落語21 8月〜12月号だ!

最近、髪を染めた。失恋のせいか?
稲田和浩先生

   毎月、落語21を見つづける稲田先生。時々見つづける円丈。なんせ、出演者も兼ねてるから。しかし5月はシッカリと客席のうしろで見た!客の入りは70人とまあまあ、自分がジイサンになったせいか、若い人が多かったようなきがする。
  稲田先生によれば今回は合格点とか!しかし今回、円丈作品が偶然だが3本も並んだ。いやあ、正直、照れるなあ!    円 丈


  
 【メニュ−】
◎12月対決シリーズ
◎11月だもん
◎10月だよ
◎9月のだ〜〜よ
◎8月落語まつり大特集
11日だよ〜〜ん
12日だよ〜〜ん
16日だよ〜〜ん
        どれを?

  
煙に巻く円丈 

    



12月5日。祝う愛子さま、ご誕生!

 12月年末対決Wマッチだよ

 12月5日(水)18:50開演(開場18:30)】 【写真提供 東孝彦氏】


【稲田VS円丈の犬対決!2対1で円丈の勝ち】

6なんだ?なんだ?どうして。「落語21」で犬が出て来るんだ?いやいや、コレぐらい遊びがないとね。12月に稲田先生と犬対決をした。もちろん、
「うちが2頭で先生が1頭。2対1で円丈の勝ち!」
と言ったら先生もすかさず
「とんでもない。師匠とこの2頭分より、うちの1頭の方が値段が高い!そのミッキーなんか拾って来た犬でタダでしょ」
「うるさい」 とまあ、この勝負、引き分け〜〜〜っ! てな訳で今月の稲田評論(円丈)


【左、稲田夫妻とタマモちゃん:右、円丈夫婦とミッキーとろっきぃ】



【12月のネタです】

年末Wマッチ落語会 出演者
 春風亭小町 「自殺願望中学生」
三遊亭天どんVS
「帰って来たスーパースター」
 三遊亭小田原丈

「放送禁止用語講座」

柳家小ゑん 「お話ワールド」
 中入り  
三遊亭白鳥 VS 「セーラー服奇談」
  林家彦いち 「蟻の説教」


新登場!春風亭小町
  「自殺願望中学生」

【あらすじ】
 自殺しようとしている中学生がいる。理由は人みしりで友達が出来ないタイプの自分にやっと出来た友達が、クラス替えで急に冷たくなったこと。自殺はしたいがなかなか出来ないでいると、母親に見付かってしまい…。
【稲田評】
  柳昇門下の女流落語家。まずマクラで「緊張している」とか「新作は難しい」とかいうネガティブトークは慎むべき。「応用落語」に出はじめの頃の神田茜さんも滅茶苦茶緊張してたけど、そんなことは言わなかった(言う余裕もなかった)。

  自分を追い込んでがむしゃらに落語に取り組んでみれば、そんなこと言ってる余裕はなくなる。ネタ以前にそうした気概が彼女には欲しいですね。
【円丈一言コメント】
 そうだね。でも生まれて初めての新作落語はスンゴイ緊張ではあるんです!ハイ


やる気がでてきた三遊亭天どん
 「帰って来たスーパースター」

【あらすじ】
 数ヶ月前に海外で死んだはずのロックスターがひょっこり事務所に現われた。死んでなかった、よかったと喜ぶはずの事務所の人間が何故か冷たい。実は彼が死んだということで、追悼アルバムや写真集がバカ売れしていたのだ。社長はロックスターを監禁、未発表曲や死に至るまでの手記を書かせてさらなる儲けを画策する。
【稲田評】
 前座時代に「落語ジャンクション」で口演したネタ。天どんさんの新作の創作センスが輝いたネタとして記憶にあります。今日もきちんと語り込み、ロックスターのキャラもステレオタイプで笑いをとる姿勢できちんと作ってましたし、なかなかよかったと思います。「民族芸能」の時の「合併家族」といい、ある意味で開花しつつある天どんさんを見させて頂き嬉しく思っています。
【円丈一言コメント】
 天どんは二ツ目になって頑張ってる。今回の評判が良かったみたい。でも聞いてないから

 


真打の貫禄が出てきた三遊亭白鳥
 「セーラー服奇談」

【あらすじ】
新潟の高田の居酒屋に元相撲部だったアニメおたくが二人。一人は東京で挫折して帰って来た男、もう一人は土地でアニメ一筋彼女も出来ずにいる男。二人は母校に美少女の幽霊が出るとの噂話を聞く。一人は怖いもの見たさ、もう一人は幽霊を憧れのアニメキャラとダブらせ、母校へと行く。
【稲田評】
 似非アニメおたくめ。だから面白いんだろうな。白鳥さんの描くアニメおたくって。二人に対する愛と嘲弄の錯綜が白鳥流の笑いで、後は怪談、落語、青春もののいいとこどりオンパレードで爆笑。
【円丈一言コメント】
 なんか完全に真打として自信が出てきたみたいだね。高座は安定している。

 


再生!柳家小ゑん
   「お話ワールド」

【あらすじ】
キャンプに行き道に迷った父子は、昔話ワールドに迷い込む。
【稲田評】
  ※深さより広さを狙ったナンセンス落語。とりとめなく長いのはちょっと難でしたが、小ゑんワールドの面白さは満載。ほのぼの系のオチも小ゑんさんならでは。
【円丈一言コメント】
 ギャグはソコソコだけど少し噺が、長かったと言う噂は聞いたけど・・・。うん・・。

 


今伸び盛りの三遊亭小田原丈
    「新放送禁止語講座」

【あらすじ】
 NHK教育の外国語講座のマクラから、もしこんな講座があったらということで、「放送禁止語講座」。「放送禁止語講座」で放送禁止語を使ってはならぬとのお達しが出て、置き換え語で番組は進行する。
【稲田評】
  小田原丈さん、凄い冒険しましたね。頭の外国語講座のパロディの「放送禁止語講座」で馬鹿受け。チンポコの文例を真面目に読むおかしさったらない。そして、置き換え語での厳しい批評眼の冴え。世間的には褒められたネタではないのかもしれないけど、これをやったことで、また一つ小田原丈さんは大きくなるんだと思います。
【円丈一言コメント】
 いやあ、本当、ここ1年で一番伸びてるのが小田原丈です!

 


林家彦いち
    「蟻の説教」

【あらすじ】
 小田急線の中、母子の会話。どうやら母子家庭らしい。母はいじめにあった息子に「もっとしたたかに生きろ!」と説教している。突然、「それは違うんじゃありませんか」と口をはさむ男、彼の正体は蟻だった。。
【稲田評】
  母子シリーズへのこだわり感充実。今日もナンセンスネタを力技で押し切ったというところでしょう。マクラのきく姫さんの「ポンコツラーメン」、私的に馬鹿受け。
【円丈一言コメント】
 いやあ、皆さん立派です!


そこで12月の総評


(対決しなかった対決シリーズ?なんじゃ、そりゃあ?)
円丈:今回は行けなかったんですが、またやや客の入りが悪いみたいですけど。心配ですね。
稲田:そうですね。会の全体の出来となると全体・小ネタが多かったという感じです。
円丈:やや、不満の残る会だったようですね。でだれが良かったんですか?
稲田:おもしろいのは小田原丈さん、天どんさんの次につながる期待感が貴重です。

円丈:しかし「対決シリーズ」で実際。対決しなかったんでしょ?どっちが勝ったとか。対決ならそれをするべきです。後輩たちは正直、傷つくことを恐がってます。甘えですね。もっと泥まみれになれと言いたいですね.
稲田:それでテーマはあんまり意味がなかったです。それと会としての安定感がやや足りないと言う感じです。
円丈:でも最近の客の入り悪さ、とか一度マジで考える時期にきましたね。ではこの辺で!!




