円丈おなじみトリ.シリ−ズその3
〜演者と客の間には見えない大きな壁がある〜

円丈トリ日記2003年度版
スッカリおなじみなった円丈トリ日記・ 一体、芸人は何を考えて高座に上がるのか?その日にやるネタとその日の客の反応を初公開。20003年6月上旬(1〜10日)まで池袋演芸場でトリをとった。

 これはその10日間の記録。 芸人に取って客はまるでモンスタ−!その日により、時間により、その姿を変える。敵にもなれば味方にもなる。8月上旬は国立演芸場でトリその時もこのトリ日記をやる予定・・乞う、ご期待!

     三遊亭 円 丈

     
 (なんだこの画像は?サービスです)

  【メニュ−】
  
◎国立演芸場編(2003/08/1〜10)
   ◎池袋演芸場編(2000/3/11〜20)

 
         どれを?

 

 



 
国立演芸場10日間(2003/08/1〜10)

 一年の中で一番興行的に良くないのが、8月上旬。10日過ぎればお盆でどこもごった返す。そのエア・ポケットのような期間はこの8月上席(1〜10日)上がり時間3:15 なおこの10日間は上野鈴本夜6:45上がりの掛け持ち。

  受けても蹴られても元気でやる・・・これが円丈!

【ホント毎日、ネタじゃ悩んでます】

 

  【8月1日初日(金曜日)・・注文で「悲しみは埼玉」をやる!】
 【その日のお客さん】
 半分弱の入り。今回はバラクーダさん、こうたふくたさん、圭子好江の圭子先生など色物が充実。それで客席も落語好きと言うより、演芸好きッて感じがする。
 【実際やって見てネタの選択】.....『悲しみは埼玉に向けて』
 実はメールで円丈HPにお客さんから「1日に見に行きます。できれば「悲しみは埼玉」をお願いします」とあった。そこでこの日は「埼玉」をする。受けているけど、しかしやはり色物好きのお客さんのせいか、いつもの受け方より、やや弱い。
 【終わってからの感想・・なんとご祝儀を頂く】
 まあ、こんなもんかなあ・・。と思っていたらその注文した方が、ご夫婦で楽屋まで訪ねてきてご祝儀を置いて行った。いやあ、なんか申し訳ない!しかしなんでもやってみるもんだね。

 

  【8月2日(土曜日)・・高座に上がったらなんと「名人」掛け声!】
 【その日のお客さん・・・8割の入り】
 昔の国立は入りが悪かったが、最近は営業努力もなって寄席のなかでは一番入るようになった。この夏枯れの時期に8割の入りは凄い。
 【実際やって見て・・・・『いたちの留吉』】
 高座に上がるとなんと「名人」と言う掛け声が掛かった。いや、だれるなあ。円丈と円朝と間違えたとか・・、ネタはここしばらくやらなかった『いたちの留吉 』をやる。先日、新宿でやったらドッカン受けたのでそれで気を良くしてやった。これも受けてるが、ドカンと言うほどでもない。そこそこって感じ、う〜〜〜ん!
 【終わってからの感想・・知り合いが「おきゃくさんは大喜びだよ」】
 楽屋でう〜〜んと首を捻っていたら・・知り合いが楽屋に訪ねてきて「帰りのお客さんは、大喜びで帰ってったよ」「えっ、ホントに?」でもこの人はヨイショするような人じゃないから。結構喜んでいただんだ。まあ、いいか!


【おまけです】
「喰始のショービジネスの世界に」のゲスト出演して
あの「ワハハ本舗」主催する作家の喰始さんがのやってるコントのライブに2日間出演したのでおまけでいれました。元弟子のぐん丈(現がっぽり建設の小堀くん)の仲立ちでこのライブ出演が実現した。なかなかおもしろい2日間だった。


