どもども!今回は円丈の大入り袋!大入り袋を貰いつづけて37年!その中からいくつか大入り袋を見て貰おうと言う訳だ。そう、これが円丈大入り袋ワ−ルドだ!
 三 遊 亭 円 丈

 


 大入り袋の常識!

◎中身は安い!10円〜500円まで!
初めて大入り袋を貰った時、なんか得したようなうれしい気持になり、中身を見て
「えっ、ヒャ、百円!!」
なんてガッカリする。100%縁起物!これでなにかを買おうとかそう言うものではない。最近はさすがに10円はなくなったが、百円か主流でたまに500円と言うところだ。これが大入り袋の実態なのだ。

◎縁起物だから使わない。
大体縁起物は、使うものではなく、飾っておくもの。だから大入り袋も神棚があればそこに供える。私の場合は神棚がないので仏壇にズ〜〜〜と溜めてある。ただ10年も経つとかなり数が増えるのでたまに整理する。それまでは使わない。大体、この大入り袋の百円を使わないと暮らせないようではもう終りだね。

◎結構古いものがある。
そう言うわけだから結構古いものもある。今あるのでは30年前ぐらいのが一番古い。今回はそんな中からいくつかを紹介しよう。


 これが大入り袋だ!!


(1)ぬう生当時昭和40年代の大入り袋。
【一番古い大入り袋!昭和40年代】

 まだ円丈になる前。ぬう生と言っていた当時で昭和44年に二ツ目になったが、そのすぐあとあたり。昭和44〜5年だと思う。
師匠の円生が、名古屋の名鉄ホ−ルで『花ごよみ縁切り寺』の芝居に山田五十鈴さんの亭主役で円生が出演し、わたしはその付き人として行ってもらった。

師匠はホテルに泊まり、私は実家から通ってホテル代を浮かした。腸の具合が悪かった師匠に毎日、お袋がゲンノショウコを煎じてポットに入れ、楽屋に持って行った。もう30年も前の話。袋もすっかり茶色になったしまった。実物はもっとうんと汚い。

袋の中身は百円!


(2)正蔵(彦六)師匠宅で貰った正月大入り袋。
【正蔵師匠正月大入袋昭和50年頃】
 とんがりやで知られる彦六師匠で貰った大入り袋。当時、正月は協会幹部の師匠連に年始のあいさつ回りをしてたが、玄関に手拭を置いて出てきてた。
 ところが長屋住まいしてた正蔵師匠宅は二ツ目でも上げてくれ、林家名物の牛めしと酒をふるまってくれた。その上手拭とこの大入り袋をくれた。おかみさんが何日もかけて煮込んだ牛メシ!みんなうまいと評判だった。(でも少し甘かった)中身は300円!

【林家彦六(1895〜1982)】
 怪談噺、人情噺を得意とする。木久蔵の師匠、また現小朝の大師匠に当たる。明治45年三遊亭福三に弟子入り、福よしとなる。二ツ目で橘家二三蔵。真打三遊亭円楽で真打となる。昭和3年蝶花楼馬楽、昭和25年林家正蔵となるが、正蔵と言う名前昭和56年林家彦六を名乗る。
  


(3)円生を偲ぶ会で歌舞伎座の大入り袋。
【円生を偲ぶ会大入り袋..?】

 あまり思い出したい会ではないので何時だったのか?覚えていない。協会が、分裂してしてなんだかんだあった。

 円楽さんは、弟子を連れて別派を作り、そのあと東陽町に若竹と言う寄席を作った。一方、円窓さん始め、我々は落語協会に戻った。

 その分かれた兄弟弟子が集まって歌舞伎座で円生を偲ぶ会をやった。正直思い出したない事件だった。この分裂の騒動を円丈の『ご乱心』は書いてベストセラ−になった。
 あの本を書くことによって心のトラウマは解放された。金が儲かって病気も治った。一石二鳥だったのかも知れない。


(4)応用落語会でルピリエで貰った大入り袋。
【応用落語会の大入り袋..93年】
 池袋のルピリエで92年から応用落語を主宰した。これは、93年の応用落語祭の時大入り袋。一応円丈が、デフェンディング。チャンピオンと言うことして。この落語祭で新作のNO.1を決めた。
 そして私がかろうじてチャンピオン防衛に成功した。しかし翌年のチャンピオン戦では大阪の桂あやめさんに王座を奪われ、大阪にチャンピオンベルトを持っていかれてしまい。 しかもその後、このチャンピオン戦は開かれないので今もあやめさんが、王座持したまま。あの胃下垂ベルトで作ったベルトが、東京に帰って来る機会は永遠にない!残念。[中身百円!]


(5)らん丈を守り立てる会の大入り袋。
【らん丈を守り立てる会1993年5月..93年】

 円丈一門で総領弟子のらん丈を守り立てるためよく一門会を開いた。なかなかおもしろいいい味のあるらん丈だが、どうも肝心なときにコケる気の弱さがある。

 その時のものかどうか実は良く覚えてないが、...まあ、とにかく真打間際の会。

 果たしてらん丈を守り立てることが出来たのかどうか...それも良く覚えてない。とにかくその時の大入り袋
  [中身百円]


(6)毎年正月でる浅草演芸ホ−ルの元旦の大入り袋。
【正月元日浅草演芸ホ−ル大入り袋..95年】

 毎年、元旦に浅草では大入り袋を出す。中身は500円。10年ぐらいまでは、ピン札の500円が入っていたが、500円玉が普通になってきてこの袋の中身も玉になった。

 とにかく正月は浅草演芸ホ−ルが一番入るのではないだろうか。

 それからこれも10年ぐらい前から。元旦より、2日3日あたりの方が、客の入りが良くなったが、やはり縁起物で今も元旦にこの大入り袋が配られる。[中身500円]

以上、もっと大入り袋ならあるが、ただ数を見せてもしかたがない。と言うコトで今回はこれまで!!!

 

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