円丈おなじみトリ.シリ−ズその6
〜いつも笑って帰って欲しいと思うけど・道は遠いそれに見えない壁もある〜

円丈トリ日記&イベント日記2006年度版

 どうも円丈のHPの中でもこのトリ日記って結構密かに読まれているみたいだね。円丈も61才。もう普通は、どう芸人としてソフト・ランデイングをさせるか考える年だが、この年になって本気で今一度、ブレークしたい、売れたいと思い出したのだ。アホか?どうもそうみたいだね。
  正直、記憶力も集中力もギャグを作る力も落ちつつある。でももう一度、頑張ろう。人生のラスト・ランは落語で決めよう。ドンキホーテ円丈は、進むのだ。
  その結果、円丈がボロボロになるのか?成功するのか?それはやって見ないと分からない。仮にどんな無様な姿になっても見て欲しいと思う。やってダメでもそれはそれでいい。やっただけ何かが残る。倒れる時に前向きにさえ倒れればそれで満足だ。人はいずれ死ぬのだ。死ぬ時にオレはやるだけやったと思えたら、私の人生は、とんでもないハッピーな人生だったことになる。そのハッピーを目指して進むだけだ。今日も円丈はトチるだろう。
もう開き直ってるね。もちろんです。
        三遊亭  円 丈


【06年2月上席浅草演芸ホールのお客さん】
   【メニュ−】
   ◎円丈の『文七元結』を聴く会:国立演芸場(2006/12/23)
   ◎久々の新宿末広の夜とり(2006/08/01〜10)
   ◎にぎわい座CD5発売記念独演会(2006/07/04)
   ◎にぎわい座円丈三席独演会(2006/04/07)
   ◎池袋演芸場4月上席昼トリ(2006/04/01〜10)
  
◎大成功!!円丈極めつけ三席独演会(2006/03/30)
   ◎浅草演芸ホール2月中席昼トリ(2006/02/11〜20)


「円丈の『文七元結』を聴く会」・満員
   ・みんな「文七」が良かったって言うけど・・・本人、う〜ん、納得できない!

     【06年12月23日..国立演芸場:13:00開演】

 【しかし、予約発売30分売れきれで空席が20・・少し納得できないなあ】
 この日は不思議なことが起こったね。予約発売は、直ぐ売れ30分で売り切れだったにも拘らず、客席にはズ〜ッと二十数席空いてた。予約してこない人ふだというんだけど・・それにしても予約できなかった人が大勢いたんのに実際の当日の客席には空席!
  少し納得行かない部分があるね。だって聴きたい人がいるのに客席は空席って・・うん、少し可笑しいなあ。しかも知り合いには何人かに切符ありませんかと聞かれたけど、国立さんから、円丈には一枚の招待券も貰ってないので「すんません」と謝ったんだから・・。
  いや、結構知り合いにも大勢いたんだからな。うん、やっぱ納得できないなあ。
  国立演芸場のお客さんは、割りと高齢の人がおおいけど今回は平均的にバラついた。そう言う点ではよかったね。まあ、円丈の「文七元結」もまあまあだったので、幕が降りても拍手が続いたようなので・・。会自体も成功だったのではないだろうか?・・ただ・・うん、本人は納得してないけどね。う〜〜ん!    三遊亭 円 丈
【画像:券完売で開演20分前・・だって言うのにマジっすか?】


【これが当日のプログラム】
  日時:12月23日開演13:00〜 場所:国立演芸場  
オープニング・昇太、白鳥、山陽、紋之助 
突っかけてる最中になので・・最初にオープニングをやってもらった。やはり、お客さんも「今日は人情噺「文七」を聴くぞ」って感じだったから、最初のオープニングでは、ややウケは悪かった。
前座三遊亭円丈「手紙無筆USA」
それなりにウケたけど、無理して出ることはなかった。「文七元結」に集中すべきだった。いやいや、反省中!
神田山陽「谷風情け相撲
本格的な古典講釈ネタを崩さずにキチンとやった。聴いていた白鳥が、思わず「今日、全然崩してないな」と感心していた。
三遊亭白鳥「初天神」
白鳥くんの「初天神」を始めて聴いたが、もう崩しぱなしで白鳥の本領発揮。うけてたね。もうイレゴト沢山ギャグ沢山で、ウケていた。
春風亭昇太「浮世床」
本人も久しぶりだと言う「浮世床」。二ツ目の最初の頃やったネタとか、今回はは少ないが、ツボツボではキチンと受けた。
  仲 入 り
三増紋之助 江戸曲独楽」
対談だけど円丈は高座で実際休憩してたね。ハイ!!
三遊亭円丈人情噺「文七元結」  
約55分、アレンジしてサブシナリオを入れての時間だからまあ、仕方がないね。出来れば40分台にしたいと思うケけどね。終わって幕が閉まってもまだ拍手がしばらくあったから・・まあ、良かったんじゃないかな〜あ。


 
【「文七元結」はこうアレンジした】

 【元の「文七元結」とは?】
 「文七元結」とは、三遊亭円朝が、中国にあった元の噺を日本のモノに焼きなおしたもの。左官の長兵衛は、博打で謝金だらけになったが、娘が親のために吉原に女郎になってお金を作ってくれた。その女郎屋の女将は、関心な娘のために来年の大晦日までに借金を貸せば預けてだけで、娘を返してくれると言う、帰りに商人の手代文七が、身投げをしようと言うのを助けるために娘が作ってくれて五十両をやってしまう。その文七の主人が、それを聞き、長兵衛のところへ五十両返しに行き、その娘も身請けして、長兵衛のところに帰し、その娘と文七が、夫婦になって元結屋を始めると言う落語界の代表的な人情噺。

 【円丈がアレンジの基本スタンスはこうだ】
 今までの「文七」弱点は
 ◎文七のキャラが、きて子供っぽい!・・その弱点が、青年の一途さから、身投げとかなり解消されてる。
 ◎たまたま主人と親が、なんでもない文七とお久をくっつけてしまう。昔なら当然だけど。。今の時代はねえ。そこで恋仲にした。
 ◎長兵衛キャラの矯正・・元々の長兵衛は直ぐ訳知り顔のようなセリフが多い「こちらさまじゃ、塩花を撒いてて、切り火を打って、縁起を担ぐご商売だ」とか、しかし、ただ単にすぐ博打にはまるような壁塗り男。もっと能天気、人に迷惑を掛けても全然気がつかない。かなりの大馬鹿男にした。

  【その他の点は・】
  基本的なものはそのまま残した。例えば「横山町三丁目近江屋卯兵衛」は、正直、横山町は今の繊維問屋街で江戸時代も繊維問屋が多かった。もう少し日本橋に近い町名にしたかった。小間物関係の店なので横山町ではなく、それに近江屋卯兵衛って名前も正直、あまり面白い名前じゃない。でもそのままにした。多少実はこう言うとこに知識があるんだよ。狛犬をやってる関係で多少は知ってるんだ。それにでもこう言う名前をそう簡単に変えない方が良いと思ってしなかった。ただし、鼈甲問屋は、小間物問屋に直した。その方は、文七が髪を結ぶ元結屋を開く時の関係上、なんで鼈甲問屋の奉公人が、いきなり元結屋なの?と多少疑問も思うのでそれは変更した。なるべく現代語は排した。またギャグも現代そのもののようなギャグはしなかった。

【アレンジした「文七元結」は?】
基本的なストーリーはそのままにして、これに長兵衛の娘お久と文七が恋仲だったと言うサブ・シナリオ入り、しかも大晦日の一日で起こる物語。吾妻橋で文七の身投げを助ける時に、文七は、名前を出さず好きな人がいると話し、長兵衛は、自分の娘に金を作ってもらったと話し、お互いが、別な女だと思って別れる。それが最後にお久と文七が恋仲だと分る。元々は娘が身請けして帰ってきてめでたいだけだったのが、その上、新年と恋仲が結ばれ、トリプルめでたになる。
  しかし、この今までのストーリーにサブシナリオを入れるのは、心臓移植みたいなもんで・・。拒否反応のようなものがあって、元のストーリーに馴染まない。何度も何度も・・アレンジをしながら、実は前日までアレンジがおこなわれ、やっとなんとかか全体の調和が取れて、当日を迎えた。果たして上手く行ったのか?


【その1:一様に「良かった!」と言うけど・・ホントなのかなあ・・】

 正直、この「文七」って噺は長すぎる。20分ほど稽古をしてると疲れてしまう。62才のせいだね。途中で休憩しながら稽古したほどだからね。でもなんとか上下、仕草、目線を含めて、含めて大体、前日できるようになった。今月に入ってからは、発声練習もする。とにかく結構マジなんだね。
当日の高座に上がる寸前になって突然、第一声で「この噺を師円生に捧げます」というのを小声で言ったら、突然泣き出しそうになった。その1分後に高座。客席からは絶大な暖かな拍手!うれしい。頑張らねばと思う。
 「この噺を師円生に捧げます」と言うこのセリフでお客さんもマジなってしまって、そのアトのマクラ・・全然受けない。嘘つけ!おもしろくなかっただろう?そうとも言えるね。とにかくお客さんは「マクラはいいから早くやれ」って顔をしてる。噺に入るとお客さんは、すっと噺に入ってきた。最初の長兵衛とかみさんの会話でも笑いがあった。長兵衛はやや能天気タイプ。それから長兵衛が、吉原に行って。女郎屋佐野槌の女将は登場。多分、今まで色んな噺家が演じた女将の中で一番厳しい女将タイプだろうね。このシーンでは少し客席からすすり泣きの声が聞こえた。早い!早すぎる!まだ「文七」の序章だと言うのに・・少しここでお客さんを締めすぎた。これが、この後の文七が吾妻橋からの身投げを長兵衛が助けるシーンでギャグがあったけど思ったほどウケない。えっ、ギャグがつまんないんだろ?そうかも知れない。
  ここで長兵衛のマゲ掴み!助ける時に文七のマゲを引っ張るって助ける。新演出だね。この後、からサブシナリオがここに入る。文七を通してお久との出会いが語れる。
*******(こんな感じだよ)********
長 「なんだ?そのある人ってのはおめえの惚れた女か?」
文七「はい、初めて惚れた方です。でもそんな深い仲ではございません。私、向島の水戸さまへ行った帰り、必ず本所中之郷南蔵院のしばられ地蔵様にお参りしておりまして、そこで知り合いました。私、そのお地蔵様を元結を繋げて縛り“どうか一日も早くお店が持てますよう”にと願掛けをしておりました。するとその後に太い荒縄で縛っていた娘さんが、“どうか、この縄が二度と解けないように縛って下さい。女の力ではきつく縛れません”と訳を聞きますとなんでもヤクザのおとっつあんが、家族を泣かせますのでどうか足を洗って二度とヤクザにならないようにきつく縛りたいとおっしゃいました」
長 「へ〜え、家族を泣かせるなんてえな。良くねえ。とんでもねえおやじだな」

文七「それから縛られ地蔵でお見かけする度に話すようになり、その内いつかこの方と所帯を持ちたいと思うようになり、私も太い縄で縛り、どうかあの方と結ばれて決して解けませんようにと念じておりました・・・」
*********(サンプル終了)********

 シナリオはかなり上手くアレンジ出来たが、実際演ずるとなるとまた話が違ってくる。長兵衛が、金を出したり、引っ込めたりとか、結構演出したけど・・やや不発!それに長兵衛が財布をだすと、汚いなりをした長兵衛が五十両持ってると思わず、文七が「その財布の中はなんです?焼き芋?」「焼き芋じゃねえ」なんてギャグが、完全な不発弾に終わる。この不発弾の回収はいつしよう?このシーンが今後一番、変更しないといけないところだね。しかし、それでも破綻なく演じていた。しかし実際、演ずるのは難しいのだ。

【懐から財布を出すだけでも大変】
◎まず財布にする手拭を掴んで手を長襦袢の中に引っ込める
◎一度懐に手を届かして、・・そこから財布を出して、それをやると言う訳だ。

【しかし実際は・・・】
◎引っ込めようとしたら、長襦袢の途中がなぜか一箇所縫ってあって手が引っ込まない。
◎バカヤロー。どうすんだ?しかもどうしても手が長襦袢に引っ掛かって手が引っ込まない。
◎これじゃ文七に金をやれないぞ。噺が先に進まない。どうするんだ?
◎ そこで作戦変更して右手を着物と長襦袢の間に入れて、同時に左手はすんなり入るので
◎いかにも右手が、懐に入ってるような顔をして懐に入れた左手を動かす
◎右手は実際、半分ぐらいしか入れずにいかにも懐から五十両取り出しと言う顔をする。
◎ マジックか?これは?
しかも落語の最中だからセリフを喋りながらやる。だから「いけねえ。手が引っ掛かって入らねえ」なんていえない。平然とやるんだ。でもまあ、上手くごまかせたね。


【その2・・そして後半へ無我夢中・・とにかく破綻なく無事に終わった。ヤレヤレ】

 長兵衛をから金を貰って帰ってくる。
ドンドンドン「文七です」ドンドンドン「お開け下さい」なんてあるが、普段は稽古嫌いの円丈だから、戸を叩くシーンになって「あれ、センスをどうやって持つんだろう?」なんて考えたりする。しかし今回は十分稽古をしたがこんなシーンじゃつまずかない。見事クリア!当たり前だね。
そして旦那が文七に次の伏線をもう一度はっきりと言う
旦那「旦那「文七、遅すぎます。それより、この頃、女と付き合ってると言うとかくの噂があるが、当店は手代の色恋はきつく禁じてあります。もし分ればその場で暇を出しますよ。いいな?」
文七「はい、それは噂だけでそのようなことは決してございません」
この伏線が、ラストでのもう一展開に繋がる。

 円丈の「文七」は一日で起こる物語。
旦那が「では急いで出かけよう。今日は大晦日大分夜も更けて来た。まごまごしてると歳が明けてしまう。文七、お前も供をしなさい。直ぐ出掛けますよ」
文七「へい」 これで長兵衛のとこでなんだかんだあって除夜の鐘がゴ〜〜〜ン!となる。

旦那が尋ねて来ると長兵衛は、夫婦喧嘩の真っ最中で、しかもかみさんは半纏の下は、何着てないでスッポンポン!そこで
長兵衛「開けちゃいけねえ。覗くな!覗くと目の玉突っつくぞ!おい、(かみさんに)あっちいってろ」と言うシーン。目なんだ!ここで鋭く戸の方を見てはかみさんの方も見る」目の使い方をしながらキチンと声で遠近感をだす。実に大変なのだ。しかし実際、今の噺家でこれを目と声でキチンと演じられる噺家はいるのか?正直あまり思い当たらない。円丈は意識してるが全然充分ではない。しかし、必ずその内にクリア出来ると思ってる。

しかし師円生の口調がなぜか出てくる。ラストで駕籠屋が出てくるとこで円丈の台本では「たったったったった、四つ手駕籠がピタッ」のところが、実際話したのは「彫り物揃い三昧、新しい四つ手駕籠が、たったったったったっ、ピタッと止まる」となって生前の円生セリフそのもの。しかも口調も円生節だった。あの瞬間円生が演じていたのかも知れない。いや、どこかで弟子として円生の痕跡を残し、今も円生の芸は継承されてると言うのを示したかったのか知れない。

お久は旦那に身請けされて帰って来て。ひとくさりあったから・・
お久「あつ、あなたは文七さん」
文「お久さん、約束の刻限にいけずごめんなさい」
長 「なんだ、なんだ、おめえの惚れた女ってウチの娘のお久だったのか?」
文七「ではお久さんの言っていた、あのヤクザもんのろくでもないおやじと言うのは親方のことで?」
長 「面と向かっていうんじゃねえ」
旦那「文七、お前はこのお久さんと付き合いがあったんだな。それなら近江屋の家訓、手代の色恋きつくご法度により、お前をたった今から暇を出します」
となる。そこで長兵衛は、「そりあ、ないぜ!」・・と猛反発、それで除夜の鐘を聞いて旦那は少し考えた方を変えて、文七を許し、もでたし、めでたしとなる。
ラストは
「 縛られ地蔵のご縁でめでたくこの二人が夫婦になり、文七は、いつまでもお久と結ばれますようにと麹町貝坂へ元結屋の店を開き、ここで売り出した元結は、今までのものより、はるかにきれいで丈夫だったことから『文七元結』と呼ばれ、末永く江戸の人々に使われ続けたと言う『文七元結』の一席でございます」となる。

