて欲しい。次回

【これが第3回8月25日円丈らくご塾」だよ!】

第三回「円丈らくご塾」・・松一会館
  平成25年8月25日:17:00開演
オープニング・・・・・わん丈、ふう丈、円丈
春風亭昇羊・・・・・・「金の斧銀の斧」
三遊亭しあわせ・・・・「半身半畳」
三遊亭玉々丈・・・・・「子役の旬」
夢月亭清麿・・・・・・「時の過ぎゆくままに」
  仲切り
三遊亭円丈・・・・・・「聖なる我が家」作
古今亭駒次・・・・・・「夏」
-------------------
希望者だけでビール飲みながら反省会!
--終演後、直ちに客席で打ち上げ--
打ち上げコーナー・・・30分の予定が50分・・

【画像:トリの鯉八くんは、大物だ。「藪の中」は、こわっ】

【これが第2回7月21日円丈らくご塾」だよ!】

第ニ回「円丈らくご塾」7月21日(日)17:00開演

落語家鯉八君のやや無愛想な顔オープニング・・・・・・・わん丈、ふう丈、小ゑん、円丈
前 座ふう丈・・・・・・・「幽体離脱」
三遊亭ございます・・・「未来居酒屋」
三遊亭たん丈・・・・・・・「防犯システム」
ゲスト柳家小ゑん・・・・「下町せんべい」
古今亭志ん八・・・・・・・「アパート借りたい」
仲 入 り
塾長三遊亭円丈・・・「藪椿の陰で」
二つ目瀧川鯉八・・・「藪の中」

--終演後、直ちに客席で打ち上げ--
打ち上げコーナー・・・30分の予定が50分・・

【画像:トリの鯉八くんは、大物だ。「藪の中」は、こわっ】

<円丈のズバリ、あんたココが違うよ!!」>

第2回は思ったより、多かった。最初からラストまでじかに聞いて、それで録音してたmp3でもう一度聞いた。

【ございますくん・・SFはうけません】
 SFネタは受けない。と昔から言って北来たようにやっぱ、きつい。「未来居酒屋」だから、チューブでビールや、熱燗を飲む!そんな状況楽しくない。楽しくなるような状況の噺がいい。マクラでは普通に笑わせているので、少しの軌道修正、次回すげえウケるようになる筈・・。

【たん丈・・笑わせるために落語を作りなさい】
あまり受けなかった。う~~ん!たん丈の登場人物は、仙人のような爺さんか、マッド博士みたいなのか?いつも決まってそう。しかしも笑わそうと思って落語を作ってない。まず、笑わそうとと思って、ネタを作りなさい。

【志ん八・・無理やりキャラを入れ過ぎ】
笑わそうと思って、不動産屋キャラ、威勢のいい板前キャラにしたけど、シラジラし過ぎる。いくらなんでも、浮いてしまう。そんなに無理やりギャグを作ってはいけない。新作で噺がつまらなくなる原因のひとつが、しらじらしいキャラとそいつがそんなセリフを言いっこないのに、無理にって、ギャグを無理に突っ込む。逆に噺を壊してしまう。新作は難しいのです。

【鯉八・・実力あるんだから、まず笑わせて!】
う~~ん、なかなかシュールちゃ、シュールだけど、正直、楽しくない。そう、すごいちゃ、すごいけど、そんなには聴きたくない。4人の独白で一切、会話のない噺だ。それでもう一度、録音したもので、聞いてみた。やっぱり正直面白くない。
 もう30年も前真打ち前後の話だ。高座中央に小さなテントがあって、そこから、顔を出して、また引っ込めてだすと別なキャラになって独白だけの落語を作ろうとおもったことがあった。
 もちろん、作れば完全円丈オリジナルだ!
 でも結局作らなかった。なぜか?独白だけじゃ盛り上がらない感じがしたし、円丈には「哉しみは埼玉に向けて」と言う一人称の落語がある。やるんなら一人称落語の方がパワーがあるシ、客も分かり易い。
 この噺を聴い義理の姉とか義理の兄とか、出てきてお互いを非難し合う。こんな非難し合う落語なんて、聞くのつらい!正直勘弁してと思う。
 結局、落語って娯楽なんだよね。楽しくなけりゃ落語じゃない。円丈の落語の中には笑い以外のモノがある。でもそれは、感動だったりする。お互いを非難し合う落語って正直笑えない。とてもいいものをもってるだけに、真っすぐ伸びて、大物になって欲しい。
 人のコトを非難していてその内に五人殺しちゃうなんて噺は・・現実にあったね。だから落語は、ハハハッと笑えるか、思わず泣くかだね。