  【8月1.2日(金、土曜日)・・大物ミスターXとして登場!】
 【こんなライブです・・・あのプークが超満員、ウソ!】
 このライブは、喰さんが、若手のコントや漫才師に宿題を出し、それをテーマでネタを作り、出来たネタに更にアドバイスをしてこのライブに掛けると言うもの。番組は出演者トが出る前に喰さんが一組ずつ紹介するけど。この紹介で結構笑いを取ってる。出演者は全員ネタおろしだから。楽屋には緊張感が漂ってる。廊下でネタのケイコは当り前。しかし私はいつものネタと言われたので全然緊張感がない!
 【実際やって見て・・・・1日『悲しみは埼玉』と2日『ランボー怒りの脱出』】
 客層は20代後半から30代ぐらい。それに40代がボチボチ混じる程度。初日、2日ともかなりウケた。しかし他の出演者がネタおろしで私はもちネタ。それで受けたった自慢にならない。でもあの世代でも十分受けることが分ったのが収穫。若手のコントと一緒に出ても私は全然違和感は感じない。
 【終わってからの感想・・若手コントの目は戦士の目をしてる】
 いやいや、今度は一度こっちもネタおろしで若手のコントとぶつかりあって見たいね。えっ、受けなかったら?そんなのか時の運だよ。一生懸命、やればいいの!しかしどこのライブの出演者は殆どがギャラなしのような状態で出てるらしいが、みんな良く頑張ってる。目が戦士の目だね。それから見ると若手の噺家は、少しおっとりし過ぎてるのが気なるね。楽しい2日間だった。ただ、ギャラが、寄席の割りより安かったと言うのが少し気になった。でもそれもいい思い出に・・。ホントか?

【穴倉のような楽屋にて】

 

  【8月3日(日曜日)・・「噺家の中では一番受けましたよ」】
 【その日のお客さん・・・ついに大入りが出た!】
 今日の客は9割。少しだけ空席がある。ホントは完全な大入りじゃないけど・・おまけの大入りにしたようだ。ここ1〜2年でどこの寄席もそうだが、なぜかお客さんの平均年齢が5〜6才若返った感じがする。
 【実際やって見て・・・・『悲しみの大須』】
 10日間なんとかネタを変えたいと思うのでこの日は名古屋の大須演芸場のドキュメント落語『悲しみの大須』をやる。しかしこのネタはややマニア受けする噺。ツボにハマルとドカンと行く反面。あまり寄席とかにそれほど興味がないとズコーンと反れることがある。でもやるか・・・。名古屋や、昔の寄席の話をマクラに振って。そこそこ笑いをとってからネタに入るが・・どうもダメ!あまり芳しい反応じゃない。どうもすいません!
 【終わってからの感想・・弟子の天どんが「弟子の中では受けてました」】
 この日も首を捻って降りてたら弟子が慰めるんです。「いや、それてはいません」とか、天どんは「いや噺家の中では師匠が一番うけてました」「おい、あれでかい?」でもう〜〜〜〜ん!

 

  【8月4日(月曜日)・・この日が一番の高齢者のお客さん】
 【その日のお客さん・・・200ほどの入りか?】
 国立はホント良く入るなあ。この日も200近い入り。しかし4日目が一番お客さんの年代層が高い。80代の人も結構いる。きょは中々手ごわそう。
 【実際やって見て・・・・『一ツ家公園ラブ・ストリー』】
 10この日は弟子の白鳥が代演で来てた。この日の白鳥は、マクラを振ってネタに入ろうと思ったが、反応を見て漫談で降りた。う〜〜〜ん、わりと外さない『一ツ家公園』をやったが、外さない『一ツ家・・』が外れた。いつもより更に臭く演じて。なんとかカッコは付けたかなと言う感じ。いやあ、恐れ入りました。
 【終わってからの感想・・やはり別なネタの方が良かったのでは?】

 とにかく芸人は受けさせなきゃ

    芸人は下手も上手もなかりけり
           行く先々の水に合わねば

   いやあもって瞑すべしだね。



 

  【8月5日(火曜日)・・2度目の大入り、良く入る】
 【その日のお客さん・・・ほぼ満席、円丈、受けるためのゲン担ぎをする】
 国立はホント良く入るなあ。これで2度目の大入り。しかしどうもこれまで反応がいまいち。狛犬お宅の円丈は実は結構参拝オタクでもある。国立に来る時は半蔵門駅のスグ目の前の小さな稲荷があるので毎日軽く参拝して行く。そして国立演芸場の楽屋にも神棚がある。
  しかしダレるので手を合わせなかった。でもこれが受けない原因では?そこでこの日は楽屋の神棚に100円の賽銭を上げて参拝。さあ、果たして今日はどうなる?もう受けるためならなんでもするぞ!
 【実際やって見て・・・・『名古屋弁金明竹』円丈CDの録音をとる!】
 この日は円丈CD用の録音を撮る事になっていた。とにかく受けさせたい!修行時代のマクラを振り倒して、客をコマセの聞いた状態にしてから、本題突入。前半のオーム返しはカット!一気に本ネタ。ドカドカ受けてサゲ。まあ、受けたね。途中で間違いや、多少言葉を噛む部分もあったが、細かいトコは気にしない。噺は勢いだ。
 【終わってからの感想・・とにかく受けてよかった。ホッ!】