【そこで今回の結論・・いいって言うからいいんだろうけど・・・ホントかねえ・・】
なんか、自分のやった噺の感想より、ストーリーを追う方に行ってしまったけど、大体こんな噺だね。
終わってから拍手が幕が閉まってもしばらくあったし、仲間や、知り合いの感想も一応に良かったと言う。悪い評判は聞こえてこない。一件だけあったね。知り合いが、客席で聞いていたけど、その後ろの高齢のお客さんが「文七とお久との関係が、どうも良く分らなかった。難しい」と言ってたお客さんがいたようだけど、次はもう少し、この辺のところを分り易く聞かせたいと思うねえ。
 
  しかし、評判は良かったけど・・。ホントによかったのかな・・。でもメールでも何通は「良かった」って来てるからねえ。まあ、良かったんだろうね。どうの自分のことをあまり信じないタイプだからなあ。
 もう少し受けさせたかった気もするなあ。・・と言いながら今、この「文七」の更なるアレンジを考えている。いや、それより、もっと稽古をして、しかも後半は汗だくになった。このぐらいの長い噺になると全体のペース配分を上手く考えることも必要だね。そう円生は背中に汗をかけと言ってたけど。背中に汗をかくトレーニングでもしてみようか?でもどう言うトレだと背中に汗をかけるのかね。いやいや、まだまだ円丈の円丈の芸への挑戦は始まったばかりだ。とにかくもっと稽古して更にこなれることが必要だね。

◎国立演芸場にて・・平成18年12月23日の「円丈の『文七元結』を聴く会」より。



 
【にぎわい座・円丈一席目・「手紙無筆USA」・・4回目でやっとピリッとしてきた
 【一席目・「手紙無筆USA」をやる前・・・・普段どこの寄席でウケるネタにしたい〜〜っ】

 この「手紙無筆USA」も今度で4回目。芸人の本能として、このネタはモノになると言う確信がある。以前作った「エステ湯屋番」と言うのがあったが、あれより、遥かに受ける筈なんだ。文字が読めないというテーマから、英語が読めないというテーマにしたことにってグッとこの噺に共感が持てるようにあった。しかしこの噺、受けるけどウケ方がどうも散漫で盛り上がりに今ひとつ欠ける。受けなく部分をカットしながら更にウケるようにアレンジして、この4回目!うけろ。今日こそ、受けてくれ!お願いしま〜〜す。

 【実際「手紙無筆USA」をやってみて・・・今までで一番受けた】

 いや、正直、稽古し過ぎて疲れちゃった。しかも稽古もあっちやり、こっちやりで・・。覚えると思うんだけど・・って感じなんだ。このネタも4回目だけど、またアレンジしたから、その部分を覚え直しだ。
  この日のお客さんは、前回、土曜の昼にやっ時より、やや少ない。年代的には前回より、やや若いって感じのお客さんだった。しかし、この日のお客さんは、ホント良いお客さんだったねえ。素直で感覚的に鋭くて良イイねえ。マクラ導入部も良く受けてくれた。噺に入っても良くウケて、くれる。気持ちよくやれるねえ。ネタwも全体をもう少し刈り込んで、やや受けなかったとこはカットして、それが功を奏したね。大体、新たに入れたギャグが受けた。ただラスト「ドント・ストップ・ユア・ジョ-ク」ってサゲのことろは、池袋ではウケたけど、ここではシーンとしていた。でも蹴られたのはここだけだね。このにぎわい座でもワザオギでCDの録音を録っていたが、「このネタはいけますね」と言ってたし、それに弟子の亜郎くんも来てて、池袋でやった時のも聴いていて「いや、今日のは良かったです」と言ってくれたから、まあ、よかったんじゃないかね。あともう1回アレンジすれば、もうかなりうけるネタになってくれる筈だ。
 【高座返しを忘れてごめん】
一応、前座代わりに円丈が上がったつもり。お客さんに終わったら、高座返しをやることになっていたけど・・。終わったら、スッカリ忘れて、そのまんま降りちゃった。たん丈に「こら、終わったら、高座返しをしてませんけどって聞けよ」と叱った。うん、考えたら訳の分からない小言だったかなあ。


【簡略版新宿8月夜トリ日記】

新宿・末広8月上席・夜トリ・10日間(2006/08/01〜10)
     【8日だけお休み・ホントにスンマセン!】

 【この芝居は6日の円朝まつりの用意、更に12日の応用落語ネタとか、なんかタイヘン!】

  なんとなく色々せわしないんだ。
  でも久々の新宿トリ、頑張らないと、この芝居は、最近、古典ももやってるので、二席ほど掛けてみたいと思ってる。それと「新月のじゃがりこ」もやってみたい。

  でも演者円丈として最近の変化は、高座で少し落語の演技が楽しめるようになってきた。これは大きな変化だね。うれしい。演者が一生懸命楽しんでやってこそ、落語もさらにおもしろくなると言うもんだね。この頃は落語を丁寧に演ずるように心掛けてる。すると今までと違う演じ方を演じながらしてたりする。とにかく落語をやることがさほど好きじゃない円丈としてもとてつもないプラスの変化だとおもう。とにかく頑張るよ〜〜っ!
      三遊亭 円 丈

【画像:初日、不安そうに高座を見る円丈!カメラを忘れて携帯で撮る。なんかもうボケ老人みたいだね】  

  【8月1日初日(土曜日)・・円朝まつりの準備でなんかクタクタ!・・そこで「悲しみの大須 」】
 【その日のお客さん・・・・・客席の灯りが消えてしまった・・強化新作のお客さんです!ホントに?】

 朝、お弟子さんが4人来て、久しぶりに白鳥くんも来たので、円朝まつり用の記念写真阿吽パネルを製作、その後、enjo shopの店長天どんたちと台本のプリント・アウト!と思ってるうちに出掛ける時間、なん〜かガックリ疲れてるなあ。それから池袋で高座をつとめて、少し新宿まで時間があって稽古をしたかったが、ビックカメラでプリンターのインクを買い、新宿の文具の世界堂で台本集の表紙にするやや厚紙を購入し、もう時間がない。でも25分ある。そこで近くの喫茶室ルノアールで少し稽古!しかし20分程度じゃ気休めだよなあ。
 それで楽屋入り!小ゑんさんや、清麿さんがいて、今日は完全に新作のお客さん!古典がうけなかったと言う。ホント?マジなの?
  客席を除くとなぜか暗い!訳を聞くと突然客席の照明が切れてしまって暗い。なんかいやな予感がするなあ。
今日はとにかく「悲しみの大須をやろう!」と決めていた。なぜ?いや、もう総決めたの。

 【実際やって見て・・・・いやあ、かなりマニア度の高いお客さん・・・・いつもより苦労したなあ「悲しみの大須」】

 高座に上がるとなんかスゴイ拍手!いやあ、こんな期待されると恐いなあ。楽屋から見ると半分ぐらいの入りかと思ったら、後ろの方はかなり入っていて、七〜八部の入りだね。
  マクラで寄席のはなしをするが、いつものウケがない。つ、つよい!昔の人形町末広、大阪の新花月と言うなくなった寄席の噺をしてから、「悲しみの大須」に入る。どうもウケ方が、一定しない。笑うトコと笑わないトコがはっきりしてる。
  それでも「・・大須」の後半からは、お客さんを捕まえて・・サゲに!まあまあ、なんとかなった。ホッとしたと言う感じだね。円丈の感じでは、マニアックのお客さんに3〜4割、普通のお客さんは混じったと言う感じだったね。しかし、今日のお客さんの中には、この「悲しみの大須」を既に聞いていたお客さんもかなり混じっていたような気がした。 こわいな。とにかくもっとネタを増やし、古いのはどんどんアレンジしないと今日のお客さんに負けちゃうなあ。とにかく頑張ろう。

 【終わってからの感想・・初日の打ち上げ・・・・・稽古したいよ〜〜っ!】

 終わってから、初日の打ち上げ!いやいや、きょうはなんとかなったけど・・。明日はどうする?打ち上げにはお囃子さんも2人加わって、「あの師匠はスケベとか」そんな話に花が咲いて楽しかったけど・・いや、そんなことを言ってる場合じゃない。とにかく古典も隙を見て二席はやりたいけど、そのネタの選択も難しい。しかし円朝まつりの準備に終われて充分稽古ができないのが、いやだな〜〜あ。でも頑張ろう。

  【8月2日二日目(水曜日)・・稽古したいのに出来ない!とにかく直ぐ出来る噺・・じゃ「悲しみは埼玉に向けて」だ】
 【その日のお客さん・・・・・今日のお客さんは新作も駄目?マジで!】

 ?円朝まつりの準備で稽古ができない。もう円朝まつりなんてクソ食らえだ。噺家は、落語の稽古の方が大切なんだ。もう円朝まつりは適当でいいよ。手を抜いちゃおう!それでもやるだけのことはやらないとね。ストレス溜まるなあ。
  それで池袋でチョッとした悲しい出来事があった。そろそろ賞味期限が切れてきた「イタチの留吉 」がうけなかった。若いお客さんでしかも古典のお客さん。「豊志賀」でも50分ぐらいやってやりゃ良かったかな、ホントにもう・・。まあ、それはともかく「・・留吉」はジ・エンドだね。今後はキャラを変えてやるしかないね。全くイライライしてる時にこの事件。凹んだ。とにかく少し時間あるので途中喫茶店に入って稽古!と言うはタダの台本読みだね。
  それからトリの末広に楽屋入りしたら・・今日は新作でも前半は受けなかった。マジ?マジで?
とにかく「ランボー怒りの脱出」か、「悲しみは埼玉・・」。客席をみるとそれなりに女性が多い。こう言う時は「・・埼玉」だね。と決める。女性には「ランボー」は受けない。もう今日は「埼玉」玉砕だ〜〜あ。

 【実際やって見て・・・・いやあ、ドカンドカンうけた「悲しみhさ埼玉に向けて」」】

 今日のお客さんは手ごわい!そう思ってあがったら、力強い拍手!うれしいね・・と言うか、プレッシャ−にもなるけどね。今日は、ぬう生とヌードショーと間違えたと言う定番のマクラを振る。大して受けない。うん、結構聞いてるんだ。韓流ドラマのマクラ。とにかくここで「チャングム』の主題歌「おならおならおなら〜っ」と言うのを唄いたくてやる。結構このマクラ聞いてる人もいそうだが、受けた。
  そして「悲しみは埼玉に向けて」をやる。昨日のように受けるとこと受けないムラもなく良くうけた。最後まで受けた。しかしこの「埼玉」は強いネタだね。しかしこのネタもいつか受けなくなる日がくるんだろうけどね。円丈孝行のネタだね。ありがとう!今日は受けた。いいんじゃない。

 【終わってからの感想・・とにかくあしたはどうする?】

 とにかく、明日っから円朝まつりのよういはほどほどにして、稽古しよう。なんせ、普段稽古しないから、トリの時ッぐらい真剣稽古しないとね。それに明日は、今日受けなかった。池袋でリベンジだ。円丈やり返された、やるよ!畜生、受けさせて・・・と言って受けなかった。三度目の正直だ。とにかく、負けたままにはしておけない。円丈の不屈の魂がある。まけるか!やるぞ。





 【8月3日三日目(木曜日)・・今日も円朝まつりの準備で稽古ができん!」】
 【その日のお客さん・・・・・ぬう生曰く、『混成部隊です!」】

 いやいや、今日は朝からたん丈と玉々丈が来て円丈作品集の製作。芸人がこんな内職みたいなことをしてていいのか?トリだから稽古したいよう!。ホントいらいらするなあ。しかも池袋で昨日リベンジをしようとおもってやった「手紙無筆USA」が、どうもいまひとつ。いや元々いまひひとつのネタなんだ。全く中途半端なネタだなあ。いまひとつシャキッとしない。降りてから、新宿までの間になんか少し稽古。とりあえず「遥かなるたぬきうどん」をやろうとほんの少しだけ稽古をした。
  楽屋入りして客席を覗くと結構入っている。ぬう生にどんなお客さんと聞くと「今日は混成部隊です」と言う。これはごく普通のお客さんとマニアックなお客さんはが入り混じった状態を言うんだね。それでそこそお陽気なお客さんだね。とにかく新作は、古典と違って、固有名詞はでてくるし、ストーリーは複雑で、その上61でボケ掛かってるから。そんなスラスラ出てこない。ある程度稽古をしないと出来ない。普段から稽古し解きゃいいんだけどね。とにかく「「遥かなるたぬきうどん」さらったからこれをやろう。

 【実際やって見て・・・・結構不満足な出来だけど・・まあ、こんなもんかな」】

 ?高座に上がって、ぬう生とヌードショーを振るが、あまり笑わない。いや結構、聴いてるお客さんだね。それからマクラを振って「遥かなるたぬきうどん」!いつも思うんだけどうまく稽古で出るうどんの音が出ない。しかも2人の食べ方を食べ訳ようとおもうけど・・キチンと稽古をしないから出来ない。まあ、それなりの出来だと思うけど、ラストのうどん屋の息子が出てくるとこが、あまりうけなかった。
  とくに 受けた訳ではないけど終わった時の拍手は、結構あったから、それなりだったのでは。しかし、この噺をもう少し肩の力を抜いて、演じた方がいいように思う。稽古が足りん!いかん、いかん!



【終わってからスペシャルバージョン】
 【わあっ、寄席の帰りになんと祝儀をいただいた!・・奇跡じゃないの?」】
 終わってから弟子のたん丈と楽屋をでると道でサラリマーン風のお客さんにばったり。「円丈さんですか?少し待って下さい」
いきなりカバンをガサガサ・・きっと色紙でも出すんだろうと思ったら、なんと祝儀袋とプリント・アウトしたそのお客さんの書いた円丈評なのだ!「別に褒めてばかりもいませんけど、読んで下さい」と手渡された。しかし、祝儀袋とその芸人の高座評!これがとてもイマっぽいね。
 でも祝儀袋には名前もなにも書いてない。住所や名前をお聞きしたけど「いや、いいです」とついに教えてくれなかった。
そして「一度浅草の地下鉄であいました」で思い出した。そうもう1年ほど前だったか、夜寄席の後、地下鉄のホームで声を掛けられた「お帰りですか?私は今まで寄席にいてこれから、また仕事ですよ」と言ったサラリマーンの人がいた。その人、この他人だったんだ。
【ドキュメントー系が好きなお客さん】
  それから、帰りの電車の中のその円丈評を読んだ。このお客さんは、円丈の「悲しみは埼玉に向けて」、「悲しみの大須」、「グリコ少年」、などのドキュメンタリー系の噺が、お好きなようだ。その反面、円丈のフィクション系や、ホロリ系は駄目なようだ。「前に上がった白鳥の方がず〜と面白かった」なんて書いてあった。これはお客さんの好みの問題だからなあ。なんとも言えない。
 ただこのお客さんは円丈のフィクションがウソっぽくて、嫌いなようだけど・。でも例えば「夢一夜」あのストーリーは、たしかにフィクションでうそっぽい、でもあの主人公はあまり言わないけど円丈の分身なんだ。畳の上で死にたいし、何より、臨終の煙草を吸って死にたいと強く願っている。あれは円丈の死に方願望みたいなとこがある。フィクションだけどね。
  それに悲しみ系が結構多いのは、あまり落語のことで書かないけど、円丈は存在するもの全てに悲しみがあるような現実感を持っている。そう言う底流の上に円丈落語はあるとも言える。まあ、そう言うことは噺家だからあまり書かないけどベースとして持っていて作品に反映されてる。でもそれを押し付けたくないし、押し付けるものでもないので言わないし、あまり書かないようにしてる。これが一応の円丈の考え方なんだね。 

