落語21 2002年1月からだよ!

最近、髪を染めた。失恋のせいか?
稲田和浩先生

   ついに2002年。いつ新作が脚光を浴びるかと思いつつ37年未だに来ない!でもそれにくじけることもなく今年も行く。稲田先生も立派だ。毎回欠かさず来ている。偉い。ほんじや、今年も行くか。スタート!ああ、やれやれ!   円 丈

  
 【メニュ−】
◎春だ4月の会
◎勝負3月だぞの会
◎2月彦いち揉んでやる
【 正月3日間】
◎初日(3日)だよ〜〜ん
◎2日目(4日)だよ〜〜ん
◎千秋楽(5日)だよん
        どれを?


煙に巻く円丈 

    



 春だ4月だの会

 4月9日(火)18:50開演(開場18:30)】 【写真提供 東孝彦氏】


【今月もやや薄かったが熱演が続いた・・と思う!】

春だよ4月だの会 出演者
春風亭昇七 「動物問屋」
桂花丸
「20年目の同窓会」
柳家一琴

「かばののりまき」(五明楼玉の輔・作)

三遊亭白鳥 「まきしむ・ど・のんべえ」
 中入り  
柳春風亭昇輔 鉄道芸術公安官
三遊亭円丈 「土下座王」


 

前途洋々の春風亭昇七
          「動物問屋」

【あらすじ】
  動物園をやりたいという男が、タウンページで調べて動物問屋へ。遺伝子組み替えで作った怪しい動物を売る店。陸上選手と家具の遺伝子で作った、カールル椅子、便所ンソンなどお馬鹿な動物を買わされる。普通の動物も欲しいと、男は象を求めると、問屋は…。
【稲田評】
 前座の落語としては堂々の及第点でしょう。奇天烈な発想と駄洒落のご愛嬌がマイルドなキャラクターにあって面白かった。打ち上げで聞いたら、サゲから作ったネタだそう。
  サゲを捨てて遺伝子うんぬんを強調してよりナンセンス話を作り直すか、サゲを生かしてアットホームな駄洒落ネタにして寄席でやるか。あとは演者の考え方次第だけど。
【円丈一言コメント】
 彼は前途洋々だね!ってことは今はまだまだとも言える訳。とにかく新作は、一人前になるまで5〜6年は掛かる。今、船出したとこ。がんばれ、昇七くん!

 

新登場!!春桂花丸
 
 「20年目の同窓会」

【あらすじ】
 暴言を吐きまくる小学校教員。生徒の身体的欠点を仇名にし罵倒する。ある意味で切実な本音で世の中の厳しさを説く。20年後の同窓会に、すっかり人間が丸くなった教師がやって来る。
【稲田評】
 初登場、二十代前半の感性がどう炸裂するか楽しみにしてたんです。
  うーん、教師の憎たらしいキャラクターはよく出てますね。

  殴ってやりたい。そう思わせたから勝ちでしょう。 噺のもっていき方がやや類型…。
  この教師や生徒たちを花丸さんがどう見るかが明確に欲しいと思うのですが。

【話の中で猪木の真似をする花丸くん】
【円丈一言コメント】
 後半を聞く、彼はなかなかギャグ.センスもあるし、また受けさせようと言う芸人根性もある。悪くない。少し計算しすぎてそれが、つまらなくさせてるところがある。もう、ドッチラケでも言い。失敗を恐れず、暴れまくって欲しい。

 

安定してる柳家一琴
  「かばののりまき」(五明楼玉の輔・作)

【あらすじ】
 名工浜野矩随の孫は駄目職人。馬を彫ったらカバになる、なんかを彫ったら(忘れた)海苔巻になるところから、かばののりまきと仇名されている。道具屋の若狭屋から「死ね」と言われたのりまきは、これは祖父が開眼した叱咤と同じだと思い、命をかけて一生懸命カバを彫ったところ、見事な馬が出来上がる。これが世に認められるが、ある日、中国の金持ちからパンダを彫ってくれという依頼が来る。
【稲田評】
 ご存じ、円楽師匠の十八番「浜野矩随」のパロディ。もとの噺の細部をうまく活かしてパロディだと思えば傑作でしょう。 でも「浜野矩随」ってあんまり知らないから、擬古典新作だと思って聞くとアラが目立つ。そういうところが気になると笑えなくなる。 一琴さんの技量と、お母さんのキャラの面白さは達者。どうしてもこの会ではこの手の噺は色物になる。 ちなみにパンダは肉も食べます(多分鮭も食べると思う)。
【円丈一言コメント】
 古典のパロディだけあって安定してた。次回は是非、現代の新作を期待していま〜〜〜す!

 

バカ受けの三遊亭白鳥
   「まきしむ・ど・のんべえ」

【あらすじ】
 主人公は板橋で冴えない居酒屋「のんべえ」を経営している老夫婦。女房が金まわりのいい友人にフランス料理をご馳走になる。感化された女房は、自分の店をフランス料理屋風にしようとするのだが…。
【稲田評】
 フランス料理店で伏線をはって、居酒屋で落とす。セオリー通りきちんと作って、白鳥さんの堅実な創作力発揮。個々のギャグもハイレベルで笑える。でも構成がへただね。ばばあ二人がフランス料理食ってるところで笑いとり過ぎ。後半のナンセンスなくだりより、そっちの間抜けな雰囲気のほうが面白いんだもの。
【円丈一言コメント】
 真打ちになって白鳥のキャラクターが、浸透してきたね。お客さんが良く笑っていた。オーム返しの構成だが、前半が受けすぎてオウム返しの部分が、やや受けなくなったが、あれだけ受ければ真打ち合格だね!

