円丈おなじみトリ.シリ−ズその8
〜08年・円丈正念場の歳・・・・・・はたして円丈はどうなるのか?〜

円丈トリ日記&イベント日記2008年度版

 【08年こそ・円丈正念場の年】

 今年の08年こそ、円丈にとって分水嶺ともなる歳だと思う。円丈が、これから何年生きるか分からないけど、仮に多めに80歳まで生きたとしても!これから60代をどう過ごすかが、 次の70代を
  ◎地獄の70代となるか?
  ◎天国の70台代にするのか?
   円丈が、どちらの70代になるのかが、決まるのだ。なにしろ、ぼけはじめの60代に突入した。この60代をなんとか、クリアしないでぼ〜〜っとしてると70代でまともに噺ができないような状態になる。それをしないためには、これから70まで、j稽古する以外にクリアする方法が他にない。今年から数年で円丈の人生を決まることは間違いない。

  じゃ大事な年だし、頑張らないといけない。そう、それは分かってる。しかし本当に円丈はそうするのか?これが甚だ・・心もとない。

 しかし、正直、一番嫌いなのが落語の稽古!まいったねえ。円丈にとってこの稽古をすると言う命題はとてつもなく難しい。
 稽古が円丈を救う。しかし円丈は稽古嫌い。なかなかエンジンが掛らない。何しろ稽古が嫌い。

  しかも円丈は実は名誉欲とか、出世欲がほとんどない。しかしも自己愛も低いから、まあ、それも困ったことにプラスに働かない。いやいや、ぼやいている場合じゃない。
   ネタはある!ありすぎるほどある!!
     あとは稽古ダケ!・・・これがなあ・・
       いやいや、稽古するぞ!!エイエイオ〜〜っ!!

                                   三遊亭  円 丈


【08年元旦東洋館前にて・・】
 【メニュ−】
   ◎国立演芸場:08年12月23日:昼:円丈の「百年目」を聴く会
   ◎新宿末広亭:08年7月中席:夜(08/0711〜20)
   ◎横浜にぎわい座:08年7月5日:円丈独演会:円生もの3席
   ◎円丈白鳥二人会・国立演芸場・08年6月17日・国立演芸場・夜
   ◎円丈独演会・大須演芸場・08年5月3.4日・昼席(2008/05/03〜04)
   ◎池袋演芸場・08年2月上席トリ・夜(2008/02/01〜10)

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:円丈の「百年目」を聴く会・・・長演1時間、終わった時の拍手は結構すごかった!
            12月23日13:00開演・国立演芸場:

【えっ、予約が1分で売り切れた?ウソだろ?】
 国立演芸場では、今回で五回目の毎年12月23日にやる「円丈の会」をやるのが、恒例化しつつある。去年は1か月前に予約販売が、30分で売り切れたとか、そうしたら今年の「円丈の会」は発売1分で売り切れた?マジで?考えたら、今回は円丈の本人のとこにも招待券は一枚も来なかったもんね。
  しかし、だからと言って円丈が本当の独演会をやってどの位はいるのか?さほど来ないと思うな。早い話、これはず〜っとやっていた新作の後輩たちがスケてくれるのでそれで入ってるだけだと思うね。


【 この人情噺「百年目」はチョー難しい・・グヘッ】

  しかし、円丈が師円生の落語の中で最も感動した1本!それこそ、この「百年目」なのだ。しかし、この「百年目」は、とても難しい。やりにくい!!アレンジがしにくい。その理由とは、この「百年目」は作品としてとても良く
出来ているするとメイン・ストーリーは、いじれない。すると小さなアレンジを積み重ねる。あまりパッとしないし、アレンジ」効果も少ない。しかも昔の商人の主従の噺。おもしろいマクラの出来ない。ギャオ!でどうする?この「百年目」はむずかしい。

【しかも「百年目」はやるのも難し〜〜〜〜い!】
 その上、この噺は、演じるのも難しい。
登場人物が、小僧、番頭、主人、幇間、芸者・・とまあ、いっぱい色んな登場人物が出てくる。
  それだけならどうってことがないが、このキャラを演じているとどうしても師円生に似てくる!なるべく似たくはない。でも旦那、小僧、番頭など、どうしても師円生の口調になってします。
  さらに64歳と言う歳が、この1時間もある噺を覚えるのに時間がかかる。しかもバカみたいな単語が覚えられない。“香取屋の雪駄”と言うセリフがあるが、この“香取屋”百回以上も暗唱したのに、噺の中では「香取屋」で使えてしまう。
とにかくやるしかない。
 


    これが当日のプログラム!

円丈の「百年目」を聴く会

 一言コメント
この日のお客さん
 今回で5回目になったこの会。第一回は、もっとお年寄りが多くて、その反対に新作ファンも多かった。それが今回あたりになるとお客さんが、60過ぎのお客さんが減って、30代後半あたりから、60代前半あたりの客層。特に新作が好きでも、古典が好きでもなく、特別に落語が詳しいと言うことはなく・・。
なんだかんだでワアワア・オープニング
      ・・・・円丈、小ゑん、昇太、白鳥、彦いち
 なにが、なんだかんだでわあわあか分からない。けど、円丈が師円生の「百年目」をやると言うので・・ここのオープニング・テーマは、「円生と私」となったけど・・。小ゑんさんが、前座で少しだけ円生と接点があり、昇太くんは、大学の落研時代に生で聞いたことあり、白鳥と彦いちは、円生を知らなかった!いやいや、円生は遠くなりにけりだね。
林家彦いち・・・「何があったんだ?」
 この日はもう何度やっても不安がある「百年目」の稽古をした。普段なら少しでも聞くのに必死になって、稽古をしてた。それでネタ帳をみたら「なにがあったんだ?」弟子の玉々丈に聞いたらその説明が良く分からない!それで二ツ目のたん丈に聞いたら「ええ聞いてません!」なんだこいつは?聞いてない?その後。小ゑんさんに聞いたら「聴いてない」
  「なにがあったんだ?」ってなにがあったんだ?
柳家小ゑん・・・「アクアの男」
 水族館オタクが、館内の飼育係の女の子に惚れて、友達にいろいろアドバイスをしてもらって、口説くと言う噺。オタク落語でSLマニア「鉄の男」と並ぶ小ゑんワールドの代表作。いやいや、受けさせていた。
春風亭昇太・・・「宴会の花道」

  噺に入るまでのマクラが長かった。十分受けていたのに・・・。それは、ネタに迷っていたのでは、と言う意見があったが、実じは時間を読み間違えていて、プログラムが、詰まっていたと思い、伸ばしかかって・・・長めにマクラを振ったと言うのが真相のようだ。
 ネタは「宴会の花道」、酒の飲めない奴が集まって、宴会をしようと言うそれでケーキを持ってくるやるがいる代わりに・・。

仲入り
三遊亭白鳥・・・原作円丈
         「悲しみは日本海に向けて」
 白鳥のネタは、「悲しみは埼玉に向けて」の新潟版。「悲しみは日本海に向けて」だ。しかし、ここで面白いのは円丈の「・・埼玉に向けて」は、埼玉、群馬、栃木と徹底的に土地ネタ行き、そしてラスト・・そんな埼玉に住むことの悲しみにいく。それに対して白鳥のは、それが新潟に行って、ラストは白鳥と言う一人の人間に収束する。ここが円丈と白鳥の違い・・。
三遊亭円丈・・円生によく似てた
             人情噺 「百年目」

  とにかく、忘れない内すぐに始めよう・・とマジなんだよね。それで「メガネ・カウント・ダウン」ですぐにはじめる。う〜ん、重い!受けない!反応が悪い。
  お客さんは、円生を情報として知ってるけど、実際そんなに聴いてる訳じゃない。円生は遠くなりにけりだ。頭の中でイメージしてたお客さんとは全然違う。
  受けは少ない、でも心配してた言葉が思い出せず出て来ないと言うことはない。セリフはかなり淀みもなく、すらすら出てくる。
  そしてラストの10分、円丈の芸は、もう完全に円生にのり移ったような凄い出来だった。感情の入れ方、声の出し方、全てが並の出来じゃなかった。やっていてなぜ、こんなに完璧にできるのか?自分でもそう思ったほどだった。そしてサゲを言い終わった時の熱い拍手はかなりの手応えだったと思う。


 【終わった瞬間、演芸場の人が「来年の23日もよろしく」と予約が入った】

 やってみた感じことは、「円生を知らない落語ファン世代の時代になったね。もちろん落語ファンだから円生って名前も一席ぐらいは聴いたことがあるかも知れないが、やはり円生は、遠い噺家だと思った。
 とにかく、「百年目」には分からない部分が出てきた。第一、サゲの“百年目”と言うのが、「ここであったが百年目」と言う諺をもう30代になると良く知らない。それと「柳橋」と言う場所の説明!昔は新橋、柳橋は、東京で1.2を争う花柳界だった。しかし、この噺にはさほど必要のない説明でやらなければよかった。芸人が言う「
お座敷の仕事」と言うは、こう言う料亭へ呼ばれて行くことをいった。
 
  それと番頭が、扇で顔を隠して、鬼ごっこをするところで番頭がなまはげみたいな話し方をしたが、どうもこれもまずい!そののシナリオとうまくつながっていない。もう一度、アレンジをしよう。
  とにかく1時間もあったんじゃ、長すぎてめったにやることが出来ない。せめてマクラを含めて、45分、出来れば、40分にならないかと思う。それで今回並の感動があれば、もう大変だね。

  【画像:メガネと取るとホント眠いような顔になる。いやだな・・二重の手術でもするかね】


【08/12/18産経新聞に載ったこの落語会に対する記事】

産経新聞 12 月 18 日朝刊より】
   「円丈、師の『百年目』を継承」

 
新作落語で多くのファンを持つ落語家の三遊亭円丈=写真=が師匠、六代目三遊亭円生の得意とした人情ばなし噺「百年目」を演じる落語会が、 23 日午後−時から東京・隼町の国立演芸場で開かれる。意外にも思える古典への取り組みには、名人といわれた円生の死後、 30 年近くたって「三遊亭の芸が継承されていない」という思いがあったという。

 「柳家とは違い、理論的、具体的に落語の本質に迫る三遊亭の良さや手法が、柳家が主流になった落語界では忘れ去られている。やむにやまれぬ気持ちから古典への封印を解いた」と円丈は話す。
 「百年目」は江戸時代の商家を舞台に、主人と番頭の心のつながりを描く。初めて師匠の百年目を聞いたのは前座時代。「本当にいい落語を聴くと、これを超えられるのか、コンチクショウと腹が立つ。そんな落語に落語家人生て 2 席出合ったんてすが、そのうちの一席がこれ」という。

