円丈おなじみトリ.シリ−ズその4
〜演者と客の間には見えない大きな壁がある〜

円丈トリ日記2004年度版
スッカリおなじみなった円丈トリ日記・ 一体、芸人は何を考えて高座に上がるのか?その日にやるネタとその日の客の反応を初公開。2004年3月下席(21〜30日)まで浅草演芸ホールでトリ!これはその10日間の記録。 芸人に取って客はまるでモンスタ−!

 その日により、時間により、その姿を変える。敵にもなれば味方にもなる。乞う、ご期待!

     三遊亭 円 丈
【円丈羽織を着て出番を待つ円丈:浅草演芸ホールにて】
     

 【メニュ−】
   ◎浅草演芸ホール11月下席・夜(2004/11/21〜30)
   ◎浅草演芸ホール3月下席・昼(2004/03/21〜30)
  

 果たして今年はあと、トリを取れるのかなあ・・。        
 どれを?

 


【簡略版トリ日記】

浅草演芸ホール11月下席10日(2004/11/21〜30)
     【24日、28日が円丈休み、29日は昼席に変更・・どうもスンマセン!】

 浅草で半年ぶりにトリ。今月はネタ下ろしが2席。9日のプークで一席と落語協会の台本募集の作品を29日に下谷神社でやる。そのネタのアレンジの最中。正直、トリの時はトリの集中したいけど、それが出来ない。トリ日記も簡略バージョンになってしまう。それが残念だね。
  でも最近、ネタ下ろしした「北朝鮮薮入り」と9日にやってワリと受けた「夢一夜(ゆめひとよ)」をトリでやったみたい。今回は時たま高座でマウスをネタに使うが、今までは汚い古いマウスを知り合いの山岸さんから貰った還暦用赤いマウスに変更するのだ。とにかく頑張りマ〜〜ス。


 
【高座用マウスを右の古いマウスから、左の還暦の赤いマウスUSB1.0にアップしたぞ!!だからなんなんだ?いや別に・・】


 

  【11月21日初日(日曜日)・・「イタチの留吉 」】
 【その日のお客さん】
 いつもの浅草のお客さんとしては若い方で賑やか陽気なお客さん。
 【実際やって見てネタの選択】.....『イタチの留吉 』
 トリで上がった時の拍手は、なんかすごかったね。結構客席全体が待ってたと言う感じがした。それとも単にお世辞のいいお客さんだったのか。そんなことないね。
  「イタチの留吉」をやる。まあまあ、ではあったけど。う〜〜ん、終った瞬間立ったお客さんが結構いた。てえことは、どうもいまひとつ足りなかったのかな・・。少し反省。
 【終わってからの感想・・もう少し歯ごたえのあるネタの方が良かったのかな?】
 正直、この日のお客さんだともう少し歯ごたえのあるネタの方がよかった。いやいや、今29日のネタのアレンジの最中で・・どうも・・いやいや、言い訳はダメ。とにかく別なネタの方がベターだったね。明日から頑張ろう。


【11月22日初日(日曜日)・・ごめん!昼席と交代「金さん銀さん 」・・トリじゃなく・・】
 【その日のお客さん】
 この日は、お年寄りがホント多くて2階まで満員。
 【実際やって見てネタの選択】.....『金さん銀さん』
 お年寄りが多い時、良く「金さん銀さん」をやるけど・・。しかしあの金さん銀さんが亡くなって何年になるの?少し気が引ける。しかもこの日のお客さんは、もう少し金さん銀さんを忘れかけてる。ただやっぱこのネタはスゴイね。途中から盛り返した。後半はかなりガンガン受けて・・ヒイニッシュ!これは金さん銀さんにしなくて名古屋の年寄りの噺でも充分受けそうだね。


 【11月23日3日目(火曜日・祝日)・・「悲しみは埼玉に向けて 」】
 【その日のお客さん】
 初日の日曜日と似た陽気なお客さん。客層もやや若目
 【実際やって見てネタの選択】.....『悲しみは埼玉に向けて 』

 ホント、この日、今月ネタ下ろした「夢一夜(ゆめひとよ)」をやろうとケイコをしたが・・この日はHPの更新、新しい弟子の猛稽古、29日のネタ「くもの子」のアレンジ、その上、仕事の打ち合わせなどなど・・?満足にケイコできずにギブ・アップ。そこでまあ、浅草ならの安全パイ「悲しみは埼玉」をやる。勿論、受ける。

