稲田、円丈の
ついにタイトルが完成!5月下旬に池袋西口のにある東京芸術劇場前のある広場で落語2000のああでもないこうでもない対談が始まろうとしていた。 円 丈
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三遊亭円丈師匠
なんでアンタのjpgの方がデカイんだ? |
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稲田和浩先生
芸人より、作家の方が偉い!当たり前のコトだ |
【対談の簡単なマエフリ】
円丈「東京芸術劇場前のただの広場にようこそ。早速4月5月の各出演者の総論と行きましょう!」
稲田「しかしもっと他に対談場所はなかったのですか?」
円丈「ここはタダ!予算がない!では先ず4月の落語2000から」
稲田「全体にとてもよかったと思います」
円丈「えっ、良かった?ヨイショ抜きで?」
稲田「ええ、もちろんです。客入りですが、初回の超満員よりは、このぐらいすき間のあったほうが客の立場から言えば見やすいですね」
円丈「でも主宰者の側から言えば客が聞きにくくても満員の方が良かったですけどね」
稲田「でもゆったり聞けてよかったです。椅子は4人掛けですが、全体に小さい椅子なので、あの椅子は3人掛けで座るほうがベターです」
円丈「でも主宰者は4人の方がベタ−です」
稲田「でもまあ、あれ(41人)で+10だと丁度いい人数でマイナス10ならちょっと困るというのが感想です。佐藤友美さんは「客が少ない」と責任感じているみたいでしたが」
慎重に言葉をえらんで話す稲田先生 |
円丈「いやいやあれは、チラシができるのが遅かったし、雨が降ったし、まあしかたないですね」
稲田「まずオープニングの小田原丈、新潟の人形劇は馬鹿受けでした。すきですね」
円丈「実はああしろって私の提案なんですよ」
稲田「内容では、清麿さん、新潟さん、小田原丈くん、それぞれが自分の個性というか、今まで作ってきた新作世界で有意義に遊んでいたところがよかったと思います」
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【4月の清麿】
円丈「清麿さんはどうでした?結構ウケてましたね」田「とくに清麿『どこかで誰かが』が、偉ぶってる人が阪神ファンという弱点をつかれころりと騙されるという単純なストーリーに、騙されても阪神優勝の夢を見させてくれた詐欺師に「3万は安い!」と納得するサゲが利いていたと思います。好き嫌いはあるのでしょうが、確かに幅広い受けは難しいネタだとも思いますが、清麿流のややゆがんだ人間のドラマが十分に活きた一席でしたね」
円丈「そうですか?私は少しイ−ジ−な作品かなって感じがしました。でも正直私のネタより、倍ウケてたんで!大きなコトはいえません。ウケルが勝ちの世界ですからね。でもなあああああ..」
【4月の新潟】
稲田「それから新潟くんの『占いこそ人生』!アラは多いものの、新潟ナンセンスを追及した馬鹿馬鹿しさが存分な一席でおおいに笑えました。課長と駄目社員の対立というセオリーが出来ていたのも聞きやすかった。動物占いなどのディテールも活き、また天狗が銀杏の木からふってくるといった新潟の口からしか出ないようなナンセンスも噺を盛り上げました」
円丈「あの時トリで上がった新潟には、プロ根性を感じましたね。どんな事をしてもウケさせてやるんだ!そして充分トリの責任を果たしたと思いますね。横で見ていてうれしくないました」
【4月の小田原丈】
稲田「小田原丈くんの『京都夜桜迷宮事件』はよく作ってありましたね。ただアタシの個人的な意見で言えば、物語をふくらませておいて、適当な気の利いたサゲをつけて終るという今の小田原丈の新作は、とてもつまらないと思います。つまらないというか、もったいないですよ」
円丈「全く同じ意見です。スト−リ−をこねくりまわして。ホラ、。こんなに変えられるんですよ!上手でしょう?みたいな。私は関西弁が上手いでしょう?みたいな!ナルシスト小田原丈がそのままでてます。ここ数年、一番期待されているのに応えてません。今の彼は自己満足のために落語をやってる。客を笑わすためにやれ!と言いたい。彼の匠として私は全く不満です!」
稲田「そんなに言ってかいけませんよ。でもあれだけ物語を作る力があるなら物語を最後まで作って小田原丈が何を言いたいのかをしっかり語らなければもったいないですよ」