 昭和 53 年、真打ち昇進をめくって円生一門が落語協会を脱退したとき、寄席を重視する円丈は師匠とたもとを分かった。そのとき、師匠から投けられた言葉に苦しめられたが、今はそれも消えた。気がつけは今年て 64 歳、入門時の師匠の年齢と同い年になった。

 「落語家人生のコールが見えてきて、死ぬまてにやっておかなくてはいけないネタが百年目。とんなことをしても円生にはかなわない。ても、とこかに円生を超える部分を作らなくてはやる竜味がない。てきるかとうかわからないが、ホクの肉体を虚して、円生を感し取っていたたけたら」
  
(梓井千春)


【08/12/18産経新聞に載ったこの落語会に対する記事】

朝日新聞夕刊 08/12/26 に載った・国立演芸場「円丈の『百年目』を聴く会」の評】

「若者も魅了される傑作」
 
  落語
界は、今年も元気のいい 1 年だった。落語に客がしっかりついていたのだ。その動力源に、新作もやる古典派、いや、古典落語に工夫を凝らして、現代感覚にマッチさせた「おもしろ古典派」はなしかとでも呼びたい新流派の噺家たちの活躍があった。彼らの新作は、若いファン層にしっかりと食い込んでいる。

 新作派の総帥・三遊亭円丈の「円丈の、『百年目』をきく会」( 23 日、国立演芸場)に参加した柳家小ゑん、春風亭昇太、三遊亭白鳥、林家彦いちも、新流派の一翼である。 彦いちの「なにがあったんだ M ‥」に象徴される斜めに見た世相観察や、魚マニアが餌付けの女性に偏執的な思いを寄せる、小ゑんの「アクアの男」での不気味な世界。
 
 昇太の「宴会の花道」も、酒抜きの宴会のむなしさを皮肉たっぷりに笑わせる。白鳥は、師・円丈の代表作、残酷な住宅事情を扱った「悲しみ

は埼玉に向けて」のパロディー「悲しみは国立演芸場に向けて」で自叙伝風な一席。 そろって独白の新作を披露したが、面白いことには、そのことごとくに古典落語のフレーズや言い回しが顔をのぞかせるのだ。古典の DNA が残っている。そして、もう一つの共通点は語り掛け口調の話芸である。いつもより極端に若返った客席と高座の距離が、ぐっと近くなっていた。

 さて、円丈の「百年目」。師・六代目円生の十八番。上方では桂米朝。つまり、双璧に挑んだ。多弁で多動、ギャグやくすぐりも派手に円丈色を打ち出した。重厚な円生、すい粋な米朝の間に割り込むにはこの手しかあるまい。終盤は円生風が見え隠れしたが、「おもしろ古典」の傑作だろう。常用のメガネを外したのも、古典の了見に立ち戻ろう、の意思表示? 和やかな会だった。 (太田博・評論家) 

    写真のキャプション・・メガネを外して熱演する「三遊亭円丈。

 



簡略版・・・新宿末広亭】

新宿末広亭・7月中席(11〜20日)夜トリ日記・10日間(2008/07/11〜20)
     【10日間全て務め、ネタも全部変えるぞっ!・・・・でもこれってヒマってコトかね?】

【画像:先日にぎわい座独演会で「三年目」を演ずる円丈】

 【膝痛と・・インプラントと・・イチョウ葉エキス・・なんじゃそりゃ?
 いやいや、今の円丈は端境期円丈だね。まず膝痛問題!もう二度と治らないとおもったら三ノ輪のみづほ接骨院さんのお陰で奇跡的な回復を見せてもうそろそろ座布団の下に正座補助器具をしていたがそろそろ取れそうなんだ。そしてもうひとつはインプラント・・もう半年経つが、未だに完成しそうでまだ完成しない。
  完成したら、もう噛みつくほど勢いで落語をやってやると思ってるけどまだ完成しない。

  そして老人ボケはイチョウ葉エクスでお陰でかなり改善している。しかし今回はといrで試したいのがホント多い、まず先日にぎわい座でやった音曲噺「豊竹屋」だね!ぜひやりたい、さらに白鳥くんとの二人会でやった「シンデレラ伝説」あの会ではうけたけど、実際の寄席ではどの位受けたのか?試してみたい。

  更にやりたいのがつい先日の無限落語で感動を呼んだ愛犬落語「藪ツバキの陰で」!やっと今回で初めて、好評を得た。円丈の感動傑作落語の1本になりそうなので・・これもかけたい。とにかく円丈に必要なのは稽古!みっちり稽古して毎日のネタに挑みたい。
        三遊亭 円 丈


【7月11 日初日(金曜日)・・・とにかくいきなり古典の「豊竹屋」!】
 【高座に上がるまで・・・・・えっ、上がったら満員!】

 いやいや、結構お客さんは入ってるね。夜席で今満員になることは珍しいが、なんと満席。今回の顔付けは新作落語をやる連中ばかりで。古典は一朝さんぐらいなもん。楽屋にいる連中に聞くとかなりマニアが来ていると言う。勿論、初めてのお客さんもいるけどやはりマニア度は高い。トリはどんな新作をするのかと期待してる。
  えっ、そんな・・今日やろうと思ってるの古典落語「豊竹屋」だよ。それでいろいろ客席のリアクションを見てるとなるほどかなりの常連客がいる。う〜〜〜〜〜ん、古典だけど・・まあ、やっちゃえ〜〜っ!

 【実際やって見て・・・・うん、なるほどお客さんは円丈のもっと骨っぽいモノを期待してたね!】

 それ高座に上がって今日は古典落語「豊竹屋」をやります!と言った瞬間、なんとも言えない沈黙が数秒あった!まずい。こりゃ、本格的な新作を期待しているお客さんが、半分はいるぞ!でもやるっきゃない。やっちまえ!
 一生懸命にオペラ、狂言、義太夫って、なんであんなに無駄に声尾が大きいのと言うマクラをふる。まあ、それなりにウケる。そして「豊竹屋」の本ネタへ、ウケることはウケる。しかし・・・まあ、どこか、冷えた笑いのような感じがする。
 しかしそんなことは関係なく熱演する。それなりにウケる。・・・・そいてサゲを言う。まあ、それなりにウケた。しかし、終わってかたの拍手が、なんとなく力がなかった。大体、トリの時は幕が降りるまで拍手が多いけど、この日のお客さんには、一部幕が締まりかかったら、もう帰り始めたお客さんがいた。
  やはり、多分、もう少し骨っぽい新作を聴きたがっていたんだと思う。でもしゃ〜〜ないよ!

 【終わってからの感想・・・・・「豊竹屋」と言う落語の限界をまざまざと感じた】

 終わってから感じたことは、この「豊竹屋」と言う噺の限界だね。義太夫でやる限り、新しいギャグを入れても限界があるし、しかも義太夫と伴奏の三味線との掛け合いがネタ。どうしてもダジャレ気味で、ギャグの限界があるし、今の時代では義太夫と言う殆ど未知の世界への限界。するとどんなにこの噺で頑張っても「豊竹屋」の限界のようなものが見えてくる。それが見えた時、ある「豊竹屋」への限界が分かった時、それは同時にある種の「豊竹屋」への失望感に変わって行く。
 今度はトリでなく普通の寄席でやってみようと思うが、しかし、それでもこの頃寄席で良くやる「ガマの油現代版」ほどは受けないだろうねえ。
  さて、今日は凄い朗報が一つ本日の高座では、正座補助器具を使わなかった。終わっても全く痛みもない。どうやら一生膝は治らないと思った膝痛は遂に完治してしまったのかもしれない。うれしい!がんばろう。明日はもう骨だらけの新作をするぞ〜〜っ!!


【7月12 日ニ日目(土曜日)・・・愛犬落語シリーズ第1弾「藪ツバキの陰で」】
 【高座に上がるまで・・・・・とにかく今日は「藪ツバキの陰で」を稽古】

 昨日は、どうもネタの選択でどうもうまく満足させられなかった、今日はとにかくそう、多少骨っぽい「藪ツバキの陰で」を稽古して、なんとか覚えて出来そう!それで末広亭に来たら昨日より更にお客さんが入って、今日は2階にもお客さんが入ってる。
  楽屋で仲間に聞くと昨日よりさらに一般度が上がったようだ。すると今日の「藪ツバキの陰で」は合わないじゃないのか?それなら別の噺の方がいいのでは?と思ったが、楽屋にいた白鳥くんが
「もう師匠がやりたいと思うネタをやった方が、後で後悔しませんから、やりたいネタをやった方がいいですよ」
「・・だよね!もうやっちゃおう・・」と「藪ツバキの陰で」に決めた。 

 【実際やって見て・・・・うん、大成功!受けたし、良かった】

 上がった時の客席全体くる拍手はかなり力強かった。うん、やるぞ!言う感じになった。この日は土曜日で深夜寄席をやるから9時までに終演して欲しいと言う・・。そこでやや詰め気味にマクラを振ってネタに入る。
  この日の「藪ツバキ・・」は、ギャグでも良く受けた。6月にやった「藪ツバキ・・」より、更にうけた。やるまでは果たしてどうなのかと心配していたが、ガンガン行けた。 いや、予想外に反応が良くて驚いたほどだ。
  そしてフィニッシュ!幕が下りる時の拍手も最後まで、力強かった。いやいや、うまくいってよかった。良かった。  

 【終わってからの感想・・・・・やっぱ、古典より、新作の時代だね】

 最近、寄席で思うことは、古典がかなりダメ!受けない。新作がいい。それは落語を知らないお客さんになればなるほど古典は笑わない傾向が強い。初日、二日とやったが、これだけでも初日の古典が大したことなくて、二日目の新作が良かったとなる。多分、100日もやればもっとはっきりしたことが分かるだろうね。いやいや、そんなことより明日、明日!明日のネタだねえ。新作でもやや骨っぽいネタで行こうと思ってる。で・・何をしようね。


【7月13 日三日目(日曜日)・・・円丈秘かな自信作「新月のじゃがりこ」がまたハマった!】
 【高座に上がるまで・・・・・今日も骨っぽく「新月のじゃがりこ」】

 今日のお客さんは日曜日の夜だから、三日間の中では少ないほうだが、それでも結構入っていた。昨日は愛犬落語「藪ツバキの陰で」が笑うとトコと感動するとこがきっちり決まった!それで行くと今日の「新月のじゃがりこ」も感動と笑いだもん。いける筈だと言うことで「新月のじゃがりこ」はCDで出てるモノとは前半の導入部分が全く違うタイプ。

 【実際やって見て・・・うん、昨日より、更に終わった時の拍手が力強かった!】

 上がったら待ってましたと声が掛った。マクラをふってからネタに入る。この日のお客さんもこの日のネタは良くハマった。

  聞くとこ、感動するとこ、笑うとこで、キチンキチンと反応があった。えっ、こんなに受けたっけ?みたいな反応だった。今まで3.4回この「新月のじゃがりこ」をやったが、今までで一番出来が良かった。

  まあ、一番良く覚えていたからだろうね。だから次やればもっといい出来になると思う。感動したり笑ったり・・。いや、とても良く反応してくれました。
 
  そして終わった時のお客さんの拍手、これが、とても力強い拍手だった。なにしろ、お客さんのかなりが、拍手を頭より上で叩いていた。いやいや、良かった。良かった!