 【終わってからの感想・・それより29日にやる、ネタのアレンジが評判が悪いどうしよう】
 この日のネタはよしとして。問題は29日台本募集のネタのアレンジが上手く行かない。心配だ。お弟子さんに読ませたらが、全員、不合格の点数。自分で自分の台本を読んでも不合格。悩むなあ。ホントはトリだから少しケイコしたいけど、出来ない。う〜〜ん、いやあ、悩むなあ。早い話普段からケイコしてりゃあいいんだけどね。やっぱ、普段のケイコ不足だなあ。いやいや、反省。J-POPなんか聴いてる場合じゃないか?
  でも29日のネタが、ちゃんとできるのか。これも心配で心配で・・参るなあ・・。


【11月24日4日目(水曜日)・・お休み、ごめん!】
 【ごめんなさい・・土下座!】 

 【11月25日中目(木曜日)・・打ち上げも楽しかった中日・「ランゴランゴ 」】
 【その日のお客さん】
 月末は割りとお年寄りが増えるが、この日はそうでもないが、ややおきゃくさんが重い感じ
 【実際やって見てネタの選択】.....直ぐ出来る『ランゴランゴ 』

 前日、殆ど徹夜に近い状態で落語協会の新作台本の全面書き直しをして明け方に完成。この芝居にやろうと思ってる「夢一夜」も「北朝鮮薮入り」もまだ良く覚えられない。そこでとにかく、ワリと安全パイの「ランゴランゴ」。噺に入ってややつらい部分もあるが、まあ、それなりに・・。いいんじゃないかな。

 【終わってからの感想・・「くもの子」前面リライト完成】
 書き直した台本「くもの子」が今度は結構、評判がいい。殆ど原作がなくなってしまったが、もう勘弁してもらおう。ドンドンけいこして。少しでもネタを増やしたい。


【おまけ報告:カラオケ館での中日打ち上げ】

【盛り上がったカラオケ館での中日の打ち上げ!】

 最近,J-POPを聴いてる関係でカラオケにも行き始めた。この日の打ち上げは、寄席の近くのカラオケ館。いやあ、盛り上がった。大体打ち上げは、居酒屋で、いない奴の悪口大会が定番だけど・・暗い。それより、みんなでカラオケが明るくていい。それにみんな芸人だね。得意ネタがあるんだよ。

【左から弟子のぬう生、春風亭朝也くん、柳亭こみちくん、お囃子大田その師匠、弟子亜郎、らん丈・・撮影円丈】

【みんな芸人・・こんなん歌ったよ・左から順に】

◎ 三遊亭ぬう生(お弟子さん)
 持ち歌・郷ひろみ・声が実に良く似てる。あと振り付けがあれば完璧だけどそれをしない。芸惜しみはいけない。
◎春風亭朝也クン
 浜崎あゆみ、松浦亜弥の女性歌手をメチャ甲高い声で歌う。笑える。芸人だな〜あ。エライ。
◎柳亭こみちクン
  早稲田卒の才女だが、歌う時は立ってアクションを付けて歌う、ラブ・ソング系。声量もあるし、うまい!
◎大田その師匠
  なんでも芸大の邦楽科卒のお囃子さん。歌は渋く越路吹雪を本格派で唄う。いいねえ。

◎三遊亭亜郎(お弟子さん)
 元々ミュージカルをやってるから歌は上手い。彼は男同士でカラオケに行くと手抜きで演歌を1曲だけ! この日のように女性が混じると途端に松山千春のラブ・ソングを連発で本領発揮!芸人やの〜〜〜う。

◎三遊亭らん丈(お弟子さん)
  それほど歌が得意ではないので「月がとっても青いから・・」とか、何時流行ったか分からない。スキマ狙いで攻める。
◎三遊亭円丈(わたし)
 替え歌を2.3曲、ブルーハーツ「無言電話のブルース」で「無言客席のブルース」など、一番、受けたのがオレンジレンジのラップで「キリキリマイ」、タダ怒鳴ってるだけで合ってない。もうバカ受け。パンクっぽく唄う「泳げ、たいやきクン」も絶賛モノだった。
 2時間があっと言う間に過ぎ、帰り道、みんなウキウキしてた。いやいや、楽しかった。やはり芸人にオンチは少ない、結構唄えるし、それぞれ個性があって楽しいねえ。いやあ、これから円丈の打ち上げは全部カラオケ館でやろう。居酒屋で悪口合戦や、傷のなめ合いはダメ。それより、カラオケで鋭気を養おう。


