緊急報告!第一回 3月18日。綾瀬稲荷神社社務所において

   主催:寄席着物早畳み協会:企画、立案:三遊亭円丈

 2001年3月18日。場所はなんと綾瀬稲荷神社社務所において第一回世界スピード着物早たたみ選手権が行われた。この日に行われたのは、袖たたみと本畳みの二つの部。日頃からいつも自分の着物を畳んでいるたたみ自慢の14人が集合した。もう当日は熱気ムンムン!芸人たちはこう言った。「着物畳みでこれほど燃えたことはなかった!」本畳み、袖畳みにおいてそれぞれ、円丈、林家彦いち氏が初代チャンプに納まった。バンザーイ!! (円)

【こんなルールと参加者たち】
【タタミ自慢の参加者計14名】
三遊亭円丈、無月亭清麿、柳家小ゑん、三遊亭らん丈、三遊亭新潟、林家彦いち、三遊亭小田原丈、古今亭錦之輔、春風亭昇輔、三遊亭つくし、三遊亭天どん、三遊亭あろう、三遊亭かぬう
【これがルール】
審査員柳家小ゑん、無月亭清麿、三遊亭円丈3名
ルール1:2名ずつが競い。いかに早く畳むかのタイム制
ルール2:それぞれの流派により、畳み方が違うがいつもの自分の畳み方で畳む。
ルール3:畳んだ着物を審査員がチェックしてシワになった部分があると失格。
ルール4:袖たたみは全て立って行う。着物を床に付けたら失格!!


 着物畳みは格闘技だ!あろー、彦いちの同タイムで決勝になる..。
本畳みの部---着物の正式な畳み方で早たたみを競う!

やはり頭の中で考えた通りだね。着物を畳むなんて正直、おもしろくない!しかし早畳みにした瞬間。畳むことに意味が出てくる。始まった瞬間から熱気ムンムン!そしてみんな内心「おれが一番さ!」と言う顔をしていいた。本畳みなんてここ1年してない。正直遅いと思っていた私(円丈)がなんと3位なんだ。それでは順位を見てみよう!

【本畳み順位】
1位 あろー42.0秒
1位 彦いち42.0秒
3位 円 丈47.5秒
4位 らん丈48.0秒
5位 小ゑん49.1秒

・・・
最下位 かぬう2分05秒
(入門3日目) 
失格 錦之輔 シワがあり失格



(写真:清麿、小ゑん両氏の対決。時間係新潟、らん丈。左端小田原丈、右端昇輔くん)


これは着物を畳むのが、仕事の前座がよさそうだが、そうではなかった。いつもだらだらしてる前座天どんは、56秒!遅いぞ。天どん!かれは袖畳みも遅かった。これで同率1位はあろーと彦いちくんの2人。そこでチャンピオン決定戦で彦いちくんが、初代チャンプに!しかし決定戦は緊張したのか、失格を恐れたのか?共に51秒台の平凡なタイムで終わった。しかし今後、この記録はいつ30秒台に突入するのか?全世界が注目している。だが40秒台のカベは意外と厚そうだ。

へんなの芸術落語協会畳み!円丈はじめほとんどが今回は落語協会員だが、昇輔くん、錦之助くんだけが芸術落語協会員。ところが畳み方が我々と違う。畳んで最後の袖を返す時、着物を一回、バタッとヒックリ返す!これが芸協流。しかしムダ。意味なし、時間のロス!この本畳みでは、昇輔くん、錦之輔くん共に60秒以上の遅さ。芸協の皆さん、悪いことは言わない。畳み方を変えなさい!!

【初代チャンプ彦いち氏インタビュー】
勝因は学生時代からやっていた少林寺拳法。拳法の技そのものです。着物畳みは「突き」と「引き」の繰り返しで完成する。とくに筋肉で言えば上腕二頭筋肉を鍛えたおいたのが良かった。この王座を渡す気はない。次は40秒のカベを破ってやる。来るなら来い!!

破れ!40秒の壁。これは100m10秒の壁と同じ。夢の30秒台へ!


激戦を制したのはやはりベテラン円丈の急ぎ魂!
袖畳みの部---急いでいる時に立ったまま畳む略式の方式

【ソデタタミの部】

これは零コンマ1秒を争うもう大激戦。なんと21秒台が4人。もう全員、本気でマジだったね。早畳み史上に残る名勝負だった。では記録を見てみよう。

【袖畳み順位】
1位 円丈ー21.0秒 
2位 あろー21.1秒
3位 錦之輔21.3秒
4位 小田原丈21.7秒
5位 彦いち23.0秒
・・・
最下位 かぬう46秒(入門3日目) 
失格 らん丈21.5秒 つくし22.5秒(ともにシワがあり失格)

 最下位の弟子のかぬうは、この日が入門3日目のもうシロウト同然なのだがそれでも46秒で畳めるのはリッパ。しかしスピードが要求される袖畳みでは、やはりあせりが出るのか?失格者が2名!その中に1番弟子らん丈の名が!どうも彼は、ここ一番に勝負弱い。それがここでも出たのか?焦るな。らん丈!
このコンマ1秒激戦を鼻差でおさえたのが私(円丈)が初代チャンピオンに。ハハハッ、ざまあ見ろ!なんでもチャンプなると気持いいものだ。 でもストップウオッチ計っていたのが弟子の新潟。少し押し方に手加減があったのか?と言う感じもするが、まあ、なんでも良い。勝ちは勝ちだ!
 でも本畳みに比べ、略式の袖畳みは、実に合理的だ。私は、自分で畳む時はこの、袖畳みしかしない。優勝タイムをみても本畳み42.0秒に比べて。袖畳み21.0秒とその半分。寄席や、仕事場で畳むのなら袖が良い。帰ってから家でゆっくりと本畳みにするといいだろう。

【初代チャンプ円丈インタビュー】

  落語界で一番短気な私が優勝して当然、キチンとたたむ本畳みなんてまどろこしい!着物は1秒でも早くたたまないと気がすまない。さあ、短気な噺家ども。かかってこい!!

(見よ!初代袖畳みチャンピオン円丈の雄姿を!着物を持ってゴキゲン!ランララ〜ン!)


次回からの正式競技

来月も早たたみ選手権を行う!場所はやはり綾瀬稲荷社務所。もう社務所は着物バトルのリングと化すのだ。そして今回のほかに次のような種目も予定している。来たれ。畳み自慢の芸人、噺家たちよ!
早上がり選手権
 洋服から着物に着替え高座まで何秒で上がれるかを競うスリリングな競技。
◎袴タタミ選手権
 だれが一番早く袴を畳めるかるかを競う?
◎セットタタミ選手権
 
着物、長襦袢、帯、足袋などの着物一式を風呂敷で包み終わるまで!
  これは見逃せない!!



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