【画像:さあ、出番だ!と思わずやる気になる円丈】

 【終わってからの感想・・・・・いやあ、感動ネタが切れてきた・・さあ、明日からどうする?】

 いやいや、今日も反応が良くてよかった。この「新月のじゃがりこ」は結構演ずるのが好きな噺。さて、問題は明日以降だ。しっかし、感動落語はそんなにないからなあ。どうしようと思ってる。あと本格的ギャグ物ネタがあるけど、それで受けるかね。
 どうなんだろう?わからない。10日間ネタを変えるのは、全く心配していない。なるべく円丈マニアのお客さんもあまり聞いてないものとか、やるよ。でも感動モノがそんなに続くかどうか? うん、かんがえよう。


【7月14 日四日目(月曜日)・・・で結局「マタギの里旭編」・・結構盛り上がった】
 【高座に上がるまで・・・・・スムーズに覚えられない「マタギの里旭編」】

 今日は「マタギの里旭編」をやる。もう3回目ぐらいだけど、なんだか覚えが悪い。歌の部分とか、結構覚えにくい話なんだよね。稽古量の割にはちっともスムーズに頭に入って行かない。寄席に来ると・・今までの中では一番客席が薄い!半分まではいかなかったかねえ。それに今日のお客さんは、新しいお客さんが多いみたい。

 【実際やって見て・・・・やっぱ、合唱付きサゲは盛り上がるねえ】

 今日のお客さんは、陽気だね。マクラを振って、そしてまず下げ「いえ、マタギギ〜ッ」と言う合唱部分を一度お客さんとリハをして噺に入る。するとお客さんの中にこの落語の参加意識が芽生えるだね。それがこっちの狙いでもある。サゲのリハのあと、ネタに入ったけど、この落語の舞台が昭和50年代前半の時代設定。しかも場所が東北のうんと山村が舞台。それほど分かり易くもない話だけど、それでも結構お客さんは、笑ってくれる。うれしいねえ。
 そして合唱付きサゲでは、みんな元気よく歌ってくれた。その後、幕が締まるまでお客さんは大喜びノ拍手が続いた。いやいや、よかった、よかった!

 【終わってからの感想・・・・・?噺に問題もあったけど、いいんじゃない?】

 この高座で問題は、もう少しスムーズにセリフが言えて、歌の部分がもう少し小林旭に似ればよかったんだけど・・でも言うは易く、するのは難しい。このネタに数十時間から百時間ほどかけないと、そううまくいかないだろうね。63の爺さんが覚えてやるにしちゃ、まあ良く覚えたほうじゃないかね。それよりもう、明日明日!反省より、明日のネタ!


【7月15 日五日目(火曜日)・・・とりあえず「新ぐつぐつ」作柳家小ゑん】
 【高座に上がるまで・・・・・「JRウォーズ」を稽古したけど・・】

 今日は「JRウォーズ」(JRネタが2本オブニバス形式にしたネタ)をやろうかと思った。前々回の無限落語でやったネタ。結構評判が良かったので、これをもう一度覚えなおして・・。なんせ63歳。かなり稽古しないと覚えない。夕方頃、なんとなく覚えたけど、あやふやなので・・とりあえずすぐ出来る。「新ぐつぐつ」をやることにした。
  この日の客席は、昨日と同じ程度か、やや少ない。しかし、土日の入りからすると結構さみしい。

 【実際やって見て・・・・?まあかろうじて合格点?「新ぐつぐつ」柳家小ゑん作】

 ?この日のお客さんは、3割ほどコアなお客さんがいて、あとは一般のお客さんと言う感じ。この日は、それほどどの芸人もドカンとは来てないと言う。「今日は『ぐつぐつ』をやります」と言ったら、ワ〜〜ッ、なって知ってると言う感じのお客さんが、3割ぐらいいた。ネタに入ると、暖かなお客さん、うまく笑ってくれる。
  この日の出来は良くも悪くもなかったが、どうもラストあたりの山場にやや盛り上がりが欠けたかんじがする。今一つ、パッとしなかった。うん、どうもそうだね。今ひとつかなあ。それでも少しトリの疲れがでたかかな。

 【終わってからの感想・・・・・昔新作が寄席でウケなかった時代から見ると夢のようだ】

 しかし、今日で5日終わったけど、新作落語がホントによく受けるようになった。昔、渋谷ジァンジァンで実験落語をやってた頃は、ジァンジァンで馬鹿ウケして、寄席にシ〜〜ンなんて毎度のことだった!?寄席では漫談とか、ホントに軽い新作落語以外ノ新作は殆どうけなかった。だから何時もトリの時は、新作仲間と「ねえ、このネタはウケるかしら?」「いや、危険だね」なんて相談をして上がって、やはり蹴られたなんてよくあった。 
  もう今の時代、あの当時新作が受けなかったのが、ウソのようだが、なぜ受けるようになったのか?それは時代は変わって来たからだね。円丈が本格的に新作を作り出してから、もう30年以上歴史があるもんね。やっと時代が新作に近付いてきたんだね。トリでも新作は普通に受ける。もう夢のようだ。よし、明日も頑張るぞ!



【7月16 日六日目(水曜日)・・・安全パイより、やりたいネタ「JRウォーズ」!】
 【高座に上がるまで・・・・・昨日やらなかった「JRウォーズ」で勝負!!】

 今日は2階は開かなかったが、一階の方は、かなり入っていた。仲間に聞くととても明るいイイお客さんだと言う。特におばちゃん層で良く笑うそうで・・。白鳥くんはおばちゃんネタの「戦え!軍人クン」をやってた。昨日やろうと思ってた。一方円丈も笑わせるネタはあるけど、そんなことより、やりたいネタをやると決めた。
  そう昨日やりそこなった「JRウォーズ」をやることにした。JR噺を2本を並べたネタ。少し不安があるが、やっちまえ!この芝居でやって見て感じことは、もう全くそれるなんてことはないと言うことだね!それ!行け〜っ!

 【実際やって見て・・・・「肘掛ウオーズ」はそのままつかえる、うん、行けるぞ!】

 ?高座に上がって、マクラを振る、普通に受ける。JRのマクラをふる。まあ、行ける・・そして1本目のネタ「自動改札ウォーズ」!やや少しウケが悪いと言うか、かなり悪いとも言える。
1本目が終わってから「このネタはもう捨てネタですかね」と言ったら受ける・・。そして2本目「肘掛けウオーズ」!これは、新幹線の座席での肘掛け争奪戦をテーマにした噺。どうも大抵の人には共感があるみたいで、かなりズ〜ッとウケた。今後はこの「肘掛ウォーズ」の1本ネタで行けそう。
まだやや口なれないで、もっさりした部分もあったが、いや、終始笑いがあり、充分の収穫があった。よかった。よかった!

 【終わってからの感想・・・・・5日の内4日間も打ち上げ!「今日は大人しく帰ろう】

 昨日は終わってから中日の打ち上げと言って5日のうち4日も打ち上げしてしまった。打ち上げビンボーになりそうだけど、まあ、いいんじゃん!でも今日は大人しく帰ろう。明日は古典の「首提灯」のニュータイプ「新首提灯」をやろうと思う。
  今までの「首提灯」は、酔っ払い一人だが、今回のは、町人二人が、歩いてきて!そして首を斬られるのは2人とも切られ、しかもひとりの方は、首と胴を2回斬られる。とにかく元の古典「首提灯」と結構違って、ギャグが入ってる。
  このネタは去年のにぎわい座の独演会でネタ下ろしをした!その時はセリフが覚えられないので台本を見ながらやった。それでもかなり受けた。今回はそれを覚えて・・。やろうとおもうけど・・。もちろん、チャンと覚えられれば・・の話。
  明日「新首提灯」をやる率・65%ぐらいかな。覚えられればの話・・!


【7月17 日七日目(木曜日)・・・「新首提灯」はやったけど・・・。】
 【高座に上がるまで・・・・・カスカスで覚えた「新首提灯」をやろう!】

 この日のお客さんの入りは、今週の月、火あたりと同じだぐらいだね。楽屋でお客さんのこと聞くと、この日のお客さんは、いつもほど笑わないと言う。
  今日、 稽古したら高座1時間前になんとかカスカスに「新首提灯を覚えた。しかし、果たしてこのネタをやるべきなのか?勿論、やるべきだ!やりたいと思った噺をやろう。しかし、やっと覚えてもやってしまうのは、勇気なのかバカなのか!
  でも円丈は攻めの芸人なのだ。攻めて攻めて、攻めればいいのば!えっ、もし途中でネタを忘れたら?そんなの簡単!弟子のたん丈にいって、楽屋から原稿を持って来てもらう。これでいい。行くぞ!