【11月26日6日目(金曜日
)・・バカ受けの「一ツ家公園ラブ・ストーリー 」】
 【その日のお客さん】
 少しお年寄りが多い、分かり易い噺がいいのではと思い、「名古屋弁金明竹」をと思ったらすでに出てるので「一ツ家公園ラブストーリー」をやる。
 【実際やって見てネタの選択】.....メチャ受けた『一ツ家公園ラブストーリー』

 いやあ、必要以上に受けたね。壷にはまったって感じだけど、正直あんなにうけるとは思わなかったなあ。うれしい反面、逆に恐い気もする。油断はならない。ワナかもしれない。

 【終わってからの感想・・明日は「ドラクエ8」の発売日】
 なんで感想がドラクエ8の発売日なんだ?だってドラクエは1-7まで全て制覇してんだよ。7-8年ぶりに8がでる。やらずに死ねるか!しかし、今トリだし、29日にはネタ下しがあるけど、でも発売と同時にやりて〜〜よ。もう病気になっちゃおかなあ。ドラクエをして〜〜え、でもケイコもして〜〜え。それにJーPOPも聴かなきゃいけないし、その上還暦ゲーマーだからなあ・・・でどうする。悩むなあ。みんなして〜〜〜え!!!!

  ◎この夜、帰ったら小学校から私を聞いてくれてる佐藤くん(大学1年)から、この日の高座を見たと言うメールが入っていて「全編笑えた」と言う内容。これで少しホッとした。いやいや、うれしいねえ。佐藤くん、円丈おじさんは、これから頑張るからよ!応援してね。やるぞ〜〜ッ。



【11月27日7日目(土曜日)・・いや、予想外にウケた「夢一夜(ひとよ) 」】
 【その日のお客さん】
 前半は良く笑うお客さんだったが、中入り後になってややお客さんが静かになってしまったようだ。くたびれたせいだろうか?お客さんは生き物だからズーッと笑いっぱなしと言うことはないんだね。それに若いお客さんが少し帰ってやや年代層が上がったみたいだね。
  今日は、なんとかやっとこさ覚えた。「夢一夜」で玉砕するつもり、毎日受けちゃつまんない。必ず冒険する日を一日、作ることにしてる。今日がその日だ。この噺は末期癌患者が主人公でややブラックな噺なんだ。さあ、シラケの円丈の本領発揮だ。けられるぞ〜っ!

 【実際やって見てネタの選択】....予想外3分の2までバカ受けの『夢一夜 』

 マクラでRPG「ドラクエ8」発売日の話をしたが、なんの反応もなし、演芸ホールのお客さんにゲーマーはいないね。そんなことはともかく末期ガン患者の「夢一夜」!な、なんと客がドッカンドッカンと笑う。ウソだろ?何で笑うの。この噺のテーマが臨終だよ。やってる自分が一番不思議だった。
  中入り後、殆ど余りウケてなかったのに!こんなに受けていいのってぐらい受けたね。ただ羽田空港に行ってからは、やや笑いがハイブローになるんで、後半3分の1がうけなかった。後半もう一度少しアレンジしてやり直せば、これは行けそうだ。とにかく新ネタだけはやってみないと分からないね。うれしい誤算だった。

 【終わってからの感想・・病気の噺って意外と中高年向けなのかもしれない】
 ネタ下しの時、3.40代中心でこの時も結構受けたけど、若い人が受けたギャグはこの日それた。後半は若い人向けのギャグが中心のようで。それが寄席ではそれた。しかし全体から見ればホント良く受けたね。考えると病気とか末期ガンなんてテーマは、中高年には身近でとても笑い易いテーマなのかも知れない。
  後、トリで上がるのは楽日だけになるが、29日に「雲の子」(仮)をやるが、もしこれが受けたら楽日は「雲の子」をやり、もしこれがダメなら「北朝鮮薮入り」をやるつもりだ。とにかく少しレパートリーも増やさないとね。還暦直前で燃えて来た。もう1回ブレークしてやるぞ!