11月20日。久振りの60人の大台

 11月三遊亭白鳥作品集

 11月20日(火)18:50開演(開場18:30)】 【写真提供 東孝彦氏】

6円丈れす。どうもココントコ元気がない。なんか鬱っぽいっすねえ。だもんで今月の自分の落語のテーマは「絶望」!そんなもの落語にすんな。そうだよね。
  だもんで今回は円丈は、コメントを棄権しました。でも客の入りは60人を超えてなんとかなったかなとホッとしてるところ。でも稲田先生の評論は相変わらず鋭い!じゃ行ってみようか。 (円丈)
  【開演3時間前でこの入り?マジ?】

【11月のネタです】

三遊亭白鳥作品集 出演者
快楽亭ブラ汁 「ハローワーク」
川柳つくし 「ナースコール」(白鳥作)
神田昌味

「夫婦タンゴ」(自作)

夢月亭清麿 「演歌の花道」(白鳥作)
 中入り  
 
三遊亭円丈 「絶望の町」(円丈作)
三遊亭白鳥 「「砂漠のバー、とまりぎ」


快楽亭ブラ汁
  「ハローワーク」

【あらすじ】
リストラで職を失った男がハローワークへ行く話。
【稲田評】
 「ぜんざい公社」の現実版ですね。官営の職業斡旋所で不愉快な思いをした人も多い。そこをついた視点はよかった。これを飛躍させるには、もっと与太郎的な人物を出して主人公とのやりとりがあるとか。展開がないと落語としてはイマヒトツというところでしょうか。主人公がタキシードを着てゆくギャグはよかったんですが、それがギャグでしかないのは残念。
【円丈一言コメント】
 いやあ、皆さん立派です!


川柳つくし
  「ナースコール」(白鳥作)

【あらすじ】
(藤田英明・作) ずぼらな先輩看護婦とまじめで世間知らずの新人看護婦の夜勤の話。
【稲田評】  

 つくしさんなりに白鳥テキストを整理して挑んだのはわかるのですが、はっきり言って面白くない。このネタは馬鹿ネタなんですね。開き直ってお馬鹿にやるしかないんでしょう。

  馬鹿であるという開き直りが、つくしさんにはぜんぜんない! せっかく白鳥ネタをやるなら、この際思い切った馬鹿を見せて欲しかったというところです。馬鹿やってコケたら、「ネタが悪い」って言い訳もきくんですから。
  【お馬鹿ナースの方を演じてるトコ】
【円丈一言コメント】
 とにかく進歩してます!



神田昌味
 「夫婦タンゴ」

【あらすじ】
顔にコンプレックスを持っている女が見合いで結婚するが、夫の浮気が原因で離婚。女は決意し、美容整形で美人になる。社交ダンスも習い、社会復帰する女。ある日バーで格好いい男にダンスを誘われる。男は髭をはやして一見わからなかった元の夫、夫も誘った女が美容整形した妻であると知り、二人はタンゴのメロディにのせ踊りながらののしり合う。
【稲田評】
  うーん。ラストシーンの異様な光景は面白いが、それまでの展開がほとんど無駄。何も夫婦の出会いからやらなくてもいい。色々詰め込みすぎて、女がある意味で多重人格になっている。美容整形なら美容整形にしぼって物語を再構成する必要あり。 今回は連絡ミスがあり実現しなかったが、白鳥作品みたいなものを講談にしてみるのも、昌味さんの新しい一面が出るかもしれない。
【円丈一言コメント】
 立派、立派!!



夢月亭清麿
   「演歌の花道」
(白鳥作)

【あらすじ】
かつてスターだったが今は落ち目の演歌歌手。彼に献身的に尽くすマネージャー。そんな二人の元へテレビ出演の仕事が舞い込むが…。
【稲田評】
 ※白鳥さんのイメージとして作られた虚像の演歌と、清麿さんの中のリアリティある演歌、それぞれの視点の面白さがよく出ていた。パワフルなのは白鳥さんだが、実像としての演歌で哀愁を聞かせたのは清麿さんか。一つの作品が別の演者の手で、新しい部分が見えてくる。拾い物の一席だった。
【円丈一言コメント】
 いやあ、凄い!



三遊亭円丈
   「絶望の町〜白鳥物語」

【あらすじ】
200X年、日本が大恐慌にみまわれる。恐慌の波にのまれた街は、廃墟となり、呪われた街と化してゆく。ある商社の社員が、貸し金とりたてに呪われた街のデパートへ行く。社員は呪われた街をさまようが、新宿、渋谷、池袋、永田町…、呪われた街は増幅してゆく。社員は呪われた街から抜け出すことが出来るのか!
【稲田評】
 RPGゲームをやってる感覚。呪いの街に入るためのキー探しから、次々に起こるイベント、その謎を解いて進む主人公。呪いの街の女王、キョウコ(恐慌)チャンや不幸を売る少女といったキャラクターたち。常識から逸脱したシュール世界を円丈流の語りで聞かせてゆく。「ランゴランゴ」もそうだったが、異質な世界をも力技で聞かせる、円丈さんの芸の凄さである。
【円丈一言コメント】
 私も偉い!


三遊亭白鳥
  「砂漠のバー、とまりぎ」

【あらすじ】
失恋した男が、静かな所で酒を飲みたいと、友人(後輩)を連れてやって来たのは、タクラカマン砂漠。二人は砂漠で道に迷い、一軒のバーにたどり着く。
【稲田評】  

 白鳥さんもまた無茶苦茶な世界を強引に笑いに転化させる力技を身につけた。「ホッピーってカクテルですか」「ホッケの魚言葉」だとか、洪水のようになだれ込むギャグ嵐が、客にストーリーのちぐはぐを突っ込む隙を与えない。見事。真打ちの貫禄十分の高座だ!

【この日は白鳥人方の圧勝!偉いぞ。真打】
【円丈一言コメント】
 一皮、いや二皮剥けた!!


 そんでもって先生の結論

 11月20日「落語21」は、白鳥作品集。 一つ言わせて頂ければ、チラシにネタ出しをして欲しかった。 破天荒なタイトルのついた新潟(白鳥)作品を他の落語家がどう料理するのか? 客にそういう期待をいだかせなければ、この企画自体の意味はない。と思うのですが。
  ましてや連絡ミスで神田昌味さんが白鳥作品をやらないに至っては…。 お客さんは祝白鳥ムードでしたが、この企画ならもっと盛り上がってもいいはずだと思うのですが。 具体的に個々に移りましょう。


10月「落語21」16日。炭そ菌のすぐあと、また客は薄い

 落語21!10月の巻

 10月16日(火)18:50開演(開場18:30)】

6円丈れす。スンマセン!この日は竹丸さんの会にゲストに呼ばれ、もう打ち上げでスッカリご馳走になって..。いやあ、酔った。それだもんで今回は全然、聞いてない。でも出演者の出来自体は悪くなかったと聞いている。
  しかし問題は客の入り!先月に続き今月も炭そ菌の影響で悪かった。ホントに炭そ菌の影響か?まあ、まあ、今てこ入れ作を考えてる最中です。でもって今月の 落語ウオッチャーは稲田先生の独壇場です。 (円丈)
  【受け付けも手持ち無沙汰】



【10月のネタです】

10月だぜ特集 出演者
春風亭昇七
「ベビーシッター」
三遊亭天どん 「恋愛芝居」 
古今亭錦之輔

「クイズ木っ端微塵」

夢月亭清麿 「落語家のかみさん」
 中入り  
 
柳家喬太郎 「パイナップル」
林家彦いち 「道化師」

【写真撮影:東孝彦氏】


春風亭昇七
   「ベビーシッター」

【あらすじ】
ベビーシッターの男が行った先が、やくざの親分の家だったという話。
【稲田評】
 前回、昇輔さんが「できちゃった結婚の前座」と紹介した人です。マクラは出産のてんやわんや話。へたにネタをやるより、こちらをふくらませた方が面白かったと思います。ただ、話が未消化で折角の面白い話も(自分勝手な医者の話や、それにふりまわされて陣痛をこらえる奥さんたちの話はやりようによってはそうとうおかしい)、伝わってきません。
  自分や家族を道化にすることをためらわず、もっと積極的な挑戦をして欲しいですね。 「やくざのベビーシッター」の話はつまらないパターンの典型。あえてやるなら、やくざを最大限にディフォルメして、演者の個性と押しでやるしかないでしょう。 前座さんの落語に長々苦言のコメントをしてしまいましたが、純朴で人のよさそうな仮面をかぶったようなしたたかさを見せる昇七さんのキャラは貴重なので、あえて色々言わせて頂きました
【円丈一言コメント】
 全然見てないけど。そう大体ネタに詰まるとやくざネタみたいなのがあるから..。でも頑張って!!