 【実際やって見て・・・・うん、笑いが・・・・・薄いよ〜〜っ!!】

 この日のネタは、エアギターのマクラを振る・・「エアー時そば」とか、「エアー強情灸」っとか、振って、ここまではまあ、受けたがその後、小さい頃の停電の話をするが、これが蛇足だった。
 
この後、胴切りの小話、これがそれなりに受けたが、終わってから、この小噺は必要だったのか?と言われた。そうだね。次回から、この小噺も取っちゃおう。
 
  そして「新首提灯」!今まで一人が斬られたけど、これは町人2人が斬られ、特に一人の男は首と胴と2か所を斬られる設定にした。うん・・正直笑いが薄い!!かなり何度も書き直して、ギャグを増やしたつもりだけど・・。今、古典が受けない時代に突入したんだろうね。
 
  この芝居で受けなったのは、初日の「豊竹屋」と今日の「新首提灯」!そう二つとも古典落語・・。これはただの偶然じゃない。ただこの「新首提灯」は、捨てネタではない。しかしトリでやるネタではなくなってしまった。

【画像:円丈のカンペ、実は手ぬぐいに張り付けている・・】

 【終わってからの感想・・・・・?さあ、残る3日をどうするか?点数稼ぎをしないと・・】

 終わってから客席で聞いていて人に聞いたら最初から、この日はドカンと笑う感じではなかったとか・・。まあ、それより明日からのネタだ。トリをとったら、ウケルものだけ並べるやり方もあるが、それじゃネタが増えない。でも残り3つだ。もうそんなに冒険はしない。さて・・あと3日なにをやるべきか?考えよう。


【7月18 日八日目(金曜日)・・・恐い!自滅モード一歩手前の「遥かなるたぬきうどん」】
 【高座に上がるまで・・・・・もう疲れてる!そんなに稽古しなくて出来る「たぬきうどん」を】

 正直、昨日の「新首提灯」で受け方が思った半分!あんなに稽古してアレ!もうガックリ来た。いや、そうじゃなくて連日の稽古の疲れが、そろそろ来た。でも今日も結構入ってる。2階が開かないけど、ほぼ1階は万席状態だね。しかも結構陽気なお客んさん。でも円丈は疲れてる。なんか、少し負い目のような精神状態。良くない!正直、上がりたくない。
 でもプロにそんなことは許されない。高座直前になってこの芝居一番上がりたくなかった。どうも自分で自分のことが分かってるみたいだね。なにかコケルんじゃないかと言う予測を自分でしてる。こんな日もあるさ。ああ、上がりたくねえ!いやだ、いやだ!

 【実際やって見て・・・・カスカス合格?いや、甘すぎかな?「遥かなるたぬきうどん」】

 円丈自滅パターンと言うのが昔からある。それは円丈の心がめげた時、弱気になった時だ。円丈は自分に勝手に負けて、自滅すると言うパターンなのだ。弱きになった時の円丈は弱くのだ。しかも困ったことにこんな日に限って客席は満員!ああ、できが悪くなりそうだったら、客が3人だっていいんだよ。だって円丈が恥をかくんだから、客は少ない方がいいんだけどね。
 それでマクラのスルメを焼くトコ・・まさにあせって自分でコケル。いかん!これぞ自滅のパターンだ。それで本題にはって、前半大分ウケ出して、巻き返した。でもいよいよ登頂してうどんを食うとこからラストまで、なにか、今一つパッとしない。それにカツ舌も悪いし、お客さんのノリも今ひとつ。とにかく良くなかった。カスカス合格か、それよりやや下ぐらいか?

 【終わってからの感想・・・・・疲れた・・それだけ・・】

 明日のネタ?正直考えたくもない・・・・・・・・・・・でも大丈夫、どんなに疲れていても、円丈、明日、高座に上がるだろうさ。仮にどんなにぼろぼろになることが分かっていても上がるだろうさ。勝つ時も負ける時も正直なのさ。どんな状態になろうと円丈は現実から逃げないのさ。だって正直な人間だもん。円丈はカッコ悪くても良くてもそれを隠さない。その通りの自分を見せるのさ。
円丈は正直者だからさ。


【7月19 日九日目(土曜日)・・・この芝居!最高の高座「一ツ家公園ラブストーリィ」】
 【高座に上がるまで・・・・・土曜日で2階が開いた】

 いや、もう決めた。楽日のネタは、円丈幻の名作と言われる「稲穂のジュウタン」をやる。しかし「稲穂のジュウタン」は旧バージョンと主人公がおばさんになったバージョンと更に新橋のサラリーマンになったバージョンといろいろある。そこでその3つをいいとこ取りをして、もう一度ざっと作り直して覚えに入ろうと思う。そして今日は「一ツ家公園ラブストーリィ」原作稲田和浩をやると決めた。でも少しでも変えてやろうとほんの少しのアレンジで・・高座にかける。
 しかし土曜日は入る。今日も2階席が開いた。結構ス大した入りだね。今日は割と一般度の高い客とプラス円丈+新作ファンだねえ。

 【実際やって見て・・・・凄い、凄い「一ツ家公園ラブ・ストーリィ」】

 この日は割と陽気で良く笑うお客さん、それほど落語を聴いてる方でもない。そのお客さんに果たしてこの「一ツ家公園ラブ・ストーリィ」(お爺さんの婆さんハント)みたいなテーマがウケルのか?やや不安があったが、まあ、とにかくやってみなきゃ分からない。マクラをふたつ振って、笑わしてから今度は、一ツ家公園のマクラを振る。受けるけどそんなにウケル訳でもない。
  しかし気にせず本筋に入る。少しずつ、受け方が良くなって、ラストの方では、笑い方が完全にドーンと言う突き抜けた笑いになった。いやいや、凄いウケ方だ。
 ラストの頃には、お客さんのほぼ100%を噺の世界に引き込んで、更にドーンと受けて行った。そして幕が閉まる時、みんなうれしそうなたのしそうな顔で拍手してた。ほぼ例外なくうれしそうな顔、よかったよかった。それが凄いことだ。

 【終わってからの感想・・・・・演者と客によって作り上げた本当の落語の世界だろう?】

 正直、今までこの「一ツ家公園ラブ・ストーリィ」は2.30回ほどやったと思うけど、これほど受けたのは初めてだと思う。これは円丈の出来がうんぬんの話ではない。円丈とお客さんによって、この落語の世界を作り上げたんだと思う。


【7月20 日千秋楽(日曜日)・・・「稲穂のジュウタン」で見事外れ、もう笑ってしまった!】
 【高座に上がるまで・・・・・10日間で一番入ったんじゃ?】

 寄席に行ったら、なんかこの10日間で一番入ってるんじゃないかしら、それでもし覚えられれ幻の名作と言われる「稲穂のじゅうたん」をやると宣言してたら・・・なんと出来ない訳ではないと言う微妙な覚え方なのだ。でももうやっちゃえ!
 そう言う意味ではもう少し少ない方がいいとも思うけど・・・。まあ、こっちはもうまな板の鯉!外れようと当ろうとそれも運さ。この「稲穂のじゅうたん」でダメなら、もうしょうがないのさ。

 【実際やって見て・・・・いやいや、ここまで反応がないと笑っちゃう】

 いやいや、超満員のお客さんからは、結構円丈に対する期待感みたいなものを感ずる。しかし、ネタがドーンと外れた。新作派のインテリ清麿氏はいう「結局、お客さんは、この『稲穂のジュウタン』と言う噺が、自分の考える落語の枠収まらないので・・どう反応していいのか?分からないので・・笑いがすくなかった」と言う・・。うん、結構的を得た評論だと思う。
  そんな反応で満員のお客さんは、笑わないが・・でもキチンと聴いてる。しかし、笑いはない。正直、割と短い時間で覚えたわりにはそれほどセリフが抜ける訳ではない。円丈自身、途中でこのネタでは今回は無理だと思った。
いやいや、昔こんな反応が良くあったので思い出してしまった。でも今日の昼までアレンジしててそれから覚えに入って、あれだけ覚えたのだから、63の爺にしちゃ大したもんだともう言えるね。

 【終わってからの感想・・・・・負けたは、だれだ?円丈か、それとも?】

 それから新作仲間と打ち上げに行った。普段、円丈はこう言う時、どんと落ち込むが、それが全くない。あれだけウケないと却って爽快感があった。円丈の中には、自己破壊欲求もあるし、円丈は負けたと思っていない。
 円丈が一番怖がる負けとは、ベタベタのネタで受けない時は負けさ。芸人は自分の全てを見せてはならない。どこかにまだ奥があるように見せなければならない。打ち上げで彦いちくんの友達の放送作家の人が、「円丈は謎をのこして降りて行ったが、それに万歳」とか、ちょっと違うかな。でもそんな感じのプラスのコメントだった。
  もし次にトリをとったら、円丈のもう一本の幻の名作「わからない」をやってみようかな。 

◎10日間ありがとうございました・・・・!


:円丈独演会、円生モノ三席・・師匠円生はきっと怒ってる!?
            7月5日14:00開演・横浜にぎわい座:

【円生三席独演会はこれがラスト・・円生は怒ってる!】
 にぎわい座で”円生今ふたたび”と題して円生モノ三席独演会をやることなった。その三席の中で音曲噺「豊竹屋」を先代圓生から教わったのはこの円丈だけなのだ。今回は「豊竹屋」と「三年目」のアレンジを一月以上前から始めたが、この中でも「三年目」のアレンジがどうもうまく行かない。師円生と弟子円丈がネタのことでケンカしてるようで・・・どうもアレンジが上手くいかない。きっと円生は怒ってるね”!

 【三席その1:「豊竹屋」アレンジ・バージョン】
 円生から唯一直に教わったのは円丈だけだが、しかしもうかなり中のギャグは古くなってるので、大胆なアレンジを試み、ギャグの8割近く新しくした。しかし、今まではほぼ教わった通りやって来たので義太夫部分は師円生の部分をそのままやれば良かったが、元々、義太夫を良く知らない円丈には、新たに加えた部分のアレンジ部分をどんな義太夫の節にするのか?もう困ってしまう。アレンジ部分はソコソコウケそうな気がする・・・。

 【三席その2:「新三年目」のアレンジがビミュ−!!マズイ】
 しかし、問題は今回の目玉にしようと思ってる「三年目」!何度、アレンジをしてもなかなかおもしろくならない。それでも何とかアレンジ台本の標準合格ラインを越えたと思ったが、しかし、それでも受けるかどうか微妙だね。知り合いやお弟子さんにも読んでもらったが、面白と言う人とあまり反応がたいしたことないのと微妙。しかも前日の夜中の12時にラストのサゲ部分をそっくり変える。サゲ部分を前日変えるようじゃ駄目だぞ。
 【師円生VS弟子円丈・・ネタの争い】
  絶対、師円生はこの「三年目」のアレンジを望んでいないんだ。円生の得意ネタなのだ。でも弟子円丈は、笑わせるためには舞台を現代に持ってきて、現代噺にしようと企んでいる!師円生はそれをさせたくない。その戦いなのだ。師匠、これからの落語のことは私にお任せください。
いやいや、それと音曲噺も大変だ、歌が入るものは、普通の噺より歌い込まないといけないけど、全然歌い込んでいない。いや、今回、チョイ、まずくない??


    これがにぎわい座円生三席のネタ!