【11月28日8日目(日曜日)・・お休み、ごめん!】
 【すんませんねえ・・土下座!】 




【11月29日9日目(月曜日
)・・ゴメン!昼1時上がりです・・「新寿限無 」】
 【その日のお客さん】
 年齢層がかなり高くて大入り満員
 【実際やって見てネタの選択】.....『新寿限無 』

 いつももよりうけわるし

 【終わってからの感想・・夜のネタが覚えてない】
 夜、協会主催の落語台本大賞のため昼夜変わったが、ネタが全然覚えられない。もうそれだけで頭が一杯。早くどっかでネタを覚えなきゃ!




【11月29日9日目(月曜日
)・・ゴメン!昼1時上がりです・・「新寿限無 」】
 【その日のお客さん】
 年齢層がかなり高くて大入り満員
 【実際やって見てネタの選択】.....『新寿限無 』

 いつももよりうけわるし

 【終わってからの感想・・夜のネタが覚えてない】
 夜、協会主催の落語台本大賞のため昼夜変わったが、ネタが全然覚えられない。もうそれだけで頭が一杯。早くどっかでネタを覚えなきゃ!



【おまけ・・11月29日・協会の台本募集・落語台本大賞
・最悪だった「くもの子 」の出来】
 【台本大賞の日のお客さん】
 急遽場所を探したのでこの下谷神社になった畳み敷き、約100人ほどの入り、この台本大賞は、不思議なことにあまり新作のお客さんは少ない。古典好きが多いみたいだ。あんていしたネタを好む傾向が強い。新ネタの緊張感を楽しむとお客さんではない。円丈とは正反対だね。
 【悲惨、ダメ、完全にダメだった・・『くもの子 』】

 もういやんなった。今月すでに1本ネタを下して、しかも浅草トリの最中にまたここでネタ下し!やっと台本が仕上がったところ。しかもどうも長い新作を手掛けて来てるけど、新作台本のお客さんは殆ど古典派の客だね。
  上がってお客さんとケンカ状態だったね。いかん!よくない。円丈が悪い。
  なにしろ、秋はから円丈んも心の状態がかわった。今の心の中心にいるのは6歳のおっちゃん(円丈の幼少時代)だからね。コントロールが利かない。感情がストレートに出てきてしまう。

  【失敗の原因は?】
(1)ネタがうろ覚えだ。
(2)アレンジしたが登場人物が多すぎて演じきれてない
(3)心の中でおっちゃんが感情的に完全に暴走していた。
(4)お客さんも畳で正座してトリで上がった時、完全にくたくた。
(5)とにかく、この台本募集の会と円丈のめぐり合わせがいつも悪すぎる。
(6)会自体の進行、出来ともに前期の方がいい。
 以上だね。正直、作者の人、お客さんにも申し訳ないことになった。すんません。円丈が悪いッス。

 【台本大賞を終えてから・・・もうイヤ!!!!】
 作品の完成度、会全体の満足度は前期の方が良かったね。最大の原因は、前期はリハをやったけど、後期はやらなかったと言うことだね。(実は前期のリハで円丈が切れたからね・・)でも前期はリハの効果が充分あった。後期はやらなかった。今回の中で良かったのは
(1)喬太郎くん・「東京タワーラブストリー」このネタは、彼しかしないとやってもらったがズバッとはまった。ただ少し長かったね。
(2)歌之介・「流木の行方」・・てがたくまとめて確実に笑いをとってた。
彦いちくんの「カニ」・・はストーリーにこだわり過ぎ、もう少し地に返る部分を作ってやや漫談っぽくやればドカーンと弾けたね。とにかく円丈が最悪!もう この台本大賞から引退したい。来年からはネタはやりたくない。もう黒子に徹する。



【11月30日楽目(火曜日
)・・・「悲しみの大須 」】

(楽日の前座さんお囃子さんに伝言)
 ごめん!楽日の祝儀を上げるのをうっかり忘れてしまった。いやいや、すんませんねえ。
一生懸命は働いてくれたのに。でもしばらく寄席には出ないからこのままか。いや、ごめん。
 【その日のお客さん】
 それなりに入っている。前半やや暗かったが、後半お客さんが明るくなった。
 【実際やって見てネタの選択】.....『悲しみの大須 』