【えっ、こんな入ってた!いやあ、申し訳ない】
 それでうちに帰ってかみさんに話たら「えっ、でいくら入っていたの?」直ぐこう言う現実的なことを聞くんだから、それで中を見たら・・。予想してた以上に入っていた。額を書いちゃ申し訳ないから書かないけど。いやいや、ありがとうございます。
  しかし、それでことによるこれは円丈への手切れ金のようなものなのか?と考えた。つまり、円丈を聴くのは、今回で打ち止めにして・・と言うような意味合いだったのでは?すると
 “うれしくて少しかなしい祝儀かな・・円丈”
 かもしれない。 するともっとこのおきゃくさんをもっと笑わせたかったな〜あ。いや、笑っていただきかったと思った。 でもこう言うことは、多分、これから先もないだろうね。しかし生きてると色んなことがある。次は「今日、笑わせてもらったので、家一軒あげましょう!!」な〜んてとことは・ある訳ないよなあ。このお客さんは、何度も寄席や、落語会、独演会に来たるけど、結構ネタが重なっている。あれ見ると「そうか?聞いてない噺も結構あるし、もっといろんな噺を聴いていただきたかったなあ。なんかネタを増やさないといけないなあと反省しちゃう。



 【8月4日四日目(金曜日)・・「振り返れば」を・・でもおぼえられないで「ランボー怒りの脱出」】
 【その日のお客さん・・・・・今日はフツーのお客さんと言う・・でほぼイッパイ!】

 いや、なんかこの芝居新宿より、池袋の方が苦労してる。・・苦戦中!しかし、しかし、なんとなく客だねが見えてきた。確かにこの芝居の池袋はマニアックな一部なお客さんはいるけど、しかし、実はかなり一般度が高そうだと分かった。明日からその辺で攻めよう。
  さて、それでトリの新宿に来たら、ぬう生が「今日はごく普通のお客さん」だと言う。仲入り後は少し苦戦してると言う。昨日今日までに円朝まつりの準備が終わったので、今日は朝から「新振り返れば」のアレンジをする。楽しいなあ!落語を作ったり、アレンジしてる時が幸せだね。やるのは好きじゃない!ヘンな芸人だね。でもアレンジしたが覚える時間がなくて、断念した。しかし円丈人生大バカ回顧落語「振り返れば」は果たして初めて落語を聴く難しいしいなあ。

 【実際やって見て・・・・とにかくネタがない!今日は「ランボー怒りの脱出」、うん、まあ〜ま〜〜〜あかなあ」】

 上がった時、昨日まではかなり力強い拍手があったら、今日は普通!やっぱり普通のお客さんだね。マウスを出す!これは結構受ける。それから映画のマクラ・・ネタによってだね。少し高校なんか良く受けるアニメのネタもやったがカラ振りした。それから「ランボー怒りの脱出」!このネタは少し落語を聴いたことのあるお客さんの方がより、受ける。だから、ややウケ方はまだらウケだね。でもまあ、全力でやって・・・まあ、なんとか合格なんじゃないかなあ。でも正直、こう言う日こそ。こないだの「悲しみは埼玉・・」なんだろうけど。。一応全部ネタを変えたいからねえ。しかしもっとネタが欲しいよう。

 【終わってからの感想・・古典落語は?「月のじゃがりこ」は?「新振り返れば」がいつやるの?】

 ?この芝居、出来れば古典を二席やりたい。ネタは「居残り佐平次」、「位牌屋」、「小言幸兵衛」のあたりから二席だね。しかし、多少アレンジしたとはいえ受けるのか?正直、自信はない。でもやってみないと分からないからな。それとラブストーリー「月のじゃがりこ」を掛けるけど、いつやるの?で反応は?もうやってみないと分からないね。でもやるよ、絶対やる。そして「新振り返れば」もやる。でもこれも少し円丈マニアがいた方がいいなあ。それからマクラの考えたいけどな。時間がない。




 【8月5日中日(土曜日)・・悔しい!自分に腹が立つ!悔しいよ〜お!「肥辰一代記」】
 【その日のお客さん・・・・・二階の開いてたけど】

 もうネタがなくてその日暮らしになってきた。今日は、「肥辰一代記」をさらった。なんせ61才になるとしばらくやらない噺は、少しさらわないと駄目なんだよね。昔からやってる古典なら、なんとかなるだろうけド新作は、そうもいかないんだ。またちょこちょこアレンジするから、、その都度覚えなおしなんだ。なんとか覚えたけど、いや、完全じゃないね。
  この日は初めて2階が開いて、かなりの入り。それに陽気なお客さん!

 【実際やって見て・・・・どうした?いつもと口調が違うぞ!駄目だ。巻き返せない、円丈沈没!ブクブクブク・・」】

 円丈うんこ噺。「肥辰一代記」をやる。しかし、なんかお客さんのノリが悪い。うんこにやや引き気味!それになんだろう。いつもと口調が違う。なんだ?なんだ?こりゃ!「肥辰・・」はこんな喋り方じゃないぞ。アレ、おかしい!なんかヘンだ。参ったなあ。それで徳川家康の出てくるとこで笑いを戻せるんだけど・・駄目・・そのあとおとっさんとの会話で・・戻せる・・アレアレ!駄目だ。ラストの肥辰ノシーンでやっと笑いが高くなったとこで!終了!全く、駄目だ、駄目だ。こんなんじゃ駄目だ。それにいつもの肥辰の調子がなぜか、つかめなかった。こんなことは初めてだ。自分に畜生!俺に腹が立つ。円丈お前は一体どうしたんだ?それが分からんから、余計悔し〜〜〜〜〜〜〜〜い!!

 【終わってからの感想・・打ち上げしたが、そこで「くやしい」百連発!ホントくやしい】

 終わってから軽く打ち上げに行ったけど・・みんなが世間話で持ち上がっていたけど、その間、悔しい、悔しい!自分に腹が立つ?と悔しがっていた。駄目だなあ。こんなんなら「埼玉・・」でもやっていれば、多分お客さんもおれもハッピーだったかもしれない。
 しかし自分の喋りに違和感があって本来の調子に戻らなかったのはあまり記憶にない。なぜそうなったのか?それが理解出来ない。なぜなの?もしかしたら、これはあの呪いではないだろうか?えっ、何の呪い?言わない。じゃ書くな。どうもスイマセン。
  しかし明日は円朝まつりで疲れて高座・・コレだけは止めよう。明日は少し早めに切り上げて、しずかなとこで稽古でもしよう。あとは店長の天どんと店員たん丈に任せよう。なんか気分はスゴイ追い詰められているみたいだね。でも結構自虐性が強いマゾヒストだから、自分で自分を追い詰めて喜んでいるような自分もいる。だから意外と大丈夫さ。もうホントに駄目なら、もう最後の最後は、高座で腹でも切ればいいんだ。少し・・2cmぐらい切ってみようか?できないね。でも噺家を引退する時なら2cmぐらいなら切れる。おい冗談だろ?うん、半分は冗談。でも半分はマジで切れる!
  こんな下らないこと書いてないで・・少し稽古しよう。





 【8月6日六日目(日曜日)・・前日の反省!動じすぎ!リラックス!さあ、「夢一夜」」】
 【その日のお客さん・・・・・円丈はフリートークをやる。この日はかなり聞いてるお客さん】

 いやあ、今日は朝から円朝まつりで物売りの肉体労働で、疲れたね。そこで少し早目に途中、ズラかって、漫画喫茶で少し休む。休みながら考えた。池袋で上がる時、ボソッと呟いた「ああ、とうとう俺の番か?」すると仲間に言われた。「それじゃ死刑を待つ囚人だよ」まったくそうだね。そこで池袋では少し肩の力を抜いて「ランゴランゴ」をやり、それなりに受けた。
 【円丈はもう一度、バリバリの新作落語家になるぞ】 
 実は2.3日前から真剣に考え出したことがある。どうも円丈は、自分の61才でもう作れないのではとか、歳のことを気にしすぎる。 今一度、目をキラキラさせ、感動で物事をみて、そこからネタを作れば、まだまだやれるだろ?自分でもう駄目だと言う縛りを掛けてしまうから、本当に駄目になってしまう。大丈夫だ。もう一度、バリバリの新作落語家になる・・。目をキラつかせて物を見れば、ネタを拾える。実はそういう目になりつつあって、いろんなことにネタの元に気づき始めた。それとフリートークに挑戦してみよう。今まで、アドリブの力がないのでフリートークをして来なかった。でもある程度高座前に頭の中でイメージして、演じながらの稽古をしていれば多少のフリートークならなんとかなる。高座前に少しトリでやるトークを考え、それで楽屋入り。

 すると後輩の喬太郎くんが、高座でバカ受けしていた。受けさせる技は、正直、彼等の方が上だ。もう認めちゃう!ではそんな中で円丈はどうするのか?そうおもしろい部分の他人と違う円丈らしさが出ればいいのさ。落ち着けばいいのさ。どんあことが起こっても、その事実をキチンと受け入れて、それに対する対応策をとればいいのさ。いつまでもいじけた円丈ではういられない。大体、円丈は欲張り過ぎるんだ。
  何時も100%受けていないと気に入らない。そんなことは現実にあり得ない。少し受けないと動揺して、変に間が崩れて来て、更に受けなくなると言う悪循環を避けなければならない。そこでそれても次のギャグで取り戻せばいいのさ。なにか、少し気持ちが落ち着いてきた。やるよ!!

 【実際やって見て・・・・うん、まあ、それなりに受けたね。「夢一夜」】

 この日は一体、どの位、円朝まつりからきたのか?アンケートしてみたら数十人のお客さんが、円朝まつりから来た人だったね。更にアンケートしたら10回以上、寄席に来た人は半分近くいた。スゴイねえ。そのあと来るまでに考えたフリートークを話してみた。まあ、それほど受けた訳じゃない。しかしそれた訳でもない。このフリートークを今後も少し続けよう。
  それで「夢一夜」。マクラ、出だしが正直今、ひとつ!う〜ん、しかし、慌てない。少しずつ調子は上がって行った。それしても・・この日、お客さん、時々笑うのに時間が掛かる。なんで?まあ、円丈のギャグになれてないのだろう。そうその分、円丈ファンに出来る確率がある。大事にしよう。もんあんでもプラスに考えよう。それでサゲ際に来ても受けていた。うん、全体から言えば、やや笑いのボルテージは低かったと言えるが、いいんじゃない。まあ、まあだよ。もう円丈は悩まない・・・と言って明日、悩んだりして・・まあ、それも円丈だね。

 【終わってからの感想・・・・もう明日はやるネタがない!】

 まあ、今日はなんとかなったが、明日やるネタがない。しかし、あせらないことにした。なんとかなるさ。円丈が受けない原因の70%は自滅なのだ。自信がなくて高座に上がった時、スコーンとそれる。大丈夫だ。落ち着け円丈。




 【8月7日七日目(水曜日)・今日高座前までに「新振り返れば」を覚えないとやるネタがない。ぎゃ〜お!】
 【その日のお客さん・・・・・なんか若いお客さんが多いなあ】

 今日はアレンジ完了した「新振り返れば」を覚えてやる。もし覚えられないと今日のトリはやるネタない。ギャオ〜〜ッ!恐いよ。どうも円丈は今までこう言う綱渡りを結構してきた。だからこう言う緊張感が好きなんだね。ところが61才だし、この台本の流れは、結構覚えにくい。夕方4時過ぎ。なんかサッパリ覚えていない。まずいよ〜〜お。そこで絶対覚ええやるぞ!そう思った瞬間、記憶速度が倍速なった感じだね。いや、久々に覚えが良くなった。人間追い詰められると覚えるもんだね。・・・そして、新宿の高座の1時間半前になって、ふと上下はどうする?なんとセリフ覚えが手一杯で仕草や、上下を考える余裕場がなかった。いや、やっぱ、あと5〜6時間は欲しかったね。
  楽屋に入ると今日は若い人が多い!やや笑わないお客さんだと言う。もうお客さん云々の問題じゃない!覚えてるかどうか?まずそれだね。とにかく台本を持って上がって・・。もし忘れたら台本を見る。とにかくやるぞ!

 【実際やって見て・・・・自分の人生をオーバーラップをさせて見る「新振り返れば」】

 まず上がった時の拍手は、かなり力強い!マクラでとにかく昨日から1分でも2分でもフリートーク!今日もやるが、殆どうけなかった。残念。でもこれも1年も続けりゃだんだんツボが分かってくるさ。そしてマクラを振ったが、あまり受けない。正直かなり落語を聞いてるお客さんだね。円丈が普段振ってるマクラも結構聞いてるね。
  ネタに入る。どうもあまり受けない。少なくとも昔やった時のツボのところでもさほどでもない。でも受けない訳じゃない受け方がマダラだね。しかし最後までお客さんはマダラ受けだった。今の円丈と15年前の円丈、30年前のぬう生(円丈の前名)、などが出てきてののしりあう。実はこう言うタイプの噺は聞いたことがないのでお客さんもどう反応して良いのか?戸惑ってる感じみたい。でもチャンと聞きこんでる。そしてこの噺の一番おもしろいは、この噺と自分の人生をオーバーラップさせて聴いてしまうのが、実はこの「振り返れば」の特徴もようだね。だから100人いたら百通りの「振り返れば」が出来るだろうね。笑いは自分がイメージした3分の1程度だった。ただ、なんとか覚えただけと言う感じだったからなあ。

 【終わってからの感想・・・・ホントはどうだったのか?意外と良かったのかも知れない】

 今回は45才の円丈と61才円丈の違いをどう表現するか?これが難しい。そこで45円丈をわざとジイサン・キャラにしたが、どうもこれがわざとらしかったと思う。円丈の落語って良くお客さんが、受けなかった時の方が感動してたなんてケースもよくあるし、どうだったのか?分からないと言うが、感想だね。ただお客さんはなにかを感じたように思う。そう言う意味では大成功だったのかも知れない。しかしもう少し稽古してやりたかったけど、しかし良く61才であのネタを半日で覚えたよ。とてもあの緊張感が楽しかった。どうも円丈はマゾヒストかも知れないねえ。
  【残る二日のネタ】
 
残る二日は、一本は古典で「居残り」か思い切って「真景累ヶ淵」、もう一本は「新月のじゃがりこ」を考えてるけど・・】




【8月8日八日目(日曜日)・・お休み」】
 ごめんなさ〜〜〜い!