【4月の円丈】
ウンと納得してマウスでヒゲを剃る円丈! |
稲田「円丈師匠の『アンタのせい家族』リアリティで押してきましたね。ナルシストの妻がとても笑えました。気付かずナルシストというのはよくある姿で、物語の真実があります。欲を言えば、一見無駄に見える舅をもう少しディフォルメして狂気を出したら笑いに結び付いたかもしれません」
円丈「これは基本テ−マ"アンタのせい"にして誰も自分のせいにはしない現代家族の見本ですが、ヘビ−過ぎたかもしれません。これを全て他人事にしてあはははッ笑える人はいませんからね」 |
稲田「ええ、でも"舅はお肌の大敵"など円丈ならではのボキャブラリーの面白さは冴えてます。もう一つ、円丈落語の作り方に学ぶところは多い。些末な日常の掘り下げ、そこで発する人物のリアルな声をいかにギャグ化し、面白さを対決させてゆくか。勉強になりました」
円丈「はあ、勉強にねええ。それよりもう少し笑わせたかったなあ。でもみんなが捨てた心の玉のシ−ンを膨らませて完全癒し系の落語に仕上げようとおもってます」
【4月の栄助、天どん】
稲田「栄助くんの『奇病110番』これからでしょう。患者、医者の明確な対立関係が出来ていないとか、課題をいくつか克服すれば面白くなるんじゃないでしょうか。それから立ちでやるなら、もっとコント的に開き直ったほうがいいかもしれません」
円丈「そうですねえ。一人前の新作噺家になるためには時間が必要んです。これからでしょうね」
稲田「天どんくんの『占いさん』は面白かったですね。作った話によくあるネタですが。天どんは演技力をもう少し磨いたほうが絶対面白くなりますね」
円丈「そう天どんには期待してます。でももうチッと発音をクリアにして、「あの〜〜」を取れ!少しは気イつけろと言いたいです。芸人なのに「芸人天どん」を意識していない。これは致命傷になりますね。それで5月の評論にいきましょうか?」
【5月の円丈】
稲田「やはり円丈さんの『国際噺家戦略』が抜群でしたね。これだけ「経済」をおちょくりまくる姿勢がとにかくおかしかったです。初演時には冷戦だったんですね。米ソ中の対立がはっきり色わけされている中、噺家をめぐり鈴本、末広亭、池袋に軍事的に進出した各国の面白さだったのですが、今回は導入にヘッヂファンドやオイルダラーやソフトバンク、ナスダックを巻き込んでのグローバルな話で、経済を基盤にした国際対立ができ上がってゆく過程が本当に笑えました」
円丈「ええ、ウケました。初演の当時より、世界がグロ−バル化して、実は今の時代の方が、あの噺は合いそうですね」
稲田「ええ、そうですね。"上野広小路亭が上野の台湾問題"とか"志ん朝師匠の楽屋うるさいよ”とかのギャグも迫真でした。ただ、好き嫌いはあると思いますね。顔黒のお姉ちゃんがインターネットで株取り引きをする時代でも「経済」と聞くだけで頭が痛くなる人もいますし、"噺家が金より貴重になる”と言う嘘話にハナから引いてしまう人もいるとは思います。まぁ嘘話を諸々のギャグでつつんで説得力を持たせてゆくのが落語なのですからそのへんは今のやり方でほぼ通用するとは思います。あの翌日の民族芸能の会でも受けていたのは大人むきの落語ということでしょうか」
円丈「これは10年経った時、またその状況に合わせてやりたいですね。いつの時代でも合わせてやればこの噺は、百年後でも新作として通用し、決して古典にならない凄い新作かも知れませんね」
【5月の新潟】
稲田「新潟さんの『牢獄千夜一夜物語』、新潟さんは円丈さんの弟子だということを確認しました。座布団を妖怪の舌に見立ててたわむれる様が、かつての戦車や飛行機がとび出した『国際噺家戦略』を彷彿させてくれました。
話のほうはよくある怪談話でなんということはなかったのですが、シェーのポーズで額縁の仕草を見せたりといった技が新潟さんらしくてよかったですね」
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稲田先生をドラッグする円丈 |
円丈「そうですね。かれにしては珍しくキチッと仕上げてきました。大変な労作です。実は彼に少しアドバイスしたんですが、それが今回少し逆にマイナスの方に作用してような、それで少し申し分けなかったなと思ってるんです」
【5月の彦いち】