円丈独演会

 一言コメント
この日のお客さん
 この日は250人チョイ!いつもより、やや少な目の感じ。でも次回は、もっと入れるぞ!お役さんの感じは、円丈ファンが、結構いた反面、割と初心者っぽいお客さんも3割ほどいて、そう言う意味ではバランスが取れてる。やや年代層は高めとも言えるが、お客さんの感性は高く、ハイブローなギャグでも反応する。
オープニング:対談円丈、亜郎
   大師匠円生とは?
 どうも、にぎわい座のオープニングってどうもあまり盛り上がらない。原因は円丈は素のまんま喋ってるせいだね。そう私が悪い。そこで今回は、亜郎も円丈は板付きでざぶとんに座って、テーマも師円生と弟子円丈にしてオープニングをやった。しかし、やはりそうは盛り上がらなかった。反省!もっとオープニングでは芸人でしよう。
三遊亭玉々丈・・・・「金明竹」
 新作の会では仲間ネタで悪ウケする玉々丈!この日は古典を「金明竹」をやるが、改めて玉々丈の「金明竹」を聴くが、下手だね。しかも手を抜かず全部する。もっと手を抜いて短くしなさい。その方がお客さんは喜ぶぞ!
三遊亭円丈・まあ、こんなもんかな?
  前座から二つ目に良くやった円生モノ
            「不精床」
円生三席の残る一席!前座の時、 円生から教わった「不精床」をやる。前座から二ツ目時代によくやった。頭の中でカルークさらってみたら出来たのでこれをやる。まあ、それなりにうけたというか、こんなもんというか、まあ、こなんもんだね。
 しかし、円生モノを二席にして、残る一席は、正直、円生モノでなく円丈の持ちネタの新作でやるべくだった。それだとドカーンと受けたし、お客さんも喜んだね。これが残念だった。
三遊亭亜郎カルークまとめたけど・・。 
   ・・・・・ 「転失気」
 弟子の亜郎がやったのは軽めのネタ「転失気」、正直、亜郎に悲ミュージカル落語されたらどうしようと思った。すると同じ音楽だと音曲噺「豊竹屋」とどこかでぶつかる。その辺のことを気にして亜郎は「転失気」にした。ウケの方も少し静かだったかなと言う気もする。
三遊亭円丈・・うん、少し破たんはあったけど!
    ・・ ・・音曲噺「豊竹屋」

 とにかく笑わせようと思った。それでこの噺用に書いた枕。「マイクのない時代に出来た古典芸能は洋の東西を問わず、オペラや、狂言を、から義太夫の話をする。これが予想外に受ける。
 そして「豊竹屋」に入る。家で食べるものを味噌汁に納豆から、トースト、スープ、海藻サラダにする!さほどギャグが入ってる訳ではないが、現代モノの方がやはり食える。今っぽいギャグが受ける。三味線の音に見立てて
「ジョキン、ジョキ〜ン、そんなことアリエ〜ル!」みたいなのが、今っぽいのが意外と受ける。少し覚えが分かったが、うん、充分受けた。
 

仲入り
三遊亭円丈・・お客さんは人情噺モードに!!
             「新三年目」

 問題の「新三年目」!病気になるとなぜか異常にアイスを食べてしまってメタボの病人になってしまう嫁と主人の噺。
  しかし、ギャグがそれる!ウケない、いや受けないと言うより、もうお客さんは、人情噺モードに入ったような感じで、ギャグではなくストーリーに入ッた感じがする。噺の方は破たんなく進んで・・。ダイエットに失敗して、太ったまんま「三年目」に出て来て、すると後妻の嫁が、なんと部屋いっぱいのハーゲンダッツをくれるのでどうしてくれるのか、聞くとこれを食べてメタボになってもう三年でないでちょうだい」がサゲ。悪くない・・しかし、よかったのか?
う〜〜ん、難しいねえ。正直、お客さんもどう評論していいのかどうか?分からないみたいだった。


 【終演後・・・「豊竹屋」は今後どっかんとウケそう・・「三年目」はじっくりアレンジをして・・・】

 いや、今回の独演会!やる前から師円生と弟子円丈の間に不調和があった。そして宣言しようと思う。「円生モノ三席」はこれで終わりしようと思う。なんだそりゃ?これから師匠をテーマにした独演会はありだと思うけど、三席は終わりにしたい。次回からもう少し考えようと思う。

  「豊竹屋」は充分、寄席でもつかえると思う。
カンペを見たりしたが、これをきちんと覚えてやれば、これは無敵のネタになるのでは、円丈の古典は、これからは円丈の新古典落語として、差別化して行きたい。とにかく今の時代、ギャグも設定も鮮度が問題だね。なるべく今のギャグが良い。
 
  そして問題の「新三年目」だ。今のままでは実に中途半端なネタでおわってしまう。今円丈はもう一度改作を考えている。その結論は、この日の5倍は笑わせて、ラストでホロっさせる。隠し玉の噺の中に仕込んでおくと言う訳だね。もちろんラストで後妻は出て来ない。それは、その嫁と主人のことでだね。そのほろっとするネタはこれから考える。いや正直、思いつくか・・いや、必ず思いついてホロっとさせる。円丈は、そう言うことをするために生まれてきたのだ。やります!!


 
 【画像:この日の独演会用に作った源氏物語テーマの絵が描かれた羽織を着て・・亜郎とポーズ!】




:円丈の骨、白鳥の肉、親子会は満員御礼でしかもバカ受け!
             6月17日・国立演芸場:18:30開演〜:主催:夢空間

【イベントも入りの大成功】
  今回は、大入り袋がでた。なんでもかわら版にまば切符が、売れ切れてない時かた、売れ切れ情報が出ちゃった。なんだそりゃ?

  とにかく、イベントとしても客の入りもよかったんだから・、万々歳だね!

【中身も出来もよかった。珍しい!】
  大体、独演会とか2人会なんて、全部イイなんて珍しいんだけど。この日はみんなよかった。とにかく「シンデレラ伝説」じゃないけど。めでたしめでたしだね。


【画像:左:円丈、右:白鳥】


これが親子会でやったネタ!

5月3日初日・円丈名古屋まつり

 一言コメント
オープニング:なつかしのビデオ上映!
              ・・・・・円丈・白鳥
このオープニングの「なつかしビデオ」が大うけ。最初の「稽古はつらいよ」でくすくす笑いが来て・・。「雪の日の大笑い」・・近くの公園で幸の日に円丈と白鳥がパンツ一枚になって大笑いするというもの。
  そしてブロック塀からジャンプしながら大喜利をする「ジャンプ大喜利」など、見事にうけた。もう少し、チャンと見せても良かったと思ったね。とにかくこのオープニングは、大うけだった。
三遊亭白鳥・・・円丈作「金さん銀さん」
  白鳥は若くていいねえ。円丈モノを2作品やった。その1本が「金さん銀さん」だね。もう10年ぐらい前かね。「合わせて214歳」の名古屋の「金さん銀さん」のネタ。円丈はコテコテの名古屋弁でやるネタ。
  それを白鳥君は、名古屋弁じゃなくて、普通の婆さん二人にしてやったら、なんとこれだ。大外れ! いやいや、その時の白鳥のハトが豆鉄砲を食らったような顔をしたね。正直ソレた!。でもまあ、12.3分のごく短いネタだから、まあ、これがご愛敬だね。
  この後円丈が上がって、「金さん銀さん」のコテコテの名古屋弁の見本を少し見せた。これはそれなりにうけた。
三遊亭円丈・・白鳥作「シンデレラ伝説」
  この日、円丈は実は学習院の高等科で学校公演をやったので、学習院の高校生にこの「シンデレラ伝説」をやろうかと思ったけど、もしこけると逆に本番では、それを引きずるからやめた。
  このネタ、固有名詞が多いのに、更に円丈自身が固有名詞を増やしてしまったので覚え切れない。そこで手ぬぐいにカンペの紙を張り付けて、やった。まあ、思ったより、遥かに受けた。 しかしこの「シンデレラ伝説」は名作だ。今後もこの噺は残るねえ。
仲入り

三遊亭白鳥・・円丈作「悲しみは新潟に向けて」

  一番の興味は白鳥が演じた円丈作「悲しみは埼玉に向けて」の白鳥バージョン。「悲しみは新潟に向けて」だった。
  一体どうやってやるのか、興味をもって見ていたら、完全にモノにしていた。白鳥流の自虐ネタがドシドシ入って、いかにも白鳥流のネタになっておた。しかも聴かせるトコはきっちり聴かせていた。
  白鳥は新たな地平を切り拓いたね。円丈の「悲しみは埼玉に」ではない、完全一つの新しい白鳥ワールドをてに入れた。よかった。
三遊亭円丈・・「夢一夜」
  もう「シンデレラ伝説」に手間取って、もう1本のネタに時間を掛けられなかった。それに来月五日の独演会のネタのアレンジもしてたし、たまたま聴きに来ていた弟子の天どんにこのトリのネタを相談してたけど、よくわからないので、お客さんに拍手で決めようと聞いてみた。
  そのネタが「夢一夜」と「新ぐつぐつ」小ゑん作・「新ガマの油」だね。そうしたら、拍手はかなり肉薄してて、それで「夢一夜」をやる。
  しかしこの「夢一夜」がこの日のお客さん完全にハマったね。いやいや、この日はみんな上手くいったね。


   

