昔からの夢、日本一の落語家になりたい...ではなく。自分の池が欲しい!!!
なんなんだ。オメエは?そうなんだよね。この辺がヘンな芸人だね。それはともかく家はテントでもいいからとにかく池が欲しかった。そこに色んな魚を飼育する。できれば10坪ほどの自然な池だね。現在は それぐらいだから、とにかく小動物類が、好きで今までに淡水魚なら32種類飼ったことがある。しかし良く死ぬ!そこで私の格言“飼育とは殺すことと見付けたり--円丈”!ここではそんな想い出の生き物達を取り上げた。

三遊亭 円丈

「10分しか生きてなかった虹鱒」

前の都営住宅に住んでる頃、近くに釣堀があり、普段は鯉の釣堀が冬になると虹鱒釣りにかわった。実はこの虹鱒を飼育してみたかった。これら渓流魚は、水温が、20度以上になるとと死んでしまう。だから水温を下げる装置が必要なのだが持ってない。でも飼いたい。そこで冬の寒い間だけならなんとかなるだろうと考えた。 そして12月初旬。この時期なら大丈夫だろうと釣堀に虹鱒を一匹買いに行ったら。売るのは1キロ単位!しょうがない1キロ買ったらなんと6匹いる。早速飛んで帰って来て、ベランダの水槽に6匹の虹鱒を放した瞬間、突然6匹が暴れ出した。その日は良い天気でベランダの水槽は、すっかり温まってしまい苦しがってる。 「わあああ、大変だ。氷、氷!!」 冷蔵庫から氷を出して入れたが、1ケ−ス分しか氷がない。 「わあ、早く早く!!」 と入れて時には、もう3匹腹を見せて死んでいた」  氷が早く溶けるようにかき混ぜたが、かき混ぜ終わった時には、すべて腹を見せて死んでいた。そのあと無力感が、襲ってきた。そしてその晩の食卓には、虹鱒が登った。

 

「人間のエサを一切拒否したモクゾウガニ」

十数年前、江戸川に釣りに行った。珍しくカニを見付けた。東京の川でカニを見付けることは殆どない。捕まえてみると体中に毛の生えたモクゾウガニ!甲羅が10cmほどある立派なカニだ。よしこれを飼育してみよう!ウチに持って帰り、ベランダのバケツの中で飼育することにした。本には「カニは、雑食性なのでエサなんでも良く、ビスケットなどは、大好物!」とある。 ところがこのカニ、エサを食わない。ビスケットどころか、ニボシ、蒲鉾、カメのえさ、なにをやってもガンとして食わない。一切人間の与えるえさを拒否する。もうあとは、生餌しかない。それからイトミミズ、赤虫...。やはり食わない。最後、ドジョウ、クチボソなんて小さな生きた魚まで入れたのガンとしてくわない。 そして10日後、モクゾウガニは、体に足とハサミをキュッ付け、ガ−ドの姿勢のまま死んでいた。人間に買われることを拒否して一切なにも食べずに死を選んだモクゾウガニ。まるで侍のように思えた。私は、あの時のモクゾウガニを今も尊敬している。

 

「楽しかった散歩亀」

やはり都営にいた頃、カメを飼ったことがある。時々このカメと散歩にでかけた。甲羅の首の部分に穴が開けてあり、そこに紐を括りつけ、これで準備完了!団地を出るまでは、本のように脇に挟み、表に出ると道路の上に置くとカメは恐る恐る顔をだしのっそり、のっそりと歩き始める。感覚的には、犬の散歩と全く同じ!首を引っ込めて動かないと言うようなことはない。もし現在カメを飼っていたら。ぜひこのカメの散歩オススメします。それに道行く人も寄ってきてチョッした人気者になれる。 このカメの面白いのは、道路では、のっそりと歩いているが、小さな池のようなところに放した瞬間、猛然と泳ぎ始め、池の底に生えてる葦の根にしがみつき、きっと 「しめた!これで逃げ切れた!」 と思うんだろうね。そこで紐を引くと必死になって抵抗する。なかなか愛嬌のあるカメだった。このカメは、その年に冬眠させることに失敗して死んだ。やはり「飼育とは、殺すことと見付けたり」だね。

 

「悲運だった亀2号」

現在の家に来て念願の池を作った。そこにこのカメ2号を放し飼いにした。好きな時に陸の上がれ、好きな時に泳げるような理想的な環境にした...つもりだった。 しかしそこに天敵が現れた。愛犬ロッキ−だ。ホントは庭にウズラを放し飼いにしようとおもったら、家族全員犬が良いと主張!3対1で負け、ロッキ−を飼うことになった。 そのロッキ−には、このカメが良いオモチャ。もう甲羅なんてズタズタ、いくら怒っても駄目!ある日みたら、甲羅の穴が貫通して、中の肉が見える。そこで消毒してバンドエイドをはったが、水に入るので直ぐ剥れる。なんどか手当てはしたんだけど、結局その傷がもとで死亡!なんかあのカメに悪いことをしたなあ。だからウズラにしとけばそんなことはなかった。

 

「ごめんね。シマリスたち」

もう大昔、結婚したての頃シマリスを2匹飼っていた。毎日、くるみを1個割って与え、その外リンゴ、ニボシ。それほどなついたわけじゃないけどカゴの中に靴下を入れてやると中に入って寝たり、結構可愛いやつでした。それで上の娘が、生まれた時にリスは、病気を持っていて赤ちゃんにうつすからとみんなに言われて。結局アパ−トの廊下において飼育することにしたのは冬。そろそろリスも冬眠に入るから、それほどエサはいらないからと多めにクルミを与え、しばらくそのままにした。 2週間後、どうも全く活動してる様子がないので巣穴に手を入れた。するとシマリスは、ヒヤッ冷たく固くなっていた。死んでしまった。しかももう一匹が見当たらない。巣を取り出して見るとそこにシマリスの毛だけ残っていた。 どうやら死んだ方のシマリスが、食べてしまったようだ。この時とんでもない罪悪感に襲われた。この2匹のシマリス達には、今もホントにすまない事をしたと言う気持ちがある。それで去年、林家たい平くんにあったら、飼ってたウサギが死んで反省してる。訳を聞くと 「だってウサギとかリスは、良く可愛がらないと死ぬと言うじゃないですか。ボクが、可愛がらなくなったから、ウサギは死んだんですよ」 ウサギを可愛がらないと死ぬと言うのは、初耳だが妙に納得した。あのシマリス達だってそれまでか結構可愛がっていた。それを外に出した途端に共食いを始め、そして残りの1匹も死んで行った。やはり可愛がらなくなったから、シマリス達は死んだんだ。ごめんね。シマリス達!

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