稲田「彦いちさんは本当にこのところ、めきめきよくなってきましたね。狂気を描くネタの中に得意の漫談というかトークのネタをうまく盛り込んでいましたね。こういう技を覚えたところが成長と言えるでしょう。トークも彼の日常視点の面白さをよくまとめていて、なかなか面白いです。願わくば話を"狂人"で終らせて欲しくはないのですが。"狂人"と思ったらなんかだったみたいな落語的なオチでもギャグでもが欲しいですね」
円丈「そうですね!いや、正直、聞いてたけどメインストリ−が良く分からなかったですね。でもあれだけウケルのは大変です。それに彼は、ビジュアルのギャグなんです。一方私は、言葉の芸人で旧世代とも言えます。正直どうしたら彼に勝てるか?考えます!お互いネタおろしで戦うと7:3で負けそうです。でも戦いますよ」
【5月の小田原丈】
稲田「そうですか?それから小田原丈さんも『マクドナルト』はこういうダ洒落ネタはうまいですね。ファンも多いし、これからの活躍に期待です。時代劇のパロディ的なところでは、もっとディテールが細かく欲しいというのが時代劇ファンからの苦言です。たとえば"超遠島でアメリカに流される”というのも面白いのですがやはり嘘話になってしまう。流人船が難破してジョン万次郎みたいにアメリカの捕鯨船に助けられるとか、そのへんをやや講談的な口調で語ってゆくと、マクド屋がアメリカでマクドナルドの元祖になるというオチも説得力が増すと思うのですが」
思わずメガネを二つ掛けて話す円丈! |
円丈「一言!良かった。あれは彼の最高傑作だと思います。まあ、新作はどんなにおもしろくても注文があるもんです。まあ、小田原丈はあのラインでいくしかない!ネタおろしの中では彼が一番の出来。今後あのレベルをどう維持して行くかですね」
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【5月の亀蔵】
稲田「あと亀蔵さん『メール』は新鮮でいいですね。新作初挑戦なら未完で当り前。前半の携帯電話漫談のたれ流しは誰かが"これとこれがいいんじゃないか”と教えてあげてもよかったかもしれませんね。古典落語に役立つものもありましたし。あの新鮮さを大事に是非また挑戦してもらいたいものです」
円丈「はい亀ちゃんは、これからです!ただ緊張し過ぎて。ネタ以前に亀ちゃんのあのキャラクタ−を前面に出してアピ−ルして欲しかったような気がします。でも初めての自作の初演!緊張するだろうなあ!玉が潰れるようなプレッシャ−がありますね」
【5月のつくし】
稲田「つくしさんの『キムタクの女』は円丈さんのところでもふれましたが、彼女の場合、嘘話がまるまる嘘話にきこえちゃうんですね。キムタクと小錦が入れ替わるという無理な設定でも大林宣彦の映画とか古典落語の「魂の入れ替え」なんかのディテールをちょっと聞かせれば、嘘話でも客に受け入れられる要素にはなると思うのですが。いきなり「魂が入れ替わった」じゃ工藤静香がその話に騙されるというのが嘘に聞こえちゃうんですね。時間の制約というのはあるんでしょうが。長い目で見ましょう」
円丈「はい、良く聞こえなかったんで!でも彼女には、女性のファンも結構ついてます。のぼせるのじゃなくそのファンの期待に応えるように頑張って欲しいですね」
【でもってこれでおしまい!】
稲田「じゃあ、このへんして、なんか食いに行きましょう!」
円丈「次回は渋谷のハチ公前でもやりましょうか?では名古屋うどんでも食べに行きましょう!」
それから2人は仲良く名古屋うどんを食べました。めでたし、めでたし!
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対談後、座ってたイスを持ち帰ろうとする円丈 |
【6月の落語2000だよ】
お客さんは少なかったですね。後で佐藤さんに聞いたところ25名とか。30を切ると辛いですがよく笑うお客さんが多く客席のボルテージは意外と高かったようです。帰り際、若手の落語が好きで「小田原丈さん、とてもよくなったね」などと受付に声を掛けてくれる年配の方もいたりしました。
私の感想ですが、今回はちょっと手のうちで作っている作品が多かったような気がします。毎月というとどうしても、パターンが決まってくるようなところがあるのかもしれません。
【前座川柳つくし】
『なくした宝石』....自作 |
【あらすじ】
友達に借りたミレニアムサファイヤのネックレスをうっかりなくしてしまった女、友情はお金には代えられないと、ネックレスを弁償することにする。宝石店に行くと、なくしたネックレスは300万円。女は狼狽し、小ギャルの店長に馬鹿にされたりするが、ネックレスを買うことにする。が、なくしたネックレスは実は30000円のイミテーションだった。 |