円丈白鳥親子会

  一言コメント オープニング:なつかしのビデオ鑑賞!  このオープニングの「なつかしビデオ」が大うけ。最初の「稽古はつらいよ」でくすくす笑いが来て・・。「雪の日の大笑い」・・近くの公園で幸の日に円丈と白鳥がパンツ一枚になって大笑いするというもの。
  そしてブロック塀からジャンプしながら大喜利をする「ジャンプ大喜利」など、見事にうけた。もう少し、チャンと見せても良かったと思ったね。とにかくこのオープニングは、大うけだった。 三遊亭白鳥・・・・円丈作「金さん銀さん」  白鳥は若くていいねえ。円丈モノを2作品やった。その1本が「金さん銀さん」だね。もう10年ぐらい前かね。「合わせて214歳」の名古屋の「金さん銀さん」のネタ。円丈はコテコテの名古屋弁でやるネタ。
  それを白鳥君は、名古屋弁じゃなくて、普通の婆さん二人にしてやったら、なんとこれだ。大外れ!
  いやいや、その時の白鳥のハトが豆鉄砲を食らったような顔をしたね。正直ソレた!。でもまあ、12.3分のごく短いネタだから、まあ、これがご愛敬だね。
  この後円丈が上がって、「金さん銀さん」のコテコテの名古屋弁の見本を少し見せた。これはそれなりにうけた。 三遊亭円丈・・・・白鳥作「シンデレラ伝説」  この日、円丈は実は学習院の高等科で学校公演をやったので、学習院の高校生にこの「シンデレラ伝説」をやろうかと思ったけど、もしこけると逆に本番では、それを引きずるからやめた。
  このネタ、固有名詞が多いのに、更に円丈自身が固有名詞を増やしてしまったので覚え切れない。そこで手ぬぐいにカンペの紙を張り付けて、やった。まあ、思ったより、遥かに受けた。
  しかしこの「シンデレラ伝説」は名作だ。今後もこの噺は残るねえ。 仲入り 三遊亭白鳥 
   ・・・・・ 円丈作「悲しみは新潟」に向けて」  一番の興味は白鳥が演じた円丈作「悲しみは埼玉に向けて」の白鳥バージョン。「悲しみは新潟に向けて」だった。
  一体どうやってやるのか、興味をもって見ていたら、完全にモノにしていた。白鳥流の自虐ネタがドシドシ入って、いかにも白鳥流のネタになっておた。しかも聴かせるトコはきっちり聴かせていた。
  白鳥は新たな地平を切り拓いたね。円丈の「悲しみは埼玉に」ではない、完全一つの新しい白鳥ワールドをてに入れた。よかった。 三遊亭円丈・・「夢一夜」  もう「シンデレラ伝説」に手間取って、もう1本のネタに時間を掛けられなかった。それに来月五日の独演会のネタのアレンジもしてたし、たまたま聴きに来ていた弟子の天どんにこのトリのネタを相談してたけど、よくわからないので、お客さんに拍手で決めようと聞いてみた。
  そのネタが「夢一夜」と「新ぐつぐつ」小ゑん作・「新ガマの油」だね。そうしたら、拍手はかなり肉薄してて、それで「夢一夜」をやる。
  しかしこの「夢一夜」がこの日のお客さん完全にハマったね。いやいや、この日はみんな上手くいったね。





恒例:大須演芸場・円丈独演会5月3日4日・13:00開演〜
        去年より、更に連日満員だがねえ!
・・今回は下に大須のおまけを付けたよ

 【地元名古屋の独演会、なんか心配だもんね】
 今回、ゴールデン・ウイークの二日間ともお客さんは、満員で去年の夏は合計380人!今年は二日で520人しかも帰った貰ったお客さんもいた。とにかくまあ、入ってくれてよかった。よかった。

 それでやっぱり問題はお客さんの満足度だけど・・何人かの人に聞いてみると去年より良かったと言う人が多かった。それに今年は去年のリピーターがかなりいた。とにかくなんとかなってよかった。

【膝を痛めながらもやった甲斐があった】
  円丈が「悲しみの大須」の中で出てくる「戒めの柱」は、写真も斜め柱がそう!大体、一度は頭をぶつける。円丈のドキュメンタリー落語は多少の誇張はあってもウソはないんだ。
 
 
【画像:二日目の終演の瞬間、あ〜〜終わったと言う顔をする円丈】


    これが今年やったネタ!

5月3日初日・円丈名古屋まつり

 一言コメント
オープニングだがね・・・・全員
イマイチ盛り上がりに欠けたね。・・そうか円丈が陰気だったのか?
立川ひらりん・・・「名古屋弁浮世根問」
 愛知県知多郡出身のひらりんくんが、やったのが「名古屋弁浮世根問」、今様のあまりみゃあみゃあ言わない名古屋弁で面白かった。やや、引き気味の芸風も今様でいいねえ。
三遊亭亜郎「お菊の皿」
 亜郎くんのこの「お菊の皿」は初めて聴いたが、ラストで出てくるお菊のキャラがとてもおもしろかった。亜郎くんの完全に持ちネタ1本になるね。さらにもうチョイ短くしたら更に良かったねえ。
三遊亭円丈「手紙無筆USA」
 去年やったネタ「名古屋弁金明竹」「悲しみの大須」「居残り佐平次」の4本!これを避けての新たな4本(2日4本)のネタ選び。とにかく最初の1本は、名古屋関係のまくらをふってから「手紙無筆USA」をやる。まあ、まあ、合格点だと思う。
仲入り

マジック  鳥居克次

 東京の寄席のマジシャンはみんな喋るけど、鳥居さんおマジックは基本的に喋らないマジック・・。こう言う静かなマジックもいいねえ。
三遊亭円丈・・「名古屋版・横松和平」
 ここ4.5年やっていない「心と感動の落語、横松和平」!これを名古屋バージョンでやってみようと前日思いつき、大急ぎでアレンジして、翌日、やった。少し付けヤキバになった。回転寿司の職人の名古屋弁、お客さんの満足度も大成功だったと思う!いや、良かった良かったと自画自賛!


 5月4日・千秋楽・円丈落語まつり
  ・・「ガマの油」をやろうと思ったらひらりんくんにやられた!ゲッ?どうする?
「こんな内容だぎゃ・・」
 一言コメント
オープニングだぎゃ・・全員
 やっぱ、どうもひまひとつもり上がらないオープニング!原因は円丈が陰気?
立川ひらりん・・・「ガマの油」
 いや、正直、もう一席は内心「ガマの油」に決めていた。その「ガマの油」をひらりんくんがやってしまった。しかし、正直、やるんなら、もう少し形にしてほしかった。今のひらりんくんは「ガマの油」きちっと稽古しるべくだね。苦言!!才能があるだけにおしい!!
三遊亭亜郎・・「悋気の駒」

 亜郎くんはホント芸人だね。「悋気の独楽」の小僧が、もうアニメのキャラみたいな声を出す。いやいや、スゴイなあ。

三遊亭円丈・「柳家小ゑん作ぐつぐつ」
 とにかくここんとこいろんなとこでやって外してない「ぐつぐつ」をやる。今までの「ぐつぐつ」より、多少反応が悪かったけど・・でもまあままだと思う。
仲入り
ジャグラー&マジック あおき
 旦那がジャグラーでも奥さんがマジシャン!それと旦那のジャグラーの口上役をボケながら紹介し、それを旦那が突っ込むと言う変わった変わったコンビだね。
三遊亭円丈・・
       くやしいから「新ガマの油」
 もう何をやろうかと悩んだ末、もうこうなった「ガマの油」をやってやれ!古典「ガマの油」後、「新ガマの油」やる。いやいや、結構受けたね。ただ後半少し屋や受けが悪くなったけど。。まあまあだったと思う。

◎おいでいただいた御客さま、ありがとうございました。

 大須演芸場・おまけ編
 【知ってる?これが大須の「戒めの柱」だよ】

 
この薄暗いとこが楽屋の通路でそこに斜めに通ってる柱が「戒め柱」!円丈がやる「悲しみの大須」に出てくる。

  5m置きに戒めの柱が通っていてボウ〜ッとしてるとゴチンとぶつけてしまう。そこでどんな時も腰を低くしなさいよと言う戒め!という。


 しかし、この通路を私の師匠円生も通った、先代小さんも通った。たけしも通った・・ミヤコ蝶々も通った。


 じつはそうそうたる人たちのこの戒めの柱を通ったのだ。して見るとこの柱、重要文化財に指定してもイイ!

【これが大須の楽屋にあった伝説の大東両さんお紙切り】

  今回、残念ながら私はこの紙切り大東両さんに一度もお会いしたことがない。この紙切りの大東両さんは、2006年6月8日77歳で亡くなった。その紙切りの遺作とも言うべき作品が大須の舞台の裏にひっそりと置かれている。それにしても細かい細工をする人だ。

 この大東両さん、晩年ガンダムが切れるようになって、ガンダム・ファンの間からジワジワと評判になって、あと3年生きたら、結構ブレークするチャンスがあったのに・・残念というのが、大須の関係者の一致した意見だ。

 そしてこの大東両!何を食べても当らないという話を聞いた。弁当でもかなりプーンと言う臭いのするものを食べても一度も食中毒になったことがない。もう異常に丈夫な胃腸の持ち主なんだ。

  最後に芸人として当るチャンスが近づいていたが・・。しかし、当る前に亡くなってしまった。大東両さんの切った紙切りの本もでた。でも本人は亡くなってしまった。

  大統領さんに合掌!!
 
 【画像:亡くなってそろそろ2年になるけど今も大須の楽屋に大東両さん紙切りが置いてある】

 【これが噂の・・・10号室・・・・だよ】
 薄暗い廊下の先に見えるのが、楽屋10号!実は芸人の間で“出る”と噂さされる部屋に実はここなのだ。この10号ひつは、舞台の袖から一番近い楽屋なんだ。大須は基本的に楽屋は殆ど2階なんだ。
  しかし芸人も歳を取ると2階に上がるのが面倒になってくる。そこで舞台に一番近い楽屋に年寄りの芸人が入ることになる。

つまり一番年寄りが入る楽屋が、この10号室になる。それで当然、ここで最後を迎える芸人も当然いる訳だ。するとこの10号室で“出た”とか、“見た”とかいう話がかなりあるのだ。

 そうしたら独演会の3日後の7日の日。東海テレビの収録の楽屋に当たられたのは、この10号室。おいおい、やめてくれよ。まいったなあ。怖いよう〜〜っと思ってこの10号室に入ったが、しかし、残念ながらなにもなかった。しかもあまり何も感じなかったねえ。

 
 【画像:あの明るい部屋に・・なにか不気味なものを・・マジ?】




簡略版・・・池袋演芸場】

池袋演芸場・2月上席(1〜10日)夜トリ日記・10日間(2008/02/01〜10)
     【7日だけお休み・ホントにスンマセン!】

 【トリで・・やりたいネタは一杯ある・・しかし稽古不足・・どうする

 いかん、いかん、稽古が足りん!いけません!もうやりたい噺が腐るほどある・・。にぎわい座に掛けた「新首提灯」!もう新をつけたほどだから、従来の「首提灯」より、はるかに面白くなってる。自信もある。台本も完璧!・しかし覚えてない!
  これじゃしょうがないよな。それから柳家小ゑん作「ぐつぐつ」結構、アレンジしてかなり仕草も頭に入ってきた、しかし、どうもはなしがうろ覚えなんだ!
  それから「マタギの里小林旭編」・どうも今一つ、覚えが悪い。去年の暮に台本を朗読した「文七元結」!これもなあ、おぼえてない!

  いかんいかん!こんなことじゃ、円丈は70代で地獄へ落ちるぞ。ホント・・いやいや、がんばんばいとなあ。とにかう稽古!稽古あるのみ!てなことで頑張りま〜〜す!