  【8月9日九日目(水曜日)・・8時間稽古したのになあ・もう「新月とじゃがりこ」】
 【その日のお客さん・・・・・結構入ってる・・しかしうけるのか?】

 しかし、61才で新作をやるのは、覚ええるのが結構シンドイ。7月の独演会でやった「新月のじゃがりこ」を忘れて、覚えなおすのに8時間掛かかった。冗談じゃないよ。参いるよな。これ61才で8時間だから80才だったら40時間ぐらい掛かりそう。いや、ホント長生きなんてしたくない。70才でもう充分だよ。しかも8時間だって納得行く覚え方じゃない。
  とこrで池袋は5.6日大入り袋がでた。それで新宿に来てワリ(二日ごとの歩合制給金)が7千足!いや、出てるね。結構入ったんだね。この日もほぼ満席状態!入ってる。しかし受けるのかなあ。

 【実際やって見て・・・・自分が予想したより、はるかに受けなかった「新月のじゃがりこ」】

 もう正直、あんまり書きたくもない。マクラのフリートークを少し。「強情灸熱演剤」の話。まあ、受けた。そうさ、こんなトークも受けるものも出てくる。しかし、「新月のじゃがりこ」に入るが、どうもウケが悪い。終わりまでドッと来ることなく終わった。正直、くやしい。この噺は寄席では少し無理っぽいのかもしれない。8時間も汗水たらして稽古してこれだもん!う〜〜ん、悔しいなあ。しかし、どうも円丈自体の芸のノリも良くない。うん、Wくやしい。いつも自分で出来るものの幅を広げようと思ってるけど、この「月のじゃがりこ」あたりがある限界なんだろうね。

 【終わってからの感想・・元弟子のガッポリ建設と悔しがりながら打ち上げ】

 終わったら楽屋で元弟子だったコントの「ガッポリ建設」が来た。なんと弟子をとって、名前が太郎ちゃん。そこでこ連中と打ち上げに行った。しかし、打ち上げでも悔しがっていた。畜生!新作は受けないと全て自分せいだから。作円丈で演者円丈だから円丈が、責任を取るしかない。だから余計悔しい。あしたは楽、とにかく受けさせたいなあ。1日古典をやりたいけど・・。うん、わかんない。しかも12日に日本橋亭の無限落語でネタを考えなきゃいけないのに・・出来てない。プランはあるのにトリのネタで手一杯。しかも26日、白鳥との二人会のネタもこれからだもん。どうすんの?もう参ったねえ。ネタ出来ない蒸発とかするのかなあ。61のジジイにはハードだねえ。
  円丈は何度倒れても死ぬまで起き上がるのさ。ハイ、ファイテング・ポーズ!今までだって何百回となく倒れたさ。まだくたばってない。やるよ。



 【8月10日千秋楽(木曜日)・・遂に二十数年ぶりの古典落語「居残り佐平次」】
 【その日のお客さん・・・・・リピーターのお客さんが多くて満員】

 楽日になった。今日のネタはどうするの?古典で怪談噺「真景累ケ淵」をやろうとおもったけど・・しかし昨日が笑いが少なくて、楽日が怪談じゃなあ。と思い直し、もう少し笑いの多い噺を・・すると新作なら「横松和平」。そこで小アレンジをする。・・しかし、やっぱ一日は古典だろうと思いなおし「居残り佐平冶」の稽古をする。高座少し前にやっと覚える。
  この日が一番、お客さんが多い。しかも何日もきてくれたお客さんが、かなりいる。いやあ、ありがたく、うれしい。

 【実際やって見て・・・・メガネ外しカウント・ダウンをしてから「居残り佐平冶」をやる。まあ、まあかなあ」】

 寄席のトリでトリらしいネタの古典は二十数年ぶり。「名古屋弁金明竹」は古典だけど、トリネタじゃないからね。高座に上がると満員。そして暖かい拍手、それがとてもうれしかった。感謝、感謝!そしてまず古典に入る前に「メガネ外し・カウント・ダウン」5.4.3.2.1.ゼロでメガネを外し、それで古典をやる。意外と受けたね。多分これからは、円丈が古典をやる時の恒例になりそうだね。

  それから円丈オリジナルの女郎買いのマクラ!これは結構受けた。そして「居残り佐平冶」へ、古典なので、いつもの新作よりは笑いはどうしても少ないが、しかしにぎわい座の独演会でやった時より少しギャグも増えたし、笑いは多かった。またある部分でソックリ笑いのない部分とかはなかったし、忘れたせりふもなかった。サゲが少しものたりなかったけど、まあ、まあ、・・現在の円丈からすると上手く行ったとおもった。

【画像:以前も頂いたことのある岩本さんから。ご祝儀が・・申し訳ないっす!】

 【終わってからの感想・・みんなで打ち上げ・・疲れたけど、でも良かった】

 どうも頑張りすぎる性格と自虐性もあって、もう毎日、頑張りすぎてへろへろだった。一番の問題点は、61才の年齢から来ることだけど、覚えるに時間が掛かりすぎることだね。もうこれからはトリをとる5日程前から、稽古をするしかない。まだ反省点などやまほどあるが、もう今は疲れているので書かない。あとでまとめて書こう。でも疲れたし、駄目だった日もあったけど、終わって見ると楽しかった。やっぱマゾヒストの傾向が強いのかもしれないね。
 終わった後、とにかく出演者、お囃子さんたち、お弟子さんたち計12名で打ち上げ。しかしこの芝居、4〜5回は打ち上げしたね。でも殆ど酒は飲めないけど、結構打ち上げが好きだね。打ち上げ病かな。
 その雑談の中で「居残り佐平冶」のイタリア版「居残りジョバンニ」なんて噺はと結構膨らんだ。 しかしそんなことより、12日のネタ下ろし「日本沈没」のパターンで「寄席沈没」をやることになってけど、これから書かないといけない。だから・・・とにかくこれで・・・あkとより、一緒に打ち上げ。打ち上げでわあわあ、賑やかとえとつ?とにかく、死ぬまでギンギンの現役の新作落語家でいよう。そんじゃまあ。

【画像:受けない日だとぼやきばかり出て仲間に迷惑を掛けるけど、楽日はボヤキなし。よかった】


◎10日間読んでいただき、ありがとう!そして足を運んでくれたお客さんに感謝!


【簡略版にぎわい座CD5発売記念独演会】 ・・う〜〜〜ん、どうだったんでしょう?私が聞きたい】

円丈CD5発売記念独演会..じゃがりこを皆で齧りながら・・・!!
     【06年7月4日..横浜にぎわい座・19:00開演】

【画像:黒の紋付の羽織で「新月のじゃがりこ」をやる円丈。じつはこの衣装、古典「位牌屋」で着る予定だったが高座に上がる時にネタを変えたので、黒の羽織で新作をやることになってしまった】

 【稽古とアレンジが出来てうれしい】
 この独演会は、割りと時間がなかったので、企画とネタをもう少し考えたかったけど、とにかく円丈CD5発売記念独演会と言うことで・・まあ、GOとなった。
  お客さんが今までの中ではやや少なかった。しかしお客さんは、独演会をやる度にイイお客さんになってきて、とても感度が良くしかも笑ってやろうと言う意欲に溢れたお客さんがだった。
  今までの会からみると全体にやや笑いがすくなっかった。少し悔しかった。まあ、古典「位牌屋」
が、それなり受けたけど、長い割りにやや笑いがすくなったね。もう一席の「月のじゃがりこ」は、元々ほろりと来るラブ・ストーリ−だから・・。「位牌屋」と言うネタの選考が少し間違っていたのかもしれない。
  いや、それより、30年ぶりの「位牌屋」マクラを変えて、少しアレンジして、更に「月のじゃがりこ」も「新じゃがりこ」にアレンジした。しかし、なんせ61才。頭がバカ化してるからアレンジした台本が完成したのが間際でなかなか覚えられない。なんか高座で忘れた酷い目に遭いそうだ。一体どうなるんだろう?今回の独演会は?
     三遊亭 円 丈

【簡略版にぎわい座三席独演会】 ・・池袋のトリはこのにぎわい座の下にあるよ。


【これが当日のプログラム】
  日時:7月4日開演19:00〜 場所:横浜にぎわい座 料金:全席指定席 3000円  
オ−プニング・・・亜郎、円丈
亜郎の司会で円丈と二人でオープニング・・正直、円丈も亜郎もこう言うオープニングが苦手なので茜さんを頼んだら「私はもっと苦手で・・」と断られて2人でやった。ここでCD、手拭の抽選もした!
三遊亭亜郎「ミュージカル落語「クラウド」
カナダのミュージカル「クラウド」の落語版、今回が3回目で大分贅肉をおとした。
三遊亭円丈古典落語「位牌屋」
マクラを変え、その噺を壊すアレンジではなく古典そのものをベースにしたアレンジ。
  仲 入 り
神田茜「横松和平」作円丈・・
円丈作の「横松和平」を茜さんがアレンジして、夫婦漫才の「」直した対談だけど円丈は高座で実際休憩してたね。ハイ!!
三遊亭円丈「新月とじゃがりこ」  
「月のじゃがりこ」の別バージョン。


【円丈一席目・「位牌屋」・・う〜〜ん、もう少し受けさせたかったなあ。残念!
 【一席目・「位牌屋」・・・・もう少しケイコしたかったあ〜〜〜あ】
円生から教わったネタの中では、円丈の二ツ目時代によくやったネタ。今回、30年振りのネタ。基本的に古典のアレンジは元を最大限生かしてネタをシェイプUPする。壊すまではしない。この「位牌屋」正直ケチの噺だけど、店の旦那がチョイせこい。売り来る芋屋や、つまみ菜屋をホントにセコイコトことをして、ただ同然で芋や、菜っ葉をせしめる。なんかセコイんだ。でもそのセコさを真似る小僧が可愛いので、これが旦那のセコさを消してくれると言う確信のもとにアレンジした。それからマクラは、二十一世紀の今、伝統的なケチが絶滅したと言うマクラを振って入った。

 【やってみた・・少し笑いが薄い!・・こんなもんなのか?】
 このネタをトリにとも思ったが、しかし爆笑にはならないだろうと考えるとトリは「月のじゃがりこ」で終わった方が良いと思い。一席目に「位牌屋」をやる。新しく作ったマクラの導入あたりは受けたけど、マクラのラストでドンと笑うと思ったとこの狙いがそれた。それから円生から教わった。「鰻の嗅ぎ賃」の小噺。どうしようかと迷ったマクラをやったが、これまたソレる。
  本題に入って少ししたら笑いが薄くなってしまった。丁度、芋屋のシーンだね。しかしこの後のオーム返しのキモになる部分だから、やらない訳にいかない。正直、古典って受けなくなったのか?正直驚いたね。多少の手直しはしてあるけどね。
 それに芋屋のシーンが長〜〜い!自分でも長いと思うけど仕込みだからな。あまり途中から笑いが少なくなって、もう駄目かと思ったら、小僧が出てきてから持ち直した。結構受けた。でもこれは捨てるネタではない。次回はもう少し受けなかったとこをカットし、ギャグをもう一度変えて、後2.3度やれば、それなりに行けると思うね。


 
【円丈ニ席目・「新月のじゃがりこ」・・今後もどちらの「じゃがりこ」が良いのか?議論をよびそうなネタ!
 【ニ席目・「新月のじゃがりこ」・・・・普段どこの寄席でウケるネタにしたい〜〜っ】

 この「月のじゃがりこ」って、ホロリ・ラブ・ストリー。結構一部では高い評価を受けてるけど、演者としても不満は、
  ◎ ウケがやや少ない。
  ◎ラストが美しすぎて、中にはラストで失笑が出る場合がある。
  そこでもう少しやり易く。笑い易い噺にアレンジできないかと思い。作り直したのが、この「新月のじゃがりこ」。前半やや緊迫感のあすでだしを状況を変えて、笑い易いようにした。そしてラストに少しギャグを入れた。 果たしてどうなのか?もうやるしかない。

 【「新月のじゃがりこ」をやって見て・・・ウケ方はかなり良くくなったけど・・】

 、元の「月のじゃがりこ」はでだしから緊迫感があった。そこで東京に事務所を借り、助手とボンヤリしてるとこから始め、緊迫感をなくしたら、デイだしから結構受ける。愛人京子が、大阪から借金返済に事務所まで追いかけてきたので窓から逃げる。なんだかんだで京子に捕まって・・その後のストーリーは大体同じ。
 まあ、かなり受け、反応も良く終わった。弟子のぬう生が来てて、以前より、こっちの方が、実践向けで良いと言う。ところがワザオギの阿部さんは、「いや、CDに入っている『月のじゃがりこ』の方が全然いいですよ」と言う。もう、この野郎!そんなに悪く言わなくても・・ホントにもう・・。その後、いろんな人に聞いたが、「いや、両方とも良い」とか。良く分からない。
  しかし知り合いから2ちゃんねるに書き込みがあって、“円丈の「新月のじゃがりこ」を聴いて良かったが、しかし、どちらがいいかといえば元の「月のじゃがりこ」の方だ”とあり、その後、「やはり私もそう思う」と言う書き込みがあったと言う。「月のじゃがりこ」を聴いてから、「新月のじゃがりこ」を聞くと少し物足りないのかもしれない。 しかし、落語ってのは難しいなあ。でもとりあえず寄席のトリで「新月のじゃがりこ」を何度かやってみたい。


◎今回は茜ちゃんと弟子の亜郎の噺を自分のネタで手一杯、しかもその間にCDのサインなど大忙しでチャンと聴く時間がなかったので割愛した!
ゴメンなさい。




良い客さんにも助けられ大成功!にぎわい座円丈独演会
     【06年4月07日..横浜にぎわい座・19:00開演】

 【稽古し過ぎて・・ホント稽古疲れだったね】
 正直、61才の歳になって、この10日間で二度独演会やって、しかも間が池袋演芸場のトリ。これは年齢的にも無理がある!しかし無理でも何でもやらなきゃ!
  それでこの日やる三席の稽古の間に池袋でその日やるネタの稽古。ホントもうこの間は稽古の鬼の師匠円生より、瞬間的には稽古したね。
  しかし稽古嫌いで通っていた円丈だが、分かったことがある。実は円丈は、稽古好きだったね。かなり稽古しても別にいやじゃないね。どう演じるかを考えながら、どんな間でどんな声量で話すかを考えながらやる。結構おもしろい!!
  そして今、いやあ、稽古は楽しいねえ。RPGゲームを100時間やって、そのゲームをクリアしたような妙な達成感があるね。でもまだし足りないね。さあ、今日からもっと稽古をするぞ。これならもっと前から稽古好きになっときゃよかった。
  
     三遊亭 円 丈
【画像:休憩後の「円丈・喬太郎の芸論対談」・・実際円丈は、疲れたのであまり喋らず高座で休んでいた。「喬太郎くん、ごめん!」】


【これが当日のプログラム】
  日時:4月7日開演19:00〜 場所:横浜にぎわい座 料金:全席指定席 3000円  
前座三遊亭たん丈「からぬけ」
客席はシーンとしてたが、楽屋だけ妙に臭くて受けていた!
前座代わり三遊亭円丈「手紙無筆USA」
今までの中で一番受けた・・4回目正直
柳家喬太郎「寿司屋水滸伝」
バンバンうけてたね。やっぱ、喬太郎くん、スゴイわ。
三遊亭円丈古典落語「居残り佐平次」
新作よりウケは少ないが、ツボツボではキチンと受けた。
  仲 入 り
喬太郎、円丈「芸論対談・芸は命なり!」
対談だけど円丈は高座で実際休憩してたね。ハイ!!
三遊亭円丈「肥辰一代記」  
マクラと中身クも少し新しくして・・いやあ、受けたね。 〜終演9時35分〜


 


 
【にぎわい座・円丈一席目・「手紙無筆USA」・・4回目でやっとピリッとしてきた
 【一席目・「手紙無筆USA」をやる前・・・・普段どこの寄席でウケるネタにしたい〜〜っ】

 この「手紙無筆USA」も今度で4回目。芸人の本能として、このネタはモノになると言う確信がある。以前作った「エステ湯屋番」と言うのがあったが、あれより、遥かに受ける筈なんだ。文字が読めないというテーマから、英語が読めないというテーマにしたことにってグッとこの噺に共感が持てるようにあった。しかしこの噺、受けるけどウケ方がどうも散漫で盛り上がりに今ひとつ欠ける。受けなく部分をカットしながら更にウケるようにアレンジして、この4回目!うけろ。今日こそ、受けてくれ!お願いしま〜〜す。

 【実際「手紙無筆USA」をやってみて・・・今までで一番受けた】

 いや、正直、稽古し過ぎて疲れちゃった。しかも稽古もあっちやり、こっちやりで・・。覚えると思うんだけど・・って感じなんだ。このネタも4回目だけど、またアレンジしたから、その部分を覚え直しだ。
  この日のお客さんは、前回、土曜の昼にやっ時より、やや少ない。年代的には前回より、やや若いって感じのお客さんだった。しかし、この日のお客さんは、ホント良いお客さんだったねえ。素直で感覚的に鋭くて良イイねえ。マクラ導入部も良く受けてくれた。噺に入っても良くウケて、くれる。気持ちよくやれるねえ。ネタwも全体をもう少し刈り込んで、やや受けなかったとこはカットして、それが功を奏したね。大体、新たに入れたギャグが受けた。ただラスト「ドント・ストップ・ユア・ジョ-ク」ってサゲのことろは、池袋ではウケたけど、ここではシーンとしていた。でも蹴られたのはここだけだね。このにぎわい座でもワザオギでCDの録音を録っていたが、「このネタはいけますね」と言ってたし、それに弟子の亜郎くんも来てて、池袋でやった時のも聴いていて「いや、今日のは良かったです」と言ってくれたから、まあ、よかったんじゃないかね。あともう1回アレンジすれば、もうかなりうけるネタになってくれる筈だ。
 【高座返しを忘れてごめん】
一応、前座代わりに円丈が上がったつもり。お客さんに終わったら、高座返しをやることになっていたけど・・。終わったら、スッカリ忘れて、そのまんま降りちゃった。たん丈に「こら、終わったら、高座返しをしてませんけどって聞けよ」と叱った。うん、考えたら訳の分からない小言だったかなあ。