新境地の三遊亭天どん?
       「恋愛芝居

【あらすじ】
 ストーカー的な女が恋人を駅で待ち伏せするが、逆に恋人に見付かってしまう。これから演劇を見に行くという恋人を引きとめた女だが、駅にいる理由を聞かれ、恋人の気を引くため別の男との待ち合わせだと嘘を言う。
  別の男なんて勿論いない。

  しどろもどろになっている女を見かけた父が別の男になりすまし現れる。さらには女の母までも、奇妙な嘘芝居に参加して…。

【つけひげとマスクの天どん】
【稲田評】
 佐藤友美さんは面白かったと言ってましたが、私はちっとも面白くなかった。私が年寄りで、若い人の面白さがわからないということならコメントのしようがありませんが。デタラメな展開で客席の笑いはありましたから、それも一つのやり方なんでしょう。
  シュールならシュールでいいんですが、科白がしどろもどろだからシュールじゃなくしどろもどろにしか聞こえないんです。シュールとかナンセンスを演じるには、しっかりした演技が前提というのは古いんでしょうか。
【円丈一言コメント】
 今度、天どんに原稿を持ってくるように言いましたので読んでみます。でも稲田先生!しどろもどろなのは、彼の「しどろもどろ芸」なのでは?


100円ショップのカツラで頑張る
        古今亭錦之輔「クイズ木っ端微塵」

【あらすじ】
あるクイズ番組。正解すれば高額賞金、ただし間違えれば罰金などのペナルティ。一人目の挑戦者は各クイズ番組で優勝経験のあるクイズ王。引っ掛けのとんちクイズで、クイズ王は全財産をとられ、命までも奪われる。
 
二人目の挑戦者は、一休禅師。とんちクイズに次々答え、クイズの主催者の正体を暴く。


【本人一休さんのつもりです】
【稲田評】
  錦之輔さん好調の高座ですね。くっだらないとんちクイズで確実な笑いをとり、後半の一休VSスフィンクスという、とんでもない展開に客を引っ張る。錦之輔さんならではのこだわりがよく出ていて、面白く聞かせてもらえました。
【円丈一言コメント】
 全彼の落語好きなので見たかったなあ。前回はややそれたけど、今回はそこそこだったみたいで。・・・・いやあ、見たかった。


夢月亭清麿「落語家のかみさん」

【あらすじ】
 前座修行中の落語家。家にはしっかり者のかみさんがいて、落語界の処世術から、落語の稽古までつけてくれる。そんな落語家のある日の風景。
【稲田評】
 えー、清麿さんの今日の話、声が小さくてよく聞こえませんでした。夫婦の会話なのでひそひそ話のほうがリアリティがあるのでしょうが、聞こえなくては面白いもつまらないもありません。 内容的には、内輪ネタ過ぎます。
  「子ほめ」の解釈みたいなところは、清麿流落語解釈の面白さはあるのですが。こんな夫婦がいたら気味悪いでしょうね。そういう面白さはあります。
【円丈一言コメント】
 すそうですか?でもアンケートはそこそこ評判が良かったみたいですね。まあ、きいてみないとなんとも言えません。そう言えばもう25年以上前に「落語ママ」って噺家の家族の落語を創ったことがあります。えっ、面白かったか?いやあ、とんもでもない!


柳家喬太郎「パイナップル」

【あらすじ】
 埼京線で痴漢を捕らえた女子大生、痴漢は子供の頃別れた父だった。父が痴漢がやめられないことを原因で母と離婚したため、痴漢の多い埼京線に乗っていれば父に会えるかもしれないと女子大生は思っていた。「会いたかったんじゃない。ただ、昔父さんが作ってくれた酢豚が食べたいだけ」と女子大生は言う。
  父の酢豚にはパイナップルが入っていた。父は中華屋で下働きをしていた。女子大生は夏休みの間、父の中華屋へ通い、父の作った酢豚を食べる。しかし、パイナップル入りの酢豚を作ったことが中国人の店主に見付かり、父は中華屋をクビになり、どこかへ行ってしまう。数年後、女子大生は結婚し、新婚旅行で温泉へ行くが…。
【稲田評】
  7月の「落語ジャンクション」でネタおろしの作品。かなり整理して端的になってました。 喬太郎ワールド全開。酢豚のパイナップルとか、妙なこだわりがいつもながらの味でしょう。 キャバクラのギャグは癖ですか? ちなみに私も酢豚にはパイナップルは入っているべきだと思います。
【円丈一言コメント】
 全喬太郎くんは、とても安定期に入ってます。なぜ世間はかれにもっと注目しないのか?不思議でしょうがない。



付け鼻で頑張る
    林家彦いち「道化師」

【あらすじ】
  リストラにあった父は、息子の教育に命を賭けることにする。父は息子をサーカスのピエロにしようと特訓をはじめる。父に反抗し、息子は数年後、家を出る。だが、家を出ても息子に行き場はない。

  父に習ったピエロの技で街頭でジャグラーをやって糊口をしのいでいる。そんな時、テロリストが都庁に立て篭もった。テレビの画面に映し出された人質の中に父の姿を見た息子は都庁へ急ぐ。

【彦いちくん!君も付けモノかね】
【稲田評】
 親子愛みたいなものが最近の彦いち落語の重要テーマになりつつあるようですね。小技を活かしつつ、ちゃんとした構成でしっかり聞かせてました。父がサッカーや野球に興じる父子にむかい、「あいつらは中田にもイチローにもなれない、お前は違う」と言うところが説得力があっていいじゃないですか。ピエロやサーカスのディテールはもう少し突っ込んだほうがいいでしょうね。
  何故、父がサカースのピエロに息子をしようと思ったか。父の記憶の中に、子供の頃に見た映画とか、サーカスの話が出て来るとより説得力があるでしょう。「ピエロは大砲で撃たれてもポロポロになるだけで死なない」みたいな科白が一つあると、最後のテロリストと戦う件にも説得力が持たれると思います。 こんなところでよろしくまお願いいたします。
【円丈一言コメント】
 全これも聞きたかったネタですね。残念!!!!!!!!