 とにかく受けて良かった。これは楽屋の神棚に参拝したのが、意外と正解だったのかも知れない。とにかく会場に来たお客さんには喜んで帰って欲しいと思ってるけど。なかなかそうは行かないことが多い。現実にすべてのお客が満足させるなん不可能だからね。



 

  【8月6日(水曜日)・・「お笑い小花胃ツボ体操」+「新寿限無」でバカ受け!】
 【その日のお客さん・・・ケラレテ呆然としてた噺家Aクン!】
 この日、地下鉄の半蔵門近くで国立に出てる出演者(名前は伏せる)にバッタリ会う。なんかもう呆然と歩いてる。瞬間的に「今日の高座でケラレタ」と思い。「今日の客は年寄り?」「ええ、・・」とが多いに会う。楽屋入りすると「今までで一番重いお客さん」と言う。いやあ、参ったね!どうする?
 【実際やって見て・・・・この日も楽屋の神棚にゲン担ぎで参拝!】
 昨日受けたので今日も100円の賽銭を上げて楽屋の神棚に手を合わせる。今日が一番、客の重い日らしい。しかし中入り後、バラクーダさん、こうたふくたあさんの漫才で急にお客さんが笑うようになった。いやいや、ホッとするね。今日はネタより、まず受けさせることを主眼にして良く講演でやる「お笑い小噺ツボ体操」をお客さんとする。これはソレない。どこでも受ける。
  この日のお客さんも大喜び!充分受けさせたあと、落語は短めに「新寿限無」やや、反応が物足りないが、しょうがないよね。イッキにサゲに!まあ、充分じゃないのかね。
 【終わってからの感想・・今日は受けたけど明日はネタがない】

 この日もCDを撮っていたが、スタッフの人たちも結構喜んでいた。しかし楽屋の神棚に手を合わせてニ連勝。これからは来るたびに参拝するしかないね。でも今日は受けたけど。明日からのネタで受けるネタがない!一応、ネタはすべて変えようとト思ってるからなあ・・。ああ、明日・・・どうなる?


 

  【8月7日(木曜日)・・今日大入りで・・『東京足立伝説』】
 【その日のお客さん・・・3回目の大入りで】
 しかし良く入ってるね。この芝居3回目の大入り。高齢のお客さんが多いが、昨日よりやや若くて明るいとか。いや明るいお客さんが何より。
 【実際やって見て・・・・今日も円丈CDを取る・・めげずに『東京足立伝説』】
 少し夏ばて気味だけど頑張るしかない。この10日間、首都圏と言うより、もう少し遠い関東周辺のお客さんと言う感じ。それがどうした?いやね。『東京足立伝説』と言うネタからすると首都圏のお客さんの方が、良く知ってる分だけ笑いの量も多い。できれば・・いや、贅沢言ってる場合じゃない。
 『東京足立伝説』!毎回少しずつ直してる。どうもなかなかツボにはまらない。この日も数の割りには、演者としてはやや不満が残る。しかしCDを撮ってた大友さんは「面白いですね」とよろこんでくれたし、そこそこ関係者には好評だったのでそれほど悪い出来でもないようだ。
 【終わってからの感想・・とにかくここまでくれば10日間ネタを変えるぞ!】

 しかしいつも思うコトだけどどうして同じ寄席で同じようなお客さんでも、こう毎日、ちがうかなあ。お客さんはモンスターだね。その日よって姿を変えるんだね。そのモンスターと毎日、格闘するわけだから。やっぱ疲れるね。7日間、結果そしてネタを変えてきた。こうなったら全部ネタを変えるつもり。いくよ〜〜っ!



