〜2002年円丈はどんなネタ下ろし、改作をしたのか?〜
円丈は、70歳までならなんとか、作り続ける自信がある。そのためにはいつも普段からネタを作って訓練しておかないと。そこで一体円丈は、最近どんなネタを作ったり、改作しているのか。それをここで公開することした。04年度版としてここに落語ネタ下ろし報告! 三遊亭 円 丈 |
『演芸ホール2004』 作 三遊亭円丈 以前の『落語界1995』の改作 |
【あらすじ・・以前のネタの改作】 元々、この噺は1995年、オ−ムが地下鉄サリン事件を起こし、浅原が捕まる直前ぐらいに作った作品。舞台は上野鈴本になっていて、突然、落語界のお客さんが笑わなくなってしまう。実は上野の鈴本の社長に浅原が化けていて、その浅原と対決すると言う少し落語ファンタジーっぽい作品「落語界1995」。 しかし今となっては、古くなっているが、結構笑えそうな部分があるので、浅原を全てカットし、舞台も上野から浅草に変更して『演芸ホール2004』と言うタイトルを付けた。演じた。 |
【やってみて!・・そこそこのウケ方】 |
『お笑い遺伝子診断』 作 三遊亭円丈 |
【あらすじ・・お笑い大好き夫婦の噺】 実はこのネタは、2〜3年前から考えていたネタ。今回、軽い一席にした。あるお笑い大好き夫婦、子供が出来て、その子が、発病性のある遺伝子を持っていないかと、病院に診断結果を聞き行くとその子は、発病性のある遺伝子は一切発見されなかった。しかし6895番遺伝子Tが欠損し、これはギャグの理解力を司る遺伝子。それがない!つまりギャグが理解できない。 更に10222番遺伝子。これはダジャレに対する感受性の遺伝子。通常Aがひとつだが、その子はAAA!つまりダジャレだけアリコジャパンで大笑いし、その上 10223 番遺伝子。これは下ネタに関する遺伝子でこれまたトリプル A !下ネタを言うとヒックリ返って笑うと言う。それからこのお笑い大好き夫婦は、 「あんた、ホントはギャグが分からないでしょう?」 「そういうお前こそ、シモネタだけは大笑いするだろ?」 ・・ とののしり合って大騒ぎになるごく軽い噺。 |
【やってみて・・そこそこウケル】 |
『立ち入り禁止』 作 三遊亭円丈 |
【あらすじ・・禁止看板を見ると破りたくなる男の噺】 実はこの1ヶ月ほど前、町を歩いていると或る建物の前に鎖が掛けられ立ち入り禁止の看板があった。そこで禁止看板を見るとどうしても入ってしまう男の噺としてこれを作る。 男はある古ぼけた4階建てビルの前に足を止めた。 「立入禁止。立入禁止・・いや、これは見なかったことにして通り過ぎよう。・・・で行くと思ったら大間違いだ。・・立入禁止?禁止?このオレに禁止だあ。おれは禁止されると入りたくなるんだ。それなのに禁止?しかも関係者以外立入禁止、関係者以外の俺は入りたくてうずうずするんだ。この立て札を立てた生意気な関係者は誰なんだ。さあ、入るぞ。・・・」 そして中に入って行く。その中には・・。と言う噺。最後までストーリーを読ませない展開、ラストのサゲでは一応ああ、なるほどと思う筈。何人かに読んでも貰ったが、評判は良い。さ、これをやるぞ! |
【やってみて・・ダメだ、殆どウケない!!】 |
【あらすじ・・最後のリメイク、ラスト部分の改作】 この噺、もう5年ほど前の初演なので、別にここに入れる必要もない。しかし、1本の新作が、キチンとうけるようになるには、何度かの改作が必要になる。 【初演「わたし犬」(1999渋谷ジァンジァン・円丈百番勝負にて)】 やや卑屈な酒癖の悪い男、また他の客に絡んで、店を追い出されてしまう。狭いビルの隙間に入って立ションをすると汚い野良犬が寝てた。裏表のあるいやな性格の犬で、見せた男の財布を加えて、離さないなので思わず蹴飛ばして大怪我させてしまう。やがて男は、その犬が、自分と性格もそっくりと気が付き、「こいつはおれなんだ。オレが死んでしまう」と大急ぎで犬を抱え獣医の元にしかし、その獣医は、さっき居酒屋で首を絞めた男。で追い出される。しかし犬は、心臓の鼓動が早くなり、完全な危篤状態になり、 「 俺たちは誰からも愛されず、みんなからバカにされて生きてきたんだ。でも俺はお前を見捨てないぞ。だってお前は俺なんだ。俺が俺を愛さなければ誰が俺を愛してくれるんだ。だからおれはお前を見捨てない。必ず別な獣医を探して助けてやるぞ。だから死なないでくれ〜〜ッ! 」と夜の街を泣きながら駆け出す。・・・そして悲しい犬の死。前半は笑わせて、後半からじょじょに悲しくなって行く。円丈の代表作になれる作品。 【初演と二度めの時の問題点】 前半の居酒屋で男が、ウジウジ言って他の客の絡むシーンが受けない!この前半で受けないと話が重くなってしまう。そしてラスト、犬が死んでそのまま終わると暗いなり過ぎて救いがない。 【改良点前半の笑い不足と悲しすぎるラスト】 前半居酒屋の中でこの中のギャクを変えて、また新たに弟子天どんのアイデア、カップルを登場させる!これにうだうだ言う。そしてラストで死んだ犬を抱えてとぼとぼ歩いているとその死んだ犬と同じ柄の子犬に出会い。その犬と一緒に夜の街に消えていくシーンを追加する。 【これも03年11月の独演会でやる】 ここで初めて前半が受ける。またカウンターの隣で飲んでるおやじの首を絞めるシーンも仕草もシッカリと演じたら受けた。後半は締まり、良かった。ただもうひとつの問題は、感情は入りすぎて、声のコントロールが出来ない。しかも後半少し締める過ぎる。 |
【ラストのリメイク・・後半を軽くする】 |
『金融道イブ』 作 三遊亭円丈 |
【あらすじ・・円丈3回目のリベンジ改作】 |
【この噺は演ずるのが難しいのだ!】 |