【春風亭昇輔】
『はじめての出迎え』 |
【あらすじ】
「はじめてのおつかい」のような番組「はじめての出迎え」でキャラクターの濃い少年が駅へ父親を迎えに行く。少年はあっちへつかまりこっちへつかまり、それを追うテレビクルー。少年はピンサロの呼び込みと仲よくなり、ついて行ってしまう。一方の父親、番組とは知らず駅で待っているように言われているが、誰も来ないので待ちくたびれ、贔屓のピンサロへ行く。そこで親子が無事対面となる。 |
【横目家助平】
『肥満小型』....作・中沢信夫(三遊亭演歌)より |
【あらすじ】
ある社長が肥満で悩み医者へ行く。医者は痩せる新薬(赤と白の錠剤)を社長に渡す。夜、社長の夢に美人芸者が出て来て、社長は夢の中とはいえ楽しい思いをし、起きるとすっかりスマートになっている。社長は喜んで、この話を会社で自慢する。アルバイトの男が、自分も夢の中でいいから美人芸者と楽しい思いがしたいと、50キロぐらいしかないのに、痩せたいと医者のもとへ行く。
医者は新薬(黒い錠剤)を渡す。夜、男の夢には大男が出てきて鉞で男を殺そうとする。怖い思いで目を覚ますと、男は20キロくらいに痩せてしまっている。歩くのもやっとの思いで医者へ行く。「痩せられてよかったね」と言う医者に、男は社長の夢のような美人芸者がなんで出て来ないと怒り、社長の薬と自分の薬は違うのかと聞くと、医者は「社長は社会保険で、あなたのは国民健康保険ですから」 |
【注意】
昭和48年頃、創作落語会で円歌師(当時・歌奴)が自作自演したネタ。健康保険と健康保険外の医療行為の差が社会問題になった時代背景から、サゲは社長は薬に大金を払い、後の男は保険で支払ったというオチ。当時は寄席などでも受け、よく演じられたそうです。(大野先生より)。 |
【夢月亭清麿】
『新宿の川柳』....自作 |
【あらすじ】
新宿二丁目のあるバー。一ゲンの初老の客が来る。彼は霊が見え会話が出来ると言い、不幸に死んだ内藤新宿の飯盛女や、惚れた男に殺された若衆の話などを客たちに語って聞かせる。明治初年、このあたりに円朝が住んでいて、円朝に入門したものの落語家になれず不遇のうちに死んだ男の話なども語って聞かせる。
話のうまさとリアリティで男は人気者になる。内藤新宿を舞台にした話が多いところから「内藤さん」と呼ばれたり、白髪で眼鏡、どことなく川柳川柳に似ているところから「新宿の川柳」とも呼ばれていた。いたずら好きの噺家、清麿が噂を聞き、本ものの川柳を連れて店を訪れる。 |
【林家しん平】
『仮面ライダーは今、完全バージョン』....自作 |
【あらすじ】
仮面ライダーがもし本当に存在していたらという話。仮面ライダーこと本郷タケシはショッカーと戦った後、デパートのショーやサイン会などで生活していたが、年齢50才の今となってはあまり仕事はない。仕事はないが、正義感と情熱だけはあまりある。ライダーはもう一度ショッカーと戦い自分の存在をアピールしようと、ショッカーの残党を探し歩くが見つからない。
ふらり入ったラーメン屋、そこは実は生き残ったショッカーの怪人や戦闘員が細々とやっている店だった。ショッカーも仮面ライダーとの戦いに敗れた後は世界制覇をあきらめ、わずかな金を資本に店を開いたのだった。
もう一度戦おうと言うライダーに戦闘員は、「俺たちは今はラーメン屋なんだからそっとしておいてくれ」と言い、「あんたもヒーローだったプライドなんか捨てて真面目に働いたらどうだ」と逆に諭される。ショッカーに諭されたライダーは流石に考えを改め真面目に働こうとハローワーク(職安)へ行くが50才の元ヒーローに仕事はない。職員に怒られ、とぼとぼ外へ出るライダーの前に一陣の風が吹きすぎる時…。 |
【三遊亭小田原丈】
『朝鮮のロボット』....自作 |
【あらすじ】
世界制覇を企む博士が最強の格闘技ロボットを作る。だが、予算がないため韓国製の部品で作ったため、ロボットは朝鮮語しか話せず、行動がおかしい。キムチをたくさん買ってきて友達だと言う。ロボットは自分を「格闘技ロボット」でなく「カクテキ・ロボット」だと思い込んでいた。 |