 

ソコソコ!春風亭昇輔
     「鉄道芸術公安官」

【あらすじ】
  鉄道犯罪の続出する今日、軽犯罪から未然に防ごうという第二公安隊が組織される。その名も鉄道芸術公安隊。痴漢、携帯電話、ウォークマンなどのマナー違反者を次々に摘発してゆく。
【稲田評】
 だらだらし過ぎ。個々のギャグは面白いけど…。現代性のあるテーマだけに、ギャグを詰め込み過ぎずストリーに軸足を置いた作品に期待します。
【円丈一言コメント】
 悪くない!じゃあ、スンゲエ良いのか?そうでもない。ツボでは受けていたけど、アト一歩。この壁をぶち破って欲しい。期待している。

 

ハイテンション過ぎて非常ベルも鳴った
            三遊亭円丈「土下座王」

【あらすじ】
 企業の苦情処理係が主人公。彼の仕事は土下座して謝りぬく、土下座担当。身も心もくたくたになりホテルの部屋に戻ると、携帯でまた怒鳴られ、携帯の前に土下座させられる。他の奴に八つ当たりしようとマッサージを呼ぶ。マッサージは英国王室マッサージという変な男でさらなるトラブルが。
【稲田評】
 身につまされるところがある。こういう時代だから土下座してでも生きてゆこうという人は多いはず。
  弱いものがもっと弱いものをいじめてやろうという嫌な図式、心底疲れ果てた男の心情が出過ぎていて、笑いながらも辛かった。
  後半一転、英国王室のお間抜けぶりが円丈落語の特質、決してお涙にならずお馬鹿を追及してゆく。 それにしてもテンション高かった。
  サゲ間際非常ベルが鳴ったが、ものともせずに語りこむ。土下座男やマッサージ師よりも円丈の落語魂が凄かった。

【非常ベルが鳴ってもまだ熱演する円丈】
【円丈一言コメント】
 この噺はどうも評価が分かれるようだ。稲田氏は、あまりお気に召さなかったようだけど私の意見はまた違う。清麿氏、弟子のかぬうはスンゴイおもしろがっていた。これはシリアスな感じを持つ噺ではなく。かる〜〜い落語だと思う。


そこで4月の結論

円丈:今回も聞けなかったけど、これの直前に彦いちくんの会gはあったのでそれに喰われたようですね。あれは500人ぐらい入ってましたからね。
稲田:そうそう、大体、かち合うと負ける会ですね。
円丈:まったくその通りですね。ところで今回、落語21初登場の新人が多かったですが、どうでしょうか?
稲田:う〜〜〜〜〜〜ん、う〜〜〜〜〜〜〜ん!
円丈:唸ってますね。やはりレギュラー陣の多い会と比べると少し落ちるかなと思いましたね。
稲田:二度目の出演一琴さん、初登場の花丸さん。新しいものを聞きたいというお客さんが多かったのかもしれませんね。 問題は期待と結果が微妙に食い違うかも…。
円丈:そうですね。全体やや低調だったかなかと言う感じはします。一人の新作落語家が、そだってくるには4〜5年かかりますからね。まあ、とにかく焦らず休まずでしょうね。
稲田:そう、とにかく頑張りましょう!

 

次回予告!!5月14日(火) 18:50開演

 ネタで5月だ!   

 燃える小田原丈。新作をマジでやる気のたい平!乞うご期待!

花と嵐の落語会 出演者
前春風亭小町 「?????」
川柳つくし 「?????」
古今亭錦之輔
「?????」
三無月亭清麿
「?????」
 中入り
林家たい平 「?????」
三遊亭小田原丈 「?????」

(上記出演順には変更の場合がございます)


【今年から毎月第2火曜日はプークの日】

【場 所 】 プ−ク人形劇場 新宿南口より徒歩5分
        
渋谷区代々木2- 3
【日 時 】  2月12日 18:30開場 18:50開演
【入場料 】  前売り(電話予約・チラシ・ハガキ持参)2500円
         当 日   2200円
【問い合わせ】
       ◎プ−ク人形劇場   3379-0234
       ◎東京かわら版佐藤..3861-1817


【電話予約】 東京かわら版佐藤 03-3861-1817
(夜・土日は留守番電話。お名前・日時・枚数・ご連絡先を!)

【メール予約】 
rakugo@nasa-inc.co.jpここです
        (お名前・日時・枚数・ご連絡先を記入ください)


 

 勝負3月だぞの会

 3月12日(火)18:50開演(開場18:30)】 【写真提供 東孝彦氏】


【アンケートを書き続けるお客さん・・恐い】

 この日は末広亭のあと愛犬ミッキーが手術の日でそちらの方が心配で帰ってしまった。客はやや少ないが、好意的なお客さんだったとか。そう言う中で終わったからアンケートに黙々と書き続けるお客さん。グエッ!恐い。

  アンケートは打ち上げの時に出演者全員に回されるが、私はどうも気が弱いせいか、見たり見なかったりする。この日はどうだったのだろうか?(円丈)
【終わってから首を捻る円丈と清麿師】