 

  【8月8日(金曜日・昼席)・・またまた大入り・・『遥かなるたぬきうどん』】
 【その日のお客さん・・・3回目の大入りで】
 ホント良くお客さんが入ってる。この日もやや高齢のお客さんが多い。明るい高齢者と言うお客さん。
 【実際やって見て・・・・ケイコ不足で惨敗・・ああ、『遥かなるたぬきうどん』】
 とにかくこの日はしばらくやってない『遥かなるたぬきうどん』と決めていた。台本を直し、脚本は完璧に仕上がったが良く覚えてない。これが良くある。円丈の最大の欠点。やっていて「あれ、次はなんだろう?」わからなくなったりする。ああ、情けない。せめてあとあと5時間あればもう少しなんとかなったのに・・!もちろん、それなりには受けていたとこはあるけど・・。出来がひどかった。お客さん、ごめんなさ〜〜〜い!
 【終わってからの感想・・とにかくここまでくれば10日間ネタを変えるぞ!】

 参ったね。しかし、この噺はとても演ずるのに難しく調子が出ないところがある。悔しい。もう1回、近々リベンジしたい。いや、くやし〜〜〜いね。

 【8月8日(金曜日・夜席)・・台風の影響もあって少ないけどいいお客さん・『ランゴランゴ』
 【その日のお客さん・・・3回目の大入りで】
 台風の近づいてるので夜席は、お客さんが少ない。50弱ってとこかな。でも結構、若いお客さんで明るい。この日はこの国立昼席やってから鈴本に行って。帰って来てもう一度トリ!正直、疲れるね。しかもこれが終わって帰ってから明日の昼までに締め切りの原稿を2本書かなくちゃいけない。まいるな。しかしぼやいてる場合じゃない。さあ、落語、落語!
 【実際やって見て・・・・割と安全パイの『ランゴランゴ』をやる】
 やってみるとホントに軽いイイお客さん。漫才のこうたふくたさんは「今日は円丈さんの客ですよ」と言って降りてきた。多少は混じっているのかも知れない。とにかく『ランゴランゴ』をやり、。かなり受ける。しかしこの噺をやり、幕が閉まった時のお客さんを見たが、ことによるともう少し骨のある落語の方が良かったのかなあ・・とか思った。
 【終わってからの感想・・とにかくここまでくれば10日間ネタを変えるぞ!】

 楽日は休みなので明日が、ラストの国立!とにかく頑張ろう。それまでに2本の原稿を仕上げて・・いやいやつかれるねえ・・。



【8月9日(土曜日)・・事実上、円丈の楽日】
 【その日のお客さん・・・少ないけどおいいお客さん】
 この日、台風は関東地方はそれたが、本州上陸!お客さんは少ないが、良さそう!
 【実際やって見て・・・・とりあえず『ランボー怒りの脱出』をやる】
 残ってるネタもそう多くはない、その中では一応あまり外さない『ランボー怒りの脱出』をやる。大体、予想してた通りの反応。
 【終わってからの感想・・とにかく10日間ネタが変えられてよかった!】

 いやいや、まあ、とにかく無事出来てよかった。



【8月10日(日曜日)・・お休み】
 どうもすんません!!!!


【10日間終わってみて・・まだやるネタがあったのはうれしい】
 実は今までトリをとっても休みもあったので。10日間で10本のネタをやったことがなかったけど・今回、国立で10本のネタを変えた。あと実は地図を出す『東京23区』、『横松和平』、『パパラギ』と3本あった。ただ20本、直ぐ出せるネタはないのでなんとかあと2.3年の内に20日間トリをとっても全部帰られるようにしたい。将来は30本ぐらいになるといいなあと思ってる。
  ただ堅実には受けるようになったけど、逆に爆発的には受けるネタがない、少し円丈が苔むして来つつあるのではないか?そんな印象を持った。来年は60才で還暦。当然、能力、感覚的な衰えは仕方がない。その衰えを充分自覚しながら、尚、年なりのおもしろいネタを模索中。現在、新ネタを4.5本、温めてる。円丈が新ネタを作れなくなった時点で現役の落語家ではなくなると思ってる。仮に80まで生きれば、80才までネタを作り続け、現役でい続けるつもりだ。私の一番の敵はボケ!この辺のことは、物事深刻に考えず、楽天的に考えてボケを回避したい、鬱とストレス、これがボケを早めるからね。でもアルツハイマーなったら、しゃあないやね。そん時は全面的にボケちゃおう。