対して、皆さん、マクラが馬鹿な面白さでしたね。つくしさんの川柳ネタ、助平さんの新潟ネタは定番として、昇輔さんの二つの選択がある時、自分の応援する方が必ず負けるという話。たとえばソニーのベータのビデオテープや、CSのつぶれちゃったほうのパンフレットとか、そういった製品を紙袋一杯持って来て見せてました。小田原丈さんは何年か前に余興で橘家文吾さんと組んで金正日のもの真似をやった話とか。馬鹿受けでした。
小田原丈さん、小技でお客さんをつかむのがうまくなりましたね。時間が押してたこともあり、短めに駄洒落とナンセンスの小品でさらりと演じたといったところでしょうか。途中、河童が出てきたり、ご当人のボキャブラリーが少ないことをネタにしながらの韓国語もなかなか面白く聞かせてもらいました。ここ一番のネタではないのかもしれませんが、こういう小品に技を見せるというのも一つの方向かもしれません。
しん平さんは大熱演でしたね。発想の抜群のおかしさといい、仮面ライダーやショッカーのコアなシュチエーションといい、しん平さんらしさがよく出てました。ライダーの熱演、職安の係員の「静かにして下さい」と怒る一般人のセンスとのぶつかりあい、おおいに笑えました。
清麿さんは、話の主題に川柳師をもってくるのは、確かに受けるけど、ちょっとずるいですね。ギャグとしてはいいんですけれど、話がそっちへ行っちゃうと「えっ?」っていう気になりますね。受けるとかは別にして、内藤新宿や明治の噺家の生活のディテールを語るあたりは引き込まれるものがあるだけに…。
助平さんは、こういう企画は面白いですね。マニアックと言われてしまえばそれまででしょうが。噺の中の古典的なシチュエーションを語るところは独断場でしょう。
昇輔さんは、マクラの情けない面白さがどうして噺にいきないんでしょうかね。コアないじめられキャラクターとか、なんかもう一つ、昇輔さんらしさが出ると面白くなるとおもうのですが。
つくしさんは、時間のこととか考えるとしょうがないのかもしれないけど。ちょっと当り前過ぎるネタでした。小ギャルの馬鹿店長のほうをふくらませたら面白くなるかも…。というより宝石店のディテールが足りないですね。
【稲田和浩非公式プロフィ-ル】
お得意のベロのポ-ズで喜ぶ稲田先生
稲田和浩 (いなだ・かずひろ) |
おしつじ座。動物占いは虎。先祖は丹波の豪族、横山大膳(誰も知らない)と言われている。78年〜、実験落語を客として鑑賞。92年〜、応用落語にスタッフとして参加。現在、日本脚本家連盟研修生(NHKのギャラが上がらないといつまでも研修生でそのうちクビになる)
99年に発表した新作作品一覧
落語「眠る女」「夢」「一ツ家公園エピソード2」「大井町情話」「平成義士銘々伝」
「天使のクリスマス」「元禄淫乱」
講談「武松打虎」「平賀源内伝」
浪曲「一発のおまんこ」(快楽亭ブラック原作を脚色)新内「お絹心中」「宮怨」
長唄「花和尚」(同人「作者部屋」にての発表) |
【稲田和浩営業用プロフィ-ル】
1960年東京都出身。
日本大学芸術学部演劇学科卒業。 タウン誌記者、コピーライター等を経験。 86年頃より、演芸台本の制作、芸能評論、フリーのコピーライターとして活動。
現在、演芸台本、邦楽作詞、芸能公演の企画制作、芸能評論、遊びものエッセイ等で活動。浪曲作品「浪花節じいさん」上演の「玉川福太郎独演会」は、平成2年度文化庁芸術祭賞受賞。
代表作品
浪曲「浪花節じいさん」「お神酒天神」「箱根駅伝物語」「江戸のリストラ〜上杉鷹山伝」「河童」
落語「一ツ家公園早朝ラブストーリー」「元禄淫乱」「夢」「食べる女」「お種源八鳴門心中」
講談「東京デートスポットガイド」「武松打虎」「平賀源内伝」
長唄「落語八景」「河童時雨」、新内「しんない落語八景」「宮怨」、現代邦楽「善知鳥」。
●99年の主な仕事
「イナコレ」自作品発表会を企画制作。(お江戸日本橋亭にて隔月一回)
落語、講談、新内などの新作9作品をネタおろしの他、現代邦楽、浪曲などの作品を上演。「岡本派新内の会」「第21回名流舞踊会」(いずれも大阪・国立文楽劇場)にて、新作舞踊作品上演。「講談まつり」(国立演芸場)にて、新作講談発表。「和音寄席」(ライブハウス和音)、「桂文枝独演会」(紀伊国屋ホール)などの舞台コーディネート。
NHKラジオ「真打ち競演」、朝日放送「おはよう浪曲」などで作品放送。「民族芸能を守る会」会報に原稿。「週刊実話」に芸能評論。他、新聞、雑誌、機関誌、プログラム等に原稿、コメント、対談など。
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