【客はやや薄かったが熱演が続いた】

正勝負3月だぜの会 出演者
快楽亭ブラッC 「トントントン」
三遊亭天どん
「健康ランド」
古今亭錦之輔

「性の悩み」

夢月亭清麿 「古池や」
 中入り  
柳家喬太郎 「三月十四日」
柳家小ゑん 「卒業アルパム」(作・木下真之)

 

仕切り直しだ!!快楽亭ブラッC
    「トントントン」

【あらすじ】
 天才博士と助手の会話。 人類の思考は二極だと言われる。表と裏、白と黒…。博士は人類の思考が二極でなく三極だという説をあみ出し、すべてのものごとを三でとらえる。
  以下「道灌」の四天王みたいに、なになにを三でいうと…という問答が続き、博士はこの説を「トントントン説」と名付けノーベル賞を狙うと宣言する。
【うん?どっかで見た顔】
【稲田評】
 正直、よくわかりません。というか、ちゃんと覚えて、トントントンとやって欲しいです。 お客さんはブラCさんのキャラクターに好意的で、言い間違えやとんちんかんな話の内容にも笑ってくれるのですが、そういう環境に甘えては駄目だと思います。でも得なキャラクターですね。
【円丈一言コメント】
 彼はどっかで見た顔だと思ったら以前木久蔵師匠のところにいた木之助くん、いつのまにやらブラック師匠のトコへ・・・。頑張れ!


模索中の三遊亭天どん
     「健康ランド」

【あらすじ】
 健康ランドに年老いた親を連れて行く男。おじいさんは何かとトラブルを起こしたりボケをかましたりして息子を困らせる。
【稲田評】
  話はなかなか面白かった。おじいさんボケぎりぎりののキャラクターをきちんと作っていて、そこそこの笑いをとっていました。これからに期待です。 でも、予定していた笑いが来なかったり、自分でもストーリーの辻褄があわないところをわざと照れてぼやいたりするのは、やっぱり見苦しいね。ぼやかず堂々とやりましょう(そういうところは白鳥さんを見習って)
【円丈一言コメント】
 先日、ネタを1本作って持って来た。正直つまらなかった。でもそれとは違うようで。うん、その点はまあ、良かった。


やっぱ蹴られたセックス・ネタ!古今亭錦之輔
   「性の悩み」

【あらすじ】
 少年の父は実は母で、母が父だった。突然真相を告げられ、普通のすけべ高校生だった少年は悩み、ショックから性同一障害になる。少年は性の区別のない世界を求め、ミミズの世界に住むこととなるが、そこでミミズの娘と恋に落ち…。
【稲田評】
  昨年、錦之輔独演会でネタおろしの作品ですが、その時よりも整理されていましたね。 落語になりにくいテーマだし、ミミズの国というのも難しいですが、今までの錦之輔流のマニア世界に立ち止まらず新しいテーマを求めて奮闘しているのがわかります。
【円丈一言コメント】
 先月私は「アメリカ人なんぞに負けるな講座」で「シモネタなんぞで引くな!」とやったが、それでも引いた。錦之輔くんのこのネタも結構引いたみたいだ。しかしシモネタが受ける夜明けは近いぞ。お互い頑張ろう。錦之輔クン!

 


ワビサビの世界、夢月亭清麿
    「古池や」

【あらすじ】
  夢月亭清麿「古池や」 商社マンがアメリカ、モンタナの大地主を接待することに。彼の土地の鉱物資源の権利を得るかに商社の命運が掛かっている。大地主は大の日本通。これまでも歌舞伎や空手で接待をし契約をとりつけてきたが、今度、大地主が凝っているのは俳句だという。商社マンは妻より俳句の特訓を受け、接待に挑む。古池や蛙飛び込む水の音、の英訳で大地主を煙にまこうとか、芭蕉のまたの名、風羅坊正筆が出てこないで「金明竹」の言いたてをやったりするところなど、芭蕉や俳句への清麿流ウンチクが利いていて面白かった。
【稲田評】
 客が面白かったというより、清麿さんが面白がってしゃべっているのがよくわかった。 惜しむらくは、日本通の大地主を出来ればおちょくり飛ばして欲しかったのと、後半「金明竹」で、俳句から落語に話題が移ってしまうのは残念。古池のネタばらしをしたところで、落ちをつけて終わったほうがすっきりしたかもしれませんね。
【円丈一言コメント】
 清麿氏の俳句ネタ!なんかぜひ聞いて見たかったなあ。でも聞いてないのでなんとも言えない。


当日作った!柳家喬太郎
    「三月十四日」

【あらすじ】
 日常のさりげないマクラに、「うんこ、まんこ、ちんこ」から「フィストファック」まで暴言オンパレードの切れまくりを見せる。 話は…。38才で初めて彼女が出来た男、今日三月十四日がホワイトデーだということを忘れていた。同僚のOLキラーと呼ばれている男にプレゼントを一個わけてもらい、デートの場所(品川駅)へ行く。プレゼントを渡す男に女は言う。「ホワイトデーなんて甘いこと言ってるんじゃないの。三月十四日はホワイトデーより大事な日なの」…。
【稲田評】
  ははは。私もすっかり忘れてました。確かに大事な日だけど…。 今日思いついて作ったネタだそうです。たいしたものだ。お見事!
【円丈一言コメント】
 清麿氏の意見では、彼はマクラを振ってる間に高座でネタくりをしてたと言う。えっ、だってマクラを話ながらネタのケイコだよ。そんなことできるの?スゲエ!天才だ、私は芸能生活37年たが、絶対できない。今度喬太郎くんに会ったら聞いてみよう!