そこで10月の総評対談


(安定期に入った?ホントに?)
円丈:客が少ないのは意外でしたね。。
稲田:なんか社会が落ちついて落語を聞いてられないと言う雰囲気が少し出てきましたね。それにこの日、新作の会が4つばかりかち合ったようですね。
円丈:ええ、でも竹丸さんの会もやや少なかったですね。
稲田: すると客はどこに行ったのでしょうか?
円丈:アフガニスタンですかね。
稲田:まあ、それはともかく内容的には、後半の彦いちさん、喬太郎さんが笑いだくさんに聞かせました。作品も充実。錦之輔さんも独自の世界を構築し、躍進してますね。 問題は客席の薄さ。
円丈:そう、ソレなんです!なんかやはり原因がありそうですよね。
稲田:いときもあれば悪いときもある、ということかもしれませんが、二年以上やってて、面白いよ、みたいな定着がないとしたら、もう少し宣伝と戦略が必要なのかもしれませんね。

円丈:全くその通りですね。今は炭そ菌が心配ですから、今回はこの辺で!
稲田:どう言う終わり方なんです。







9月「落語21」18日。自爆テロのすぐあと、客は薄い

 落語21!9月だよ〜〜んの巻

 9月18日(火)18:50開演(開場18:30)】

68月末に白鳥襲名披露落語会、円丈独演会と続いてこの日にまた落語会がぶつかって。その上自爆テロ!客席は。40人チョイ!淋しい。

  その中で演者の熱演が続いた。と言うコトにしよう。果たして今回は誰が受けるのか?
その評論はこの下に・・。



【これが9月のネタだよ〜〜〜ん】

9月だぜ特集 出演者
三遊亭あろう
「パールハーバー」
川柳つくし リセットハウス    
林家しん平

「ショッカーの集い」

三遊亭円丈 「お膳の男」
 中入り  
 
春風亭昇輔 「銭湯の罠」
三遊亭小田原丈 極道の面接官

【写真撮影:東孝彦氏】



夢のミュージカル落語を目指して
   三遊亭あろー「パールハーバー」

【あらすじ】
マイケル・ベイ監督の映画「パールハーバー」の全容を語る。
【稲田評】
 「ミュージカルシネマだ洒落落語」とは川柳つくしさんの的を得た評。おふざけを活かして適度に笑いをとりながら、「パールハーバー」の全容をうまく語っていました。
  活弁師らしい一席。あろーさんの語る力とエンターテイメントへのこだわりを存分に聞かせた一席。 ただ、これが面白いかどうかというのは問題ですが。 音楽は適当なところでカットすべき。

【熱演しすぎて頭が切れたあろー】
【円丈一言コメント】
 この「パールハーバー」台本をあろーは、メールで送ってくれたが、自分のネタで手イッパイでざらざらとしか読めなかった。とにかくミュージカル落語をやるのが夢。まだまだ手探りの状態が続くが、きっとその内にドカンと笑いと感動を与えるものが出来ると信じている。行け。あろー!!みゅ^じかる聞いてません。しかし快楽亭のお弟子さん2人は順調に伸びていますよ。まあ、安心


どらえもんはネタになるの?
   川柳つくし「リセットハウス」

【あらすじ】
 片付けられない症候群の女、家事をやらないため夫と喧嘩し家を出る。行き場のない女は、昼は不動産屋、夜は占い師という怪しげな不動産屋の紹介でモニターハウスに住むことに。その家はリセットボタンを押せば、汚した部屋が元通りにリセットされる他、洗濯も食事もリセットボタン一つでOK。この家なら、家事をやらなくても夫に小言を言われずにすむと、女は夫とよりを戻すが…。
【稲田評】
 前後半の比重を間違えてる気がしますね。前半の片付けられない症候群の女は現実的でリアルな笑い、リセットハウスはまったくの虚構の笑いでしょう。これらの話が均衡してると、どっちつかずになっちゃう。片付けられない…を細かく語って、サゲ前の盛り上げにリセットハウスを使うなら、後半のテンポアップが必要。逆にリセットハウスが主眼ならもっとナンセンスで押さないと。こんな家があったなら、からでもリセットハウスの話は出来る。むしろ、片付けられない…で、今の女性の抱える問題に迫ってみるほうがいいように思うのですが。昼は不動産屋、夜は占い師というキャラクターは怪しげで良好。
【円丈一言コメント】
 「リセットハウス」の発想は元々ドラえもんのような便利な道具からきている。そう言う落語に作ってみたいと言うのがそもそものこのネタの原点らしい。しかしそう言う私も昔、一度だけ、ドラえもんのような便利な道具の出てくるネタをやったが、ウケない!ダメだった!それとSF的内容は落語では受けない。もう何本も作ったがどれもダメ!今回のつくしクンもダメ!稲田氏の言うように「片付けられない症候群の女」自体をテーマにすればイケる。そう思うね。



いつものしん平ワールド
   林家しん平「ショッカーの集い」

【あらすじ】
去年語った「仮面ライダーの憂鬱」を受けて、ショッカーたちのその後の日常を綴る。
【稲田評】
  いわゆるサバイバルゲーム(戦争ごっこ)に興じる現代の若者のような、ショッカーごっこのやめられない若者たちの話。コミケから卒業できないアニメおたく的な面白さ。ショッカーも現実のテロリストたちに比べると本当に弱かったり。しん平さんらしいこだわりが充実の一席でした。
【円丈一言コメント】
 しん平さんに対する若手の評価は、凄く高い。しかしその評価は漫談に出てくるセンスの良さ。彼には、ストーリーより、ザッとしたストーリーに漫談散らしたネタにした時、最高に輝く。今回は客席の方も今ひとつだったような気がする。もう一回、昔のようなネタの作りでやると爆発すると思う。




根性は21世紀に復活するのか?
     三遊亭円丈「お膳の男」

【あらすじ】
 会社で根性を禁止することになる。社長が若き日に勤めた会社は、何事も「根性」で解決出来ると考えている根性主義者の上司のため次々に倒産していった。そこで、社長は社内の根性主義者を見つけリストラすることに。そのためのハイテクソフトを揃えた。根性主義者が見つかる。リストラになった根性主義者たちは根性で動くパソコンを開発しようと根性ベンチャーを起こす。一方、社長のパソコンはフリーズを起こす。再起動させようと、キーを押すが、押し続けるのが辛く指を離してしまう。パソコンのモニターに「根性なし」。
【稲田評】
 「根性」というテーマはいつもながらすばらしい。根性主義者がド根性蛙のシャツ着てたとか、根性のディテールはもう少しあったほうが笑い的にはよいのでは。「根性に理屈はいらない」などのフレーズは見事。それにしても、いまだに根性主義者の多いこと。でもそういう奴らがいたから、世の中って成り立ってたのかも。そう考えると、この噺は奥が深い?

【これが根性顔です】
【円丈一言コメント】
 一度書いて弟子に見せたら悪評だらけ!そこでそれから4.5回書き直して。なんとか出来上がった作品。思ったよりズ〜〜ッとウケタ。「根性」と言うテーマを古いと思ってる人は、逆に古い人だと思う。日本がこれから貧乏な国に戻ったらその瞬間から根性は復活すると思う。


う〜〜〜〜〜〜んと唸る
   春風亭昇輔「銭湯の罠」

【あらすじ】
野田に住むくたびれたサラリーマンは、女房と喧嘩。風呂が沸いてないことに怒った男は銭湯へ。懐かしい銭湯グッズや銭湯の雰囲気を満喫。しかし、その銭湯は麻薬入りの湯で銭湯中毒者を増殖させる悪魔の銭湯だった。
【稲田評】
 つくしさんとまったく逆パターンかもしれない。前半の夫婦喧嘩が辛い。男が不満をぶちまけ過ぎる。小ネタのギャグは面白いが、男のストレスが描かれない。もっと彼を追い詰めて、銭湯みたいなささやかなものに安堵を求める中年男の哀切を出さないと、難しいでしょう。後半はいいですね。もっと銭湯ディテールにこだわって、銭湯の番台は一番昇輔さんに近い善人的キャラクターがいいでしょう。そんなあたりを考えて、丁寧に演じれば、これはいいネタになるかもしれません。
【円丈一言コメント】
 だらだらと会話が続き、後半はテーマが変わる。正直、作品に対する構成認識の欠如!これは頂けない。落語を作り初めた頃、良くやる間違い。小田原丈の落語を聞こうと思っていたが彼にず〜っとアドバイスして客席に行ったらラストの2分前だけしか聞けなかった。...でもこれを機会に昇輔くんには一度作品の構成を考えながら作って欲しい!




