ノラ犬ドキュメント第2回(2001年8月〜 )
 消えたイソちゃん

 よそのワンちゃんの犬小屋に居候してる野良犬イソちゃん。HPの公開したら色んな人から「イソちゃん、可愛いですね。」と結構、たくさんメールを貰った。だが皮肉なことに。イソちゃんをHPで公開したら。あのイソちゃんを見かけなくなってしまった。一体、イソちゃんは、どこにいったのか? 円 丈

◎第3回「危うしイソちゃん」はココ


 公開したらいなくなった。なんで?
 

 ホント皮肉なことだ。HPイソちゃんを公開してから。現在までその行方を確認していない。今月は独演会が2つもあり、仕事の関係でしばらくろっきぃと散歩に行けなくなってしまった。気になって夜イソちゃんのいる道まで遠回りしてみるが、やはりイソちゃんはいない。
  カミさんは知り合いに「ああ言う捨て犬は、病気持ちでろっきぃにうつるかも知れないから!」と言われてから。あまりあの犬のいる道は通らなくなってしまった。たまに通るがやはり見かけないと言う。

【ここに来て一ヶ月ほどのイソちゃん】




 一体、イソちゃんはどうした?
 しかし、いなくなった原因はなんだろう?考えられるコトは
(1)貰われていった・・・これが一番可能性が高そうだ
(2)交通事故で死んだ・・・もしそうなら噂ぐらい聞く筈だから、なさそう。
(3)保健所に引き取られた・・・可能性は低いがあるね。うん、気になる。

  でもあの犬をHPに公開してからいなくなった。ことによるとあのHPをたまたま見た人が連れて行ったとか、HPに公開されて迷惑だから追い払おうとか、イソちゃんの環境になんらかの変化があっのではないだろうか?このHPのせいではないのか?とにかく気になる。


 もしかしてイソちゃんは既に処分?

 どうにも気になって遂に保健所に電話した。首都圏の場合、今はこうした犬の管理をしてるのは「動物***センター」とか言う名称。足立区と葛飾区と埼玉県八潮市の3つの地区の動物をこのセンターで扱っている。なんで足立区と埼玉が一緒なんだ?いや、そんなことを言ってる場合じゃない。
そこで電話をして。犬の特徴といなくなった町名を伝える。すると世話好きそうな女性職員が出て親切に応対してくれた。
「そのノラ犬をどうなさいますか?」
「その犬を飼いたいんです」
 そこで調べに行ってくれた。もしいたら引き取るしかない。それで新しい飼い主を探していなかったらウチで飼おう。そうホントは飼いたかったんだ。 しばらく待っていると
「そのワンちゃん、耳は立ってて、足は白のソックスですね。では処分されたワンちゃんも調べますか?」
「ハイ!お願いします!」
 ギクッとした。そう、もしかすると既に処分された可能性もある。もしも殺されていたら....大きな悔いが残る。いやあ、取りあえずうちに引き取っておけば良かったなあ。あ〜〜あ。イヤそんなことは!でもそうだったら。とジリジリしながら待ってると。
「お探しのワンちゃんに該当する犬は、今月に入って来た中にはいません」
  いやあ、ホッとした。これで取りあえず処分された様子はない。やっぱり、誰かに持って行ったんだろうか。それなら良い。

 


おじいさんの新証言「暑さにたまりかねて出て行ったんじゃ!」
 ろっきぃとイソちゃんがいた道を通ったら。たまたまその並びの家のおじいさんが立っていた。そこでイソちゃんのこと聞いて見ると「今月の始めまでいたんだけど。暑い日があって、あまりに暑くていられないのでたまりかねて出て行った」
思わず「おじいさんは犬の言葉がわかるんですか?」聞きそうになったが止めた。
  暑さにたまりかねて出て行った。ホントかねえ。だって7月末で8月より暑い時期があったけどココにいたんだからなあ。でも重要なことが分かった。つまり近所の人が知ってる限り、
【1】事故に遭ってはいない。
【2】8月上旬までいた。
【3】近所で飼った人はいない。
【4】保健所にもいない
 ではイソちゃんは一体どこにいるんだろう?  