おじさん頑張る!柳家小ゑん
   「卒業アルパム」(作・木下真之)

【あらすじ】
 自分の大学時代の(工業大学でキャンパスが飯場みたいだった)思い出をマクラに。 長野県に住む高校生。暗い写真部の男が帰国子女の女の子に恋をした。告白とかデートなんか出来っこない。彼は卒業アルバムの編集委員になって、彼女の写真を撮ることと、卒業アルバムに彼女の写真と自分の写真を並べることで思い出づくりをしようと考えた。
【「芝浜」を熱演する・・じゃなかった小ゑん師】
【稲田評】
  笑いのボルテージが高く、結構くどいんですが、構成がしっかりしていてテンポよく運ぶので、なかなか面白かったです。小品といえば小品ですが、暗い主人公とその相手役になるおしゃべりな友人のキャラクターがよく出来ていて、聞きやすい一席でした。 マクラの飯場キャンパスだけでも十分面白かったですが。
【円丈一言コメント】
 小ゑんさんと木下くんのコンビは面白い取り合わせだ。この後、かなりの作品が生まれそうな気もする。


そこで今回の結論

円丈:今回も聞けなかったけどやや客がうすかったようですね。
稲田: やはり客足はイマイチでした。でも笑いたいお客さんで、積極的な笑い声に案外演者も助けられたところがあるかもしれません。
円丈:そうです。いい客が、良い芸人と良い落語を育てるですね。
稲田:それはホントですね。佐藤友美さんとも話したのですが順番とかは事前に考えたほうがいいですね。
円丈:なるほど出番は殆ど任せてますからね。いやいやいつも同じ出番じゃ刺激がありませんからね。
稲田:若手が後半に出るのも時には励みになるのではと思います。今回は尻上がりに面白くなっていったので、それはそれでいいのでしょうが。二つ目くらいでドカンと面白いのもありかな、とか。
円丈:今回の会全体としての評価はどうですかね。
稲田: 錦之輔、喬太郎、小ゑんそれぞれが新しいものを作ろうと必死になっているのがよくわかりますね。そう全体からするとまあ、会としては合格じゃないですか。「落語21」らしい面白さはありましたよ。
円丈:どうもありがとうやんした。



 2月彦いち!もんでやる特集

 2月12日(火)18:50開演(開場18:30)】 【写真提供 東孝彦氏】


【新作はいつも反省だ!】

 今回は彦いち揉んでやる特集だったが、もう揉んでやるだが、私(円丈)は、揉んでやる余裕は全然ない。
  「彦いちクン、ボクを揉んで!」と言う状態。普段ならあと1.2回は、原稿の直ししてて。もう少しキチンと覚えている。
  それが全てに中途半端。とにかく落語の新ネタはやってみないと分からない。そして終わってから「う〜〜〜ん、どうだったんだろう?」と首を捻る円丈に清麿師も同じく「う〜〜〜ん!」と一緒に首を捻る。
  そう新作はいつも反省なんだ。古典みたいに「客が悪い」じゃ終わらない。しかしそのあと、この日のネタは結構評判良かったみたいだね。とにかくホッとしたね。(円丈)


【終わってから首を捻る円丈と清麿師】


この日、 1月に続きまあまあの入り!芸人は客が来るとうれしい。バイザーイ!!

正彦いち!揉んでやる 出演者
 快楽亭ブラ汁 「当たり屋」
川柳つくし
「ダイエット」
三遊亭小田原丈

「マホメット伝」

柳家喬太郎 演芸戦隊5エンゲー
 中入り  
三遊亭円丈 「アメリカ人を叩き出せ講座」
三林家彦いち 実録新聞奨学生

原稿です。

日々前進の快楽亭ブラ汁
    「当たり屋」

【あらすじ】
 リストラされ自殺しようとしていた男が老人に助けられる。老人の職業は当たり屋。男は老人に弟子入りし、当たり屋修業をはじめる。
【稲田評】
 当たり屋という非現実的なシチュエーションに注目したところで、前座の新作としては及第点なんでしょう。問題は、その状況をいかに笑いにもってゆくか。 当たり屋のディテールにもう少しこだわってみたほうがいい。落語的な笑いを作るなら、修業という形で、当たり屋のハウツーを詳しく語るとか、当たり屋の上中下みたいなものを作ってみるとか。そろそろ発想をふくらませる段階に進んでみる頃かもしれませんね。
【円丈一言コメント】
 天いやいやブラ汁くんには期待しとりますです!ハイ


前途洋洋の川柳つくし
    「ダイエット」

【あらすじ】
 太り気味を気にするOLがダイエットに挑むが見事失敗。リバウンドでさらに太ってしまった彼女が、ボーイフレンドと久々のデートに行くが…。
【稲田評】
 ダイエットという女性ならではの視点が活きる好テーマ。ならばもっと面白くなっていいはず。新聞の経済覧ならそれだけにこだわって、読み間違いギャグは量と馬鹿馬鹿しさでたたみこまなくては辛い。あっち行ったりこっち行ったりでは、散漫になる。笑いもそうだが、女性ならではの悩みから生じる素直な笑いをもっと描いてゆくべき。
【円丈一言コメント】
 天実は自分のネタで聞けなかったが、3人から感想を聞いたが「まだ足りない!」と言うのが大体の意見だった。でも逆に今はもっと試行錯誤をした方が将来の栄養になると思うな。頑張れ、つくし!!


