最終更新日06/10/28
 円丈の自前でロードショー



 ここ1・2年、映画を見ている。また最近、東京の映画館は60才以上シニア割引ってあって、なんか結構年寄りも増えてきた。その反対に若い人は半年まってDVDを借りて見ると言うのも広がって、ロードショーはなんだか年寄りが多くなったね。
 そういう自分自身が61才!ジンサン化してしまった。しかしやっぱもう少し若い人に映画館に足を運んで欲しいね。最近は、高校生3人で行くと千円にある割引も出来たしね。このコーナーはあくまで円丈が、自前で金を払ってロードショーを見て果たして1800円の価値があるのかどうかを診断するもの。
  1800円払った映画と、レンタルで借りてきたものとウチのテレビでタダで見る映画は、例え同じ映画でも評価は違がって来て当然なのだ。だから映画館までわざわざ出かけて1800円払ってロード・ショーを観るんだから評価はとてもスンゴイ辛いのだ。
 円 丈
  【メニュー】
◎14.また外れた「ブラック・ダリア」
◎13.見なきゃ良かった「ゲド戦記」
◎12.「THE有頂天ホテル」・・200万人突破らしい

◎11.「私の中の頭の中の消しゴム」
◎10.もっと泣きたかった「シンデレラマン」
◎9.予想通りの「STAR WARSエピソード3」
◎8.平凡な出来「ナショナル・トレジャー」
◎7.今まで見た中で最高!!!「オペラ座の怪人」
◎6.「ネバー・ランド」で泣いたあと・ベタベタ過ぎだよ
◎5・「僕の彼女を紹介します」って言われてもなあ
◎4・ M・ナイト・シャラマン監督の「ヴィレッジ」を見る

◎3・怪物退治の「ヴァン・ヘルシング」を見る
◎2・「スパイダーマン2」悩むヒーローを観る
◎1・韓国ホラー『箪笥』分からなくて恐かった


(14)てっきりミステリー・ホラー映画と思って・・また外れた「ブラック・ダリア」
       
ブライアン・デ・パルマ監督作品・ジェイムス・エルロイ原




見た映画
 『ブラック・ダリア
日比谷スカラ座:全国 10月14日(土)全国封切り
『ブラック・ダリア』:ブライアン・デ・パルマ監督作品・ジェイムス・エルロイ原作
【世界一有名な死体、どうも雰囲気に騙されたね】
 これは、タイトルと宣伝文句に、グラッと来たね。
「ロスアンゼルスの空き地でひとつの死体が発見された。腰はからあ切断されて、若い女の死体が発見された。被害者は女優志願の女、世界一有名になった死体をこう読んだ
  ・・ ・・『ブラック・ダリア』
 この宣伝文句を見ると、なんか見たくなるね。しかい死体は半分に切断、血抜かれ、内臓も切り取られていたんだ。なんか殺人ホラーっぽい。しかも「全てを知る勇気があるのか?1947年史上最悪の殺人事件が起こった」だもん。
 その上、題名が「ブラック・ダリア」!みたいね。ブラックだもん。なんか、想像が拡がるんだよ。・・・・と期待して見て損した。
【入った映画館】
      ・・日比谷スカラ座
 これも正確日にちは忘れた。封切りして2.3日目だとおもった。平日昼で100人ほどかな。
【払った金額・・1000円】  ここもシニア割引で入る。

【楽しめなかった最大の原因は円丈の勘違いだったかもしれない】
 この「ブラック・ダリア」は、サスペンス・ホラーだとばかり思い込んでいたんだね。しかし正直、ホラーじゃなかった。完全な推理映画だね。考えて見れば今アメリカ映画で死体を切断しる描写とかは、ご法度だから、正直、ホラーには出来ないんだろうね。ストーリーは、元ボクサーの刑事2人が、事件を担当するが、もう一人の相棒が、実は事件に深く関わっていた。
  ・・・と言う映画だけど、正直、こんなストーリーだとは思ってもいなかった。しかも実際おこった事件をHPで見ると「ブラック・ダリア」と言う女性は、死体解剖の結果、性器が、未発達で性交が出来なかった。それで怒った客が殺したんだろうと言う。もっと暗い深い部分が、この事件にはあった筈なのに・そう言う部分は語られていない。
  もっとも人間の暗くて、怖い部分が出てくるホラー映画だと期待して入ったから・外れだね!まあ、早い話、円丈の早とちりとも言える。この映画は、実際起こった事件を小説化したものの映画化だから、少し事実とは違っている
 

 【歳をとると複雑なミステリーについて行けないね。個人的には大はずれ!】
 しかし、最初はボクシングのシーンで始まってなかなか「ブラック・ダリア」まで行かない。刑事2人の話が30分ほど続く、正直、うんざり、おれは「ブラック・ダリア」を見たいのに!それでドンドン謎が深まっていくけど、なんか途中から頭がこんがらがってくる。犯人の謎解きみたいになるけど、正直、もっと「ブラック・ダリア」の事件の底にあるくらい本質部分を抉って欲しかった。狙いが外れてガックリ!これじゃごく普通のミステリーでよかったんじゃないのかね。
  正直、私にはミステリーとしても映画を見てもハマらなかった。これで「ゲド戦戦記」に続いて外れ、2連発!




