発作的企画

 突然、だけど「落語それってなあ〜〜に?」が始まる。なにしろ、ただ発作的に始まった企画。良く考えてみたらどうしてだろう?みたいなことがある。そんなことをここでは取り上げる。多分今回限りか、まだネタができるようなら続けようね。
三遊亭 円 丈

   【メニュ−】
◎扇子の裏表ってあり?
◎「双蝶々」ってどんな意味なの?
◎座布団に前後左右があるの?
    
どれを?


 扇子の裏表ってアリ?

 先日、お客さんさんから
「扇子って裏表あるんすか?」
「ギクッ!!」
「いや、噺家は真打になる時、扇子を作るんですが、扇子に名前の入った方が表ですよ。ガハハハハハッ!」
 とごまかした。落語家を35年やってるが、そんなことを考えたこともなかった。しかし扇子の裏表!ホントはどうなんだろう?
そこで落語の場合、"高座扇"と言うが、しかし、両面をしげじげと眺めても特に違いはない。そこでいろんな仲間に聞いてみたら、みんな知らない。しかしある芸人さんが

「扇子の骨って、ツルツルした面とザラザラした面あって、ツルツルした方が表ですよ!」
「ギエッ、ツルツルとザラザラ?うそ!!」
そこで自分の使ってる扇子を両面の骨を良くみると。
 なるほどツルッとやや磨いてある面とややザラッとした面がある。
 
分りにくいが、こっちの骨がつるつるしてる
  
これも分りにくいが、芸名のある骨がザラザラしてる。
 他の仲間の扇子何本かを確かめてもなるほど全部、そうなってる。
「それで作った芸人の名前は、卑下して裏の面に入れるんです。決して表に名を入れないんです」

 しかし最近は、その常識も良く分からなくなってツルツルした表に芸人の名前を入れるケースも増えてきました。


答:扇子の骨のつるつるした方が表。ザラザラが裏!


落語「双蝶々(ふたつちょうちょう)」の意味は?


と言うメ−ルをある方から頂いた!「双蝶々」ってどう言う意味?そんなこと言われたって俺が作って訳じゃないしなあ。しかし考えたらどう言うことなのか?サッパリ分からない。
 そこである仕事で春風亭一朝さんに会った。「双蝶々」と言うのは元々歌舞伎の外題からとったもの。ところでこの一朝さんは歌舞伎座で鳴り物師としても活躍してる師匠で聞くにはうってつけ。そこで聞いてみると。

「元々"双(ふたつ)”と言う言葉には善悪とか、裏表と言う意味がある!」
「いやあ、さすが一朝さん!で蝶々はどう言う意味?」
「蝶々?都蝶々なら分るけど。"双蝶々"の蝶々はねえ。なんだろうねえ!でも歌舞伎と落語の「双蝶々」は筋が全然違う。歌舞伎の方は、兄弟で善人と悪人、追う側と追われる側の別れる筋。で落語の方は、手癖が悪くて裏表ある長吉が、捕まるまでのはなしで全然ちがう。でも蝶々ねえ・う〜ん!」
と首をひねった。
 しかし蝶々の羽根には裏表があって、ヒラヒラするし、それにきれいな言葉だから。まあ、そんなとこで「双蝶々」になったのでは?と思う。


答:"双(ふたつ)”は善悪、裏表と言う意味で、蝶々のホントの意味は調査中!


 座布団って前後左右ってアリ?


これは、芸人になるまで知らなかった。座布団には必ず3辺に縫い目があり、1辺だけ縫い目のない。その縫い目のないのが、正面になる。良く高座返しと言って前座さんが、座布団をひっくり返すが、その場合、かならず。正面をキープしながら返さなければならない。しかし、前座でもそう言う事に無頓着なものは、いい加減に返す場合がある。
円丈も前座の時はその辺、良く知らなかったので。ホントいい加減でした。いやああああ、ごめん!!

答:ザブトンの縫い目のない部分が正面!!

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