安定味がました三遊亭小田原丈
    「ティファニーで成仏を」

【あらすじ】
 「ティファニー」にやって来た二人の田舎者。「焼き魚定食」「オムライス」との注文する。「ティファニーで朝食を」を見て、レストランだと勘違いした典型の田舎者。田舎者の一人は自分の勘違いに驚き死んでしまう。
【稲田評】

 お約束の勘違いネタに、「ティファニー」が出たところで失笑。しかし、その馬鹿馬鹿しさを堂々と語りきっちゃうところに小田原丈さんの成長がみられる。小品で遊ぶ力が出て来た。

【高座衣装はいつも良い、とにかくコーディネーター2級だかんね】
【円丈一言コメント】
 天楽屋で聞いていたが、「ティファニーで朝食を!」の部分で客席から失笑が起こったそうだが、あのフレーズを聞いた瞬間、ダメだ、こりゃ!と思った。ただ終わってからの評判は良かったようだ。しかし正直もう少し冒険をして欲しかったなあ。


これが喬太郎ワールドだぞの柳家喬太郎
    「演芸戦隊5エンゲー」

【あらすじ】
 若手落語家のレッド、音曲師のピンクはじめ、手品師、太神楽、紙切りの五人の若手演芸家。この頃、寄席の楽屋がおかしい。なんとなく色々な間がずれている。謎を探る5エンゲーの前に立ちはだかる一人のお囃子さん。彼女こそが悪の結社から遣わされた怪人で、この世から笑いを奪い去るため寄席を壊滅させに来たのだ。5エンゲーとお囃子怪人の死闘がはじまる。
【稲田評】
 喬太郎さん得意のお遊びネタ。いきいきやってるね。今日は彦いちさんの会ということで、色物に徹したということか。笑いのボルテージは流石。
【円丈一言コメント】
 もう芸人世界を描かしたら喬太郎くんの右に出る者はいない。客席もドカン!ドカン!と弾けていた。さすがに喬太郎くん、エライよ。ギッチョン!!


意外に評判良かった三遊亭円丈
    「アメリカ人なんぞ叩き出すためのアメリカ講座」

【あらすじ】
 アメリカ人を徹底的に解析。これから、日本人がアメリカ人に勝つためのハウツーを説く。
【稲田評】
 円丈久々の講義ネタ。本格的アメリカ人論から瑣末なネタまで、十項目を語り説く。下ネタで引くな、とか客の心理を逆手にとって笑いを構築してゆくうまさは流石。個々のこだわりを若手はもっと見習うべき。
【円丈一言コメント】
 正直、もう少し完成度を上げてからやりたかった。しかし漫談ネタは数年ぶりだね


真打目前!奮闘の林家彦いち
    「実録新聞奨学生」

【あらすじ】
 自らの新聞奨学生時代の悲惨な生活を回顧。
【稲田評】
 週刊誌ネタ的だが、常識を無視した悲惨な生活環境ぶりには驚嘆させられ、つきつめた笑いが起こる。
  そこまではいいのだが、この新聞奨学生時代が、今日の彦いちさんがどのように影響を与えているのか、そのへんをテーマにしぽらないとね実録の意味はない。自分の悲惨自慢ではただのマゾヒスト。興味的おかしみだけで終わってしまうには、もったいないネタだ。
【円丈一言コメント】
 真打直前に一番必要なものはパワー!そしてドカンドカンとウケル波だね。その波が、今日のネタには正直なかった。この日は最強、最上のネタをぶつけるのが最良の策だった。正直不満だ。そして彦いちくんにとってもやや悔いが残るのではないだろうか?

 

そこで彦いち揉んでやるの総評

稲田:寒いのにお客さんが入ってよかったですね。 落語会はある意味でお客さんに育てられるみたいなところもありますから。演じる側もその期待に応えなければいけませんね。
円丈: そうです。そうです。全くその通りですね。今回はどうでしたか?
稲田: 白鳥さんの時もそうでしたが、彦いちもんでやる、なら、もっとそれぞれが彦いちを肴にすべきでしょう。小田原丈さんが語った彦いちさんの若き日の熱湯コマーシャルエピソードはなかなかおもしろかった。他の人はなんかないの?と思いますね。
円丈:どうもシーマセン!私は精神的に余裕がなかったんですよ。でもやはりこの揉んでやるではイベントとしての揉んでやるコーナーを作った方がいいですね。
稲田:ホントです。こんな普段の面白い人はいないのに。その彦いちさんの普段の面白さが最近、漫談や落語に活きてきた。新真打ちのさらなる活躍に期待したいです。
円丈:でも今日の彦いちくんのネタは不満ですね。彼の一番得意とするところが出ていなかったように思います。あと・・。
稲田:まだなんか不満が?
円丈: そうですね。小田原丈にしろ、喬太郎くんにしても受けてるし、良いんですが、やや自分の世界の安住してるようなところがあります。それは若手全体に言えることなんですが、不満です!壁をぶち破って更に自分の世界を広げる努力をして欲しいですね。




 恒例正月スペシャルイベント3日間だよ

 12月5日(水)18:50開演(開場18:30)】 【写真提供 東孝彦氏】


【稲田VS円丈の犬対決!2対1で円丈の勝ち】

6なんだ?なんだ?どうして。「落語21」で犬が出て来るんだ?いやいや、コレぐらい遊びがないとね。12月に稲田先生と犬対決をした。もちろん、
「うちが2頭で先生が1頭。2対1で円丈の勝ち!」
と言ったら先生もすかさず
「とんでもない。師匠とこの2頭分より、うちの1頭の方が値段が高い!そのミッキーなんか拾って来た犬でタダでしょ」
「うるさい」 とまあ、この勝負、引き分け〜〜〜っ! てな訳で今月の稲田評論(円丈)


【もう客さえ入れば大喜び。単純なスタッフと芸人たち:打ち上げにて】




【2002年正月特別興行初日】

特別興行初目--1月3日


この日、 久々に大入り満員!まあ、とにかく芸人にとって客が来るのはうれしい。バイザーイ!!