 この日は、出来たら「北朝鮮薮入り」をやろうと思っていあたが、正直、昨日のネタ下しでヘトヘトに疲れてた。それに18日に品川神社に狛犬を建立する碑文の締め切りで碑文を考えたり、石工の石定さんと狛犬の打ち合わせとか、弟子にケイコしたり、ケイコする時間がない。
  そこで「悲しみの大須」をやる。まあ、それなりに受けたが、どうも疲れているせいか、ロレツが廻らないし、いつもの勢いがない。弟子のぬう生は「あれで充分じゃないですか?」と言ったので信じることにした。ああ、つかれた。

 【終わってからの感想・・とにかく疲れた。あ〜あ】

 とにかく10日間終った。最近の高座は、以前より、明るくなって受けるようになった。しかし人間が更にストレートになった分だけ、お客さんにも少し気に入らないとドーンと突っかかる感じがある。これが恐い。怒りをもう少しコントロールできるにしたい。とにかくもう一花咲かしてみよう。さて咲くのか?


【おまけ報告:またカラオケ館で楽日打ち上げ】

【また調子に乗ってカラオケ館での楽日打ち上げ!】

 打ち上げはカラオケに限るね。またまたカラオケ館で打ち上げ。カラオケ館の打ち上げで成功させるための条件は、女性がいることだね。とにかく何度もカラオケに行ったけど、男だけでカラオケに行った時は全然盛り上がらない。j殺伐としてみんなヤケクソで歌ってる感
じ。今回は私と弟子が主だから、師弟だけで行ったらお通夜のカラオケみたいに盛り下がるとこだった。
  そこを今回もお囃子のおそのさんが、参加してくれたのでいい雰囲気に盛り上がった。出席者は、円丈、白鳥、天どん、ぬう生、おそのさんの計5人!1時間半のコース。

◎独り言の天どんが、意外と歌う!落語の時より、声が出るし、なかなかだね。こら、天どん、落語もその調子で声を出すのだ。ホント歌う時は元気なんだな。結構女の子とふたりで行ったりしてんじゃないの。このこの〜っ、メッ!
◎白鳥の歌は、「Money」とか、「孤独」とか、いじけた歌が多かった。彼の暗い青春時代を見る思いがしたね。でもチェッーカーズの曲を天どんと白鳥がデュエットで歌った時は最高に盛り上がったね。
◎ぬう生は相変わらず郷ひろみがおおい。
◎おそのさんは、前回、越路吹雪をうたったが、今回、宇多田ヒカルや新しい曲で挑戦。
◎円丈は大したことはなく、ラストで井上陽水「飾りじゃないのよ、涙は」の替え歌で「前座じゃないのよ、私は」を歌ったぐらいだね。

 かなり疲れていたけど、カラオケでその疲れが吹っ飛んだからいいじゃない。カラオケは楽しい!


◎これにて・・04年11月下席(21-30日)の高座報告は終了!


 【04年3月の時のトリ日記だよん】
浅草演芸ホール3月下席の10日間(2004/03/21〜30)
     【27日、28日円丈休みです・・どうもすんません!】

 浅草は2年ぶりにトリ。一番興行的に良くないのが、8月上旬。10日過ぎればお盆でどこもごった返す。そのエア・ポケットのような期間はこの8月上席(1〜10日)上がり時間3:15 なおこの10日間は上野鈴本夜6:45上がりの掛け持ち。

  受けても蹴られても元気でやる・・・これが円丈!

【高座前にベロ・トレする円丈・・でも普段からやってないとなあ・・】


  【3月21日初日(日曜日)・・浅草だから「悲しみは埼玉」】
 【その日のお客さん】
 少し立ち見が出てる状態。50〜70代の間に若い人は、1.2割混じってると言う感じ。仲間に聞くとやや日曜日のベタなお客さんと言う。客席を覗いて反応を観察するが、良く分からない。
 【実際やって見てネタの選択】.....『悲しみは埼玉に向けて』
 もうこの日、「いたちの留吉」か、この「悲しみ埼玉に向けて」かと思っていた。浅草は東武線のお客さんが多いので、他の寄席より、更にこの「埼玉」は、受ける。ギャクも3つ新しくしたし、やってみっか?
  高座に上がると結構、暖かい拍手と待ってましたという掛け声。嬉しいなあ。でもダレ性だから、普通の顔をしてた。しかし、ベタのお客さんと言うのは違うね。そこそこ聞いてる客だ。いつもやってるマクラがややソレ気味だったりする。そここそ受けさせてから。
  ネタに入った瞬間、一番前の子供が大きな声で「おなか痛いよ」と言うので思わず倒れてしまった。他のネタをやろうかとも思ったけど、「悲しみは埼玉」をやった。とてもよく受けた。ただ、新しく入れたギャグがソレタのと1箇所、ろれったところがあったのが残念!
 【終わってからの感想・・「悲しむは埼玉・・」は作者孝行なネタ!】
 全体的には良く受けてたと思う。しかしこのネタできて25年なるけど、何回か、リメイクはしてるけど、作者孝行のネタだね。今も結構受ける。あと20年ぐらい持ちそうなネタだね。ありがとう!「悲しみは埼玉に向けて」さん。