【にぎわい座・円丈独演会・・柳家喬太郎「寿司屋水滸伝」・受けてたね!
 【柳家喬太郎・・・・・いやいや、ドカンドカンと受けたね】

 私は楽屋のモニターで着替えをしながら聴いてた。いやいや、彼はウケる。マクラのその日あったこととか、うまいねえ。とにかくよく受ける。ぜひそのコツを盗もうと思うけど無理だね。とにかく円丈にはどうにも太刀打ちできないモノを持ってる。エライ!客を笑わせるだけなら彼のが上だね。
  ただ逆に喬太郎くんも含め、彼等後輩たちは、円丈に対して歯が立たない部分があることも知ってる。もっともそれがないと円丈はただのジイサンの噺家になっちゃうからね。お互いに長所を認め合うってことだろうなあ。

  【にぎわい座円丈演会ニ席目・・古典落語「居残り佐平次」・ツボツボでは受けた!
 【ニ席目・「居残り佐平次」をやる前・・・・・あと30時間ぐらい稽古したかった・・・果たして結果は?】

 二ツ目時代に1回だけやったことのあるネタ。今回、30年ぶり。実際はネタ下しだよね。殆どなにも覚えてないんだから、DVDで師円生の「居残り」があってそれを見た。マクラは21世紀になっても分かる女郎買い用マクラを作った。とにかく長いので少しずつカッをしながら、少しずつアレンジした。
  覚えに入ったが、果たして上手く演じられてるのか、良く分からない。・・でもそれは良く演じられていないってこと。それでなんとか雰囲気がでるように稽古して、大分それなりになって来て、当日になった。
  もうチョッと稽古をしたいよう〜う。まだなんか不安だよ〜っ。とにかく主人公の佐平次は、最初、自分の友たちといる時、そして客になってからの佐平次、さらに居残りをしてる時、最後に女郎屋の主人と話してる時、全部キャラが違うのだ。それは師円生のDVDを見て分かった。とにかく円丈は意外と分析力に優れているのだ。最初、普通の人間、次に遊びなれしてるキャラ、そして幇間的キャラ、犯罪者っぽく演じてるキャラとドンドン変化していく。これをどう演じて行くのかだね。そしてだんなを師円生より、もっと底抜けにお人よしに演じてみたい。と思っていたけど、実際、らしくなってきた段階で当日になった。もう少し稽古したかったなあ。

 【実際やって見て・・・・「居残り佐平次」・・そこそこだと思うね】

 マクラで師円生の直弟子の高齢化の噺をした。みんな病人ばっかりって話をしたけど・・これが、少し遠慮しながら、やったからウケない。こう言うのはもっとドーンとやらないとダメだね。これで少し笑いが薄くなった。そのあと女郎買いのマクラを作ってやったが、これはまあまあのウケだね。
 そして本題に!しかし、あまりウケない。しばらくウケない。えっ、古典ってこんなに受けないの?と思ったね。笑いが来出したのは、佐平次が、若い衆から勘定の催促をされるあたりからだね。
  その後はツボツボでキッチリうけた。それに自分で追加したギャグでもウケた。この噺の本来のサゲは「どこまで人をおこわにかけやがって」「あなたの頭がごま塩です」と言うもの。正直、これってなんのこっちゃッて感じだよね。そこで「畜生、じゃ、私のことを小馬鹿にしたな」「いいえ、大馬鹿にしてました」でサゲた。お弟子さんに「ねえ。このサゲで下げられるかね?」と聞いたら、「大丈夫でしょ」と言われたけど、不安だね。正直、チョイちゃっちいサゲだなと思ったけど、これでやって、それなりに受けて下げられた。いやあ、もう少し稽古をして更に部分をカットして、もうチョイとギャグを増やして寄席のトリでもやってみようと思う。やるよ。


 【にぎわい座円丈演会三席目・・桂花丸くんが笑いが止まらなくなった「肥辰一代記」・ウケたね!
 【三席目・「肥辰一代記」をやる前・・・・・完全に通して稽古をしてないんだ・・・果たして結果は?】

 これは、少しアレンジしたバージョンを既に池袋のトリでやった。結構か反応があった。マクラは汲み取り式トイレの話をして、それから「肥辰」に入る。一応の円丈の計算では一番長い「居残り」実は40分はあった。を仲入りでやり、最後は少し短めに笑える噺をトリに持って行く!それでトリはこの「肥辰」にした。とにかく噺は新作でも古典でもこれからはアレンジは必要だね。しかしこの「肥辰」が、スンゲエ!受けたのだ。

 【実際やって見て・・・・「肥辰一代記」・・いいお客さんが、芸を更に盛り上げてくれる・・ドカンと受けた!】

 とにかう受けたね。マクラで「2階にある汲み取り式トイレはパイプで1階まで落すが、風の強い日はアゲンストになってうんこが“ひゅ〜〜う、う〜〜〜っ”と落ちたウンコがまた上がって来て落ちない。うんこの凧揚げみたい」てなマクラを振るが、受ける。その一連のマクラで受けさせてから、「肥辰」にしかし、やってる最中なんか楽屋で笑い声が聞こえる。実は新作をやってる歌丸師のお弟子さんで花丸くんが来ていて、袖に聞いていて、笑いっぱなしになってしまったらしいんだ。そんなに笑わなくてもなあ。
  全編気持ちいいほど受けて終わる。いや、お客さんもよく笑ってくれた。うれしいねえ。円丈は独演会向き芸人かもしれない。なにしろ、ネタの方向性がいろいろ違うから、3本全て外すなんてことはないんだね。

【ぎわい座円丈演会をおわってみて
 【なによりも良いお客さんに感謝!感謝!・・・そして師円生に感謝】

 終わったらワザオギの人が言うのは、「ぜひ今回の『肥辰一代記』と出来れば『手紙無筆USA』は出したい」言った。それと「そのうち『居残り佐平次』も出したい」と言う。しかし、今回のにぎわい座独演会は大成功で一応に面白かったと言う評価。これは円丈の手柄ではなく、お客さんの勝利だね。良いお客さんが、良い噺をしてくれたんだと思う。お客さんに深く深く感謝!
 そして稽古の重要性を改めて認識させてくれた師円生に感謝、そして円生の弟子であった自分がとてもうれしい。そこでなにがしかの古典をこれからやり、多少なりとも師円生の真似事をほんの少しだけしたいと思う。師円生とは過去少しばかり不幸なことがあった。今、それをの乗り越え。新作の旗手円丈と共に三遊亭本道の円丈としてもなにがしかのお役に立てますように・・・。




【簡略版池袋4月昼トリ日記】

池袋演芸場4月上席・昼トリ・10日間(2006/04/01〜10)
     【7日だけお休み・ホントにスンマセン!】

 【この芝居は独演会もあり結構タイヘン!】
 いやいや、。この芝居は7日のにぎわい座で独演会がありそのネタ覚えとともに池袋のトリのネタも固めなきゃいけない。ボケッとしてらんない。 とにかく61才になってもこうして頑張って落語の稽古が出来る。うれしいよ〜お。ホントかよ。もちろん、円丈にとって最も悪夢なのが悠々自適って奴、これがダメだね。
  なにかしてないと生きてらんないタイプなんだよ。だから落語の稽古が出来るのいいなあ。とにかくネタを固めて、しばらくやらなくなった噺をアレンジして高座に掛ける。こう言う生活って好きだね。とにかく、池袋の昼トリも頑張るぞ〜〜〜っ!とにかく頑張って、行こうね。やるしかない。
      三遊亭 円 丈

【池袋初日・町田市議会議員になったらん丈先生も駆けつけた。この日受けなかったので円丈はやや落ち込んでる:左より、らん丈、円丈、ぬう生、丈二】  

  【4月1日初日(土曜日)・・エイプリル・フールのお客さんに円丈完敗!ハハ〜ッ!恐れ入りました・・「東京足立伝説 」】
 【その日のお客さん・・・・・割りと中高年のお客さん多し、楽屋入りして雑談!細かくリサーチしなかったのがまず最初の敗因】

 実は今回は3月30日独演会のリクエストでやらなかったネタをせっかく少しアレンジして覚えたのでやってみようと思っていた。初日は、とりあえず「東京足立伝説」をやろうと思い、少しネタ繰りして来た。30分前に楽屋入り。舞台のソデから、客席を除くと殆ど満員状態対。そしていつもより、かなり年配のお客さんが多い。まあ、とにかく「東京足立伝説」をやろう!
 すると楽屋にお弟子さんで町田市議会議員になったらん丈先生が、来て「どう賄賂受け取ってる?」なんてたわいもない雑談をしてる内に高座に上がる時間が来た。いつもに比べて、心の準備が出来ていない。どうしよう!もうこれが、二ツ目の敗因だね。
  そして高座に上がって・・・もうタイヘン!だったのだ。
  実は今日は試したい噺がある「掛け算デカ」だ。1月の無限落語で前半受けたで後半尻つぼみになった噺があるが、それを後半リメイクした。それをやりたい。ホントは今日は初日でしかも祭日なんだから、こう言う日はホントは安全なネタが良いんだけど、しかしいろんな事情もあって今日、やりたい。まあ、いいや。やっちまえ〜〜っ!

 【実際やって見て・・・・やはりお客さんはモンスター!最強のお客さんに“円丈完敗伝説”「東京足立伝説」】

 まず上がって・・少し話した時になにか違和感を感じた。ウケナイ!笑わない。なんだ?今日のお客さんは?どうしたの?少し話している内にこれはかなり寄席は初めてってお客さんだ。長い芸人の感としては、どうも60〜70%以上は落語や、寄席が初めてっぽい客層。そのお客さんに円丈を見に来た常連のお客さんが混じってる。しかもこの日のお客さんは、かなり疲れてる感じ。
  これは最強のお客さんだ。手ごわいぞ。・・とここでネタに変更をすればよかった。しかし、でもせっかくだからと「東京足立伝説」に入ってしまった。勿論、この日のお客さん、笑うけど直ぐ冷める!恐いなあ。だから噺の出来も動揺してよくない。
  こう言う重くなったお客さんは、一度起すこと必要。起すとは、完全に一度ドカーンと笑わせるとあと陽気になる。しかし、なんとなくす〜す〜っとネタに入ってしまった。 正直、ここ10年、経験しなかったお客さんだ。 もう負けを認めちゃおう!初日来てくれたお客さん。ごめんなさい。しかし、今度は必ず笑わせてみせるぞ。やっぱ、今日はエイプリルフールだね。なにかが起きる日だね。ガックシ!

 【終わってからの感想・・初日の打ち上げの後・・・・・う〜〜ん、くやしいな〜〜あ!】

 7人ほどで打ち上げに行き、楽しかったけど、終わってから、またくやしくなった。くやしいなあ。ホントにもう。とにかく寄席に来てくれたお客さんには、ぜひ喜んで帰っていただきたい。ホントに心底そう思うね。くやしいよう。
  ネタより、トリより、受けさせる方に重点を置かないといけないのか?明日、どうするか?悩む。営業ネタの「お笑い小話ツボ体操」でもやってから、ネタに入るかな。もう明日ウケなかったら首吊って死ぬぞ。・・・それでウケなくて本当に死んだりして・・。チャンチャン・・同じ失敗はニ度しないぞ。

 「今日の言葉」
    同じトリで2日続けて負けることは絶対許されない。
       円丈・・・・・もうWBCのイチローの言葉みたいだね。でも韓国に2回続けて負けたんだよね。でも円丈は負けない。ホントか?



   【4月2日ニ日目(日曜日)・ ・・今日は当然合格点「夢一夜」】
 【その日のお客さん・・・・・昨日とはガラッと変わって陽気なお客さん・・でも上がるのが恐い・いやだよ〜〜っ】

 昨日、悔しい完敗!しかし、ネタを変えながらやって100%ウケるなんてありえねえ。そう思うけど、まだ悔しい。今日は、円丈ウンコ噺「肥辰一代記」をやろうと思ったけど、目下小アレンジ中でまだ完了してない。それに7日に向けて「居残り佐平次」の稽古&アレンジ中で時間がない。じゃ、一番、まあ、外さない「夢一夜」をやろうと思って2回ほど稽古をして楽屋入り。昨日、今日、満席状態、良く入ってね。小ゑんさんが電車オタクの噺「鉄の男」で結構受けてる。昨日とは、うって変わって反応が良く元気なお客さん。
  しかし昨日と同じお客さんでいいのに、その客にリベンジしたいけど無理だね。・・とは言うものの。上がるのが恐い。円丈自滅のパターンと言うのがある。高座でそっと話して、それほど受けなくて、それがマイナス連鎖して・・自滅するパターン。もっと自信をもってドーンやれば受けるのに!これがたまにある。正直、今日は上がりたくない。でもやるしかない。

 【実際やって見て・・・・合格点の「夢一夜」】

 高座に上がると「お前を待っていた」と言う力強い拍手!でも今日はこれが逆にプレッシャーなる。昨日受けなかったことを言ってから「イチローの心境になりました。同じトリで2日続けて負けることは許されない」でなんと受けた。
それからマクラを振って、アンドーナッツの噺をして、どのもウケが悪い。なんかダメだ、そして「夢一夜」へ、これはウケて当たり前、当然、受けた。しかし、なんかどうも間とか、なんか、いまひとつだったような気がする。合格点はとったけど、なんか気持ちがすっきりしない。

 【終わってからの感想・・最近、稽古をするせいか、自分の落語の出来に厳しい】

 とりあえず終わった。もういい。終わり、しかし、この「夢一夜」10回以上やってるのに忘れてる。としのせいだね。明日明日、明日はどうする。7日の独演会んも稽古とトリの稽古と両面作戦で行く。最近、稽古するのは楽しくなったけど、高座は楽しくない!だってウケて当然!ウケないと落ち込む。こんな高座はつまんないよ。もっとナルシストに生まれりゃ良かったなあ。ウケりゃ、「円丈って大したもんだ」で受けないと「俺の噺ってレベル高いからなかなか理解出来ないんだよ。ワハハハッ」なんて笑ってられたけどねえ。でも生まれ持った性格でなかなかそうならないっす。



【4月3日三日目(月曜日)・・・これが円丈の限界だろうね「悲しみの大須 」】
 【その日のお客さん・・・・・マニア系とビギナー系の混成部隊みたいだね】

 いやいや、正直、トリなんだけど7日の独演会のネタだの、その他、ホントは今度出す本の原稿や見直しだの、取材だの、んあだか知らないけど、もうゴチャゴチャある。61才のジイサンには結構ハードだな。う〜〜ん、10日間で独演会2つは、いや、大変だよ。 この日、朝は独演会のネタのアレンジをしてから、お弟子さんが来て、昼から取材。出掛けて寄席に着くまでトリねたのネタさらい。いやいや、結構やってるよ。
  寄席に来て見るとこの芝居は、ホント落語初めてみたいなビギナー組とマニアック組の二つの混成部隊のようなお客さんだね。多分、10日間この傾向が続くね。今日は先日独演会でやった「悲しみの大須」をやろうと思う。忘れないうちにもう一度やって長期記憶にしっかりと刻み込もうと言うことだね。これでいい!