そろそろお花開くか?
   三遊亭小田原丈「極道の面接官」

【あらすじ】
 東京に進出した関西やくざの組織を訪ねる関西の兄貴分やくざ。しかし、東京の組は組員確保もままならず、アルバイトニュースで組員を集めていた。関西やくざの兄貴分はアルバイトニュースを見てやって来た女子高校生の面接をすることに…。
【稲田評】

  小田原丈さんの頑張りが光りましたね。普通はこの手のネタは面白くないはずなんです。道化になるようで、引いてしまうのがやくざネタ。それをちょっとちぐはぐな関西弁を駆使して、普通の女子高生(いまどきのと違う普通の女子高生)とうまくかみあわせてうまく笑いにもってきました。

  吉本喜劇のやくざのマクラが説得力があったのも一因。よかったです。 こんなところでしょうか。また、よろしくお願いいたします。

【訳の分からん関西弁で熱演する小田原丈】
【円丈一言コメント】
 今回の中では一番ウケたのは小田原丈。ややノンビリ屋さんで今ひとつ足りなかったが、8月30日の円丈独演会のネタと言い、今回のうけ方と言い。一皮むけつつある。小田原丈に密かに期待し続けてきた。そろそろ花の咲く季節が巡ってきたようだ。この調子で頑張れ!!


そこで9月の総評対談


(安定期に入った?ホントに?)
円丈:どうですか?客が少なく、笑いもいまひとつ少ない!まずいです。
稲田: いい意味で安定期に入ったんじゃないでしょうか。
円丈:その安定期と言うのは、年を取って芸がガクンと落ちたのにそれを「燻し銀の芸」と言うようなもんですではないですかね?
稲田: まあ、内容的にはドカンとくるようなものがない代わりに、そこそこいいネタで次につながるようなネタが確実にヒットするようになったみたいな。円丈師匠にとっては一番不満な状態かもしれませんが。

円丈:でもつくしくん、昇輔くんの若手にもっと期待してたんですが、やや残念ですね。新作って意外に時間のかかるもんですからね。次回に期待しましょう!
稲田:客席的には予約して来る客が減り、チラシやかわら版を持って来て割り引き料金で入る、慣れた客が増えたようです。
円丈:まあ、今回は自爆テロに負けたと言うことにして。来月にきたいしましょう!いやあ、ホント良い会でしたね。稲田:急に変わりますね。それではこのヘンで!

10月予告!
10月16日(火) 18:30開演 18時50分開演 (開場18時半)

それは究極の秋! 出演者
春風亭昇七 「?????」
三遊亭天どん 「?????」
古今亭錦之輔 「?????」
無月亭清麿
 中入り 「?????」
柳家喬太郎 「?????」
林家彦いち 「?????」

(上記出演者・出演順に変更の場合がございます)

  【場 所 】  プ−ク人形劇場 新宿南口より徒歩
  【日 時 】  毎月第3火曜日 18:30開場 18:45開演
  【場 所 】  プ−ク人形劇場 新宿南口より徒歩5分
  【入場料】 前売り(電話予約・チラシ・ハガキ持参)2500円
          当 日   2200円
  【問い合わせ】
    ◎プ−ク人形劇場 (渋谷区代々木2- 3)  3379-0234
    ◎東京かわら版佐藤..3861-1817



 

8月「落語21まつり」11、12、16日の3日間。大特集!その成果はいかに??

 落語21!8月3日間大特集の巻

 7月17日(火)18:50開演(開場18:30)】

 今回は稲田氏が復活!ただ今月円丈は忙しくて自分のネタ覚えで精一杯。あまり人の噺をゆっくり聞く余裕がなかった。
すんません。客の入りは大体いつもの平均ぐらいの入り。そして全体の出来もいつもの平均程度か? 円丈


(一番盛り上がるのが、終わってからの打ち上げだったりして)

 


【6

これが8月11日初日のネタだよ〜〜〜ん
8月11日だぞ特集 出演者
三快楽亭ブラ汁
「落武者峠」
神田昌味 女の修羅場    
立川談之助

「熱闘甲子園」

三遊亭新潟 「コロコロ」
 中入り  
 
春風亭昇太 「リストラの宴」
三遊亭天どん 「9号車の怪談」
三遊亭円丈 「ランゴランゴ」

【写真撮影:東孝彦氏】

 

 

徐々に確実に伸びてる
   快楽亭ブラ汁「落武者峠」

【あらすじ】
車で夜道に迷った若者二人。心霊スポットに迷い込むと、目の前に落武者の亡霊が現れ、驚いた若者は落武者を轢いてしまう。落武者と思ったのは、ラーメン屋の出前持ちだった。
【稲田評】
  きっちりした喋り方と運びが好感ですね。ブラックな路線を狙ったんでしょうが、轢き逃げの隠匿となるとあまり笑えませんね。ラーメン屋にもう一つ強い個性を出して、馬鹿馬鹿しい展開がひとひねりあるとよかったかもしれません。これからに期待です。
【円丈一言コメント】
 スンマセン!聞いてません。しかし快楽亭のお弟子さん2人は順調に伸びていますよ。まあ、安心と言うか、ハイ。
  ブラック師匠!お宅の前座さんがうらやましい!うちと交換しません?


 ハリセンの試み
     神田
昌味女の修羅場
【あらすじ】
 
神田昌味化粧に時間のかかり過ぎる女の恋のあーたらこーたらを講談の修羅場で綴る。
【稲田評】  
 ストーリー以前に修羅場で全編綴ることに無理があります。まぁ、講釈師らしさを出したい気持ちはわからぬではありませんが。修羅場はあくまで講談を盛り上げるための手法の一つ。たとえば、化粧品の言いたてみたいなところを修羅場で聞かせるとか、そういう使い方をしなければ効果はない。恋のあーたらこーたらなんだから、世話講談としての魅力を聞かせる努力をして欲しいですね。電車内でパフォーマンスを演じる男たちの話

【円丈一言コメント】
 これも聞けませんでした。申し訳ナイデス!ただ楽屋のスピカーからは、ハリ扇のパンパンがうるさいほど聞こえてきました。張り扇の意欲的な試みだった訳ですね。
講談的な調子の喋りが、現代モノにどこまで有効なのか?いやあ、難しいでしょうね。活弁を最近やってますが、あまり七五調の喋りはうけません。普通に話した方が受けるようです。いやあ、芸は難しい。でもこれに懲りずに別な試みを!



    立川談之助「熱闘甲子園」
【あらすじ】
高校野球を中心にスポーツの穴噺。
【稲田評】
 ご存じ、といったところでしょうか。
円丈一言コメント
  稲田先生!そんなにアッサリ書かれると私の負担が増えるのでやめて下さい。
談之助さんの高座は、10分ほど後ろで聞いてました。例のスポーツや有名人を毒前でドンドコ斬って行く訳です。しかし思ったほどは受けなかったてすね。後半はそれでもかなり受けだしたのですが、そろそろこの毒舌マイナーパターンから少し別な談之助にイメ−ジチェンジする時期が近づいたのでしょうね。 ガンバレ!立川談之助!

