亜郎出演のミュージカル『レ・ミゼラブル』一門総見記 |
2003年夏、弟子の亜郎が、東宝ミュージカルの『レ・ミゼラブル』に出演。カミサンと娘が行って「とっても良かった!」と感心しきり、ホント、マジ?そこで9月に一門にで総見することになった。果たしてホントに翻訳ミュージカルはおもしろいのか?客はホントに入っているのか?亜郎は、どの程度の役なのか?この目でシッカリと確かめることにした。これはその総見記だよ。 三遊亭 円 丈
グエッ、もう毎日満員! |
入り口で記念撮影。アッ、指の向きを違えた。えっ、白々しい?そうだね。この日も75%が女性。 【帝国劇場入り口にて、撮影かぬうだから彼は映っていない】 |
そもそもミュージカル『レ・ミゼラブル』とは? |
・・なかなか良い位置の亜郎 |
楽屋の出演者札が4段に並び、その中で亜郎は最上段の一番中央にあるのが、あろうの札!スゴイね。「じゃ、亜郎が主役じゃない!」と思ったら、大間違い。この札の順版。まず最初に一番左、次が一番右、ニ番目左、ニ番目右となって最後に中央になるので。最上段では一番ランクが下!なんだそうかよ。しかしいずれにしろ。なかなかの厚遇され、コレを見ただけでも良い役みたいだねえ。よかった。よかった。 【実際の亜郎の役は?】 亜郎の役は飲み屋の親父で森公久子さんと夫婦役。調子の良い男でゴマスリしながら、客の金を抜き取る憎めない悪役。この重苦しいミュージカルの中で唯一、笑いを取れるスンゴイ儲け役で亜郎も結構、調子の良いトコもあるのでハマリ役かも知れない。見事に目立っていた。しかもカミサン役の森公美子氏より、はるかにセリフも多い。これで亜郎はキャリア・アップ出来たと思うね。 【少し読みにくいが、最上段の札がやや曲がったのが三遊亭亜郎】 |
このミュージカルのここがどうも・・・・ね! |
でもここが凄かった『レ・ミゼラブル』!! |
【緞帳を一度も見なかった芝居】
この『レ・ミゼラブル』では緞帳は一度も見ることがない。開場して場内に入るとやや透けて見える紗のカーテンに『レ・ミゼラブル』のタイトルが映し出される。休憩の時もこれ!とうとう最後まで緞帳は見なかった。
【セットが殆どない舞台】
なんとなくイメージとしては19世紀のフランスが舞台だから石の建物や、レンガ造りの家のセットを考えていたが、舞台にはそう言うかっきりしたセットは出てこない。瓦礫とか、貧民窟のシーンは、それ風のオブジェが出てくるだけ。
【光と影が使い方が絶妙!】
とにかく光に影のミュージカル。もう照明の使い方は絶妙だ。浮世絵的な平面感覚を持つ日本人にはあれは無理だね。ベット人で寝てる人とそばにいる人間。この2人にボヤアとした照明で重く暗いシーン。そこにピンスポが当るとライトに白いシャツがハレーションを起こし、その暗いシーンが,突然、希望に満ちたシーンに変わってしまう。いやあ、スゴイ!この光の使い方は驚きだね。
【スモーク名人がいるね】
芝居でスモークを使うことは良くあるけど、大体、薄い霧を出すぐらいけど、ここのスモークの使い方で驚くのは、止ったスモーク!ボワンと雲のような形の止ったスモークが出現する。一体、どうやってあの雲のように止ったスモークを作れるんだ。その雲のようなスモークが、だんだん形が崩れ、上に上がって舞台の上に届く頃、次のシーンになる。計算しつくされてる。あれはスモークのジョージとか、言われるスモーク名人がやってるね。
【後半は息も尽かせぬ展開】 【左から天どん、らん丈、円丈、白鳥、上亜郎。撮影:かぬう】 |
最近直輸入物の翻訳劇が増えてるけど・・チャンと訳があるんだ |
ここ15年、日本の劇場でヒットするの芝居は、直輸入物ばかりって言うのは納得できるね。台本も照明も演出もシッカリしてるんだから。そりゃあ、考えるとヒットする訳だ。そう言えば私も読む本は殆ど、翻訳本ばっかりで、見る映画も洋画専門だもんね。「座頭市」を見ようかとも思うけど。なんか見る勇気が湧いて来ない。でも見るか?(円丈)