第2回〜人と犬が幸せに暮すために〜
三 遊 亭 円 丈
1999年4月15日。2代目ロッキ−は、我が家に来た。
そして日が経つのつれ判ったのですが、それは、それは、
タイヘンなハイパ−お馬鹿さん犬でした。
99年5月
幸せの5月はあっと言う間にすぎ..。
まるでロッキ−は、魔法のようにぐんぐんと大きくなり、
幸せの5月はあっと言う間に過ぎ。あの6月がやって来た。
これを俗に手抜きと言う..。
ところが...。.
こんな可愛かったのが...。(5月上旬) | わずか一ヶ月でこ〜〜〜んなにデカクなってしまった。どひゃああ (6月上旬) |
そして..。
99年6月8日
ああ、 問題行動が多すぎるロッキ−!
とにかくロッキ−は、人と犬が暮らせるような最低ル−ルだけ守って、
明るく天真爛漫であれば、それでいい。しかし甘過ぎた。なんせ問題行動が多すぎる。
問 題 行 動 | 説 明 | |
1 | オシッコを漏らす | うれしいと漏らし、またうれしくなくても自然に漏らす!!ロッキ−早く治そうね。 |
2 | 噛 み 癖 | いわゆる「甘噛み」と言うものだが、うれしいとドンドン噛み付き、それで興奮してさらに噛み続ける。もう家族全員傷だらけ、我が家ではこれをロッキ−傷と言う! |
3 | 興奮してバカつく | これは柴犬の特徴のようで前のロッキ-も制御不能になる時があったが、2代目はそれに輪をかけて凄い。もうタイヘンです。 |
4 | 拾い食いが大好き | ゴミの山なんて大喜びで首を突っ込む。止めようね! |
5 | 走ってる車に向かって行く | 車がくると必ず紐をたぐり。「車!危ないよ!」と注意を促すが、その車に向かって突っ込もうとする。ロッキ−!死んじゃうよ。 |
6 | 打たれ強い | 少しぐらい叩いても。遊んでるとしか思ってなく更に噛み付いてくる |
7 | 野生に帰る瞬間がある | 散歩中突然、穴を掘りだし、その穴に体をうずめ砂浴びするとか、スズメの死骸を見付けると突然仰向けになり、その死骸を背中にこすり付け、恍惚とする。もう野生動物だよ。これじゃあ。これがもし工場製品なら返品してるね。 |
99年6月14日
「そしてロッキ−の性格は?」
興奮し易いハイパ−な性格で、ムチャンコその上甘ったれで甘えて噛みつく、
しかもムチャンコ気が強く、じゃれだすとトコトン本気になって向かってきて、
家族全員にマウンティング行動をする!
タイヘンな犬だこと。弱点は犬に弱い。母犬との引き離しが、早かったため他
の犬との付き合い方分からず、ある程度近づくと飛び上がって逃げる。
書いてるだけでも、あああ、疲れた!!!
99年6月15日
「仕付けはホント難しい」
ホント仕付けは難しい。しても人間の思惑通りに犬は、学習しない。
別なことを学のだ。例えば...
仕付け内容 | 仕 付 け の 目 的 | ロッキ−の学習したこと |
オシッコを叱る | とにかく室の中のオシッコが、困るる。本には「オシッコしたら直ぐ漏らした場所に犬の鼻をつけ、ピシッと叩け!」とある。勿論そうする。 | オシッコすると怒られるので、とにかく逃げる!つまり逃げることを学習する。そうじゃないだろ。ロッキ−。 |
庭から室に入る時は足を拭く! | 庭で遊んでいて室に入る時は、ロッキ−を1度座らせ、必ず足を拭いてから入れてる | 足を拭かれるのが、イヤだから人間がゾウキンを持ったら、間をスリ抜けて室に駈け込む!とにかくロッキ-は、悪知恵は働くが学習はしてくれない。 |
99年6月16日
「ますます増長するロッキ−に決断!」
とにかく室で放すともうなんでも齧る。
それはまだ仕方ないとしても家族全員に甘噛みを執拗に繰り返す。
注意すると余計、噛んでくる。
そこで庭から少し長めの紐をして室のある範囲内だけいられるように限定した。
ところがロッキ−は、もっと奥の方へ行きたい!ウ〜〜ワンワン!と吠える。
そこで放すともう大騒ぎになるし、そこでゲ−トに入れると出せと吠える。
そこで庭に出して窓を閉めると入れろと吠える。
そこで紐をつけて室に入れるともっと奥まで入れろワンワン...ともうコレの繰り返し。
そしてついに切れた私は、お仕置きをした。
「お前、外にいろ!」突き飛ばした。
しかしそれでも尚ロッキ−は、室に入ろうと駈寄って来た。
「来るな!外だ!」と4.5回ロッキ−を突き飛ばした。
それでも尚駈寄って来たが、やがてなんとなく事態を察したロッキ−は、
悲しそうに小走りで庭の横の方へ消えて行った。
可愛そうな気もしたが私は、このロッキ−がどんな犬であれ,
死ぬまで面倒を見るつもりだ。
そのためには、何時も何時も良い飼い主ではいられない。
そしてその晩ロッキ−は初めて外で寝た...。
99年6月17日
「だがなんの効果もない」
一晩お仕置きで外に寝かせた。だが全くなんの効果もない。
相変わらず齧る、暴れる、吠えるの三拍子。もう本当に悩んだ。
一体どうしたら今度のロッキ−と上手くやって行けるのか?