 イソちゃんは渡りノラだったのか?
 近所の人も誰かがイソちゃんを連れて行くのを見ていない。もちろん人知れずこっそりと言うことはある。しかしおじいさんの言う通り、自分から姿を消した可能性の方が高いそうだ。
  大体捨て犬は公園で見かけるが、あのイソちゃんは突然居候をしてた。どうも最初からかなりの生活力を持っていた。車に轢かれないように道路が渡れるし。上手くエサを貰うし、居候もできる。
  するとかなり以前からノラで居候をしながら生きてきた「渡りノラ」ではないのか?2〜3ヶ月間、どこかの犬と暮らして飽きるとまたどこかに去って行く。イソちゃんはどこから来てどこに消えたのか?イソちゃんはなぞの犬だったのか。


 求む。イソちゃん情報
  しかし一体、イソちゃんはどこにいったんだ?今もどこかの犬小屋で居候を続けているような気がする。こうなるとなんとしてでも居所を突き止めたい。
  そう 9月にでも入ったら半日掛りで探して見よう。半径2キロ以内を虱潰しで探せばひょっこりイソちゃんに会えそうな気がする。もし足立にお住まいでイソちゃんを見かけたらご一報を!メールココ

【6月ごろ、撮影したイソちゃん】



【なぞのイソちゃん基本情報】

【ノラでいる理由】全く不明!渡りノラなのか?
【年齢】胸の張り、遊び好きから推定半年〜3才?
【種類】コギーと何かの雑種。メス
【性格】明るく元気で人懐っこくて利口!どんな環境でも適応。
【特徴】体重7〜8k。目の下にホクロ状のものあり。
【キズ】小さい頃怪我をしたのか鼻先にところどころ赤い部分がある。

【ホントに元気なイソちゃん】

このコーナーは続くのか?
さあ、イソチャン次第だねイソちゃんの3回目はこの下だよ。


ノラ犬ドキュメント第3回(2001年8月〜 )
 危うしイソちゃん

 イソちゃんを見なくなってかれこれ3週間以上。しかしある日、突然、 家から100mの一ツ家公園に現れた。 カミさんがエサをやるととても元気で喜んで食べ。ろっきぃと遊び 、しばらくついてきたが途中でいなくなった。

 あるとこで飼ってる大型犬のいる場所を中心に生活をしてることが分かり、一安心だ。しかし今、公園で他の犬と仲良く遊ぶことある毎日だ。しかし、危機は迫っていた...。
  三 遊 亭 円 丈

【あの頃のイソちゃん】

 



【イソちゃんを見つけるための行動パターン】
 ノラ犬ってもなんかただふらふらしてるように思ってしまうが、あのイソちゃんの場合も良く考えるとチャンとした行動パターンがある。それをシッカリ頭に入れてから捜索開始だ!
行動1・オスとメスは行動が違う!
 オスは縄張り意識が強く、行動半径が広く、闘争的、攻撃的、支配的!一方、メスは自分の巣を中心にその廻りを行動する。協調的で防御的、巣に近づいた者にのみ攻撃的になる。また隙を見て逃げ出す犬は大抵オス。前2頭のロッキー(オス)は大喜びで脱走したが、今度のろっきぃ(メス)はまだ脱走したことがない。
  散歩でもメスは放しても飼い主が見える範囲より、遠くへは行かない。メスのイソちゃんは、
以前いた場所でもいつもいるところかたせいぜい100mの範囲内程度の移動だった。これから考えてイソちゃんが、5キロも6キロも移動したことは考えられにくい。
行動2・普段はどこかに隠れている
 大体、ろっきぃとの前を通った時、道路にいなくて。そばに行くと家の隙間とか、ブロックの陰からサッと出てくる。警戒心のないような犬ではノラとして生き残れない。
行動3・腹が空いた時など、通行人にスリ寄っていく
 ただイソちゃんの場合、時に人の通る場所にきて、誰か来るとスリ寄って行き、しばらく付いて行く。エサを貰う手段と新しい飼い主探しのようだ。 ノラとしてイソちゃんは、可愛がられると言う性格と警戒心を両方持ってる中々の犬なのだ。
行動4・一緒にいられる大型犬がいるコト
 保護者のいないノラでメス犬のイソちゃんには、安心出来る大型犬が必要。その大型犬のそばにいることが、その飼い主と近所の住民が、黙認することが必要。しかしこんな環境はめったにない。以前いた場所は、イソちゃんには最高の環境だったと思う。
行動5・それほど交通量の多くない道路
 ノラ犬は交通量の多いところは近づかない。イソちゃんの前いたところから100mで環7があったが行かなかった。本能的に比較的車の少ない道を自分の移動道路にしている。
行動6・意外と公園ではふらふらしてない
これもありそうでない。公園と言うのは見通しが利く。こう言うところはノラ犬とくにメス犬は不安になるようで。イソちゃんの場合は、大体は障害物のある近くにいるようだ。




【結論・そこでイソちゃんのいる場所はここ!】
 だから環7と日光街道、そして綾瀬川囲まれたエリアの埼玉寄りでしかも。大型犬のいるところ。どこなんだ?しかもこのエリアとんでもなくデカイ!こりゃあ、探すの大変だ。でもメスだからせいぜい元いた場所から1.5キロ平方の場所ではないのか?
  そこでろっきぃと連れて今まで行ってない場所を少し探した。この場合のろっきぃはオトリ代わり!仲良しのろっきぃを連れていくことで安心して出てくる。2回ほど探したが空振りでなんの成果もない。これは探すの不可能じゃないのかねえ。マイッタなあ。