(13)伝説的不評のアニメ「ゲド戦記」
       監督・宮崎五朗 :スタジオジブリ製作   




見た映画
 『ゲド戦記
全国東宝洋画系:日比谷日劇 PLEX:06年01月14日封切り
アニメ:監督・宮崎五朗:原作アーシュラ・K・ルーグウイン
制作スタジオジブリ: 配給:東宝
【正直、見たのは魔がさしたんだね】
 「となりのトトロ」のあの宮崎八尾駿監督の息子さんの五朗くんの初監督アニメ!それほど多くを期待したわけじゃないけど、なのになのにすんごいガッカリした映画だった。
  それでこの映画の話をいろんな人に聞くと例外なく評判が悪いんだ。そんなに悪かったの。知らなかった。それでネットで見たら、試写会の時にブーイングの嵐が起こったと書いてあった。いや、それを知らずに見てしまった。うん、こんなにつまらないアニメも珍しいから、逆にうんがよかったのかもしれない。
【入った映画館】
      ・・有楽町・日劇1
 10月某日、正確な日にちは格忘れた、有楽町・日劇1へ。もう予告編が終わる時間で上映まであと5分、滑り込みセーフ!これが運の尽きだったね。千人ぐらいの客席に20人ほど・・。おやおや、大丈夫かな。
【払った金額・・1000円】  ついにシニア割引で入る。切符売り場で健康保険証を見せたら、売り場の子が、「次回からはお見せにならなくても結構です」と言われて、もうどッから見ても60過ぎのじいさんに見えたんだね。いや、正直ガックリ!

【一体、ホントの原作はどんなストーリーだったの?なにが言いたかったの?わからん】
 「ゲド戦記」はファンタジー小説の名作で「指輪物語」と並ぶ米国女性作家アーシュラ・K・ルーグウインの書いた名作とされている。「指輪物語」は、頑張って全部読破したけど、この「ゲド戦記」は、名前ぐらいしか知らなかった。そのアニメ化だね。
  それで映画を見たけど、さっぱり分からない!なにか言いたいのか?何を描こうとしたのか?小説のどの部分をもっってきたのか?サッパリ分からない。しかもみずみずしい感性とか・・のかけらも感じられない。う〜〜ん、正直ほめようがない。

【暗く深刻ぶってるけど、なにが深刻なのか、さっぱりわからない!】
 ファンタジーの世界そのものが、ある架空の世界なんだけど、なんか深刻ぶって暗い。画面が暗い。登場人物が暗い。声優の声が暗い。まいったね。とにかく見ていてつまらないんだ。
(つまらない1)
大賢者ハイタカがゲドと言う主人公なんだろう。彼は、世界一の大賢者なんだけど、コイツは、肝心な時は、いつもいなかったり、最後の悪いクモと言う魔法使いとアレンが戦う時は、鎖に繋がれてて、タダ見てるだけ!どこが世界一の大賢者なんだよ。意味が分かんないよな。
(つまらない2)
  ホントの主人公はアニメを見る限り、アレンと言う王子。これが暗い。なにしろ、自分の父を理由もなく殺して国を出て、ハイタカと巡り合って冒険をする。この父殺しって、エディプス・コンプレックスとか言うもっとも古典的な重いテーマだろ?ところでそう言う部分は全く描かれていないから、今時の簡単に親を殺す少年みたいなんだ。ただ暗いだけの少年なんだ。
(つまらない3)
  このアレンの持ってる剣は、魔法の込められた特別な剣なんだけど、その説明がなんにもない。どう言う剣なのか?サッパリ分からない。でも大事な剣でこれで最後、魔法使いクモを倒すんだけど、そのバックボーンがなにも語られない。訳わかんないよ。
(つまらない4)
  アレンの恋人役になるテルーって少女、顔にアザがあって、スンゴク暗い。少年が父親殺しで暗くて、少女が暗くて、しかも大賢者ハイタカも勿論暗くて、敵役の女魔法使いクモが、更に輪をかけて暗い。全部暗いんだ。トトロなんて陽気じゃん!アニメでこれだけ暗くて、しかも内容がない、なにも伝わって来ない。最後までみるのがつらい!

