「【袴をはかせる時に上がってしまう玉々丈くん・しっかりしろ!】
今一番下の玉々丈で悩んでる。先日、玉々丈が、私に袴を付ける時、補助をした。袴の場合、着物を着せるより難しい。
1.袴の紐を師匠連中が結ぶ時、着物の袖を持つ
2.帯の上にグッと袴の後ろを乗せて、後ろから紐を前に出して師匠に渡す。
これが全然出来ない!まあ、最初は結構難しい。でも3ヶ月も経ったら、出来る筈だが、全く上手くできない。本人に聞いた。
「もう袴の着せ方を教わって、何度もやってるたろ?」
「そうです」
「じゃなんで、上手く出来ないんだ?」
「ハイ、どうも袴に苦手意識があって上手くできないんです」
なんだ、こいつは?袴の着せ方に苦手意識?袴着せ方トラウマになってる。この玉々丈、パニック症候群に近いんだ。実はその兄弟子たん丈もややパニック症候群なんだ。だから最近はたん丈が、パニックなると!
「落ち着け!落ち着くんだ。ここでお前がしくじると刑務所に入って前科がつくのか?死刑になるのか?怒られるだけだろ?まず落ち着け!」すると彼は我に帰って平常心を取り戻す。もう円丈は、直ぐパニックになる弟子を二人も獲ってしまった。オレがパニックになりたいよ。もう。でも円丈はメチャ弟子に怒ってる時も高座も地震も・・とにかくパニックにならないなあ。
とにかく玉々丈は状況判断が苦手な男なんだ。主観が強すぎて客観しできない。一人で全てを演ずる噺家は、いつも冷静に自分を見てる自分が必要なんだ。そして今、私は何をしなければいけないのかと言う必要最小限の状況判断は必須条件。これが出来ないと噺家としてはモノにならない。しかもネタを作る新作派には、作家の目と演者の目が必要。ところが玉々丈にはこれがない!
【そこで玉々丈に反省文を書かせたら・・アア、情けない】
そこで玉々丈があんまりアホみたいなしくじりをするので
「お前はまず自分を見つめろ、それが足りないんだ。自分を見つめるってことは自分を客観視するってことだ!物事を客観視するのには、自分を見つめるのが一番だ。反省文を書け」
って反省文を書かせた。すると私が出てる寄席にまるで勝ち誇ったような顔をして「師匠、反省文を書いてきました」と手渡した。
そしてその最初の書き出しが、「少し最近のオレを反省してみた・・」てな書き出しし!なんじゃ、こりゃ、弟子が師匠に出す反省文が、「オレ?」かい?仮に「オレ」でもいいけどそれならまず「いつも師匠にご迷惑をお掛けして申し訳ありません。少し日記風に反省文を書いてみました」とか、なんか付けろよ。まったくもう・・。自分の置かれた状況判断が全くできない。
しかも反省文を手渡した顔には「いや、実に良く鋭く感覚の反省文で・・オレって才能あるな」みたいな顔をしてるんだ。参ったよ。その反省文の中身は、まあ、精々中学一年生程度の反省文だね。それを主観だけで書いてるるから「いや、オレって天才じゃないのかな」なんてとんでもない勘違いをしてしまうんだよ。わ〜っ。師匠もオレがパニックになりてえ〜〜え。 |