        三遊亭 円 丈

【画像:今年の新宿プークにて・・】

  【2月1日初日(金曜日)・・・7割ほど入り!しかもやはりお年寄りだね】
 【その日のお客さん・・・・・7〜8割の入り・・・一般度は高そうだけど・・ホントはどう?】

  いやいや、この日、実は「ぐつぐつ」が出来るだろうかと稽古してたけど・・うん、どうもうろ覚え!もう無理だよなあ。そこでまあ、安全パイの「いたちの留吉 」でもやおると思って高座に上がる。
  楽屋入りして天どんがいたので、客層を聞くと「一部マニアっぽい人もいるけど、全体にはフツーです」という。まあ、そんな感じだと思うけど、しかしフツーの客ってそもそもな〜〜に?とにかくお客さんはモンスターだから、その日によって姿をかえるから難しい。とにかく「いたちの留吉 」だね。

 【実際やって見て・・・・とにかく無難に「いたちの留吉 」!】

 それで高座に上がるとまあ、そこそこの入り。昼は喬太郎くんがトリ!そのお客さんも残っているだろうし、7〜8割の入り。しかしこのところどの寄席ちりとてちんで結構寄席に来てる。それから見ると少しさみしい感じがするけど、凄い贅沢だね。客層は夜席にしてはやや年代層が高め目。
  マクラで3文字略語をふって、中国の食べ物のネタ。良く受ける!それから韓国ドラマ「天国の階段」をふって・・思ったより受けない。これは結構円丈を聞いてる人が思ったより、多いのかも知れない。
  それから「いたちの留吉 」をやる。まあ、それなりにそこそこ受ける。まあ、安全パイだから・・それで・・終わる。幕が閉まる時、お客さんは、結構うれしそうに最後まで拍手してくれた。結構、。円丈好きもいたねえ。、

 【終わってからの感想・・「円丈師匠は、いつも満塁ホームランを狙い過ぎ・・」】

 まあ、これは「可もなし不可もなし」だろうね。いやいや、これがいけない。今日の出来で充分満足すればいいのだ。去年の国立演芸場「円丈の『らくだ』を聴く会」の時、昇太くんの一言が、頭に残ってる。「師匠はいちも満塁ホームランを狙いすぎ!」って、いやいや、そう言うつもりじゃないんだけど、ただお客さんには十分喜んでも貰いたいだけ!
  しかしそんなにお客さんが喜ばせるってことは、満塁ホームランを撃つってことだよねえ。多分、自分に対して、いつもすごい高い」ハードルを設定して、それがクリアできないと落ち込む。だから落語をやるのが好きじゃないんだね。だって満塁ホームランでないと合格にならないんじゃ、落語やるのもつらくなるよねえ。今度からもっとハードル落そう。


 【2月2日二日目(土曜日)・・・・「ランボー怒りの脱出 」】
 【その日のお客さん・・・・・見た顔が殆どいなかった・・】

 この日は昼まで台本をアレンジしていた。それから何をやろうかとおでんの落語「ぐつぐつ」(柳家小ゑん作)か、「新首提灯」と思ったが夜までに覚えられない。これも50代だったら、なんとか覚えられたが、どうも無理っぽい、そこで「居残り佐平次」を覚える・・これも2.3回やってるけど、63になるとすぐ忘れる。そこで覚えの稽古に入る。しかし、これも高座に上がる時はうろ覚えだね。参った。池袋に来ると7割程度の入り。少し土曜日にしてはやや少ないかな。
  割と一般度が高そうなのと・・それから「居残り佐平次」がどうもまだうろ覚えだし、割と男性客が多いので「ランボー怒りの脱出」をやることした。

 【実際やって見て・・・・まあ、そこそこ受けた「ランボー怒りの脱出 」】

 この日の高座のお客さんは、ホントに今までみたことのない顔ばかり!しかしよく笑ってくれる。「居残り佐平次」をちゃんと覚えてやっていたら、どだったんだろうか?やってみないと分からないねえ。一人前に酔っ払いのお客さんがいて「「円丈の落語をぜひ聞きたい」とか、それでうるさかったすぐに出します!
 なんだかかなり酔ってて、かなりかなり喜んでいたけど、由が覚めたらなにをしてたのか?覚えているだろうか?さあ、どうだかね。でも喜んでくれたんだから、良かった。  

 【終わってからの感想・・・・・とにかく明日こそ、ベストのネタと笑いを取るぞ】

 終わったから電車の中で「居残り佐平次」の稽古をしてらた大分、スラスラとセリフ出てくるようになった。明日は「居残り佐平次」か、なにかもう1本出来るようにして、選択肢の幅を増やさないといけない。とにかく稽古、稽古!


 【2月3日三日目(日曜日)・・・『居残り佐平次』
 【その日のお客さん・・・・・雪の節分、満員の寄席「居残り佐平次」】

 この日、立ち見の出る入り、朝から雪!節分・・

 【実際やって見て・・・・今まで4回やって一番反応が悪かった「居残り佐平次 」】

 円丈は孤独だった。疎外感だけが残った・・終演後、ひとりになった時涙が出た・・。

 【終わってからの感想・・・・・円丈は、誰と戦っているのか?】

 噺家になって44年いつも全力で戦っている。一体円丈は誰と戦っているのか?わからん。
  でも戦っている。肩の力を抜き、演じることを楽しめばいいのに、それが出来ない。
  必死に戦い続ける・・。だから円丈は、高座が好きになれない。
  楽しめなければ落語をやることが好きになれない。だから戦いなのだ。
  円丈、お前は一体、誰と戦っているのだ?わからない。



【2月4日四日目(月曜日)・・・トリでやるのは20年ぶり「ぺたりこん」】
 【その日のお客さん・・・・・約半分、割と陽気なお客さん】

 昨日の「居残り佐平次」のH・Pを見て、いや、とても良かったと言う反論メールをくれた人がいた。いやいや、少しほっとしたかねえ。いやいや、そんなことより今日のネタ。覚え次第「ぐつぐつ」をやる予定だが、63歳で案の定、なかなか覚えられない。
  この日は円丈前期の名作と言われる「ぺたりこん」!トリでやるのはおそらく20年ぶりだと思う。台本を読み返したら、何となくできそうなんのでやる。しかし、なんとかやっと覚えたと言うところだね。この日のお客さんは、半分ぐらい、でも月曜日にしたら入ってるし、今日は陽気・・まあ、昨日も陽気だけど・・円丈が陰気にしたのかもしれない。

 【実際やって見て・・・・破綻なく「ペタリコン 」を!】

 この「ぺらりこん」正味5時間ほど稽古をしたかね。なんとなく全体を把握したと言うとこだね。マクラから、本題に入ってもよく笑ってくれる。まあ、上下も間違えず、まあ、破綻なく行く・・。しかし破綻なくと言うのは・・別な言い方では可もなく不可もなくと言うことでもある。
  うん、ストーリーの把握が精一杯で、今一つ登場人物キャラの突っ込んだ構築などはない。「就業規則第4条」と言うとこrは、読み上げながらやるのを、そのままよんでしまった。そして一番の山場で主人公が、家族にでんわするとこ。今一つ、感情移入が、出来なかった。少し残念だねえ。正直、あと5.6時間稽古をしてもう一度やtぅたら、今度はもっとガツーンと行けそうなあ。

 【終わってからの感想・・・・・まあ、こんなこんだねえ】

 まあ、こんなもんだね。いやいあ、ふだんからもう少し稽古をしてたらなあ・・と思いつつ・・稽古をしない!だめだね。出来ればこの芝居に「文七元結」を一日、ぶつけたいけど・・。うん、おぼられるかなあ。



【2月5日五日目(火曜日)・・・老いが円丈を襲った!「マタギの里・小林旭編」】
 【高座に上がる前まで・・・・・かなり稽古したけど・・ねえ!「またぎの里・小林旭編」】

 この日は「またぎの里・小林旭編」をやろうと結構稽古をした。ただこの噺は覚えにくいAAランク。もっとも固有名詞が多くて。しかも歌がある・・歌があるとこれまた難しい。しかも小林旭っぽいモノマネでやるって、メチャ難しいじゃん。、いろいろランクがある。その中でも一番難しい噺だ。

 【実際やって見て・・・・突然ブツブツ呟き出した客、その瞬間、すべてが飛ぶ・・「マタギの里 」】

 いや、マクラでもっとドンと出ればいいのに、そっと喋りだし、でもおマクラで少しずつ客をつかみ、本題へ、稽古した割には、どうもなんかゴツゴツとつかえる。本調子ふが出ない・・。するとお客さんの一人がぶつぶつと独り言を言いだした。なんだ、このおっさんは・・、集中出来ない。するとそのお客さんが、突然荷物まとめて、出て行った。しかも・わざわざ一番前の通路を通ってだ。
  正直、今までトリをとって、初めての経験!あの瞬間、すべてが飛んだ!それからメロメロ・・。ひどかった。いやいや、あのお客さんのせいにしちゃいかんけど・・。まあ、彼のせいにしよう。
  ひどいできだった。それはラストまでつづいてた。サゲを合唱してから、お客さんに「ごめんなさい!プロとして恥ずかしい」と謝った。ホント、ひどかった!

 【終わってからの感想・・・・・老いは引き算・・円丈の何かがまたなくなって消えた・・悔しい!】

 しかし、あんなに稽古したのに・・今年3回目の「またぎの里」!今回が一番稽古をして、このネタを固めるつもりだったのが、円丈に老いが襲ってきた。新たな老いは、今まで計算ではそんなことにならない筈がそれを超えてしまう。
  まだまだ今度の老いは、ホントの老いの入り口段階。まだまだしばらくは、普通の噺なら出来る。でもそれを数年だろうね。とにかく老いはどんどんやってきて、円丈を無能化していく・・。それをクリアするたったひとつの方法が稽古だね!やるしかないね。稽古!師円生は、79歳の誕生日まで遂に、こう言う老いで噺を忘れると言うことのなかった師匠だ。
「師匠、やっぱり,稽古でしょうか?」・・・・・。すると師匠の「そんなことを言ってるヒマに稽古をしろ」と言ってるようだね。うん、がんばろう。しかし明日はおでんの落語「ぐつぐつ」をやろうと思うけど・・。おでんの会話に客の会話にストーリーが絡み合う。なんか複雑な噺で・・これも覚えにくいAAクラスの噺だから・・やばそうだねえ。

【画像:円丈カンパケ落語台本・・新作2冊、古典1冊。ネタはある、だが覚えられない・・・・もう、宝の持ち腐れだね】



【2月6日六日目(水曜日)・・攻め! 攻め! 攻めてこそ円丈「ぐつぐつ」】
 【高座に上がるまで・・・・・到底覚えきれないが「ぐつぐつ」で攻める!!】

 いやいや、前日、「またぎの里」で大コケした円丈。まあ、守りに入れば「グリコ少年」、「悲しみは埼玉に向けて」、「夢一夜」、「遥かなるたぬきうどん」とか、結構受けて確実に得点できるネタはある。しかし攻めたい。まだ、守りに入る歳じゃない。