  【映画監督の世襲制は反対です】
 しかし、宮崎駿監督の才能のDNAをこの人は見事受け継いでいないね。どっかにみずみずしい感性みたいなものを探したけど、見事になかった。考えると映画監督で2代続いたなんて聞かないもんね。早い話、二代目黒澤明監督襲名なんて息子さんがやったら、どうだろう?やっぱ、無理だろうね。世襲制は歌舞伎と精々落語の一部にしておいて欲しいね。落語の世界だって、基本的には世襲制でない方が良い。もちろん、ジュニアが、それにふさわしいモノがあれば別だが、基本的には実力社会にしないと、落語は発展しない。とにかく映画監督だけは世襲制はやめて欲しいなあ。

  【怖いもの見たさならお勧め】
  この映画、とにかくこんな暗いアニメはみたことない。しかも監督の気持ちがなにも伝わって来ない。世界が全然描き切れていないし、描いてある世界の絵としての世界も平凡だ。でデモくらいまあ、怖いもの見たさとか、世界で一番暗いアニメを見るつもりなら、いいだろうねえ。でもやっぱ、アニメって楽しくないとなあ。



(12)一応、合格!コメデイの点数は辛いよ「THE有頂天ホテル」
       監督・脚本三谷幸喜
            ・・・・・・06年01月14日封切り・・200万人突破、超大ヒット中・・らしいね




見た映画
 『THE有頂天ホテル
全国東宝洋画系06年01月14日封切り:上映時間約2時間16分
主演 役所広司:監督・脚本三谷幸喜
制作プロダクション:クロスメディア  配給:東宝

【「最悪の大晦日は、最高の奇跡の始まりだった・・」てな宣伝文句だね】
  大晦日、年をまたいだ2時間のリアルタイムのドラマ。 なかなか誠実な副支配人・新堂平吉(役所広司)を中心にホテルアバンティで働く沢山の従業員達。
  議員の元愛人で客室係・竹本ハナ(松たか子)、崖っぷち汚職議員武藤田勝利(佐藤浩市)、神出鬼没のコールガール・ヨーコに篠原涼子など・・あらすじだらけであらすじがないとも言えるほど、盛りだくさん!
【見ようと思った動機】
  「男たちのヤマト」を見ようかなと思ったら、親しい人から「有頂天」見たって聞かれて?

 日本映画って、正直、あまり見る気がしない。なんだか感情過多で独りよがりで、金払ってみる気がしないんだ。でも最近、韓国の映画見出してから、逆に日本映画に対してもあまり抵抗感がなくなった。
  今回はある人に言われて「男たちのヤマト」(東映)を見ようかなと思ってたら、親しい人から「THE有頂天ホテル」は見たって言われて・・それで・・それで有楽町に出掛けたら、たまたま上演時間がピッタリ!そんでこの「THE有頂天ホテル」に入った。

【入った映画館】
なんか結構入っていたね
      ・・有楽町・日劇1
 1月30日、有楽町・日劇1へ。切符売り場で結構行列してたね。三館のチケットを売っていたけど・・殆どがこの日劇1へ入ったね。平日の昼にしては結構入っていた。 有楽町・日劇1
【払った金額・・1800円】  今都内の劇場は、60才以上シニア割引をやってる。この日もジイサン、バアサンが結構いたね。あっ、オレも61才でそうなんだ。
  今回こそシニア割引で千円で入ろうと思ったらなんと年を証明する保険証を忘れてしまった。そこでやっぱ今まで通り1800円払ってしまった。悔しいねえ。次は必ず千円で入ろうと固く誓ったのであった!

【「人生は、愛と勇気と素敵な偶然でできている」って偶然が多過ぎだよ』】
 1932年のアメリカ映画『グランド・ホテル』。限られた時間と場所に様々な人々を登場させるのを“グランド・ホテル形式”とすら言うようだ。しかしこのタイプの映画。“愛と勇気と素敵な偶然”で出来てるっていうけど、たまたまが多すぎだよ。
 たまたまこのホテルでこれから行われるある授賞式の受賞者の妻が、福支配人(主人公)の元女房だったり、たまたまここに泊まってる汚職議員の愛人が、このホテルの客室係だったり、それでこの客室係が、たまたま掃除に入った室が、大会社の会長の愛人の室で、そこにたまたま入って来た息子にその愛人と間違われて〜っ、でみん〜な、たまたま!こんなのばっかだよ。登場人物がみんなどっかで繋がってる。みんな知り合いばっかり。そりゃ日本人全部で200人しかいないとこんなたまたまドラマになるだろうけどね。なにせでも1億3千万人いるからね。
 
