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第1章
ドキュメント「ロッキ−死ぬ!」

ロッキ−の最後の2ヶ月は、なぜか必死に死ぬ努力をしてるように思えた。
その軌跡を追ってみた。

「濡れ縁の下に潜りたがるロッキ−」..8月中旬

 動物は、死を悟ると先祖記憶が甦り、かって自分の先祖たちの住んでいた穴倉のような場所で死にたがるのではないだろうか。10歩も歩けなくなった頃からなぜか濡れ縁の下に潜りたがるようになった。
 しかし体力が落ちたロッキ−は、一度入るともうそこから這い出すだけの体力がなかったのが悲しい。それでも尚、死ぬ当日まで脚は、そこへ行こうとしていた。ロッキ−の思い通りに死なせてやりたいとも思うが、飼い主として濡れ縁の下で死なせるのは、あまりにも不憫でどうしてもできなかった。

 

「オシッコの時尻尾を持たないとふらつく」
 ..8月下旬

 大体5、6歩以内程度しか歩けなくなり、オシッコの時も尻尾をもたないとふらついて倒れてしまう。つい2年前までは、チャンと片足上げて公園でないとしなかったのに!ああ、情けない。

 

「特製踏み台作る」..9月5日

 人間も犬も最後は足元が、ふらつき。僅かな段差でものぼれなくなる。ロッキ−も8月末には、庭から濡れ縁に上がれなくくなり、そこでロッキ−用に特製踏み台を長崎屋でスノコを買い、それを改造して段差を少なくした。しかし、この特製踏み台も僅か20日間しか使われなくなって。

 

 

 

「オシッコの時立ってられないので下から支える」 ..9月10日

 もう尻尾を持ってるだけでは自分の脚で体重を支えてられない。体が、ふにゃと潰れてしまう。立ち上がるだけで歩けない。
 それならオシメをしたまんま。やれば良いのに。しかしそうしない。必ず外でしたがる。またさせないと鳴いてうるさい。まあ、もっともこの頃は体力が落ち吼える気力もすでになかった。

 

「食べ物をとらず、水を飲む量がグッと減る」..9月24日

 20日過ぎあたりから、寝返りも打つ体力もなくなり、水を飲む時も起こしてやり、腹ばいになって飲むようになる。9月に入り、食事も寝ながら食べる。さすがにここにきてあと2週間ほどの命か、と覚悟を決める。
あまりにも気づくのが、遅かった。しかもこの日あたりから組織の白蝋化が進み、体の各組織が、死に始めていた。しかし犬は、人間と違い毛皮を着てるのでその変化が分からなかった。それに気付いたのは、死亡する当日だった。写真は、この日のロッキ−

 

 

「ロッキ−死す」.......9月26日夜8時半

 この日朝から水も飲まず、うつろな目でズ−ッと寝ていた。夜8時過ぎ、オシッコをしたそうなので、庭でさせたが、頭を水平に保つことが出来ず、ガクッと下がる。慌てて座敷に寝かせたが、様子がおかしい。そのあと体をグッとそらせ、2、3秒ウッウッ!と痙攣して事切れた。全く予想も出来ないあっけない死だ。
 死んだことを家族は誰も信じられなかった。だが瞳孔は,完全に開き、体のどの部分に耳をつけても心臓の鼓動は,全く聞こえない。死んだのだ!その後もしかしてと肋骨が折れるほどの勢いで人工呼吸の真似ごとをしたが、全く空しい努力だった。娘と女房は、その死をどうしても受け入れることができずロッキ−を触りつづけた。写真は死後15分後、ベロをだし、目を見開いて死んだ。

愛犬ロッキ− 1998年9月26日20時25分死亡!

「ロッキ−の葬式」......9月26日夜10時半

 娘と女房が、ロッキ−から離れなかった。やはりけじめが必要と急場の祭壇を作り、お経を上げた。写真だけ見ると冗談のようにも思えるが、はじめロッキ−を東向きに寝かせたが、「そうか昔から北枕と言う言葉がある。犬も東か?」それからロッキ−を北枕にした。写真は、翌27日の朝。すでに死後硬直し、頭が下についてない。

 

 

 

「ロッキ−埋葬」.......9月27日午前中

 最後に生前使っていた首輪、ヒモ、ガムを祭壇に使ったシ−ツでロッキ−と一緒に包んだ。死後硬直もこの頃になくなり、脚も自然に曲がるようになり、ロッキ−は、素直にシ−ツにくるまれた。
 この日は朝から雨。ロッキ−の名付親、長男有司と二人でカッパを着ながら庭に70cmほどの深さに穴を掘り、ロッキ−は、穴にグニャと入った。

 

 「ロッキー庭に葬る!」

そして家族全員で一握りの土と祭壇の花、まだ残っていたエサを入れ、最後んも別れをし、土を被せ、埋めた。そしてその上に小さな庭石をひとつ。水と線香と花を供えた。ロッキ−が死に急に秋がきたようだった。

さようなら ロッキ−!



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第二章
愛犬ロッキ−病状記

 元々人間と一緒に人間のものを食べていたのが、犬の寿命は十五才だと言われるのに12才6ヶ月とやや早目に死んだ最大の理由だと思います。ただ一緒に食事をして本当の家族になれた気もします。
写真は、網戸越しに外を眺める病気のロッキ−。98年8月21日

97年

5 月   水をがぶ飲みするようになる。腹が出てくる
10月   先生が来て血を調べる..糖尿ではないとのこと

98年

2 月   ガムを噛めなくなる
3 月   ますます腹が出て脚が細ってくる
4 月   散歩の歩く距離が,だんだん短くなる
5 月   散歩に行かなくなる
      オシッコに血が混じる
6 月
  上 旬 オシッコもらす、オムツする
  中 旬 ゲ−トに入れ,寝せる
7 月   度々家族を起こし、オシッコに出る
8 月
  上 旬 大分ヤセてきて脚を引きずる様になる
  中 旬 キチンと歩けなくなる。庭から座敷に上がれなくなる   下 旬 濡れ縁の下に潜りたがる
      オシッコの時、尻尾を持つ
9 月 
  5 日 台を作る
  10日 立てなくなる。オシッコの時したから支える
  14日 脚の裏が、時々ひっくり帰る
      オシッコするだけでぜえぜえ言うようになる
  19日 寝ながら食べるようになる
  21日 舌が白くなる始める
  23日 寝返りもうてなくなる
  24日 固形物を受けつけなくなり、水を飲む量がグッと減る
      写真は、この日か、前日のもの。
  25日 立たせても首を上げてる体力がなく、首が下がる。
      手足の体温が低くなる
  26日 朝、体が変色し、皮膚が白蝋化してくる。
      口の中の皮膚組織が白くなり死んで行く。
      目がうつろになる
     オシッコのあと、寝かせると体をそらせ、ベロをだし
      2、3秒喘ぎ、そのまま。永眠!
(食べないロッキ−.jpg)12

死亡時間 20時25分永眠


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