  そこでこのトリでぜひ「ぐつぐつ」柳家小ゑん作をやりたい、しかし、しかし覚えられない。

  そこで高座に釈台を出して、その上に台本を置いて、わすれたところは堂々と台本を読む!なんじゃ、そりゃ?しかし、去年あたりから釈台で台本を読む!違和感はない。これでやるのだ。


【画像:上に乗ってる台本が釈台で読めるように活字を大きくした子座用の台本、その下の台本がいつも個人的にネタを覚えるための台本】

 【実際やって見て・・・・いやあ、ウケた、ほっとした「ぐつぐつ」柳家小ゑん作 アレンジ円丈】
 今日は朝から積もらないけど雪が降ってる。しかし、お客さんは、昨日より入ってる。それに今日のお客さんは女性が多く、全体に若い!どうなってるの?とにかくもう昨日のことは引きずらない。もう明るく明るくやることにした。

 高座に上がり、昔の池袋演芸場のこととか、話すがこの日のお客さんはなかなかノリにいいお客さんで、随分助けられた。いやあ、ホントいいお客さんに良い芸人が育つ。

 しかし、それなりに稽古したんで正直もう少し覚えていると思ったが、記憶力と集中力のなさ。ひどい記憶量!もし、これで台本なければ、もうメロメロになっていた。でもとても良く笑ってくれて・・。良かった!

 正直、もい今日もこけたら立ち直るのに時間が・・でも翌日には立ち直っているけどね・・でも大変だった。


【画像:これが釈台の上に台本を置き、堂々と見て時に読んじゃう円丈方式】  

 【終わってからの感想・・・・・終わって見ると楽しかったね】

 とにかくウケて良かった。明日休みで、残り3日になった。やりたいネタがある。
<文七元結>
  稽古して覚えられるのなら、ぜひやってみたい。とにかく今までの文七の中にラブストーリーが、仕込んである。いい噺だと思うけど、もし覚えらたら9日目か、楽日にやってみたいなあ。でもネズミ程度の記憶力だからなあ。覚えられるかなあ。
<新首提灯>
  これもぜひやりたい!なにしろ、「新」と付けたんだから、今までの「首提灯」と違い、町人が二人でいて、二人とも首を斬られてる、しかも一人の方は、なんと胴体と首の2か所を斬られる。従来の古典の「首提灯」より、遥かに面白い筈!これは台本を見ずにやる。 でも台本見ずに・・う〜〜ん!出来ればやりたいけど・・はたして出来るのか?う〜〜ん、分からない。





【2月7日七日目(木曜日)・・・お休みごめんなさい】



【2月8日八日目(金曜日)・・・もう完璧にダメでしたごめんなさい!「新月のじゃがりこ」】
 【高座にあがるまで・・・・・稽古をするほど自信がなくなる】

 前日の夜から、少し「新月のじゃがりこ」をやる。最初は結構出来そうだと思い稽古する。ところが、稽古をすればするほど、自分の落語の覚えに自信がなくなる。しかも頭の中のイメージではもっと覚えている筈なのに・・。覚えてない。しかも主人公“田島”と言う名前が突然出てこなくなる。そんな馬鹿なだって・・今まで稽古や高座何百回となく言って来たのに・・。出てこない。もう記憶の信頼性が揺らいできてる。なんかだんだん自身がなくなる。
 最初、台本なしでやるつもりだったが、だんだん自信がなくなり、台本を作る。しかし・・。  

 【実際やって見て・・・・もう情けない、恥ずかしい、ごめんなさい「新月のじゃがりこ 」】

 それでこの日は8割以上、ほぼ満員のお客さん!釈台で台本を出し、噺を始める。ダメだった。
  ◎キチンと頭に流れが入ってない。どこをやってるのか?分からない。
  ◎台本があるのに、更に記憶力が落ちる。
  ◎感情はどうもこもってない!
  ◎どうも全く集中できていない。
  とにかく、最悪の状態!ひどい!ほんとにひどい!もうしわけない。

 【終わってからの感想・・・・・この日、得た結論はこう言うことになりました】

 それでなぜ、あんなにひどいことになったのか?打ち上げで丈ニ、天どんくんなどに聞いた意見はこうなった。
  ◎台本を出したこと自体が、依存心を植え付けただけで良くなかった。・・次回からは台本なしで上がる。・・怖いけど
 ◎高座で感情がこもってない・・と考えてること自体、全然高座に集中してないと言うこと・次回からは集中しよう。
 ◎高座の集中とは、ストーリーを前に進める力と意志!・・これこそが集中力!
  ◎とにかく集中してない。客が笑うとか?笑わないとか?高座に集中すればいい。

 ◎それで明日はなにしよう?とりあえず明日はも失敗はできない。安全パイを切る日だね。楽日は「大晦日文七元結」!
  とにかく、ごめんなさい!



【2月9日九日目(土曜日)・・・今日はなんとかなった「遥かなるたぬきうどん」】
 【高座に上がるまで・・・・・円丈がダメなのは“落語台本依存症”が原因】

 昨日は弟子の丈ニ、天どんなどと打ち上げで円丈の敗因を話し合って、更に一人になって考え、ついに原因は”落語台本依存症”と分かった。あまりにも台本に頼りすぎる。第一、最近の円丈は、稽古と言えばただ台本を読んでる。ほとんど座って上下を振って、キチンと稽古をしない。そこで朝から実際稽古をして見た。多少、噺が抜けたとしてもそれで先に進むと言うのがひつようなんだ。そして誓った高座に台本を持っていかない。

 【実際やって見て・・・・上がったら暖かい拍手が嬉しかった「遥かなるたぬきうどん 」】

 上がったら「お前を待っていたんだよ」と言う長めの拍手が、何か思わずぐっと来そうになったが、ヤバっ!と思ってこらえる。この日は、この日の「」たぬきうどん」はさらってみたら、殆ど覚えていた。今までよりは汗をかかなかったし、(いや、マッターホルンで寒い所だから、あまり汗が出ちゃまずいんだよ)。それに大分、食べる仕草のとこが、大分良くなってきた。まだまだだけどねえ。出来としてはまあまあ、だったと思う。まあ、終わった時の拍手が一番、力強かった。

 【終わってからの感想・・・・明日の「文七元結」ホントに大丈夫】

 ?明日は楽でもう「大晦日・文七元結」円丈バージョンの落語をやる。50分あるね。一度やってみたい。まだ覚えてないけど・・・・ホントに出来るの?もう一生懸命覚えてやるしかない。さあ、一体どうなるのか?




【2月10 日千秋楽(日曜日)・・・お約束・長講「大晦日・文七元結」・大入り満員!】
 【高座に上がるまで・・・・・しかし、ホントに覚えてるのか?分からん】

 今日は予告通り、「大晦日・文七元結」をやる!とにかく稽古をしてみるとなんとなく出来なくはない!「出来なくはない」って、結構、微妙だねえ。まあ、それで10時間ほどは稽古した。でも「十分覚えた訳でもない」、ところどころあやふや・・。記憶力マダラ!まあ、どの程度の覚え方なのか良く分からない。それに50分以上ある噺。楽のこの日はかなり客席は満員!

 【実際やって見て・・・・イイトコとワルイトコがまだら・・「大晦日・文七元結 」】

 この日頼んでプログラムに「大晦日・文七元結」と書いてもらう。お客さんは立ち見状態。良い入り。客層はこの日の円丈目当てとごく普通のお客さんが半々みたい。前に出て丈ニ、円太郎くん、アサダ先生に頼んで時間を詰めてもらっていつもの8時上がりの予定が7時40分上がり。アサダ先生は6分高座!そんなに詰めなくたって、良かったんじゃ?
  それで上がって「文七元結」!とにかく覚えているかどうかより、噺を前進させる強い意思だね!上がる前にはつかえそう固有名詞、句の文句。「大門を出て待乳山聖天から吾妻橋・・」とか、「闇の世の吉原ばかり月夜かな」という・・こう言う言葉が、歳をとるとポカッと忘れやすいので頭の中でさらう。しかし、噺に入る。噺はじめて、5分ぐらいから、お客さんの中では鼻をすする音、まあ一部だけど・・。ただ風邪をひいてただけかも知れないけど・・。女郎屋佐野槌のおかみなんかまあ、よく出来たと思う。
  身投げのシーン!いまひとつだったね。しかも文七のお久の馴れ初めをを話すシーンを忘れて・・。長兵衛と文七の忘れ際にその馴れ初めシーンを無理やり入れる。
その後、夫婦喧嘩から文七の主人が長兵衛宅にお礼をするとこ。うん、悪くないけど・・。ホントに良くもない。まあ、それなりに良かったってとこだね。終わってからの拍手はそれなりに悪くなかったから・・まあまあだったかね。もう一度、原稿を見直して小さな改良を加えたたい。

 【終わってからの感想・・・・・いやいや楽しかった10日間】

 この10日間、もう山あり、谷あり!いやいや、ホントに楽しかった。どうもこう言う自分をとことん追い込んで「勝負〜っ!」っていうのが好きみたいだね。おもしろい。円丈は、ここで自分のプライドと芸人生命を掛けて、自分の高座の全責任は、すべて円丈が背負って、戦うんだ。 それで負けた時、ドカンと落ち込むし、良かった時は人一倍嬉しい。いやいや、こんな楽しいことはない。かなりのリクスとプライドを賭けて戦う。いいねえ。まさに生きてると感じられる瞬間だね。
 それで今回は、自分の年齢から来る記憶力の減退と集中力の欠如。そこから来る心の動揺。もう正直、一体、これで10日間もつのだろうか?と思ったがなんとか土俵際で踏みとどまったと言うところだね。
  円丈は、この10日間の最初の頃、落語原稿をただ読んでセリフを覚える方式から、途中から、落語台本を見ないでとにかく話出して稽古。・・忘れて思い出せない時に台本を見るやり方に根本的に変えた。
  そ野やり方で行こう。多分、高座で台本を出して読むと言うやり方は、もうしないと思う。とにかくもう死ぬまでそう長くないので、生きてるうちに多少は稽古をしようね。
  いや、そんなことより、15日の夜、無限落語で新ネタ!どうするの?またここでも恥をかくのはイヤだよなあ。とにかく、10日間ご支援、ありがとうございました。感謝!感謝!!


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