【たまたまストリーは許すとしても・・白塗りで逃げ回るのはうそっぽ過ぎ!!】
 この映画は、シナリオ上、やや無理があることも多いやね。例えば総支配人が、好奇心で白塗りにして、それを客に驚かれて逃げ回る。ウソっぽいよ。今時、白塗りしたって誰も驚かないよ。原始人の格好で歩いても驚かない時代なんだからね。第一逃げ回らないで、ホテルのトイレで顔洗えばそれで終わりじゃん。でもズ〜ッと逃げ回るんだ。んなアホな。
  もし円丈がこのシナリオをアレンジすれば、白塗りした上にたまたま工事を急いでるペンキ屋が、通りかかって、たまたまこけて、この支配人の顔にペンキをかけて、そこにたまたまサービス用に出ていたポップコーンの上に倒れて、顔中ポップコーンだらけになって、更にそれを取ろうしたら、間違えて超強力な接着剤を塗ってしまい、その接着剤の上に、たまたま通りかかった電気工事のおじさんがひっくり返って、顔に金属のボルト、ナット、スプリングがくっ付いて、それを見て客が、大騒ぎするので逃げ回るとかにするね。
  それと客室係の一人が、ズ〜ッと貰ったギターを肩にかけたまま働くなんてウソッぽ過ぎ。一流ホテルでそんな客室係りはいねえだろ。もしいたらそんな客室係りは首にしろ!と言いたい。映画はフィクションだからウソでいいのさ。でもそのウソは、客が、納得出来るウソに仕上げて欲しい。この辺は少し雑すぎる。

【最初、少し違和感があったけど・・だんだん馴染んできて・・まあ、まあだね】  
 この手の登場人物の多い人間模様みたいな映画は、最初にこの映画の登場人物が、一巡するまではどうも落ち着かない。この映画もそうだね。でもこの映画のアラを探せばきりがない。だけど
お客さんは喜んで笑っていたし、目指すところが気軽に楽しめるエインターテイメントで、現にお客さんが、笑ってるし、客は入ってる。だから成功なんじゃないかね。

【 コメデイは難し〜〜〜い!・・それにしていいんじゃない】

 こ昔からコメディは、結構見てきたけど、正直、ホントにおもしろいコメデイ映画って少ない。文句なく笑えたのは、昔みた「ブルース・ブラザーズ」ぐらいなもんだろうね。そう考えると結構この映画は、いいんじゃないのかね。


【画像:平日にしては入ってた!年寄りが多かったけど・・・・あっオレもお年寄りだ】

【しかしこのグランドホテル形式って、おもしろいの?】  
 このある場所を舞台に繰り広げれる人間模様をグランド・ホテル形式と言うらしいけど・・。この形式って面白いのかね?早い話が、ヨーイドンでいろんな人間ドラマがスタートして・・。ラストでそれぞれのドラマが、一斉にエンデイングを迎える訳だ。
  これを落語に置きかけてみるといろんな落語を一斉にスタートさせて、ラストで全てサゲを迎える!これっておもしろいの?この「有頂天ホテル」の場合は、最後みんなそれぞれの形でハッピ-、ハッピーで終わってるけどね。みんな全部がハッピーでなくてもよかったんじゃないの?「なんでオレだけアンハッピーで終わるんだ?」みたいなのが、あっても・・また、なかにはあの人間が、一体、それからどうしたんだろうみたいな奴がいてよかったような気がする。登場人物平等主義みたいなとこがあって、完全にある結末を付けてるけど、それが印象を薄くしてるね。もう少し省略すべきは省略し、もう少し強調するとこは強調しても良かったような気がする。だからラストの印象があまりなく、ややボケてしまう。ラストでもう少し感動させるなり、このストーリーの象徴的シーンでラストにしたかったね。
 
  【でも大したもんだわ】
  でも円丈は「新作落語を作ることはパズルだ」と言って来てる。そう言う意味では2時間16分の完全なパズルを完成させたんだから、ヤッパすごいとも言える。監督・脚本三谷幸喜さんは、日大の芸術学部卒!実は大昔、私は明治と日大のそれぞれの芸術学部に2つに願書を送ったけど、明治が受かったので、日大の方は受験自体をやめてしまった。日大に入っていた方が、よかったかね。弟子の白鳥も後輩になるしね。「三谷くんはオレの後輩だよ」なんて大きな顔出来たかも知れないね。でもどちらにして明治大学は2年間で2週間しか大学にいかなかったからね。これじゃ、どこに行っても同じようなもんかもしれないね。




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