「大川はなちゃんの聴きました・2」・・・・・第2回円丈らくご塾

今日も早速まいりま~~す。

1.三遊亭ふう丈さん

入院中のお父さんが幽体離脱をし、
 先輩から聞いた呪文を使って看護婦さんのお尻を触り放題、
 続いて看病疲れで倒れた息子もお父さんと一緒になって・・・

 コンパクトにまとまった一編です。
 父親が幽体離脱したことを知らない息子が、お父さんの枕元で
 自分がゲイであることを告白するのですが、
 ここを生かして、幽体離脱した後は、
 院長はじめドクター達のお尻を触ることにすると、
 より多く笑いをとれそうに思います。

2.三遊亭ございますさん

ございますくんのブルーの着物とブルーの毛氈  未来の居酒屋と称する居酒屋では、
 お通しが枝豆のサプリ、ビールは管で飲む

 こちらもよく纏まっていて、オチもすんなりいきます。
 仕草が難しそうでしたが、見たことがないものなのに、
 イメージし易かったです。

3.三遊亭たん丈さん

いっそのこと怪談にしてしまったらいいのでは。
 ラストシーンがスプラッターホラーのようで、
 もっともっと怖くすれば暑い夏には最適でしょう。

 手慣れた作品に、スカイツリーも加えられて最新になっています。
 小ゑん師匠ならではの主人公の大仰な反応等の演出を見ると、
 作品と作者の幸福な出会いを感じます。

5.古今亭志ん八さん

枕で、今は亡き志ん五師匠の話が出て、ほろりとしました。
 余談ですが、池袋の3月下席で志ん五師匠が口演された
 「極楽のワニ」は大変に面白かったです。

 田端でアパート暮らしをしたい主人公が、友人に紹介された不動産屋へ行くと、
 非常に個性の強い店員が出てきて不安に。そこへさらに
 「先生」と称する人が出てきて・・・

 初めて一人暮らしをするときは、誰しも不安になると思いますが、
 その、多くの人の気持ちを元にして、段々とあり得ない世界に入っていくところが、
 無理がなくて、楽しめました。
 最後も納得です。

 < 仲 入 り >

6.三遊亭円丈師匠 「藪椿の陰で」

 

 白い犬も、三人家族も、絵が浮かんでくる素晴らしい作品です。
 特にラストシーン、銀杏の黄色、犬の白、藪椿の濃い緑と赤い花、
 上質な絵本を1冊読んだような感じを受けます。

7.瀧川鯉八さん 「藪の中」

 芥川の同名小説のように、登場人物それぞれの独白だけで成り立っています。
 珍しい構成で、落語にもまだまだいろいろな可能性があると気づかされました。
 登場人物それぞれの性格と思惑が活写されており、印象的な一編です。
 鯉八さんの高座は、他の会でも何回か拝見していますが、
 いつも不思議な味わいを醸し出していて、今度はどんな作品か、毎回楽しみです。

【画像:円丈の高座、そこそこお客も入ってて形にはなってま~~す】

【これが第1回6月23日円丈らくご塾」の真実だよ!】

林家けい木くんが落語をやってるところ第一回「円丈らくご塾」6月23日(日)17:00開演

オープニング・・・・・・わん丈、ふう丈、円丈
前 座わん丈・・・・・「名字」
前 座けい木・・・・・「愛Phone」
笑福亭羽光・・・・・・「AKB親子」
ゲスト夢月亭清麿・・「バスドライバー」
三遊亭ぬう生・・・・「ねえちゃんほしい」
  仲 入 り
塾長三遊亭円丈・・・「強情灸」(20分)
二つ目酔歌・・・・・・・「二人の秘密」

 --終演後、直ちに客席で打ち上げ--
打ち上げコーナー・・・30分の予定が50分・・


【画像:「愛Phone」を熱演した林家けい木くん】

「大川はなちゃんの聴きました!」・・・・・・第1回円丈らくご塾

どうも円丈です。大川さんは、ここ3年程、毎回、無限落語の感想などを送ってくれて、本人が言うには、メモも取らないと言う。それなのにかなり正確な評論です。それで円丈だけ読んで勿体ないので、この「円丈らくご塾」での評論をお願いしました。
ということで以下が「大川はなちゃんの聴きました」です。 円 丈