【イソちゃん、3週間ぶりに発見!】
 動物保護センターにも該当する犬は来ていない!まだ生きているとすると行動からみて環7と日光街道綾瀬川より、埼玉側にいる筈!しかし、それをどうやって見つけるのか?3キロ四方の場所の全ての道を探す!そんなの出来ないよ。
  するとカミサンが、イソちゃんを自宅から100mのいつも行ってる一ツ家公園で発見。それを聞いて行ったが見つからなかった。それから2日ばかり、他の場所も探したが見つからない。その翌日、カミサンがイソちゃんを近くの空き地で見たと言う。なんかションボリしてたと言う。直ぐ行ったがやはりいない。悔しいなあ。私が行くと何時もいない!
【イソちゃん黄金の日々】


 

【大型犬を発見!】
 その空き地は大きくてその奥に近くの工事現場のプレハブの建物にいた。40キロ近くの大型犬。やっぱり、そうなんだ。メス犬イソちゃんには、頼りになるオス犬がひつようだったんだ。
  しかしイソちゃんは、家からせいぜい300mのところにいたんだ。なんてこった。話を聞くとその犬に会いにくるが、夜、うるさく吠えるので追っ払ったとか、そうか追い払われてイソちゃんは、少しナーバスになっていたんだ。さらに次ぎの日、他の公園でイソちゃんと他の飼い犬2頭の計4頭で遊んだと言う。悔しいなあ。なんで私の時は合えないのか?本当にもう。


 


【とてつもない難しいイソちゃんの捕獲】

 しかしイソちゃんを捕まえることはとんでもなく難しい。なぜならイソちゃんは首輪をしてない。首輪さえしてれば餌をやって食べてる最中に首輪をギュッと捕まえれば、それでいい。しかし首のな い犬は、そうはいかない。足か、尻尾を掴んで。押し倒して逃げな いようにしないと行けない。例え足が折れようと放さない。
  足はあとで治せばいい。 もしそこで取り逃がすと今度は警戒して寄ってこなくなる。ますます捕獲は困難になる。失敗は許されない。捕まえられる自信はあま りない。でもここで来たらやるしかない。
  そしてホントにイソちゃんが保護できるかどうかは、神のみぞ知る だね。なにしろ、ノラ犬なのである日、ぷっつり消息が途絶えてし まうかも知れないし。また事故で死んでしまうかも知れない。これ はやって見ないと分からない。とにかくやってみる。




【住民が保健所に連絡!あやうし、イソちゃん】

 しかしこのイソちゃん、住民により、遂に保健所に連絡されたしまった。もうノラの生活ではいられない。そう遠くない日に動物保護センターに送られて。しばらくしたらガス室(二酸化炭素)で殺処分になる。飼い犬にならなければ死ぬしかない。こうなったら私がイソちゃんは引き取るしかないだろう。もう覚悟は出来てる。私だって変人なんだ。やるったらやる!
  捕まえにくいから
逆に捕まえて貰ってそれから引き取けばいい。 しかし本当に私はイソちゃんを保護出来るのか?一体どうなる。あのノラ犬の生活自体が、厳しい現実の前に終わろうとしている。

 イソちゃんがノラでいてはいけないの?

 でも足立区に1頭ぐらい自由生きてるノラ犬がいた方が良いじゃないか?
その方がずうと心が豊かになれるのに! なぜ危害を加えそうもない小さなたった1頭のノラ犬の生存もこの日本は許さないのか?それではあまりに心が貧し過ぎ、そして悲し過ぎる!




これが捕獲された犬の現実

一体、捕獲されたり、都に譲渡されたりした犬はどうなるのか?HPを調べてみたら次のような悲惨な結果だった。 円 丈

 

犬の処分頭数・・・東京都の情報より】

  6年度 7年度 8年度 9年度
 返         還 8 12 15 6
 譲        渡
118 87 88 110
 殺    処    分 14,202 14,504 12,896 12,581
 総         数 14,328 14,603 12,999 12,697
 日本全国では38万頭の犬が年間収容される。もっともアメリカでは150万頭ほどだからアメリカよりはるかに愛犬精神が高いとも言える。
  集められた犬の中で飼い主に返還されるのは1万数千頭の中でたった10頭前後。ノラになった犬の殆どは捨てられた犬なんだろうね。収容された犬の中で運良く貰われる犬は100頭に1頭もない。ノラを保護し、保健所に持っていくことは、その犬を殺すことと同じ結果になる。これが現実。

◎居候犬ドキュメント「帰って来たイソちゃん」4
   


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