最終更新日04/01/17
  スゴイぞお弟子さん
 最近、うちのお弟子さんの伸びが白鳥を筆頭に著しい。 師匠はうれしいのだ。そんな情報を集めてみた。 円 丈
  
 
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 ◎三題噺大成功の三遊亭白鳥
 ◎歌手デビューした三遊亭天どん
 ◎亜郎のミュージカル落語に円丈が食われた!
   



第一期黄金時代を迎えつつある白鳥!
  大成功!三遊亭白鳥の三題噺
 少し古い話になるが、去年(03年)の暮れ、お弟子さんの白鳥くんが、池袋演芸場で三題噺をしたので楽屋見舞いに行った。この日はほとんど満席。なんか師匠としてはうれしいね。なんと彼が言うには、03年に一番客を呼んだのが、白鳥の三題噺だったとのこと!俺のトリより入った。くやしいね。でもあの入りは、H15年で一番だろうね。

 昭和55年、円丈は、池袋演芸場で戦後初めての三題噺を10日間やった。その弟子の白鳥が、今、同じ池袋で三題噺をやっている。感慨もひとしおだね。今回、白鳥くんの三題噺と私の時の違いは、以下の通り。

【アッ、小さん師匠!なんだ、白鳥か?似てるねえ】

 

 【これが円丈と白鳥の三題噺の違い】

円丈の三題噺
(昭和55
年春池袋演芸場にて)

白鳥の三題噺
(03年12月池袋演芸場にて8日間)
ルール:前日題を三題、貰う翌日仕上げる ルール:当日、早い時間に三題貰い、当日やる
勝敗:白黒2枚の札を配り、つまらない場合黒おもしろい場合、白札で一席終わった後、高座でどちらが、多いかで勝敗を決める。 勝敗:拍手とアクションで勝敗を決める!
成績:9勝1敗 成績:8勝(12月21〜28日の8日間)

【白鳥はエライ!】
 正直、最盛期の円丈でも当日、題を貰ってその日に演るのは出来なかったと思う。円丈は、シナリオ絶対主義者。まずシナリオを3〜4時間ジックリ考える。もうこれだけでタイム・アウト!しかも円丈には、アドリブの力が殆どないからねえ。2時間で1席作るのは不可能に近い。まず無理だね。もちろん円丈には白鳥に負けない他の部分のものはあるけどね。

 【ウケルまくる白鳥】
楽屋では「昨日のネタはよかった」と評判になっていた。しかしこの日のネタ自体は、それほどでもない。じゃあ、お前は2時間でここまで作れるのか?答え:出来ません。
  しかし、ウケは良い。ギャグはシッカリとハマってて。ドカンドカンと良く受けてた。すばらしい。最後には肉体を使った肉体ギャグから高座から落ちるサービス精神。私が昔やtぅた時もそうだったけどとても好意的なんだ。そのやさしさと白鳥のパワーの相乗効果で客席は笑いの渦。いやいや、大成功の三題噺だった。


【ひとつだけ注文・・勝敗の決め方】
 ひとつだけ、注文は、勝敗方法だね。良かったら拍手だけどダメだった時は頭に指で角のようなアクションをする(円丈のしてるアクション)。しかし、このアクションするのって凄い勇気があるか、与太郎のどっかだよ。

  こんな奴は基本的にはいない。この角のアクションをした客の方が多いなんてありえないよ。「2.3人、した奴がいた!」と司会の小田原丈は言ってたけど、それが過半数になるとは到底考えられない。
  やはりフェアに白黒の票の投票形式にした方がいい。この投票形式にしても今の白鳥なら八連勝出来たと思うね。

【ダメな時はこうする!そんな奴いないよね】

【白鳥は平成のストーリーの三平では?】
 彼の凄い部分のひとつは、サービス精神だね。受けさせるためならねッ転がる、落ちるなんでもする。しかもそれを全力でエネルギッシュする。そこにあの黄金期三平師匠のエネルギーと同じものを感じさせる。もちろん、三平師匠は、小噺の連射で白鳥は、ストーリー。基本的に全く違う。でも白鳥はもしかしたら「平成のストーリーの三平」ではないだろうか?
 