 

<1・三遊亭わん丈さん・・・ 「名字」>

久しぶりに来社した元営業部長の名前を思い出せない受付嬢。社長室に案内したら、今度は社長が四苦八苦…。一本道をまっすぐ走るような噺で、すんなり筋立てがわかります。  社長の名前はアナウンサーからとったのでしょうか。

<2・林家けい木さん・・・・・「愛Phone」>

冒頭の喧嘩の場面は、説明があったので、理解できました。なかったらわからなかったかもしれません。スマートフォンの宣伝のようでしたが、かえってガラケーに親しみを感じる噺でした。

<3・笑福亭羽光さん・・・・・「AKB親子」>

古典を下敷きにしていると思われる作品。父親がアイドルおたくの息子を叱る場面は、宗論のようでした。
 安定感があります。秋葉原やAKB劇場の描写がリアルでした。

<4・夢月亭清麿師匠・・・・・「バス・ドライバー」>

始めは陽気な酔っ払いと運転手の会話だったのが、徐々に狂気を帯びてきて、悲劇に向かってひた走るバス。残念ながら行ったことはないのですが、実験落語の雰囲気は、こんな感じだったのかな、と思う作品です。はじめのうち笑っていると後になって怖くなります。

<5・三遊亭ぬう生さん・・・「ねえちゃんほしい」>

42歳の落語家が、出会い系サイトで姉ちゃんを募集。 渋谷のハチ公前に現れた姉ちゃんは28歳…。姉のない男性が、姉ちゃんに憧れる気持ちを表した作品。
 姉は、妻とも妹とも違う、優しい肉親ということのようです。なかには弟を叱りつけたり、こき使う姉もいますけれど…。

< 仲 入 り >
円丈が上がった時の高座写真、そこそこお客さんもいる
【画像:円丈の高座、そこそこお客も入ってて形にはなってま~~す】

<6・三遊亭円丈師匠 強情灸>

名古屋の銭湯の枕なので、もしやと思ったらやはりこの噺でした。  新作の会でも、この噺は現代的味付けなので、他の噺の中でも馴染んでいたと思います。  何度聞いてもホットな噺です。

<7・三遊亭粋歌さん・・・・・「二人の秘密」>

プロポーズ  映画「君に読む物語」に少しだけ似た作品。  ただし、あちらは女性が認知症、こちらは男性が  妻を認識できない。妻は10年前に死んだと思っていて、  別人と思い込んでいる妻にプロポーズ…。最後の妻のセリフに夫婦の情愛を感じる、ほろ苦くて心温まる噺でした。
   それにしても、世の男性はそんなにも妻に死んでほしいものでしょうか。ぬう生さんの作品にも「女房が自転車に乗って買い物に行くと、  このまま事故に遭って死なないかなと思う」というセリフが出てきました。結婚しただけでは夫婦になれず、年月をともに過ごして最後に夫婦ができあがるのかもしれません。

◎曲がりくねった道の先にある松一会館で行われた手作りの落語会。
これからも楽しみです。  

これが「円丈らくご塾」のビラだよ!

落語愛国者に告ぐ!

 落語史、特に新作落語史上史における三遊亭円丈の足跡は、特筆すべきものである。
実験落語会、応用落語会、無限落語会、超実験落語会などの実行を通して、自身だけではなく、多くの新作落語家を育て上げた。

 その円丈が「今、一番やりたい!やらなければならない!」と決意したのが、この落語会である。
「明日の新作落語家を育成し、今の落語界に刺激を与えたい」こう宣言する円丈は、出演者をげんそくとして、前座、二ツ目の若手に決めた。自身や、応援の人気・実力の先輩落語家は、あくまでもワキであり、主役は、若手の落語家とその育って行くさまを見守る観客だという。
あえて古典一辺倒の時代に茲に警笛を鳴らすものである。六月二三日と七月二一日は「円丈らくご塾」(明大前、松一会館)に集合せよ。祝儀をもって行け!愛国者よ。

   憂国の五月惜春
          落語愛国の士 
                 夢月亭 清 麿

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