正月特別興行 出演者
 快楽亭ブラ談次 「ドキュメント立川流の正月」
三遊亭天どん
「夢に向かって」
立川談之助

「マホメット伝」

しん平 「G4製作報告」
 中入り  
春風亭昇太 「リストラの宴」
三遊亭小田原丈 「血液型」
三遊亭円丈 「アンタの聖家族」


1月3日(初日)


日々前進の快楽亭ブラ談次
    「ドキュメント立川流の正月」

【あらすじ】
 ブラック一門の前座から見た、立川流新年会の一日を綴る。
【稲田評】
 前回の「ペプシマン」の時もそうですが、ブラ談次さんは自分の実体験を中心にした漫談路線で十分いけるんじゃないか。ブラック門下にいるんだからネタには困らないだろうし。あとは嘘の部分をどう構築、ギャグにしてゆくか。
【円丈一言コメント】
 天ブラックさんトコのお弟子さんはみんな偉い!隣の弟子は良く見えるのか?


上天丼を目指せ!三遊亭天どん
      「夢に向かって」

【あらすじ】
 「東京へ行きたい」という娘に母は反対する。「30年前、そうして母さんは家を出て来たけれど、今では…」。母になった娘は、今、ニューヨークへ行きたいと言う娘に意見し口論となる。「30年前、そうして母さんはニューヨークに来たけど…」、今度はその時の娘が母になり…。
【稲田評】
 噺のパターンは、正岡容・作、古今亭今輔・演の「お婆さん三代姿」ですね。昔の新作の手法を用いることは決して悪いことではないと思います。ようは、東京とか、ニューヨークとか、そこで語られる現代の内容のディテールをどう描いて笑いに導いてゆくかということでしょう。天どんさん、高座での愚痴が減り、やる気が感じられていいですね。
【円丈一言コメント】
 相変わらず気のつかない天どんだが、落語の方は頑張っている


これはアブナイねた?立川談之助
    「マホメット伝」

【あらすじ】
 マホメットの評伝
【稲田評】
 歴史人物伝として面白く作ってありますが、なにせ題材が題材。お客さんも危なさを笑うというより、笑っていいんだかどうだか、とまどってるところが多かったような…。でも結構勉強になりました。
【円丈一言コメント】
 ビンラデイン以来、イスラム教は狙い目と言えばい狙い目だけど・・ね!


なんでも出来ちゃう林家しん平
     「ガメラWの製作報告」

【あらすじ】
 しん平師が現在撮影中の自主映画「ガメラ4」の製作報告を熱く語る。
【稲田評】
  本当に楽しそうに語ってました。しん平さんが楽しそうだと、その雰囲気が客席に伝わってきますね。

【製作中のガメラを見せてたのしそうなしん平さん。落語を作るより、ゴジラやガメラを作った方が性に合ってるのかしら?】

【円丈一言コメント】
 とにかく何をやっても才能があるしんちゃん。あるすぎる。皮肉ぬきで!もうち〜っと落語の方も力を入れると良いんだけどね・・・・。

 

決して外さない春風亭昇太
       「リストラの宴」

【あらすじ】
 上司に食事に誘われたサラリーマン、彼の妻は「リストラ」ではないかと思い、リストラ対策のマニュアルを夫に伝授するのだが…。
【稲田評】
 ネタはもうおなじみ。マクラの去年の悲惨なニュースのネタを語るときの昇太さんのイキイキした表情が印象的でした。
【円丈一言コメント】
 昇太くんは、絶対客を外さない。偉いなあ。ホント、私の彼みたいになりたい。


輝きが増した三遊亭小田原丈
       「血液型」   

【あらすじ】
 婚約者の父が血液型占いに凝っていて「AB型の男に娘はやれん」と言う。AB型の男は困惑するが、実は娘にも秘密があった…。
【稲田評】
 ふわふわした感じが小田原丈さんらしくていいんじゃないでしょうか。現実感のないネタではありますが。
【円丈一言コメント】
 ま小田原丈はここ1年輝きがました。でもこの日の出来はどうだったのか?


