更新07/02/10
   落語知ってた・つもり


落語コラム8:古典落語「千早』の今のサゲの作者は?
〜円丈二ツ目時代の古典落語〜
   『千早』の「戒名」のサゲは実は円丈作だ!知ってた?


円丈が、まだぬう生と言っていた。二ツ目時代は、新作と古典の両方をやっていた。まあ、かなりパワフルで結構ウケてたと思ってるし、それなりに注目されていた。それに結構古典も二ツ目当時からそれなりにアレンジしてるんだ。
◎最近やらなくなった。「ん廻し」!「メンタンピンドラドラバンバン」とか、「いや〜ん、ばか〜ん、やめて〜ん、よして〜ん」なんてかなり変えてやった。
◎ 今円丈が「名古屋弁金明竹」のマクラでやる与太郎小話は二ツ目時代に開発した小噺。今、やってもそれなりにウケるので今もそのまま使っている。
【それで「千早」のサゲだけど】
ところで最近「千早ふる」を聞いたお客さんの中でラストが
「じゃ、とはっていうのはどう言う意味?」
「う〜〜〜ん、とはと言うのはちはやの戒名だった?」
   と言うサゲを聞いたことがある人も多いだろう。


実はあのサゲは円丈が二ツ目時代に作ったサゲなのだ。
えっ、うそ!うそじゃない。昔の落語本の「千早ち」を読めば直ぐ分ると思うけど

 【ではそれまで「千早】のサゲは?】
「じゃ、とはと言うのはどう言う意味?」
「う〜〜〜ん、とはと言うのは千早の本名だった?」
     と言うサゲを聞いたことがある人も多いだろう。

そう以前のサゲは「本名」だった。それを円丈は本名じゃつまらないからと言うので「本名」から戒名に変えたの!
どうだ?スゴイ・サゲだね。まあ、それほどの改良でもないけどね。しかし、このサゲで二ツ目の初演当時は、このサゲはうけたよ。ネタ下ろしの当初はお客さんより、仲間がウケた。「いや、戒名かい、おもしろいねえ」って大評判だった。正直、なんでも、最初はお客さんより、仲間に受けるようなものを作った方がいいね。

 円丈の知らない内にみんなサゲが戒名になった。なんでだよ?】

 そして気が付く「千早」のサゲが、ほとんど、「戒名」になっているんだ。しかし円丈の「千早」はあまり人に教えてないのだ。でも噺家の多くはサゲを「戒名」にしてやってるんだ!おいおい、そりゃないだろう?本来、同じネタでもやる人によってギャグやサゲが違う。もし自分のやってるネタに別の人のギャグを入れたいと思う時はその人のトコに稽古に行って、それからそのギャグを使うんだよ。

それが仲間の仁義ってもんだろ。しかし、円丈も知らない間に・・気がついたら、みんな「千早」のサゲを「本名」じゃなく「戒名」でやってる。ホントになあ。そう言うのって掴み込みって言うんだよ。そんなのねえよ。でもまあいいか。少しでも落語に貢献できた訳だからね。まあ、どちらにしろ、円丈が「千早」のサゲの変更した本人だったのだ。円丈は新作だけでなく古典でも足跡をのこしたのだ。 (円丈)
                                                                                     


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