 【それに白鳥は実に良く勉強してる】
先日も 「きみまろさんがなんであんなに受けるのか?CDを買って研究して、言い方変えたら受けました!」いやいや、エライ。
 今の白鳥は、とにかく脂が乗ってて良くウケル。正直、私も白鳥と落語をやる時、どうして戦うか、考える。落語協会の中でもトップの受ける方だろう。なぜ世間はもっと白鳥に注目しないのか?これが不思議でしょうがない。今、聴くなら白鳥だ。キミッ!白鳥を聞きなさい。

  ポストきみまろは白鳥だ!ホントか?


あの天どんが歌手??
  三遊亭天どん、ついに歌手デビュー!

最近、知り合いから良く「天どんさんがこの頃良くなりましたね」と言われる。師匠としてはうれしいことだね。正直、天どんには苦労した・・。
ぼやいてどうするんだ!とにかく弟子を褒められるのは、自分を褒められるより、うれしいもんだね。
  ところがその天どんが、頭に乗って、歌手デビューをしたのだ。
【グエッ、天どんが歌手?ウソ、マジ!しんじらんな〜〜い】
  しかし、天どんが歌手?歌どころか、寝言も聞いたことない天どんが、歌手! あの独り言の天どんが歌手デビュー!おい、いいかよ。
  でもご安心あれ。ソロ・デビューじゃない。噺家7人で歌う団体。大江戸台風族(タイフーンと読む。紛らわしいよな)でデビュー。

【ここはお世話になってますから良く書いて下さい】
天どんがうちに来て、CDを出して言うんだね。
「このCDのことをHPに書いて下さい。それから、こことことはお世話になってますから良く書いて下さい」
「バカタレ、このH.Pはお前の仕事先をヨイショするためにあるんじゃないんだ。良かったら良く書くし、悪かったら、うんと悪く書くんだ」
【写真:とっても機嫌の良い天どんくん】
【メンバーは誰と誰?】
 その噺家7人とは、三遊亭天どん、林家久蔵、柳家さん光、柳家太助、春風亭栄助、古今亭志ん太、三遊亭きん歌!それで「大江戸タイフーン」とか言うグル−プを「ショ−キャンプ」って事務所(ここは天どんがお世話になってますと書いてくれと言われたから「お世話になってます」と一応書く・・)が作り、徳間ジャパンに売り込んで平成16年1月1日に発売になった。

【・・で売れてるの?】
  まだ動いてはいない。これからボチボチ動くかもしれない。
【とりあえず聞く・・なんとうつくしいのだ】
正直、音楽の素人7人の噺家が歌って・・そんなの聴けるの?みたいな感じは本音の部分であった。しかし、意外や意外!聴ける。しかもな〜〜〜んと美しい。この作曲をした関川秀行氏は、タダモンじゃない。キミはなにもん?才能ある人だね。それから2曲目に入ってる「 HERE COMES THE TYPHOON 」は落語のさわり集みたいなもんでいろんな落語のさわりが入ってるけど全然、泥臭さがない!関川さん、大したもんだね。
【では売れるのか?】
 これは神のみぞ知るが、美しくて、しかもオシャレな感じのCD。しかしだから売れると言うほど世の中甘くない!ホラ、褒めるばかりじゃないんだよ。逆に言えばパンチがない、泥臭さがない。病み付きにならない。 今のトコロ、オリコン上位に来たという情報は一切ない。しかし落語ファンなら一枚買っておくのも悪くない。5曲入って1260円は安い!