トリ日記のおまけ編

【8月13日(水曜日・夜)・・・落語21お盆興行でトリで『いたちの留吉 』・・新宿プークにて】
 【その日のお客さん・・・50人ほど・・】
 50人ほどのお客さん、20〜40代で女性がやや多い。
 【実際やって見て・・・・テストとしての『いたちの留吉』】
 この日は15日にネタおろしをしようと思っていたので正直、楽なネタをやりたいと思い『いたちの留吉 』をやる。このネタをやったもう一つの理由が新作を良く聞いてるお客さんに一体どの程度受けるのか?これを知りたかった。もしかしたらズコンと逸れるかもしれない。そう思ってテストのつもりやる。いやいや結構受けた。評判もソコソコだった。よかった、よかった。
 【終わってからの感想・・もう一度やらないとわからない】

 まあ受けたけどこの噺の賞味期限もあと4〜5年かも知れない。古典だろうが、新作だろうが、すべて寿命ってあるからね。15日はとにかくネタ下ろしをする。頑張ろう!



【8月14日(木曜日・夜)・・・大江戸ホラーナイトでトリ・・日本橋亭】
 【その日のお客さん・・・100人ほどかなりの入り】
 主催のブラックさん、春風亭昇太くん、モロ師岡さんがでて100人ほどの入り!2〜40代だね。7割が女性。みんな私の客だ。ウソつけ!
 【実際やって見て・・・・バーチャル怪談『赤ちゃんの飴を』】
 この日はプロの紙芝居の怪談や、ブラック師が「マラなし芳一」など盛りだくさん、昇太くんも受けていたけど、モロさんが着物を着て自作の落語をやり受けてた。4年ほど前にやったネット上の幽霊が現実に出てくる『赤ちゃんに飴を』をやった。以前のものを後半改造してやった。正直、反れた!
 【終わってからの感想・・もう一度やらないとわからない】

 この日のネタは、結構、今風のネタ、少しパソコンやってたら笑えるギャグもあったが、ほんの一部のお客さんしか受けなかった。ネタがよくなかったのか?それともお客さんが疲れていたのか?あるいは両方か?その内にもう一度やってみるつもり、凄いネタじゃないけどそんなにあくびの出る噺でもないと思う。




【8月15日(金曜日・夜)・・・落語21トリ・・わ〜〜いネタおろしだぞ・・新宿プーク】
 【その日のお客さん・・・40人チョイかね・・やや重いお客さん?】
 このプークの3日間、40〜50の平均的入りだった。3日間でこの日が一番重かったような気がする。
 【実際やって見て・・・・ネタおろし作品『いわくつき物件』・・見事、逸れる】
 3月頃からネタを下ろしてなくて、ネタおろしをしたい衝動に駆られるね。作る時間あまりなかった。でも下ろしたい。作れるトコまで作って、ざっと覚えてネタネタおろし!いやいや、一番うけたとこはラストの「・・この先は時間がなくてつくれなかったと言う一席で!」・・・正直こんなトコで受けてちゃいけない。反省!反省!でもネタ下ろしができてうれしかったなあ。
 【終わってからの感想・・目下このネタを改作中!もう一回やるぞ!】

 ホントあの程度の作り方でやっちゃいけないんだけど。そのあと仲間や関係者からいろいろ批評を受けて。ラスト部分を変更中。近々、どっかでやりたいなあ。さらに別なネタも制作中!こう、ご期待。





【8月21日(木曜日・夜)・・・紀伊国落語会・中トリ・・『らんごらんご』】
 【その日のお客さん・・・7割ていどのお客さん】
 4年ぶりの出演、7割ていどの入り。
 【実際やって見て・・・・そこそこ受けた『らんごらんご』】
 4年ぶりの出演。実はネタ出しで「古典をやってくれ!」と注文されたのを、「ええ古典忘れました!新作やります」と半ば強引に新作のネタを出した。紀伊国落語会あたりは古典マニアも多いから・・新作ではどうかと思ったけど、マクラで前座の修行時代や、なくなった寄席人形町末広、目黒名人会の話をしてならしてから『らんごらんご』にいやいや、まあソコソコ受けたと思う。
 【終わってからの感想・・終わってから小遊三さんと昔話に花が咲く・・】