疲れきってた三遊亭円丈
      「アンタの聖家族」

【あらすじ】
 ナルシストの妻、疲れて無気力な夫、フラダンスが趣味のボケかかった舅、ぐれかかった息子、そんな一家の口にする科白は「(こうなったのは)あんたのセイ」というセイ家族。一家が失った心を取り戻した時…。
【稲田評】
 こちらもおなじみ。「新作落語2000」で生まれたネタですね。
【円丈一言コメント】
 この日、NHKのラジオで11時から5時まで拘束、年のせいでスッカリくたびれていました。だからネタの方のどうだったのか?正直少し稽古してからやりたかったなあ。




特別興行2日目--1月4日

 

この日が一番の入りで3日間では出来も一番評判の良かったのようだ。私は出なかったけど。それがくやし〜〜いなあ。(円丈)

【2002年正月特別興行2日目--1月4日】

正月特別興行 出演者
三遊亭あろー 「ブリジット・ジョーンズの日記」
春風亭昇輔
「アンパンマン」
神田昌味

「流氷の子供たち」(作・あらいいたる、脚色・神田愛山)

夢月亭清麿 「バスドライバー」
 中入り  
柳家喬太郎 「無筆の親切」
林家たい平 「落語家の物真似」
三遊亭白鳥 「紙芝居、人魚姫」


4日(二日目)


シャニムに頑張る三遊亭あろー
     「ブリジット・ジョーンズの日記」

【あらすじ】
 昨年話題になった映画「ブリジット・ジョーンズの日記」を綴る地噺。31歳独身キャリアウーマン、中太りで酒煙草大好きというブリジットが二人の男性の間でゆれ動く。
【稲田評】
 前回の「パールハーバー」に続く映画シリーズ。素材の面白さに加え、構成がきちんとしていて楽しく聞くことが出来ました。はじける高座は好感。
【円丈一言コメント】
 天あろーの映画評論ものって結構、いけるね。



いつもマニアックな春風亭昇輔
    「アンパンマン」

【あらすじ】
 子供が拉致された。拉致したのは風俗ビルを建てようという地上げ屋のボスで謎の人物。監禁された子供は、「自分はアンパンマンだ」と名乗る男に励まされる。アンパンマンは空腹の子供に頭を食べさせ、ついには謎の人物と対決する。
【稲田評】
 ほのぼの系のくっだらなさがよかったです。マニアネタのようで、アンパンマンなんて誰でも知ってるキャラだし。子供の表情がいいですね。グロネタはちょっと困りものですが。
【円丈一言コメント】
 今回のは知らないから。どうだっただろう。


独自路線を行く神田昌味
  「流氷の子供たち」
       (作・あらいいたる、脚色・神田愛山)

【あらすじ】
 網走の町はずれ。流氷に乗って死のうとする少女を独身の三十男が助ける。一年後二人は結ばれ、紆余曲折はあるが三人の子供に恵まれ幸福に暮らす。
【稲田評】
 うーん。別に神田愛山という人に喧嘩を売るつもりはないが…。これを新作講談って言われてもなぁ。新作講談も新作落語同様なんでもありでいいんだが、このネタ、ドラマとしての面白さがなんにもないもん。昌味さんが「こんな表現落語ではありません」とギャグで受けをとってたが、あくまでもギャグ。その表現が文学的でも講談の面白さでもなーんでもない。
【円丈一言コメント】
 一度聞いてみないとね。ノーコメント!


ご存知夢月亭清麿
   絶品の「バスドライバー」

【あらすじ】
 最終バスに乗り込んだ酔っ払い。彼の財布に小銭がなかったことから、バス暴走の悲劇が起こる。
【稲田評】
 久々に聞きました。新作の名作の一つですね。面白かった。今回は、酔っ払いがモーニング娘について熱く語ってました

【円丈一言コメント】
 天このネタは正直、聞き飽きるほど聞いた。しかし何度も聞いた稲田氏が、良かったと絶賛してた。だから良かったのでしょう。聞いて見たかった。



柳家喬太郎
 キョウタローワールドの 「無筆の親切」

【あらすじ】
 無筆の男が病院へ行く。彼の病気は軽い病だったが、隣室で診断を受けていた若い男は重病らしい。「なわとびも出来ない」と泣いているのを聞いてしまった無筆の男は、若い男のために酒を断ち、わずかな金を若い男の治療費のたしにと病院に渡す。数日後、若い男が礼に来る。
【稲田評】
 展開からサゲまでよく出来た一席。古典の手法をベースに喬太郎ワールドのナンセンスが利いている。
【円丈一言コメント】
 天これも聞いてないから。いやいやもっと勉強しないと駄目だね


林家たい平
  「落語家の物真似」

【あらすじ】
 林家源平、桂文生、柳家小志ん・とし松、一龍斎貞丈、先代三升家小勝、杉田恭子、スミコお姉さん、三遊亭小田原丈、アダチ龍一、柳家亀太郎、猫八の鶯などの物真似を綴る
【稲田評】
 物真似も似てるが、一つのネタで笑いを構築していることろがさすが。
【円丈一言コメント】
 たい平くんには花がある。タレント性も充分。正直、売れて欲しいなあ。



三遊亭白鳥
   「紙芝居、人魚姫」

【あらすじ】
 前日NHKで放送し受けなかった、と前ふりをし、新潟(白鳥)流の「人魚姫」を語る。
【稲田評】
 破天荒な「人魚姫」で爆笑。エキゾチックな絵が味わいです。
【円丈一言コメント】
 その前日、NHKで一緒だったが、ホント受けなかった。それで受けた?マジで?正直、当日の高座を聞いていないので信じらんない。

【落語21では爆笑だった!!ホントかよ。なんだ。オリジナル紙芝居なんて大昔、よくやったよね】





特別興行千秋楽--1月5日


この日は、3日間の中で一番、客が薄かった。でも頑張った!!