 


 そこそこ受けてた
       三遊亭新潟「コロコロ」
【あらすじ】
人生に疲れた男が何かに生まれ変わって人生をやり直したいと思った時、神様が現れる。男の希望を聞いた神様は、男をゴミ取りのコロコロに変えてしまう。
【稲田評】
  「応用落語」の初期の頃のネタですね。自分が何に変えられたかわからない男の想像のところが聞かせどころで、ちまちましたいやらしさがよく出ていて、笑い沢山に仕立ててました。
円丈一言コメント
  確かに受けてはいましたが、師匠と言う立場から見れば今月真打だから。出演者全員をなぎ倒すほどの大爆笑を取って欲しい。あんなもんでは!納得できない。これが厳しい師匠の意見です。彼の持ってる潜在能力からすればあの五倍の笑いが取れる。



この日3席目の
    春風亭昇太
「リストラの宴」
【あらすじ】
上司に食事に誘われた男、しかし、妻はリストラの宣告ではないかと疑い、リストラにあわないためのマニュアルを夫に教える。
【稲田評】
  つけやきばもので、たいしておもしろくないギャグも昇太のパワーで聞かせ受けさせてましたね。これも五年くらい前のネタでしょうか。リストラが社会現象から社会問題に変わった今日では、リストラ対策マニュアルもかえって逆効果。ちょっと新作の賞味期限について考えさせられました。
円丈一言コメント
 昇太くんの高座も安心している。この日の昼。昇太くんはお台場寄席で2席落語をやってこの落語21!やや疲れていた分、ホンの少し何時もより、受け方が100%のところ90%になったんじゃないかしら。 ただ将来的には、昇太くんにはもう少しマクラが短く、そしてもう少し中身を長く。これが決まるようになると。受け方と言うより、昇太くん自身の評価が大幅にUPすること間違いないと思います。


不満が残る
  三遊亭天どん「9号車の怪談」
【あらすじ】
 バイトで帰りが遅くなった女が終電車に乗り込む。車内は満員。別の女、霊子に最後尾の女性専用車両へ行こうと誘われ、女は車内を移動。そこへ着くまでに男性専用車両があったり…。女性車両では女ボスの仕切る無法地帯で「女性専用車両が安全だと誰が決めた」と脅され殺されかかる。女は霊子に連れられ8両編成のはずの電車のもう一つ後の9号車へ行くよう誘われる。
【稲田評】
 「世にも不思議な物語」的な軽い一席としてはそこそこ面白かったんでしょう。天どんさんは高座での愚痴や無駄が少なくなったのが成長。男性専用車両はかなり馬鹿馬鹿しかった。ただネタは早い時期に割れてるので、もっとテンポよく演じて欲しいな。
円丈一言コメント
  正直不満!マクラで「え〜、あの〜」の連発。プロには許されないことだと思う。彼にはそのことを100回は言ってる筈。内心期待してただけにもうなにか悲しくなった。
「おれは同じこと言うだけのテープレコーダーか?」と天どんに言いたい。
しかもかれの未熟な芸風であの怪奇モノは合わない。ナンセンスで笑わせるか?恐がらせるか?どっちなのか?ストーリー的には見るべきとこが、あったけど。あれじゃああねえ!

円丈2度目のUP
    三遊亭円丈「ランゴランゴ」
【あらすじ】
 三遊亭円丈「ランゴランゴ」 会社の余興に落語家を呼びたいという男が、友人の寄席の支配人を訪ねる。ギャラでおりあいがつかないため、何とかして欲しいという友人に支配人は、ある前座を紹介する。その男はアフガニスタン人。出稼ぎに来ていたのを工事現場をくびになり落語家になったらしい。片言の日本語で落語もどきを演じるアフガニスタン人にあきれていると、今度はその師匠、ザイール人がやって来て、意味不明な落語を演じる。あとは滅茶苦茶。
【稲田評】
 前回のネタを整理してグレードアップしてぶつけてきましたね。一つのネタへの執念が感じられます。迫力もあり、ポイントが定まって、いや、面白かった。客席も馬鹿受けでした。
【円丈一言コメント】
   円丈作品の中では並の噺?まあ、楽に笑える噺ではと思う。後は稲田先生のご意見を参考にしてもう少し刈り込んで、はなしこんで更に面白くしたいと思いま〜〜す!!

 

 


【6
これが2日目のネタだよ〜〜〜ん8月12日
8月12日だぞ特集 出演者
快楽亭ブラ談次 「ペプシマンの正体」
春風亭昇輔 「幸福のみどりのハンカチ」
柳家小ゑん 「ふぃ」(三遊亭円丈・作)    
林家しん平

「ポクポク坊主」

三遊亭小田原丈 「自転車泥棒」
 中入り  
 
川柳川柳 「スポーツあれこれ」
柳家喬太郎 「びっくりしたなモー」
林家彦いち 「怪談サークル」

【写真撮影:東孝彦氏】 【この日円丈、別な場所でいて聞けず】

 

 

なかなかのもん
   快楽亭ブラ談次「ペプシマンの正体」

【あらすじ】
落語家になる前やっていたペプシマンのバイトの話。
【稲田評】
 なかなか面白いじゃないですか。事実と嘘の中間をうまく語ってましたね。無理してネタを作らず、この路線で十分面白い。あえて言えば、もう少し嘘話があってもいいしんじゃないか。コカコーラの看板にはパンチでなく、跳び蹴りでしょう。車で夜道に迷った若者二人。心霊スポットに迷い込むと、目の前に落武者の亡霊が現れ、驚いた若者は落武者を轢いてしまう。落武者と思ったのは、ラーメン屋の出前持ちだった。
【円丈一言コメント】
 でしょうね。着実にのびてる。素晴らしい。今度ぜひ聞いて見たいです。


 円丈も聞きたかった
    
春風亭昇輔「幸福のみどりのハンカチ」
【あらすじ】
 
タイ人カップルの乗っている車に中年男が乱入してくる。中年男は刑務所を出て来たばかり。別れた妻のところに「待っていてくれるなら、みどりのハンカチをつるして欲しい」と葉書を書いていたという。「それは幸福の黄色いハンカチじゃないか」とタイ人に突っ込まれる中年男。三人の珍道中がはじまる。
【稲田評】  
  遊んでていいじゃないですか。昇輔流のコアな凝り方も最近では板に着いて来たところがあり、この調子でいけばいいんじゃないかな。マクラの、あの不思議なコレクションはただ陳列しても一席の漫談ネタになると思う。

【円丈一言コメント】
 こここ一年昇輔くんが、グ〜〜ンと伸びててうれしいですね。このまま伸びてくれることを希望します。



 祝う!復活
  柳家小ゑん「ふぃ」(三遊亭円丈・作)
【あらすじ】
 会話をしていると相手の言葉のはしばしに「ふぃ」というのが入る。「お前、そのふぃというの変だぞ」と言うと、「ふぃと言わないお前の方が変だ」と言われる。気が付くとまわりの人間が皆、「ふぃ」と言っている。男は精神科へ行くが…。
【稲田評】
 これはよく稽古してきちんと演じたというのがよく出てますね。「ふぃ」の間の面白さで客席を十分受けさせていました。小ゑんさんらしい味のある持ちネタになるんじゃないかな。 ご存じ、といったところでしょうか。
円丈一言コメント
  この「ふぃ」は、小ゑんさんがおもしろいと言うので「原稿を渡したらやってくれました。そこそこ受けたと言う。一体、どんな風にどんなところが受けたのか、聞いて見たかった。ただラストがあまり受けなかったそうで。そのうちにもう一度変えて、小ゑんさんの「ふぃ」と競いたいなあ。

 


 パチンコキャラの
       林家しん平「ポクポク坊主」
【あらすじ】
 パチンコの「ポクポク坊主」という台のキャラクターを落語に。寺を抜け出して遊びに行く小坊主たちとおっかない和尚さんのやりとり。
【稲田評】
 噺はたわいもないネタです。しん平さんならではのこだわりを三人の小坊主のキャラクターに当てはめてうまく演じてました。
円丈一言コメント
  この噺は聞いてないのでなんとも言えないけど。とにかくしん平さんは才能豊かだから。もう一度マジで落語をやって欲しいなあ。ゴジラのビデオ撮影をほどほどにして!えっ、なに?おめえだって狛犬やってるだろ?どうもスンマセン!