 【実際やって見て・・・・受けたけどさほどじゃなかった「悲しみの大須」】

 上がってとにかくマクラで試しに良く演る「ぬう生とヌードショーと間違えた」を振った。いつもほど受けない。かなりマニアックだね。そして「悲しみの大須」をやる。あの独演会のウケはない。いやあ、良かったね。ここでCD用の録音を撮らなくて・まあ、それはともかくとにかく重いウケだね。
  しかし、今までの円丈なら妙に力んでドーントハイ・テンションに攻めるが、そうすると間が崩れてくるので精神を冷静に保って、割りと正確に演じること心掛ける。終わった!まあ、合格点スレスレかな。でも出来は悪くなかった。まあ、結局、人間はスーパーマンになれないってことさ。全ての客でドカ受けすることは、出来ないってことだね。今の円丈の力はこんなもんだろ。3年後あたりを見据えてやればいいのさ。もう開き直ってるね。

 【終わってからの感想・・終演後、一門でらん丈市会議員先生、祝賀会を行う】

 終演後、近くの中華料理店で一番弟子らん丈が、町田市会議員になってお祝いをした。楽しく賑やかな時間が流れた。しかし、なぜか心は孤独だった。満たされないなにかを感じていた。いや、そんなことよりネタ覚え、ネタ覚え・・。いやあ、つかれたなあ。



【4月4日四日目(火曜日)・円丈とお客さん、あと1本ズレがある「肥辰一代記 」】
 【その日のお客さん・・・・・この芝居のお客さんのようだね】

 ?もうとにかく前進あるのみ。今日は7日のにぎわい座の独演会でもやる「肥辰一代記」少しアレンジが終わった。ホントはもう少し稽古の時間が欲しかったけど、そんなことばかりいってれない。この日やることにした。
 お客さんは、この芝居のいつものお客さんだね。思うにいつも寄席でやってるネタをやれば受けそうな気がするねえ。とにかく、「肥辰一代記」をやるの!それ以外にない。

 【実際やって見て・・・・後一歩足りない!!でも終わった時の拍手は力強かったからね。いいんじゃない?】

 上がった時の拍手が、いつもより弱いね。池袋演芸場の昔のことを話してから、肥辰のマクラ!どうも笑うところと笑わないところがハッキリしてる。これはネタに入っても同じ。実は上がって、お客さんアンケートを取ろうと都思ってたけど、忘れてしまった。これは残念だ。明日、そうしようとおもうけど多分、忘れてしまうだろうね。その日のネタのことを考えてると忘れてしまう。もうボケ老人だね。
  それでも後半に入ってさすがうけてくる。それでもいつものウケがない。やっぱ、お客さんの分析が、進んでないね。どうもそこにまずズレがあるね。しかし、終わった時、この拍手が力強かった。上がった時の拍手は弱かったけどね。まあ、それなりに満足したと思う。

 【終わってからの感想・・61才のジイサンにしちゃ、トリと独演会2つ・・ハード過ぎるんじゃないかね】

 しかしこの2週間で独演会ふたつとトリは、やはりハード過ぎるね。精神的にモ肉体的にもアップアップで。それが微妙に高座に反映すると言うことはありそうだよね。しかもその後、ギャグ・アカデミーで講義を内容を考えて、無限落語でネタ下して。これって結構きついよね。でも逃げ出す訳には行かないもん。とにかく粛々とこなしていくしかない。ガンバ、ガンバ!今日はこれから「居残り佐平次」のアレンジとネタ覚え。ぼやいてなんかいられない。トリが終わってからボヤこうね。



【4月5日五日目(水曜日)・・・寄席で初めての「手紙無筆USA 」は?】
 【その日のお客さん・・・・・おばちゃんが多い日】

 この日はウチを出掛けるまで「居残り佐平次」のアレンジと覚えをしてて、出掛けてから寄席につくまで「」手紙無筆USA」の覚え。なんか疲れるってば、疲れるねえ。この日は雨が降っていたけど、良く入ってる。平日でも7割ほどの入り。おばちゃんが多い。もうこの日、「手紙無筆USA」の決め打ち。どうも考えすぎるのは良くない。もう悩まない。疲れるだけだもん。

 【実際やって見て・・・・どうも噺は整理されてない・受けるけど・不満な「手紙無筆USA」】

 この日もマニアのお客さんがチラホラいて、割りと一般的なお客さんが主流だね。高座に上がっていつも寄席で演るマクラをやる。いつも通りのウケ。それかた「手紙無筆USA」をやる。これでこのネタ3回目だけど、どうもウケ方が、今ひとつ、コンパクトにならない。今、18分ほどの噺を3分の1ほどカットして刈り込まないダメ。しかしどこを刈り込めばいいのか?それが分からない。ただ一箇所、先が思い出せなくて、5〜6回、グルグル同じセリフをやってしまった。稽古は一応したけど、足りないね。この歳になると直ぐ忘れる。でもこの部分は、ギャグで切り替えしてことなきを得ただどね。

 【終わってからの感想・・・・みんなで中日の打ち上げに】

 終わってから、みんなで打ち上げに行って、この日は珍しく歌之介くん、元九郎さん、清麿さんなんかいて、打ち上げが、賑やかだった。なるべく早く終らせて、早く帰ってネタ覚えをしようと思ったけど、結構楽しいので・・それなりに長くなった。
 しかし、この日の「手紙無筆USA」!どうしたらもっと受けるようになるのか?果たしてそう言うネタのなるのか。なって欲しいなあ。



【4月6日六日目(木曜日)・もし覚えたら「居残り佐平次」をやろうと思ったけど「ランボー怒りの脱出」】
 【その日のお客さん・・・・・割りと若いお客さんが多いねえ】

 前日から、マジになって古典「居残り佐平次」の覚えに入った。もし覚えたら、やってみようと思っていたけど、ホントうろ覚えだから、やめた。この程度じゃお客さんに失礼になるもんね。それで当日のお客さん、今日は若い人が多い。昨日はおばちゃんの客で、今日は若い人が多い。いや、全く同じプログラムでやってるんだけど、その日によって年代層がちがう。不思議だね。もう今日はとにかく肩の力を抜いてやろう。どうも最初の頃は力が入りすぎてね。リラックス、リラックス!

 【実際やって見て・・・・結構安全パイになった「ランボー怒りの脱出」】

 高座に上がっていつものマクラ。それなり受ける。この日が一番やり易かった。しかしこれは私の方に気持ちの問題なのか、お客さんなのかは良く分からない。それからこの噺のマクラ。時代劇、西部劇、刑事モノのネタ。これもそこそこ受ける。そして、ネタに入る。稽古しなかったけど、忘れた部分もなく、スムーズに運ぶ。とにかくサゲまで受けた。まあ、いいんじゃないのかなあ。
終わった時、首筋から髪の毛が、汗で濡れていた。いや、この噺は結構オーバー・アクションだからね。いやいや、汗をかくんだね。最近、稽古をするようになって、逆に押さえて演じてるのか?汗はでない日が多い。どうも考えると円丈の落語って肉体労働かもしれないね。

 【終わってからの感想・・・・さて、残る3日何をやるのか?】

 ?いやいや、7日がお休みだからあと残りは3日なんだ。しかし、これが土日だもんねえ。頑張らないといけない。果たしてなにをやるのか?これが難しいなあ。あとあるのは「遥かなるたぬきうどん」、円丈初のラブ・ストーリー「月のじゃがりこ」、「悲しみは埼玉に向けて」、そして古典「居残り佐平次」、、「いたちの留吉 」・・あたりかな。さてなにをやろうか?






【4月7日七日目(金曜日)・ごめんなさい。お休みです】




【4月8日八日目(土曜日)・・・力を抜いて「いたちの留吉 」】
 【その日のお客さん・・・・・ほぼ満員の客席?】

 正直、今日はぐったり疲れてる。昨日独演会三席で、しかも今日中に締め切りの原稿が、3本ある。そんなの出来ないないよ〜〜っ。やっと午前中に1本書いて、さあ、今日のネタの稽古をしようと思ったけど、ぐったり疲れてる。今日は、とにかく・・なんかやろう。ヘナヘナ〜〜ッ!と楽屋入り。客席を見ると満席、よく入ってるねえ。先週の土曜日のお客さんを少し若くしたって感じだね。どうもビギナーとベテランのお客さんの混成部隊と言う感じのお客さんだと読んだ。

 【実際やって見て・・・・客アンケート、ツボ体操・・そして安全パイの「いたちの留吉 」】

 高座に上がってから、どういうお客さんか、分からないので。アンケートをとって見た。「今日始めて寄席に来た人?」って聞いたら、1人だけ手を上げた。マジ?マジ?それはないと思うよな。多分、手を上げ損ねたんだと思うね。そして「今日で10回以上来てる人は?」と聞いたら、3割ぐらいいた。かなりマニアックなお客さんだね。更に更に「今日で百回以上来てる人は?」なんと一人いた。
  それからこの芝居一度はやってみたいと思っていた「お笑い小噺ツボ体操」をお客さんと一緒にやって、ドカンと笑いを取る。いやもしこれで笑い取れなかったら首吊って死ぬよ。これは営業ネタなんだ!これだけはどんな営業でもこれだけは外したことがない。だから営業で使ってるんだ。
 それから「いたちの留吉 」 に入る。体操で受けさせたのでやり易い。もう完全にネタとして安定した「いたちの留吉 」をやる。安定した笑いだね。そいて

 【終わってからの感想・・さあ、明日がどうする?う〜〜〜ん!】

 「いたちの留吉 」は合格だね。でも正直この噺は少し飽きてるね。もう少し手無ししたいんだけど、なかなかどうなおすか思いつかない。でも現在でも受けているので、もうしばらくやってうけなかくなったら、アレンジを考えよう。
  明日の日曜だね。にぎわい座でやった古典の「居残り佐平次」でも・・と考えるだけど・・少し恐いなあ。にぎわい座ではソコソコうけたけど、もう少し短くしてもう少しギャグを入れてからだろうな。でもこれからまだ締め切りの原稿を2本あるから。。アレンジなんて無理だね。でも明日は安全パイじゃなく攻めたいね。攻撃的なネタをしたいけど、なにやるのかなあ。私にも今は分からない。



【4月9日九日目(日曜日)・・・初のやや脱力系の演出で上手く行った「遥かなるたぬきうどん 」】
 【その日のお客さん・・・・・昨日より、やや若い感じのお客さん・・疲れてたけどやるよ!!】

 この日のお客さんは昨日より、少し若い感じのお客さん、補助椅子が埋って中には立ってるお客さんもいたが、座席には空きもある。だからまあ、ほぼ満員かなあ。
  しかしこの日はにぎわい座の 独演会疲れのあと、締め切りの原稿を2本書き上げたらなんと朝の5時過ぎ。それで寝て起きたら、もうヘロヘロ!ホント疲れてた。今日はごまかして手を抜こうと思ったけど、疲れを少し抜こうとストレッチなんかしてる内に大分疲れも収まってきた。
  そこで「遥かなるたぬきうどん」をやってみようと少し稽古をして出掛ける。今までのこのネタは全力でやって息も上がってしまうほど。そこでやや押さえ気味、脱力系で演じて、最後まで演じ切ろうと思った。この「たぬきうどん」は先月30日独演会でリクエスト・ネタになっていたので稽古もしてた。以前よりはセリフ覚えもしっかりしてる。よし「遥かなるたぬきうどん」やろう!

 【実際やって見て・・・・ウン今日は出来も反応も良かった「遥かなるたぬきうどん」】

 どうもこの芝居の池袋で最初のうち高座がやや混乱気味だったのは、円丈自身が、考えすぎて自滅気味だったと言うことだね。もっと落ち着いてマクラもふれば、なんとかなったね。この日はスッカリ落ち着いて、以前の池袋演芸場のマクラから、なくなった寄席、人形町末広亭、大阪の新花月の噺をする。まあまあ、ウケる!それから「たぬきうどん」のマクラをふってから、本題に「ガシッ、ガシッ、男はヨーロッパ最高峰マッターホルン。アイガー北壁ルートを登っていた・・」と始めた。これを脱力系で!今までは登る時を中腰になって、山頂に着くまで中腰。これがまずエネルギーのロス。次にガシッ、ガシッと腕に本当に力を入れる。これもエネルギーのロス。そこで正座したまんま、力を入れずに口でちから強く「ガシッ、ガシッ」とやる。前回、浅草のトリでやった時は完全に息が上がって汗がダラダラでて、落語だか格闘技だか分からない状態。
  しかし、今日は脱力系、ゆとりを持って演じてるからお客さんも楽に笑って付いてくる。いいぞ、いいぞ。山頂に着いた時は少し汗が出たが、今までからみれば、もう快調そのものだ。そしてうどんをすする。このシーンでいつも稽古の感じがでない。今日もさほど良くないが気が、大分それらしくなった。ここがこの噺の山場で少しシーンとしてそして笑える場面。・・・・・そして5分後に終わる。うん、反応は良かった。

 【終わってからの感想・・亜郎くんが「今まで聴いた中で一番出来が良かったです」と言った?】

 今日の「遥かなるたぬきうどん」は納得だった。やってよかった。弟子の亜郎くんが「今まで2.3回聴きましたけど、今日が一番出来が良かった」と言ってくれて、そりゃ多少のお世辞もあると思うけど、かなり真実があるのも事実だと思う。最近、稽古を良くするようになり、やっとスムーズに噺の流れが頭の中に入り、今日はまずキッチリと演じられた。いままではかなりいい加減な感じで本能的に演じてきただけなのに、それをガシッと演じられた。
  それにここんとこいろんな人から「今日の『ナニナニ』は今までの中で一番よかった」と言う言葉をよく聞く。やはり稽古の勝利なのだ。これからの円丈の落語は、多分、全てが一段階UPすると思う。出来れば2段階UPしたい。少しずつ稽古の成果が出始めたね。3年後には古典も含め50本のネタをいつでも出来るようにしたい。稽古嫌いの円丈は、稽古マニアに変身する日は、もうそこまで来てる。さて明日はなにをしよう。えっ、そんなのやるぞと言うのをやってやろうかな。



【4月10日千秋楽(月曜日)・・・「居残り佐平次」をやろうと思ったけど・・「悲しみは埼玉に向けて 」】
 【その日のお客さん・・・・・平日なのによく入ってる8割ほどの入り】

 前日の深夜、楽日のやろうとにぎわい座でやった「居残り佐平次」を更に少し台本をシェィプUPして、やろうと思い。寝る時に本の前書きを書いてないことに気づき、朝7時起きて、原稿書き。終わったのが、午後1時。だめだ。もう稽古する時間がない。いやあ、ホント稽古してやりたかったなあ。
  あとそう残ってるトリネタらしくて直ぐできるとなると「悲しみは埼玉に向けて」ぐらいかなあ。
  そう思って楽屋入り。お客さんがしかしよく入ってるねえ。8割ほどでしかも意外と若い人も多い。なんでだろう?しかし、この芝居良く入っていたね。それなりに陽気なお客さん!

 【実際やって見て・・・・少しウケ方にデコボコがあったけどまあ、いいか「悲しみは埼玉に向けて」】

 マクラを振って、やはり結構マニアックなお客さんと割りと寄席は初めてっぽい。ビギナー組の両方いる感じだったね。とにかく頑張ろう。「悲しみは埼玉・・」に入ったが、円丈自身、今ひとつ、乗り切れなかった感じもするし、お客さんの中にこのネタを聴いたことがある人も結構いる気もしたね。そのせいか、それともキチッとギャグを押さないせいか、ギャグによっては、あまり受けないのもあった。
  いつもより、少し集中力が欠けてるようなところもあった。それからラストの5分前あたりで一人の男性のお客さんが席を立った。それは良いんだけど、出る時、なんか他のお客さんに話しかけてる。それで全員そっちを見て、ギャクを言ったけど、まるっきりウケない。ギャグひとつ損したね。しかし、50代の分別盛りのお客さんなんだから、少しは考えて欲しいなあ。最近、全く自分のことしか考えないお客さんが多いなあ。別に腹は立たないけど、正直情けないと思ったね。いるんだね。一番前の通路を平然と横切る人とかね。 それはともかくこの日の出来は、別なネタをやりたかったからねえ。まあ、可もなく不可もなくかなあ。
  ◎昔は席を立つ時は背を低くして、なるべく邪魔にならないように出た。これが寄席の常識なんだけどね。円丈は映画館へ行っても、途中で立つ時は必ずそうするよ。もし今までそういうことにきがつかなったら、そうして!お願いしま〜〜す。

 【終わってからの感想・・いっぱい稽古ができて楽しかった。意外と稽古好きみたいだね】

 この芝居は前半、どうも円丈自身が混乱した部分があったけど、別に思ったより、やや受けなかったと言うところだからね。後半に入り、円丈はユトリを持って、高座に上がるようになってからは、ウケもよくなったような気がした。
  いや、高座に上がるのは正直そんなに好きじゃない。でも稽古は楽しかった。どう演ずるのか?どう演じればウケのかを考えながらの稽古は好きだねえ。全然、いやいや稽古をしてる感じはない。これは稽古の鬼師六代目円生に三年ぐらいなら同じ稽古量は出来るんじゃないのかな。やってみっか、まあ、高座がそんなに好きじゃないけど、稽古したら高座に掛けないと分からないからね。そのうちに高座に上がるのが、好きになるかも知れない。そうなればしめたもんだね。よしこれからももっと稽古するぞ〜〜〜っ!!