 最近はゴチゴチの古典ファンも増えたから「古典やれ〜〜っ」なんて野次も飛ばなかったし、それにありにお客さんも楽しんでいたようなのでやれ一安心と言うところ。楽屋に戻ったら小遊三さんがいて、昔話にはなが咲いた。実は円丈、小遊三って実は入門の時に2人だけのドラマがあるんだ。今回は書かないけど・・。その内には・・。



 


◎一体円丈はこれからどうなるんでしょうか?続く・・。
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池袋演芸場昼席の10日間(2003/6/1〜10)

3日、9日10日はお休み。上がり時間16:00 なおこの10日間は新宿末広の14:00上がりと掛け持ち。

 

  【6月1日初日(日曜日)・・噺を少し間違えた。納得いかん!】
 【その日のお客さん】
 ほぼ日曜とあって、ほぼ9割の入り。入りの割りに笑いは薄いようだ。
 【ネタの選択】.....『悲しみは埼玉に向けて』
 いつもカバンの中には10本ほどを一冊にまとめた自作台本を2冊ほど持ち歩いてる。当日、2.3度だげでもネタをさらおうと思ってカバンの中の台本2冊を見たら、なんと「埼玉・・」の台本が、その中にない!そんなアホな。まあ、この「悲しみは埼玉・・」なら、まず外さないので。台本はないが、軽くさらって本番に望んだ。
 【実際やって見て】
 どうもごく最近、客の中にはガチガチのネオ古典主義者が出現しだし、それと普通に笑いたいお客さんとうまく溶け合わない。そんな状況がある。そこそこ受けているんだか、客に一体感がない。そのネオ古典主義者みたいなのが2人ほど帰った。
  うけてはいるけど・・それが気になって集中力に欠け、途中で大事なギャグを入れ忘れた。聞いていた弟子の白鳥は「これだけ受ければ充分です!」と言ったが、全然充分じゃない。納得いかない!
 【終わってからの感想】
 まあ、こんな日あるさ。明日、明日。あすはリターン・マッチをしてやる。

 

 【円丈6月2日(月・・寄席の日)....反れるかと思ったら大成功!】
 【その日のお客さん・・超満員】
 今日は「寄席の日」で大入り、新宿も良く入っていたが、池袋の良く入ってる。立ち見状態の満席!年代的にやや何時もより、年代層がやや高い。60代前半と言うところ。仲間に聞くと「割りと一般度の高いお客さんで難しい噺はむりでは?」

 【ネタの選択】....久々の『悲しみの大須』

 ここしばらく掛けてない3年ぶりのネタ『悲しみの大須』。寄席の日にちなんで名古屋の寄席大須演芸場をテーマにした「悲しみの大須」をやろうとザッとネタ繰りをしてから楽屋入りした。この「悲しみの大須」はマニアにはすごく評判が良いが、少し一般度の高いお客さんだとそれるコトがある。
  でも仲間は今日のお客さんは、その一般的な客だと言う。弟子の白鳥はネタに入るつもりで高座に上がったが客を見て。漫談に切り替えたとか・・!いい。それたらそれた時のコトだ。おれはシラケの円丈。それるのを恐れて新作なんか出来るか。勝負だ!
 【実際やって見て・・ズコ〜〜ンと来た!】
 上がった瞬間の時の拍手がこの日はとても暖かいものを感じたね。まず名古屋ネタのマクラで笑いを充分とり、客をコマセの聞いた状態にしてから、少し大須演芸場の説明をして「悲ししミの大須」へ。いやいや、受けたね。一般度の高いお客さんとか言ってたけど違うね。だって「寄席の日」に来るお客さんだから。そんなに落語を知らない訳はない筈だよね。
 後半に入って客は完全にこの「大須」の世界に入ってきた。一輪車の東英二トマリリンのくだりあたりでは、完全に客を引きずり込んだ。幕が閉まる時の拍手は、満足してと言う感じ。ズコ〜〜〜ンと入った!
 【終わってからの感想】
 やはりいつもお客さんを怖がっていたのではダメだね。やる時はやるよ!!覚えてろ。

 