あと一歩!あと一歩!
   
三遊亭小田原丈「自転車泥棒」
【あらすじ】
 巡査が自転車泥棒の若者を捕らえる。迎えに来た兄も自転車泥棒、祖父にいたっては消防車を盗んで乗って来た。一家は乗り物泥棒の家系。最後に迎えに来た父は、自分は自転車泥棒を辞めたのだと過去の話をする。巡査の顔色が変わる。
【稲田評】
  数年前の円丈師の会でやったネタだと思う。乗り物泥棒の家系とか、巡査が拳銃をぬいて自転車泥棒の父を脅すぶっ飛んだところか゜、なかなか面白かったですね。うんこ話はご愛嬌で、小田原丈らしくないおとぼけもまた一興。
円丈一言コメント
 昇弟子の小田原丈は、ソコソコ良くなって来たけど。あと一歩!あと一歩、足りない。あと一歩でドカンと受けるようになる。


枯淡!!
  
川柳川柳「スポーツあれこれ」
【あらすじ】
  甲子園入場行進曲を中心に、いまどきのスポーツの穴話。
【稲田評】
 いつものネタ。しかし、話に説得力があり、聞かせる力は充実。笑いのボルテージは流石川柳、ですね。
円丈一言コメント
  この日の高座はともかく、川柳兄さん、相変わらず受けてると言えば受けてるのですが、どうもここ1.2年少し元気がないような感じがします。あの熱狂的な高座が、陰を潜めてる。小泉さんが靖国でもう大騒ぎ!今こそ、軍歌の時代です。もう一度、ガツ〜〜〜ン!とお願いします。

一席必笑!
   
柳家喬太郎「びっくりしたなモー」

【あらすじ】
  うだつのあがらない初老の万年係長。彼に興味を持った若い男は、一緒に酒を飲む。係長は自分の青春時代を語る。70年安保の頃だ。お笑いに興味を持ち、松竹演芸場で雑用係をしていたことがある。
  お笑い芸人としてデビューするはずがなれなかった。いきいきしていた青春時代がこの初老の男にもあった…。
(彼は受けます!いいなあ)

【稲田評】
  喬太郎さんなら70年代のお笑いディテールにもっとこだわって欲しかった。係長の情けなさ、年下の上司に罵倒されるとか、OLに馬鹿にされるとか、情けないところを一つ聞かせて、お笑いの話になると急に元気になってディテールをまくしたてる。みたいな展開の方が説得力もあるし、笑いも多くとれるんじゃないかな。お笑い見習の男と全共闘の女の恋なんてあたりはそうとう面白いビジュアルだが。サゲもそうだし、全体にもっと開き直ってやったほうがいいですね。
【円丈一言コメント】
 今、一番新作で安定して受けるのは、喬太郎くんではないだろうか?先日、池袋演芸場で10日間一緒だったが、毎日新作のネタを変え、毎日、爆笑でした。偉い、凄い!しかしなぜ、彼をマスコミでもなんでも取り上げないのか?不思議だ。喬太郎落語は今黄金期に入った。かれは素晴らしい!!


期待の星
   
林家彦いち「怪談サークル」
【あらすじ】
 怪談サークルに新任の顧問教師がやって来る。体育会ノリの教師は、怖い話のへたな部員を叱責する。部活が終わり夜の校舎を巡回する教師に次々と幽霊が襲い掛かるが…。

(彦いち独特の間とこの顔、できませんね。いいですね)

【稲田評】
  これも軽いノリの怪談で、実は教師が、というのがオチ。教師のキャラクターがよく描けて、彦いちさんの力演がいいですね。勢いがあっていい。
【円丈一言コメント】
 この噺は以前聞いたけど...。それより彦いちくんは、類まれなウケさせようと言うプロ根性がある。そのパワーと彼の研ぎ澄まされた間とギャグが一体となった必殺のギャグ。素晴らしい。必ず明日の新作を背負う芸人。もう信じて疑いません!



これが楽日のネタだよ〜〜〜ん8月16日
8月16日だぞ特集 出演者
三遊亭かぬう 「心の鍵」
川柳つくし 「吊らせる女」
三遊亭らん丈 「新明解国語辞典」   
夢月亭清麿

「五反田文学散歩」

夢月亭清麿 「五反田文学散歩」
 中入り  
 
古今亭錦之輔 「甲子園の魔物」
林家たい平 「海の家」
三遊亭円丈 「稲穂の絨毯」

【写真撮影:東孝彦氏】

三日目

 

まだまだこれからの
   三遊亭かぬう「心の鍵」

【あらすじ】
鍵をなくした夫婦が鍵屋を呼ぶが、悪ノリのよく喋る奴。妻の挙動に不信を抱く夫は鍵屋に妻の携帯電話の暗証番号を解読してくれと頼む。
【稲田評】
 前回同様、前座の話にしてはストーリーもしっかりしてるし、将来が楽しみですね。ただ、小さくまとまり過ぎているのと、他人の不幸を笑おうみたいなところがどうなのか。暗証番号の割り出しなんか、もっと裏技があるはずで、そんなのもギャグになるだろうし、悪ノリキャラの鍵屋だけでは弱いですね。
【円丈一言コメント】
 スンマセン!楽屋入りが遅れ、聞いてません。そうまとまりすぎてる、それが欠点です。少しずつ上昇してくれればと思います。頭のいい子なので、きっとなにかを掴んでくれるでしょう。

 

 吊っちゃあだめだよ!
    
川柳つくし「吊らせる女」
【あらすじ】
 
子供の頃から、沖田浩之、フランク永井、Xジャパンのヒデ、桂枝雀、桂三木助と、好きになるタレントが皆首吊り自殺をしてしまうという女が、そのことを悩み精神科へ行く。医者はその女が好きになる男を自殺に追い込んでしまう特殊な能力があることを見抜き、対立している院長候補の男を好きにならせようと画策する。
【稲田評】  
  発想は面白いですが、途中で展開が読めちゃいますね。もっと医者は狡猾であるか漫画チックかどっちかのほうがいいでしょうね。つくしさんの場合、もっと身近で単純なところに笑いを求めていったらいいのにと思います。彼女自身がそうとう面白いんだから(生き方や考え方)。

【円丈一言コメント】
 すんません!まだ楽屋入りしてませんでした。彼女は女で新作をやる唯一の人間です。ぜがひでもモノになって貰わないと困ります。つくしよ!男を蹴飛ばせ。



おもしろかった
 
   三遊亭らん丈「新明解国語辞典」
【あらすじ】
国語辞典に載っているおかしな意味を検証する。
【稲田評】
 「右」とか「左」とか「恋愛」とかの意味の記載があんな風に書いてあるなんて、そんなのよく見つけたという面白さはあります。観察の勝利でしょうね。例文の件はやや冗長ですね。もっとおかしな意味を五六個ポンポンと聞かせて笑いのうちに終わるのもいいかもしれません。笑わせてはもらいました。
円丈一言コメント
 これは、半分ほどうしろで聞きました。ストーリーものではなかったが面白かった。よく弟子に言うんです「自分の知ってることしか噺が書けない!」まさにその通り。昔から、らん丈はすぐ辞書を引きます。そんなもんまで..と言う言葉まで引きます。字引マニアです。それがネタになった。まだまだ不完全だけど少し整理すればこれは行ける!