【簡略版極めつけ三席独演会】

大成功!円丈極めつけ三席独演会・CD録音用
     【06年3月30日..江戸深川資料館・・19:00開演】

 【大成功が、稽古の勝利・・独演会に向け稽古三昧の日々】
 いやいや、独演会に向けて良く稽古したね。自分でも驚くほど稽古した。しかし、これでも稽古量の多さでは日本一だった師三遊亭円生の30%程度じゃないかね。ただ円丈はかなりアレンジとか、台本上の変更に結構時間を費やす方。でもそれを稽古として計算しても、まだ師円生より、少ないね。悔しい。
  しかし、こんなに稽古したのは、初めてじゃないかね。だから当日、楽屋入りした時は、もう稽古疲れ!稽古カスみたいになってボケッとしてたね。自分でも今日はどうなるんだろ?と思ったけど・・もう考えるだけのスタミナがないから考えるのやめた。
  仮にこれだけ稽古してダメだったら・・・仕方ないじゃない。努力してダメだったら、もうあきらめるしかないんだ。スッカリ開き直って高座を待った。
  
     三遊亭 円 丈

【画像:これから高座に幽体離脱する円丈・・こらカメラマンたん丈、シッカリ撮らんか!】

【これが当日のプログラム】
  日時:3月30日開演19:00〜 場所:江東区深川江戸資料館 小劇場 料金:全席自由 予約2500円 当日2800円 
オープニング・イベント・・・リクエスト落語を拍手で決めよう・三遊亭白鳥、三遊亭円丈
リクエストはこの4席の中から・・
 ◎
「月のじゃがりこ」・・・円丈の初のラブ・ストーリィ。
 ◎「手紙無筆USA」・・・・昔やった「アンドーナッツ」を振ってから、無筆から英語にテーマ変更したネタ
 ◎「遥かなるたぬきうどん」・・今回は脱力系演技で更なる飛躍を目指す
 ◎「東京足立伝説」
・・・・更なる笑い易い落語を目指して。
           〜〜〜〜〜以上の中から「月のじゃがりこ拍手の多さで決定!
三遊亭円丈・・・「掛け算デカ」・作山岸由典+円丈
三遊亭白鳥・・・「マキシム・ド・飲兵衛」
三遊亭円丈・・・「月のじゃがりこ」(リクエストで決定した噺)
  仲 入 り
三遊亭円丈・・・「悲しみの大須」
                   〜終演9時35分〜


 
【極めつけ独演会一席目・・・「掛け算デカ」・・3回目で一番良かったけどウケ方は?う〜〜ん!
 【一席目・「掛け算デカ」をやる前・・・・この噺の肝はなんなんだ?】

 この「掛け算デカ」は、3回目、1回、2回目とも後半が受けない。元々、山岸くんが、3分落語で作ったのをアレンジして長くした。ギャグは入ってるけど、噺の肝がない!それで山岸くんとあ〜だ、こ〜だと変えたけど・・。どうもイマイチ、全体を貫くテーマ不足。3回目の今回も結構アレンジして、それなりのストーリィは出来た。まあ、かなり稽古して、大分、頭に入った。

 【実際「掛け算デカ」をやって見て・・・大分、纏まってきたけど、笑いがやや弱い】

 大体、CD録音用はマクラが、難しいのだ。笑わせるだけなら・・。得意のマクラを振ればいいけど、しかし今まで円丈CDで振ったマクラは重複するので、使えない。いや、使いたくない。マクラを全部変えようとすると・・難しい。それでも変えるので結構マクラが弱くなる。まだ充分お客さんが暖まっていないところで本題に入る。
  う〜〜ん、弱い、ウケが弱い!今までのやった2回の方がむしろウケたよね。ネタの方は、それなりにキチンとアレンジして、キチンと稽古したので、出来自体は良くない。ただ肝心の受け方が弱い!!!!
  それにこの日のお客さんは、もちろんコアなお客さんもいる。しかしその反面、それほど落語を知らないお客さんも結構多い!どうして?多分、この新しいお客さんは、江戸深川資料館についてるお客さんだと思う。
  終わって・・・う〜〜〜ん、別にこのネタがそれた訳ではないけど、思ったほどは受けなかった。失敗でも成功でもない。ドローだね。何がドローだ。



極めつけ独演会・・三遊亭白鳥「」・受けてたね!
 【白鳥・やる前は?・・・・・もう短めに20分程度で・・】

 どうもこの日のお客さんが、かなり円丈と落語知ってるお客さんと知らないお客さんに別れてる感じ。上がる前に「もう師匠の独演会ですから20分ほどで短くやります」と殊勝なことを言う。えらいねえ。でも円丈は「いや、これはとにかく長めにマクラを振って、充分笑わせてから本題に入った方がいいよ。君もCD用の録音を撮るんだから」と言ったら納得したようで30分ほどやった。

 【実際やって見て・・・・「マキシム・ド・飲兵衛」・・マクラで笑わせてから・・本題へ・・いやあ、結構受けたねえ】

 私は、降りてから、少し休んでそれから着替えをして、袖の方へ行ったので、後半の方しか聞けなかったけど、マクラはお客参加型のネタを振って、十分笑わせてから、本ネタへ。いやいや、いつもの白鳥流のギャグでドカンドカンと笑わせていた。いやいや、大したもんだね。

  【極めつけ独演会ニ席目・・リクエスト「月のじゃがりこ」・まあまあの出来だった!
 【ニ席目・「月のじゃがりこ」をやる前・・・・・稽古はそれなりにした・・果たして結果は?】

 リクエストで決まった円丈初のラブ・ストーリィ「月のじゃがりこ」!ところどころのギャグでそこそこ笑わせて・浪花女を美しく演じたい。今時の崩れた関西弁ではなく正調の関西弁で美しく!ストーリィを主体に飽きさせないように笑わせながら聴かせ、どこか悲しくて美しい噺として演じたい。それが円丈の狙いだ。
  そしてマクラは、名古屋弁と関西弁の比較!それなりにこのマクラは、やってるので受けると思う。

 【実際やって見て・・・・「月のじゃがりこ」・・結構手応えあり!うん、充分いける・・・と思う】

 まず名古屋弁英語のマクラを振る!結構、受ける。あと大阪弁のマクラ。これは充分。
  噺に入る。一番注意したことは、強くガツンと演じない。関西弁の闇金のおっさんが、ド〜ンとド迫力で話すとその勢いに圧倒され、お客さんが笑わなくなる。これはとても注意した。闇金のおっさんは、なるべくフワッと演じた。ストーリィ上では実は最初からかなり緊迫した状況の中でストーリィは進行しているのだが、それをふわってと演じて包みこむ。
  その包み込むに成功!ところどころのギャグでそれほど強くないが、キチンキチンと笑いを取ってる。いいぞ。いいぞ!浪花女の京子が出てきて、闇金とのクライマックス・・。今日の京子は、結構いいぞ。客もかなり噺に入り込んでる。そしてラストへ・・・まあまあだね。良いと思う。
 正直、ラストは期待してた反応ほどではなかったのは、この日のお客さんが、かなり男性が多かったせいだと思う。もし、女性が半分いたら、かなり違った反応になったと思う。なぜか?ラブストーリィって結局、女性向きなものだと思う。これ永遠に変らないものだと思う。ホラ、ちゃんと自分のテーマとお客さんをキチンと分析してるでしょ?ねっ!

  【極めつけ独演会三席目・「悲しみの大須」・・・感動と爆笑・ほぼカンペキな出来だった!
 【三席目・「悲しみの大須」をやる前・・・・・録音用に多少のアレンジもした、稽古もしたよ】

 リクエストで決まった円丈初のラブ・ストーリィ「月のじゃがりこ」!ところどころのギャグでそこそこ笑わせて・浪花女を美しく演じたい。今時の崩れた関西弁ではなく正調の関西弁で美しく!ストーリィを主体に飽きさせないように笑わせながら聴かせ、どこか悲しくて美しい噺として演じたい。それが円丈の狙いだ。
  そしてマクラは、名古屋弁と関西弁の比較!それなりにこのマクラは、やってるので受けると思う。

 【実際やって見て「悲しみの大須」・・・・感動と大爆笑の渦!稽古の成果だね】

 まずマクラでなくなった寄席の話。安来節の常設館「木馬館」、人形町末広亭、大阪の天王寺になった新花月。これで結構笑いを取って本題に入る。
  本題に入っても笑いは全く落ちない。この大須演芸場の世界にどんどんお客さんが、引き込まれていく。いつもこの噺は、演者だから、一度もこの落語を客として聴いたことがない。しかし、聴いた人が良く言うのは、一輪車東英二さんとマリリンとのコテコテの名古屋弁での別れのシーンでは、訳の分からない感動があるみたいだね。とにかくツボツボでキチンキチンと笑ってくれる。


極めつけ独演会・大成功で終わってから・・・「来なかったお客さんが、かわいそうだよね。ホント気の毒だ!
 【白鳥くんの言葉・・・・・・「悲しみの大須」も「月のじゃがりこ」も今まで何回か聴いたけど、今回が一番出来が良かった】

 「悲しみの大須」が終わって確かな手応えを感じた。スタッフの人もかなり、興奮気味だったし、ワザオギでは次の円丈CD5は「ぺたりこん」と「悲しみの大須」とみたいなことまで話が進んでいた。実際はどうなるか分からないけどね。
  そして白鳥くんは「今まで二席とも何度か聴いたが今回が一番出来が良かった。

 それに『悲しみの大須』は、もっと爆笑してる高座も見ているけど、この日のが一番、出来として良かった」と言ってくれた。正直うれしかったね。ただ「月のじゃがりこ」は良くはなったが、まだまだ稽古が足らん。もう少し・稽古しないとねえ。やるよ。
 
 そう、そうなんだ。今回は、稽古の勝利だね。だって稽古したもん。それに稽古してて結構楽しかった。ヤッパ、今まで稽古不足だったんだ。後三年間稽古して、せめてその三年ぐらいは師円生と同じぐらい稽古しようじゃないか、それが師匠の恩返しにもなるんだから。

【画像:「月のじゃがりこ」で今月できた羽織を着て演ずる円丈、実は羽織を脱ぐキッカケがつかめなかった・・】


【簡略版トリ日記】

浅草演芸ホール・昼トリ・2月中席夜10日間(2006/02/11〜20)
     【12.19日は円丈お休み・スンマセン!】

 【トリはうれしいね!稽古が出来る・・・ホントかよ?】
 ホントかよ。でも今、ネタの再チェックをして、結構アレンジが進んでいるとこなんだ。しかしこれらは、アレンジしたら一度やってみないことには、分からないんだ。とにかく落語の恐いとこは、最後やってみなけりゃ分からないってコト。恐いよ〜〜っ。でもこの浅草でも2.3はアレンジしたネタをやってみたい。
 でも結構コワイよ〜〜っ。シラケルの怖いよ〜〜っ。でもやる時はやるよ。 それにこの芝居に一度か二度、古典も掛けてみたい。でもシラケルのこわいよ〜〜っ。
 とにかく頑張って、行こうね。やるしかない。
      三遊亭 円 丈
【浅草初日・・つくばエクスプレスで家から浅草が近くなった。上がっても親近感があっていい】  

  【2月11日初日(土曜日・祭日)・・ホントは安全パイをやる日だけど「掛け算デカ 」】
 【その日のお客さん・・・・・いつもより若いお客さんが、多い】

 初日の今日は、1階2階と椅子はいっぱいで立ち見が出てる。それにいつもに比べて10才ぐらい若いお客さんだ。残っていた弟子に聞くと古典も新作も今日は大丈夫と言う答だ。
  実は今日は試したい噺がある「掛け算デカ」だ。1月の無限落語で前半受けたで後半尻つぼみになった噺があるが、それを後半リメイクした。それをやりたい。ホントは今日は初日でしかも祭日なんだから、こう言う日はホントは安全なネタが良いんだけど、しかしいろんな事情もあって今日、やりたい。まあ、いいや。やっちまえ〜〜っ!

 【実際やって見て・・・・「掛け算デカ」・・マクラと前半は受けたけど・・・後半ダメ。ガックシ!】

 まずマクラで笑い充分とってから噺に入る。ここまでなんの問題もない充分受けてる。この日の『掛け算デカ』は、2回目で1回目でダメだったところをカットしてアレンジしなおした。それなり行けそうと思ったけど・・。新作は恐い。実際やって見なきゃ分からないとこだ。しかし後半が今回もダメ。受けない。遊びの部分で追加したところが、お客さんにストーリーの混乱をもたらせてしまったようだ。こんなトコ入れなきゃ良かった。
  そして後半は、ウケがぐっと悪くなってしまった。まずいなあ。しかも算数の問題を最後に解くんだけど・・これが、更にお客さんで分からなくなってしまった人も出たようだ。いや、お客さん、ごめんなさい。決してそんなつもりはなかったです。ただひたすら笑って欲しいと思って作っただけだけど、う〜〜ん、後半良くなかったなあ。ただサゲを言った時、お客さんの顔を見ていたら、まあ、そんなに面白くはなかったけど許してやろうと言う顔をしてたからね。まあ、いいか!・・良くない。いや、ごめんなさい。

 【終わってからの感想・・打ち上げ兼打ち合わせは楽しかったけど・・。う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!】

 終わったら、トリを取るとよく来てくれる藤原さんが楽屋に訪ねてきて「師匠、いやあ、おもしろかったですよ〜〜〜〜っ」ってウソでも真顔で言ってくれたから、少しは救われたけどね。藤原さん、いや、ありがとう!
  この日残ってくれた天どんと丈二と前座のたん丈を連れ、そしてギャグ・アカデミーの人も来ていたので、第一回の打ち合わせもあって、打ち上げ兼打ち合わせで居酒屋へ行った。打ち合わせ、打ち上げ会は、それなりに楽しかったけど・・店を出たら悔しくなった。畜生!ホントにもう〜〜〜、いやあ、マジで悔し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い。
  この位悔しかったね。しかもどうしたらあの噺の後半が受けるようになるのかと言う正解が見つからない。それがホントに悔し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!しかしこの世界のどこかにお客さんが笑いっぱなしになって止まらなくなるおもしろい噺はないのか?ないだろうね。ホントにもう、悔しさだけがいつまでも残った初日だった。



  【2月12日二日目(日曜日)・・お休み・・ごめんなさい!