【情報】
CD「大江戸台風族」:定価 1260 円
発売:徳間ジャパン・コムニュニケーションズ
作曲・・ 関川 秀行 作詞・・川崎 敏郎
曲: 5 曲( 1 曲がカラオケ、「 HERE COMES THE TYPHOON 」、 1 曲が古典落語「寿限無」、曲は 2 曲・・ リミックス・バージョン「 JUGEM 」 「 JUGEM I LOVE U MIX 」「 JUGEM  カラオケ」 「寿限無トラディショナル」
 太助くんは、「これで紅白にでたい」と言うが、出られるといいなあ。応援しま〜〜す。


亜郎が本格的ミュージカル落語!

  亜郎のミュージカル落語に喰われた!

 やや一時、止った感のあった亜郎が、ここんとこグーンと伸びている。これまた去年のことで申し訳ないが、12月16日に三軒茶屋のしゃれなあどホールで生演奏のピアノで本格的ミュージカル落語『テナルディエ物語』(50分)を演じて大うけした。そこにゲストで呼ばれ、スッカリ喰われてしまった。

【携帯のカメラで撮ったから、みんなボケボケになってしまった】

【あきらめない亜郎くん】
 しかし亜郎は、不屈の男だね。今度でミュージカル落語は3度目!1回目は正直全然ダメだった。2回目は多少良くなった程度で大したことなかった。大抵はこの辺で諦める。ところが亜郎は決して諦めない。不屈の精神で3回目にチャレンジした。今までと一番違うところは、このミュージカル落語のためにグレッグ・ロービック氏がオリジナルの曲を作り、台本は、亜郎が基本ベース作り、それを相談しながら完成させ、それに ピアニストの鳥居礼子さんが、生のピアノ演奏で亜郎が歌った。会場には、ピアノと亜郎の声が響き渡った。

【参った、なんと歌ってからマクラをふる!】
 いや元役者の亜郎は、普通の落語家と違う。高座に上がったらいきなり歌いだした。「えっ、もう歌うの?」と思った。そうしたら1曲歌ってなんとマクラを話し出した。普通噺家は、本題に入ってからマクラはふらない。最初にマクラをふる。ところが亜郎は歌ってからマクラ。これがウケル。このところ自分の豊かな声で達者に使って演るから以前より、数倍ウケルようになった。ドカン、ドカン受けてた。

【ミュージカル落語『テナルディエ物語』とはどんな噺?】
 彼が出演しているミュージカル「レ・ミゼラブル」で宿屋の主人テナルディエ。ずる賢い男だが、なぜ、こう言う性格になったのかと言う」のをメイン・テーマにした生い立ちから成長するまでの物語。3歳の時、5歳の時とか、進んでいく。噺は少し続いたら曲で終わったらまた噺の順で進んで行く。それに筋自体が、エピソードが中心だから、とても分かり易く聞き易い構成になっている。その間には「寿限無」ッぽいギャグとか、いろんなギャグが出てくる。
  寿限無っぽいのは「キミの名前は?」「ジュテーム、ジュテーム、ごこうのすりきれ〜〜っ・・」なんて歌うんだ。これも数回繰り返すが、普通の落語より、ピアノ伴奏で歌いながらの方が絶対ウケルね。当日のお客さんも大ウケだった。おもしろさなら。そりゃ、大江戸タイフーンの「JUGEM」はギャグがないけど、亜郎の「ジュテーム、ジュテーム」は絶対、笑える。俺がプロデューサーならこの曲を発売するね。とにかく少し聞かせて曲になるから、飽きない。ただラストの10分は、正直ややダレたえけど。しかし全体から言えば大成功だった。
【なにかを掴みつつある亜郎】
  私は以前から亜郎の優れた演技力は高く評価している。あのネタは、仮に寄席でやってもそこそこウケルと思う。それに彼は受けさせる新たななコツのようなものを掴みつつある。

  お陰でスッカリ師匠の私は食われてしまった。ただ問題はあの落語はピアノがあるとこでないとやれないと言うことだね。会場にピアノがある小屋って少ないからね。

  でも今後、またミュージカル落語を再演すると思うけど、聴いて決して損はない。とにかく成長してる弟子を見るのは楽しい。私も頑張らないと!

【「レ・ミゼラブル」で宿屋主人メークの亜郎と円丈】

         


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