【2002年正月特別興行千秋楽--1月5日】

正月特別興行 出演者
三遊亭かぬう 「おばさん車でジャスコへ行く」
川柳つくし
「倹約家入門」
古今亭錦之輔

「チョココロネ」

柳家小ゑん 「訪問者」(作・稲田和浩)
 中入り  
川柳川柳 「放送禁止用語あれこれ」
林家彦いち 「ジャッキー・チェンの息子」(作・清水宏)
三遊亭円丈 「パパラギ」(作ツイアビ)


5日(千秋楽)

只今修行中の三遊亭かぬう
    「おばさん車でジャスコへ行く」

【あらすじ】
 交通法規無視のおばさんドライバーの実態を綴る。
【稲田評】
 暴虐無尽なおばさんドライバーの実態をユニークに綴る。オーソドックスなネタですが、よくまとめていて、かぬうさん好演でした。
【円丈一言コメント】
 天これは乗り物と言うテーマを出したらコレを作ってきた。そこでもう一度。、書き直させた作品。
  只今、修行中!かれは、ある日何かがひらめくと突然、グーンと良くなるタイプ。でもまだその時期ではないね。

【熱演するかぬう:どうこの工夫これが芸!どこが?】



試行錯誤中の川柳つくし
   「倹約家入門」

【あらすじ】
 倹約家になりたいという女の奮闘記。
【稲田評】
 親への宣言とか、倹約家の師匠に入門するみたいなところが中心。つくしさんは私小説的に、落語家入門と倹約家入門を掛けて描いたのでしょうが、なかなか笑いには結びつかない。オーソドックスですが、「しわい屋」の現代版みたいな部分に比重を置かないと、倹約家をあえて出す面白味が出ないのではないでしょうか。
【円丈一言コメント】
 二ツ目になって目の色が変わってきた。今年あたりからそろそろ本格化か?


注目!!古今亭錦之輔
   「チョココロネ」

【あらすじ】
 チョココロネは頭から食べるか尻尾から食べるかで口論になった男。尻尾から食べると言った男は、友人や婚約者から罵倒され、警察にも追われ、捕らわれて拷問を受け…。
【稲田評】
 瑣末なこだわりとナンセンスが融合、錦之輔さん、面白く綴ってました。でもこれって、よほど強気でやらないと厳しいネタだよね。
【円丈一言コメント】
 錦ちゃん、好きです。頑張って



復活!柳家小ゑん
  「訪問者」(作・稲田和浩)

【あらすじ】
 作家志望の男が家で執筆をしていると、次から次にやって来る訪問販売員に閉口する一日。
【稲田評】
 拙作につき、コメントは控えます。
【円丈一言コメント】
 これは全く聞いてないので。ノーコメント!



川柳川柳
   「放送禁止用語あれこれ」

【あらすじ】
 二十年前、日芸連が配布した用語置き換え集をネタに、放送禁止用語について語る。
【稲田評】
 二十年前の用語置き換えがいかに馬鹿馬鹿しかったかがよくわかる。サゲの「土人の妾」は痛快。
【円丈一言コメント】
 もう川柳師匠には叶いません。


今年真打!林家彦いち
「ジャッキー・チェンの息子」(作・清水宏)

【あらすじ】
 実業家の息子は二世であることで悩んでいた。養護施設に入れられても、二世であることをまわりからとやかく言われる。そこへ、ジャッキー・チェンの息子を名乗る男が現われ…。

【今年春、真打に彦いち、頑張れ!】
【稲田評】
 過酷なトレーニングを笑顔で、というギャグがなんともいい。

【円丈一言コメント】
 天彦いちくんは、今年で真打になるが、今彼は悩んでいる。どのラインで行くのか?更に大きくなって欲しい。頑張れ、彦いち!!



なんかどうだったのか?三遊亭円丈
   「パパラギ」(作・ツイアビ酋長)

【あらすじ】
 ツイアビ酋長が村人に文明について語る
【稲田評】
 円丈さんのパワー炸裂。小気味のよい文明批判が痛烈。
【円丈一言コメント】
 天夏の独演会で絶賛を浴びた「パパラギ」。しかし、どうも納得出来ない。照明はいらない。色んな意味で全てマイナスに行ったネタ。くやしい!ホントくやしい。



 

そこで2002年3日間の総評


稲田:お客さんは、初日そこそこ、二日目わんさか、千秋楽やや減り、という流れみたいです。
円丈: そうみたいですね。まあ、去年後半客が落ち込んで会の運営費も殆どなくなり、どうしようかと言う状態だったけど、まあ、一息つけますね。
稲田: ただ、最後の日は当日券が多かった(初日、二日目はほとんど当日はなかったです)。 全体にはリピーターより新しいお客さんが多かった。
円丈:新しいお客さんが増えたことはいいことですが、リピーターが少ないのもモンダイですね。
稲田:そうとも言えますが、笑いを求めている人たちの「新作落語」への期待があるということでしょうか。 内容は顔見世ですから。得意ネタで笑いのボルテージは高かったようです。とくに二日目は、色々なタイプの落語が激突し、いい意味での火花が散ってました。円丈:残念です。火花が散った日はいなかったですからね。散らない日に出演してました。ガハハハハ。
稲田: でもまあ、良かったんじゃないですか。
円丈:まあ、そうですね。なにしろ。多少貯金が出来て。今年、前半までの運営費ならなんとかなりますから。それだけでもバンザーイ!
稲田:てな訳で今回はこれまで!

     ***** めでたし めでたし *******

 



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