 【2月13日三日目(月曜日)・・多分外さないネタの筈?ホント?多分で・・・「夢一夜」】
 【その日のお客さん・・平日に多いやや中高年の客層】
 この日は、「夢一夜」をやろうと思っていた。このネタは、寄席でやる限りあまり外さない。このネタの強みは、かなり年齢層が高くてもついてきてくれる。もう10回以上はやってるネタだけど、でももう年だから、どう忘れるか分からないので家を出る時、2.3回ネタをさらってから寄席に行く。
  寄席に行くとやはり何時もの年代層でやや高齢なんだ。ほぼ予想通りのお客さんが、ただ同じ割と高齢のお客さんでも去年あたりから、以前よりよく笑ってくれるし、いいお客さんだ。
 【実際やって見てネタの選択・・・ツボにハマった「夢一夜」】
 しかしこの噺は「末期ガン患者が、集中治療室を逃げ出すして・・と言う噺で暗いっちゃ、こんなくらい噺はないけど、なんか受けるんだよね。作った本人が、首を傾げるぐらい受ける。不思議だね。この日も受けたね。ただ年代層が上がるとラストの羽田空港のシーンで笑わなくなるけど、この日も多少そんなとこがあったが、それでもまあよく笑ってくれた。うれしい。
 【終わってからの感想・・全て想定内の範囲の受けだった!明日は何をやろうか?】
 終わったら瞬間、髪の毛が、汗でびっしょりかなり汗をかいていた。そんなに大声でやる必要はないだけど、もうなんとして笑わせたいと思う。つい馬鹿デカイ声になって、あせが出てくるんだろうね。でもでも後半少し笑いは落ちたが大成功じゃないの。良かった良かった。
  あと明日やるネタ?ええとねえ。今日少しだけアレンジをした「足立伝説」か、アト「名古屋弁金明竹」の少しだけ長いバージョンって言うのを最近やってる。それから「振り返れば」のかなりアレンジ・バージョンがあるし、「サンシャイン心中」も目下アレンジの最中でもし間に合えばやりたいし、「キレ・キャラ小言幸兵衛」の少し省略バージョンもあるし、「幽霊物件コレクター」と言うのもやりたいし、やりたいネタはいっぱいあるけど・・覚える時間も必要だしね。とにかく行き当たりばったりでやっみよう。


 【2月14日四日目(火曜日)・・少しアレンジした「東京足立伝説」が覚えられなくて】
 【その日のお客さん・・昨日より更にやや高齢者で・・でもって安全パイの「名古屋弁金明竹」】

 前日に久々の「さんしゃいん心中」のアレンジと「東京足立伝説」のマイナー・チェンジを終えた。もうとにかく少しでも変えられるならドンドコと変えるよ。まあ、「東京足立伝説」なら以前浅草でもやってるからね。それで覚えに入ったけど、どもう年でうろ覚え状態。それを無理にやるより、他のネタにしようと考えて楽屋入りする。  
  この日の寄席のお客さんもイッパイだけど、高齢者が、多かった昨日より、更に高めだね。でも陽気なお客さんのようだ。ネタの候補はすぐ出来る「いたちの留吉 」、 「ランボー怒りの脱出」、「名古屋弁金明竹」あたり。まあ、年代層を考えたら古典の「金明竹」あたりかな。じゃ、「金明竹」あたりをやっておこうかかな・・。

 【実際やって見てネタの選択・・・合格点だけどこれなら新作でも充分いけたね】
 高座に上がって、よくやるネタを振る・・充分笑わせてから「名古屋弁金明竹」に入る。入ってから・・。ネタ帳(その日に出たネタが書いてある帳面)を見ないことに気がついた。大体、自作の新作をやってるのです。ネタ帳なんて見なくてもネタはくっ付かないので普段ネタ帳自体は見るけど、ネタの確認をしない。
  でもまあ、もし「金明竹」が出てたら楽屋から「そのネタ出てますと」知らせが入るだろうと思ってそのままやる。まあ、仮に出ていてもかなり中のギャグも違うので、平気でやってしまうと言う手もある。でも運良くやっていなくて・・そのまま行く。マクラのドカンと言う受け方からすると少し受けは下がる。
  でも充分だと思う。しかし、この程度の受け方なら新作をやっても逆にもう少し受けたかもしれないね。
 【終わってからの感想・・寄席ワリが1万4千?ゲオ〜っ、明日も頑張ろう!!】
  ところでこの日貰った寄席のワリ(寄席のその日の客の数で決まる2日に一度貰うギャラのコト)がなんと1万4千だった!スゴイぞ。最低が千だから、それの14倍なんだ。上野鈴本もやはり入ったみたいだね。去年、落語ブームとか言われてけど。なぜか今年に入ってどこもよく入ってるようだ。今はテレビ番組で紹介してるとか、「タイガードラゴン」の再放送とかしてる訳じゃないけど、よく入ってる。去年の落語ブームと言われた時以上の入りみたいだ。一体なぜ?分からない。
  とにかく頑張ろうじゃないか。とりあえず、明日は「東京足立伝説」をキチンと覚えてやろう。ほんじゃね。毎回1万4千のワリが出ますように・・・・。



【2月15日中日(水曜日)・・熱演しすぎ客席にメガネ落した「東京足立伝説」】
 【その日のお客さん・・いつもの平日のようにやや高めの年代層のお客さん】
 この日は昨日やろうと思って出来なかった「東京足立伝説」を稽古してきたので、もうコレをやると最初から決めていた。お客さんの年代層は昨日とほぼ同じ。そして昨日より、やや笑わない。重いって感じ。しかし、そんなことでいちいちひるんじゃいられない。これで行くのだ。行くよ!!
  一応、このネタも少しはアレンジしてきた。しかしこの「東京足立伝説」も今回、ダメだと当分お蔵入りになってしまう。とにかく、コレで行く。なんとかなるだろう?
 【実際やって見てネタの選択・・・・ネタ下しから三年、初めて満足行くウケ方!うれし〜〜い】
 この「東京足立伝説」02年にネタ下ろしして以来、少しずつ変えているんだけど、ある程度は受けるけど、どうも狙った通りには受けないんだ。今回も少しアレンジして分かり易くして、いつものマクラを振ってから、足立区のネタを振ってから「東京足立伝説」に入る。ストーリーとギャグ自体は殆ど変ってないが、更に分かり易くした。そのせいかお客さんに高齢者が多いが、ついてくる。いいぞ!いいぞ!男川の荒川と女川の中川が恋に落ちるトコも、上手く乗り切って笑わした。
  いやいや、中盤あたりから客席のノリもすっかり良くなった。とにかく熱演し過ぎて三ノ輪姫が、鼻をワ〜〜ッとこするシーンで客席にメガネを飛ばしてしまった。「すいません、拾って下さい」
  でもこのお陰で一段と客席は沸いたね。それで「メガネを落すほど、こすることはないだろ?」とか言って、もう一度ギャグを取って、そのあとダレることなく、サゲまで笑いが続いた。良かった、良かった。いや、去年、もうこのネタはダメかなと思ったことがあるけど、うん、全て狙った通りに受けた。いやあ、久しぶりに気持ちよかった。あ〜〜あ、やれやれ!!
 【終わってからの感想・・もう明日からやりたいネタをやればいいんじゃないかなあ】
 こうやってウケルと強気になるね。もうやりたいネタをやればいいんじゃないのかね。この芝居やや高齢者が多いので、ややハードな円丈作品を除いて、アトはとにかく分かり易く演じるようにすれば、ソコソコいけるんじゃないだろうか?明日も頑張るよ。



【2月16日六日目(木曜日)・・帽子を忘れて「ランボー怒りの脱出」・・慌てて高座から「持ってきて〜っ」】
 【その日のお客さん・・・やや高めのお客さん】
 この日もお客さんもやはりやや高齢者が多く。どういう訳が、後ろで立ってるお客さんの中に若い女性が何人かいたね。すこし笑い方が、薄いようだ。それで今、「手紙無筆USA」と言う擬古典で10年前に書いて未だにやってない。その多少アレンジが終わって、覚えに入った、さらに「さんしゃいん心中」もアレンジ終了で覚えに・・しかし、どちらもまだ覚えてないし、今日あたりは、よくやるトリネタで行こうと思う。「ランボー怒りの脱出」をやろうと思ってる。お客さんの年代層が上がると少しウケが悪くなる。しかし、それでもななんとかなるだろう。
 【実際やって見てネタの選択・・・なんとかなったぞ「ランボー怒りの脱出」】
 この「ランボー怒りの脱出」をやる時は実は扇子2本。首を絞める時用の手拭1本、それにヘリコプター用にかっての帽子芸人故早野凡平先生の“帽子のツバだけ”。以上が必要なんだけど、今回、入れたつもりで帽子のツバを忘れて高座にあがった。それでマクラから映画のマクラ・・良くお客さんは笑う。正直、最近、爆笑王が、寄席にいない。昔は出番の中でドカンカンと受けさせる芸人が、いたが今は殆どいない。円丈は時に爆発的に受けることがあるが、爆笑王ではない。でも出演者が殆ど古典落語!それほどドカンとは笑えない。お客さんはもう少し文句なく笑いたがってるような気がする。やはり寄席の爆笑王が番組の中に1.2本欲しいね。今のようにみんなで古典王みたいなのは、少し違うような気がする。
  それはともかく マクラではよく受けてる。本ネタにはいると少し笑いは落ちる。それは、仕方がない。でも普段の笑いの60%ほどの笑いで収まってる。まあ、いいんじゃない。昨日はメガネを客席に落としたけど、今日は、帽子を忘れて「悪いけど帽子持ってきてくれる?」と楽屋に声を掛け、その間2分近く落語を中断・・どうもスイマセン!それから再開し、続きをやる。高齢者が多いけど、なんとかついて来てくれた。ラストの近くではドカーンと客席が弾けて、終わり!!まあ、いいんじゃないのかなあ。
 【終わってからの感想・・・・どう飽き性なのでトリで良くやるネタは飽きる】
 考えるとアト1日休みなのアト3席だ。正直アト10席ぐらいやりたいような心境だね。それに人間が飽き性なので、いつもよくやるネタは飽きてしまう。だから多少受けが悪いかもしれないと思いながら、あまり掛けてないネタをやりたくなるんだね。それにズ〜〜ッとネタのアレンジをしているのでそれなりにテストしたいネタがあるだけどね。明日はなにをしようかなあ。



【2月17日七日目(金曜日)・・ウケなかったけど楽しかった「グリコ少年」 なんだ?そりゃ】
 【その日のお客さん・・この日もやや高齢者のお客さん】
 この日、半年いい年近くやっていない。「グリコ少年」をやろうと稽古すると全然覚えてない。61才になると記憶力が落ちる、情けないね。3時間近く台本を見てネタ覚え。今日はこれをやろう。しかし、このかっては最強だったネタの「グリコ少年」も最近受けない。しかも今日お客さんの年代層から見るとグリコより、更に上の世代。少し心配だけど、まあ、やるだけやってみようと覚悟して高座に上がる。

 【実際やって見てネタの選択・・・・いやガクッと受けない「グリコ少年」】

 上がる前は、よく笑っていて、いいお客さんだと思ったけど・・どうもなんか雰囲気が違う。それでもそこそこ受けて、本ネタへ、どうも受けない。いやかなり受けない。これが全盛期の「グリコ少年」だったら無敵だったけど、作って25年も経つとダメだ。リメイクのしたんだけど、やっぱり、受けが悪い。世代が高いだけあって、この芝居で一番、ダメだったんじゃないかね。
  それでも最後だけは盛り上がるんだね。お客さんにグリコを配って自分も食べて「グリコは一粒300m〜っ!!」と引っ込むところは受けた。正直やっていて楽しかった。うん、もうこの「グリコ」は限りなく捨てネタに近いんじゃないかね。でも円丈の一番ウケたネタだからね。愛着もある。ありがとう、グリコ!とりあえず感謝しようね。でも今後、そんなにもう出来ないかもしれないね。
 【終わってからの感想・・・・千秋楽まであとネタは2つどうする】
 アト、上がるのが、2回、以前浅草でトリを取った時、結構ネタでくるしんだ。でも今は10日間、充分できるネタがある。なんなら20日間ネタが変えられそうだ。あとは「悲しみは埼玉」?それとも「遥かなるたぬきうどん」?あと「肥辰一代記」・・でもうけそうだけどウンコのネタだからね。でもリメイクして一度もやったことのない「手紙無筆USA」とか、「さんしゃいん心中」や、「新振り返れば」もやってみたいけどなあ。さあ、どうする?




【2月18日八日目(土曜日)・・やっぱウケル「悲しみは埼玉に向けて」】
 【その日のお客さん・・先週の土曜より、少し高めだけどよく笑うお客さん】
 この日のネタは「悲しみは埼玉・・」か、ウンコ噺「肥辰一代記」あたりか、「遥かなるたぬきうどん」か?しかし「肥辰」は、受けるけど、やると必ず1.か、2人嫌な顔するお客さんがいるからね。考えちゃう。とにかくウケルとなったら「埼玉」だよね。そこで寄席に行く前に一応、ネタをさらったら・・途中で使えて出てこない。やっぱ61才になるとダメ。あんなにやった噺がつかえる。それで2.3回さらって寄席に・・。
  お客さんは、平日より、やっぱ若い。ただ先週より、やや年代層が高いかなと言う感じ。でも良く笑っている。もう「埼玉」で行こう。
 【実際やって見てネタの選択・・・昨日のグリコと対照的にバカ受けの「悲しみは埼玉に向けて」】
 ?この芝居は、ニ階席もよく入ってる。この日の一階ニ階とも満席。上がった感じの拍手が、かなりお前を聞きに来たよみいな感じの拍手が、混じっていた。いつもマクラからパソコンのマクラを振る。2〜3割はこのマクラを聞いてるって感じだった。と言うことは結構常連のお客さんが多いってことだね。
  それから「埼玉」に入る。よく受ける。全編受ける。正直、これだけ笑ってもらえるとうれしいね。昨日の「グリコ少年」とはおお違いだね。
 【終わってからの感想・・楽日どうする?う〜〜ん】
 ?しかしホントに昨日の「グリコ少年」とはうって変った受け方だね。でもおもしろいね。この「悲しみは埼玉」も「グリコ少年」も殆ど一年違いぐらいで出来た噺。そして、「グリコ少年」は受けなくなり、「埼玉」は相変わらずうける。不思議な感じがる。出来た当初、日本全国無敵のネタだった「グリコ少年」はダメになってしまった。でも随分、稼がせてもらったネタだから、捨てネタにするのは、抵抗がある。もう、一度「グリコ少年」供養でもするかね。マジで!さあ、明日休みなのでとうとう一日になってしまった。なにをやろうか?ホントは「手紙無筆USA」でもトリでネタ降ろししてやろうかって気もあるけど・・トリのネタ下しは恐いねえ。さてどうする?




【2月19日九日目(日曜日)・・お休み・・ごめんなさい!




【2月20日千秋楽(月曜日)・・息切れはするわ、ダメだった「遥かなるたぬきうどん」】
 【その日のお客さん・・雨だけどお客さんはいっぱい!】
 この日は「遥かなるたぬきうどん」をやろうと思って、ニ度ほどネタ繰りをしてから楽屋入り、雨が降っていたけど、よく入っていた。それによく笑っていた。弟子の丈ニに「どう『遥かなるたぬきうどん』どうかね?」「いけるんじゃないですかね」と言う返事。割りと陽気だし、チョイ難しいとこはあるけどなんとかいけるだろうと思った。しかしこれが読みが甘かったね。いやいや、落語ってむずかしいもんだなあ。
 【実際やって見てネタの選択・・・・息が上がって、しかも受けない円丈自滅パターンの「遥かなるたぬきうどん」】
 高座に上がった時、いつもより、拍手が力弱くて「おやっ!」と思ったが、いや、この時にネタの変更をするべくだった。この微妙な雰囲気は察知した。それでマクラは何時ものようにウケたし、たぬきうどん用のマクラも受けた。しかしガシッ、ガシッと噺に入った瞬間、お客さんが離れた!アレレ!どうしたんだ?どうもお客さんの多くがこの噺の組み立てについてこれないようなんだ。しまったと思った。それでもまあ、演るしかないと思って、やる。なんとかウケさせようと完全にオーバーワークになってしまい、途中声が上がってしまったところが何箇所かあった。対して受けないのに全身から汗はダクダク出るわ、声が裏返るは、円丈とお客さんの距離h縮まるどころか、離れる一方、円丈典型園丁自滅パターンだね。うどんをすすっても息が上がってるから、全くダメ!
  ここまでダメだともう気持ちいいね。ヤケクソか?いやいや、落語って難しいよね。
 【終わってからの感想・・?楽日のお客さん、ごめんなさい!次はやります】
 この芝居からあまり自分を責めないとこにした。どうも自己欲求水準が高すぎて、どうも何をやっても楽しめない。そこで今一段自分に甘くしようと思う。そうしないと落語をやることが好きになれない。今は落語をやるなんて大嫌い。だって受けて当たり前なんだもん。どんなに頑張って自分に対するご褒美がない。とにかく落語をやること、そして芸をすることが好きになろうと思ってる。
  そのために一段、欲求水準を下げたのだ。もっと落語を好きにならなければ、稽古なんてしないんだ。以前よりみれば雲泥の差で稽古するようになったふが、それでもまだまだ足りない。もっと好きになれが自然に稽古するようになる。だから自分をある程度しか責めない。まあ、今回は仕方がない。しかしそれにしても・・。どうもウケないと声が大きくなって、完全に声が上がってしまうなんて、いや、情けない。この辺の欠点もよく考えて・・今後、直してしかないといけないね。
  いや、今後この日やった「たぬきうどん」は、やらないか、あるいはもし今後やれば少しセコイ方法になるが「たぬきうどん」の簡単なストーリー説明してから入れば、もう少し違った結果になったと思う。更にこの「たぬきうどん」は毎回ヒドイ汗が出るが、やや腰を浮かして、さらにガシッガシッと力を入れるから、どうしても汗がでてしまう。どうも演ずる部分でもっと楽に演じられる省エネ・タイプの「たぬきうどん」を考えないといけないね。いやいや、この日来てくれたお客さん、どうもスーンマセン!でも次回は違う。必ずやります。そう多分!


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