 【円丈 2月13日・・休み・スンマセンね】



 【円丈6月4日(水曜日・雨)....なぜか静かなお客さんとか・・】
 【その日のお客さん・・超満員】
 平日の雨、客の入りは4割弱。一番、3日間やってこの日が一番年代層が高い。始まって途中までお客さんはクスンとも笑わなかったとか、ホントかよ?ころ。仲間に聞くと「割りと一般度の高いお客さんで難しい噺はむりでは?」
【ネタの選択】....無難な『名古屋弁金明竹』
 ホントは「東京足立伝説」をやろうと思い少しケイコをしたが、ややウロ覚えの感じなので止めた。それに池袋に来る前、新宿末広で「ランゴランゴ」と言う中東とアフリカ系の噺家をテーマにした落語を大声でやってスッカリ疲れてしまった。そんなに大声を出さなくてもいいじゃないか?でもついついこの落語は声が大きくなってしまうだよ。
  そこに年代層もこの日は高めで静かなお客さんとか言うので割と外れない「名古屋弁金明竹」をやることにした。最近、結構このネタがウケル。これで勝負!

【4日目のお客さんのデータリサーチをする円丈】
 【実際やって見て・・ネタはハマッタが、やや不出来・・反省!】

 正直、この日の客筋がどうも読めない。円丈を聞きに来てるお客さんもいることは確かだが、円丈前座時代の昔噺をするが、思ったより受けない。でも師匠円生のモノマネなど入れるとウケル、分らん。そして「名古屋弁金明竹」に入ると結構お客さんにハマってる。基本的にこのネタで正解だ。
 しかし、どうもオカミサンがいつもより、滑ってる。サゲ際が良くない!どうも出来が良くないね。まあ、それなりに成功したが、しかしそんなお客さんの中で「おれは新作を聞きたかった」と言う感じの人もいた。いやあ、すべてのお客さんを満足させることは、むずかしい。

 【終わってからの感想】
 う〜〜〜ん、これも少しケイコをしてからやるべくだったなあ。いやあ、残念!ズボッと決めたかった。



【円丈6月5日(木曜日)....反れるかと思ったら大成功!】
 【この日のお客さん・・約3割】
 この日は上がった4日間の中では一番客が薄い約3割。今日は3〜40代もかなり混じり、結構若い。ところでこの芝居、ヒザに上がってる漫才にゃん子金魚さんはエライね。客の入りに関係なく熱演するもん。それでお客さんから中手(なかで)を貰ってる。私の落語で中手で貰うのは・・・ない!いやあ、芸人はかくありたいねえ。にゃん子金魚さんに負けないように頑張ろう。

 【ネタの選択】....予定通りの『東京足立伝説』

 ここ去年作った東京創世記を描いた『東京足立伝説』。悪くないけどなんかイマイチはっきりしない出来。それwpやや変更してこの日にやることにした。
 【実際やって見て・・まあまあの出来】
 マクラを振ってから足立区のはなしをして本ネタに入った。とにかく私の落語は、チョクチョク、マイナーチェンジをするからその都度覚えるのがケッコー大変。今回も少し変えてやった。笑いも反応もまあまあだね。それに最後幕が閉まるまで立った人はいなかったからそれなりに良かったのではないかね。
 
 【終わってからの感想】
 本人からすると2日目の「悲しみの大須」と今日の「足立伝説」が、まあそれなりに一応納得できるものだった。しかしお客さんはどうなのか?全然違う意見だったりすることがよくあるからね。まあ。とにかく明日もやるよ!



【円丈6月6日(金曜日)....少ないけど「東京23区」だ。やっちゃえ!】
 【この日のお客さん・・静か・少ない】
 正直、この日が一番少ない。割と静かなお客さん。まあ、少ないと笑いにくいからどうしてもそんな印象になる。

 【ネタの選択】....悩んだけど東京の地図を出して『東京23区』

 今日は23区の地図を出して「足立を悪く言うけど。他の区はせこくないのか?と地図で説明しながら23区をメッタ切りにすると言う「東京23区」。以前そこそこやって受けてたネタの改訂版。でもこのネタは客が多い時にやる爆笑ネタ。少ない時、やってケラレルと結構ショックが強い。でもせっかく地図の用意した。やっちゃえ〜〜っ!
 【実際やって見て・・まあまあの出来】
 いやいや、ウケタね!マクラからそして足立ネタから23区へ。正直、思った以上の盛り上がり。毎日、そこそこ、お客さんは、満足してるように思うね。なぜ円丈を聞きに来ないのか不思議でしょうがない。ホントか?自分とすると満足の行く高座だった。
 【終わってからの感想】
 これで5日やったが、それた日はなかったと思う。明日もやるだけ!