 


 う〜〜〜〜んと唸った
       夢月亭清麿「五反田文学散歩」
【あらすじ】
永井荷風を気取る中年男が、五反田の街に文学を求めてやって来る。目黒川のほとりの連れ込み旅館街へとたどり着いた男。そこは昭和30年代がそのままタイムスリップしたような街だった。
【稲田評】
 拙作につき、コメントは控えます。 (でも一言)清麿流の文学与太郎噺になっていたのは面白いと思います。同じ題材で別の噺がいくつか作れそうな気がしました。
円丈一言コメント
 う〜〜ん、21世紀の今なぜ永井荷風なのか?分からない。その古さをギャグにするならともかく。稲田氏の言う「清麿流の文学与太郎噺」にはなっていないと思う。五反野の土地は狙ったと思うけど足立ほどは笑えない。前回が昭和の始めの人間ポンプと作家が出てきた。なぜか後ろ向きのイメージがしてしまう。新作のテーマは、基本的にはいつも今です。彼とはもう新作を20年以上一緒にやってきた同志です。56のジイサンのこの私が頑張ってる。さあ、清麿さん。一緒にもう一暴れしよう!



少し外れた
   
古今亭錦之輔「甲子園の魔物」
【あらすじ】
タイムリーエラーをしてしまった甲子園球児に、甲子園に住む魔物が囁く。このままでは故郷の街を歩けなくなる。俺に金をくれれば、次の回で逆転ホームランを打たせてやろう。球児は魔物の囁きに心を動かされるが…。
【稲田評】
 いつもながらのマクラの瑣末な話は錦之輔さんらしい味があって面白かったですね。噺のほうは、これは私のほうに責任があるのかもしれないけど、そんなに甲子園に感動できない体質になっちゃってるというか。この噺のシチュエーションに入れませんでした。
円丈一言コメント
 いやいや正直、一度前にチャンと聞いて錦之輔くんのファンになってしまった。スンゴイ期待をして聞いたんだけど。正直、今回はさほどではなかったね。野球の仕草って落語にすると平凡だし、今更、甲子園の時代じゃない。正直×!でも次回は客席で腹を抱えて笑うスタンバイをしてまっている。錦之輔くんはおもしろい。


受けてました
  
林家たい平「海の家」
【あらすじ】
  もしも、こんな変な海の家があったら…、という噺。
【稲田評】
  自身の体験談から作ったネタなのでしょうか?瑣末なことを爆笑に仕上げるのはたい平さんの得意芸とでもいいましょうか。ギャグに一貫性がないぶん、個々の空とぼけた馬鹿馬鹿しさがよく構築されて、客席を沸かせていましたね。
円丈一言コメント
  いや彼は、受けさせるコトでは天才的な才能があるのではないだろうか?いつも、へえ〜〜っト感心させられる。今回もそう!本人は少し不満が、あったみたいだけど。いや大したもん!お世辞や、冷やかしでなく。うらやましいとさえ思う。

(故三平師匠を彷彿とさせるこの仕草!いいなあ)

どうも良くなかった
   
三遊亭円丈「稲穂の絨毯」
【あらすじ】
  くたびれたセールスマンがビジネス旅館の一室である妄想の世界に入りこむ。そこには彼がこれまで食べた動物や植物が大行進。豚、鶏、牛、大根、キャベツ、魚、米…。自分のような人間が生きてゆくために、多くの生命を犠牲にしてきた。男は食べ物たちへのお詫びの旅に出る。
【稲田評】
  「応用落語」の時のネタですね。円丈さんのメッセージ落語として、しっかりしたテーマと、動物たちの表現の面白さが加味され静かな感動を伝えてました。後半の強引なところが前は笑いの主眼になっていましたが、今回は「ぴよびよ」「ぶーぶー」でしっかりと笑いをとっていたところが、円丈落語の凄さ!

【円丈一言コメント】
 稲田先生、褒めて頂きありがとうございます。しかし良くないですね。ダメだ。こりゃあ!前半はそこそこ手ごたえがあるんですが、問題は後半です。少しずつ変えているんですが受けない。ダメ。
 ホント、もう、くやし〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い。
  でもこのネタは捨てない。今、後半を全てなくし、幻想部分だけを膨らませた噺に改造計画中。決してあきらめない。このネタを絶対、モノにしてやる。
  マジで!くやし〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜よ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜お!

 

そこで3日間の円丈、稲田対談


(初日まあまあソコソコ!)
稲田: 初日は、円丈「ランゴランゴ」の爆笑が突き抜けましたね!」
円丈「そうですかね。でもうれしくありませんね。もしそうだとしたら。やはり若手の誰かが円丈より、突きぬけて欲しかったです!私はこれからも自分なりの努力をして行くつもりですが、それより、心から若手の成長を望んでいます。もう早く芽を出せ柿のタネみたいな。心待ちにしていますね」
稲田 「でも昇太、新潟は得意ネタで安定した笑いを生み、間の天どんも成長を見せましたよ」
円丈「昇太田くんはともかくとして。でも新潟には、かって一時見せた爆発的ギャグのきれを!天どんはさらなる芸人としての飛躍を切望してます。まあ、要求水準が高すぎるのかもしてませんが」
稲田「でも初日が一番、満足度が高かったと思いますね」
円丈「そうですね。そこそこだとは思います。でも2日目の方が良かったと言う人もいましたから。ハイ!」

(二日目..いいね、いいね!)
稲田「 二日目は彦いち、小田原丈、喬太郎の若手が奮闘。小ゑん、川柳が渋いベテランの味を聞かせましたね 」
円丈「そう?全員よかったんですか?信じられませんね」
稲田「そりゃあ、まあ、多少の問題点はありましすけど。全体からすればかなり良かったと思います」
円丈「ええ、評判はまあ、良かったようですね。でも行かなかったんで分かりません!だから3日目にいきましょう!」稲田「なんか、冷たいですね」
円丈「でも聞いてないもんは評論できませんから3日目!!」

(三日目伸びよ。後輩たち!)
稲田「円丈、清麿、らん丈、たい平の演者それぞれが個性を見せました」
円丈「そりゃあ、個性を見せるでしょう!人間が違う訳ですから」
稲田「なんか今日は引っかかりますね?」
円丈「でも3日間の内ではこの日が、はやり少し落ちた筈です」
稲田「まあ、多少は」
円丈「やっぱり、落ちたんじゃないですか!」
稲田「でも客席は新しいお客さんが多いのが特徴でしょうか。いつもの会よりもイベント性が高いお盆公演ならのせいでしょうかね」

円丈「それもモチロンあるんですが、今、お客さんって色んな会に漂流するようになったんではないですかね。何か探しているような!」
稲田「そう言うことはあるでしょうね。色々なタイプの新作が聞かれ、新作の広がりを感じます。一方で、突き抜けた凄いのが出てこないのが寂しい 」
円丈「とうとう、本音がでたね。どうもシーマセン!もっとドカーンと言う噺を創りたいんだけど。それと若手も伸びてはいるんですが。ズコーン!と超ど級で受けるとか、感動させられる若手がまだいない。実は私は、若手に完膚なきまでぶちのめされるのが夢なんです」
稲田「ヘンな夢ですね」
円丈「私1人が受けなくて後輩全員が大爆笑して、”円丈の老いぼれめ、どうだ?”なんてホント幸せ!」
稲田「ヘンな人ですね!」
円丈「でもなんとか伸びて欲しいと若手を20年も教えながら共に学んできたんです。円丈が完全に後輩に敗北する日は、同時に私の夢がかなう日です。最高ですね。それに私は、マゾですから、もううれしくてうれしくて!」
稲田「師匠はやっぱ、変態だったんですか?」円丈「えっ、そんなこと。今知ったの?当然です」
稲田「もう気持ち悪いから今日はおしまい!」

     *****終わり*******

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