犬の師匠である先代ロッキ−に相談したかった。
ロッキ−ならなんて言うのだろう。結局、解決方法は、3つ!
(A)ロッキ−に全面降伏し、彼を主人としてあがめる
(B)人間との最低限のル−ルをどんなことしても分からせる
(C)諦めて庭で鎖に繋いで飼う
(D)保健所か、注射で殺す。
(D)は論外。(C)は出来ない。一度でも犬と室で家族のように暮したものが、
庭で飼うのはまるで犬との楽しみの7割を放棄し、
更に犬を半分見捨てたような罪悪感さえ覚える。
絶対に一緒に暮したい。(A)もできない。すると(B)しかない。
だがもその(B)で悩んでいるのだ。
もうギャオ〜〜〜ッ!ストレスは、爆発寸前。
99年6月19日
「ついに本気で殴る!」
今日も散々吠えて暴れた。そして少し静かになってヤレヤレと思ったら。
なんとロッキ−は、ジュウタンの上にオシッコをし、それを舐めていた。
その瞬間切れた。分かっていないロッキ−に一度は教え込まなくてはならない。
私が、ボスで飼い主であり、絶対服従しなければならいないことを!
いや、そんなことより、もう怒った!!
「ロッキ−!!何度言ったら分かるんだ!コノヤロ−。バシッ!」
犬でも絶対に顔だけは、叩いてはいけないことは知っていた。
だが本能的にその顔を狙っていた。だが狙いは外れて、鼻の上にピシッ!
その時ロッキ−は、恐怖した。私は初めてロッキ−が、恐れおののく表情を見た。
女性ならこれで終わったかも知れない。だが男には戦う本能がる。
「もういい加減にしろ!ボコッ!ズカッ!」
更にかさに掛かってロッキ−を4.5回殴った。
恐怖に震えたロッキ−は、外に逃げ出していった。
「当分外にいろ!」
ガラガラッ、ピシャ!と乱暴に雨戸を閉めた。
ああ、これでロッキ−と信頼関係を取り戻すのに少し時間がかかるだろうなあ。
(3日間ロッキ−は表で寝た) ロッキ-は、なぜか犬小屋には行かず自転車にこうして足を掛けてねる。現在は、この自転車はなくなったので次はどうやって寝るんだろう? |
99年6月22日
「あっ、ロッキ−の心が死んだ!」
それから3日間。ロッキ−を中に入れなかった。
家の中はまるで火の消えたような寂しさがあった。
それでもロッキ−との最後の絆だけ切らないように散歩だけは毎日した。
外のだされたロッキ−は、私が庭に降りると尻尾を下げ、ボ−ルを口に加えて
一緒に遊ぼうとこそこそと近づいてくる。
雨の日は、びしょぬれのテニス.ボ−ルを加えて寄ってきますが、
それを無視すると淋しそうトコトコ去って行きます。
このボ−ルを加えて近づくことだけが、お馬鹿のロッキ−にできる。
たったひとつのお世辞です。
グッくるものを感じながら、全く無視の態度を取るのです。そして3日目でした。
その夜、女房が呼ぶとコソコソと淋しげな顔でやって来た。
そしてその目の死んでいた。その瞬間
「あっ、ロッキ−の心が死んでしまった。オレは、なんてバカなことをしたんだ。
ロッキ−は家族じゃないのか?その家族にどうしてこんなことが出来るんだ?
それでどうして2代目ロッキ−だの。我が家の守護神だなんてことが言えるのか?
第一そんな犬にしては先代ロッキ−にすまない!」
もう少しでただの駄犬にするとこだった。
そう結局自分達はリスクを負わず、仕付けと言う名目ですべてをロッキ−のせいにして、
ロッキ−を虐待して、極限までストレスを負わせ、追い詰めただけだ。
そして私は、遂にある決心を固めた。例えどんな犬であれ。
まずこの犬のすべてを受け止め、認めよう。
この犬を一切縛り付けるのはやめよう。先代と同じように我が家を開放しよう。
それで初めて2代目ロッキ−と言える。
仮にどんなに室を荒らされようと噛まれようとも二度とクサリに繋がない。
それが、私の2代目ロッキ−に対する愛なのだ。
(つづく)
なんだなんだ?あざとい終わり方だなあ。
果たして円丈家とロッキ−に幸せの日々は来るのでしょうか?
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