 【円丈6月7日(土曜日)....えっ、『横松和平』の名作化?】
 【その日のお客さん・・8〜9割超満員】
 前日とはうって変わって8〜9割の入り、私の2本前の南喬さんが降りてきて「今日は新作のお客さんだね」「えっ、そうですか?」まあ、今回は珍しく新作が多い。でもそうかなあ。
【ネタの選択】....心と感動の落語『横松和平』
 土日のどちらかで『横松和平』をやろうと思っていた。少しケイコして本番に挑んだ。この芝居は新宿と池袋の2軒。2席やって。うちに帰って夜、犬と一緒に走ってるとなんか疲れる。なにも犬と走ることはないだろ?そうなんだけどでもわざわざ走るのは面倒だから犬と走れば犬の散歩も兼ねるからね。まあそれはともかく割りと外さない『横松和平』と決めた。
  しかしこの『横松・・』最近、感情移入が上手く行かない時がある。とにかく真剣にやらないと・・。

【画像:5日目の『東京足立伝説』の大爆笑で・・静まるのを待ってるとこ。マジ?ウソだよ〜〜ん!】
 【実際やって見て・・これは、『横松』の名作化の始まりなのか?いやだな】

 マクラを振って心と感動の落語『横松和平』をやりますと言ったら一部でどよめきが起こった。「えっ、あの『横松』が聞けるの?やった〜あ!」みたいな。なんjか『横松和平』の名作化が始まったような感じがした。この日のお客さんの3割以上が既に聞いている感じだった。
 ネタに入る。いつもの『横松』より笑いが少ない。・・そうか、やはり3〜4割はこの噺を既に聞いてるんだ。ジッと聞いてる感じだ。ラストの感じでは結構満足しているようだった。演者としては、一部納得いかない部分があったが・・ホントはどうだったのか?よく芸人の方が「今日は良い出来だった」でお客さん「なんか大したことなかったね」なんてあるのでこれは分らない。帰りにお客さんと一緒になったら男性のお客さん「いいものを聞かしてもらいました」なんて言ってた。

 【終わってからの感想】
 次回はギャグ部分をもう少し変え、導入部をビシッして更に良くして挑みたい・・とは思ってるけどね



【円丈6月8
日(日曜日)....「ランボー怒りの脱出」をやる!】
 【この日のお客さん・・ほぼ満員状態】

 結構入ってる。なんか円丈を聞きに来たお客さんもソコソコいそう。

 【ネタの選択】....「遥かなるたぬきうどん」したかったけど・・

 ホントは久しぶりにマッターホルンの頂上でうどんを食う「遥かなるたぬきうどん」を少し変更してやりたかったけどなんか時間がなくて断念。そこで安全パイの「ランボー怒りの脱出」をやろうと決意。
 【実際やって見て・・どうも集中力に欠ける高座だ・・】
 この「ランボー・・」もお客さんの3分の1ぐらいは聞いてる感じだった。いつもより受け方がやや弱い。それよりmどうもマクラも使えるし、もっさりするし、あまり良い出来ではない。お客さんはそれなりに満足しているようだったけど、納得いかない。いやあ、勉強が足りんね!
 【終わってからの感想】
 いやあ、なんか少し疲れたなあ。明日は5時おきで脇の仕事!

 

【これからも頑張るぞ〜〜〜〜ッ!!!】


 
 10日間感想

 
 トリを取ると自分の今の状況が良く分るね。どの程度、ネタが使えるのか、新作が難しいのは、新作の会でやって受けて、寄席でやるとスコーンと外れると言うのはしばしばある。でもトリを取るといろんなネタが出来、チェックが出来る。
  10年ぶりにやった「東京23区」や「足立伝説」がそこそこイケル感触を得た。次回8月の国立のトリも頑張りま〜〜す!

池袋編終り
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