【初日に聞てくれた人のメール】
 【4月に仕事を頂いたトリノ・リンクスの赤松さんからのメール】
  楽しかったです。2階席だったのですが、前の方でよく見えました。
ひっさしぶりにおなかを抱えて笑ってしまいました。
夜の部でどちらかの師匠の話に「北千住」がでて来たときも、
円丈師匠の噺を思いだし、笑ってしまいました。
(もちろん会場内も笑いがでていました。)
 【時々HPでも登場する山岸さんからのメール】
  花粉症なのでマスクをつけていましたがそれを忘れて かなり笑いました。
あの、お子さん(「お腹いたいよ」と言った子供)は受けました!師匠のコケかたも爆笑です。
終わってから、僕の後ろにいたご夫婦が、面白くて涙が出たとしきりに涙をぬぐっていました。
 【やはり時々、HPに登場する藤原さんからのメール】
  久々の寄席を堪能させていただきました。正楽師匠には、「ゴジラ」を切ってもらえましたし、息子への良いお土産になりました。 師匠も トリ初日は緊張ですか?ビックリしました。微塵も感じられませんでしたよ。とにかく、受けまくってましたねえ!さすがです! 客の子供の 「間合い」も抜群でしたねえ・・・・初日に変更して良かったです。連れ立って出かけた朋友も大喜びでした。

◎・・と言うメールがきた。他の日のはなし!う〜〜ん、とにかく頑張ろう!

  【3月22日2日目(月曜日)・・『一ツ家ラブ・ストーリィ』】
 【その日のお客さん】
 客の入りは、1階座席が一杯で少し立ち出て、2階席にもお客さんが入っている。まあまあの入り。客層は、昨日より、かなりお年寄りのお客さんが多い。でも明るいお客さんで各出演者は結構受けている。ただ少し難しいギャグは逸れそうな感じがする。
 【実際やって見てネタの選択】.....『一ツ家ラブ・ストーリィ』
 この日は分かり易い古典の方が受けそうなお客さん。でも妥協して古典なんかやらない。『一ツ家ラブ・ストーリィ』をやる。どうもこの噺の間が最近崩れて来てるような気がするので、キッチリ演ずることをテーマしてやる。老人の恋愛モノだから、まるっきりそれることもないはずと思う。
  この日は朝からシトシト雨が降っていて「晴れのお客さんはダメで、台風の日のお客さんがダメで、今日のようなシトシト雨が一番良いお客さん!」といったが、なんの反応もない。良く笑うけど少しテーマがずれると笑わない。いつもの『一ツ家』の笑いの量の3分2程度の受け方、しかし後半の少し聞かせる部分あたりをいつもより、くどくやり、お客さんは、グーンと聞き込んできた様子。そしてフィニッシュ!それなりにお客さんは、納得していたと思う。
 【終わってからの感想・・本当にネタを変えられるのか?】
 平日は割りと今日のようなお客さんが多い。ネタ自体は変えられるけど、お客さんが、納得しないとしょうがない。すると自分の中のトリ・ネタで毎日、かえることが出来るのか?とにかく頑張ろう!


  【3月23日3日目(火曜日)・・正月並超満員で『いたちの留吉 』】
 【この日のお客さん】
 なんでこんなに多いんだと思うほどの超満員。2階席も空席なしでぎっしり。立ち見もいっぱい。もう正月並。いやあ、驚いたね。客席は高齢者が目立つ。しかしウケはあまり良くない。漫才ののいる、こいるさんが「昨日の方がよかった」といって降りてきた。
 【実際やって見てネタの選択】.....暑い高座で『いたちの留吉 』
 とにかくいつも寄席でやってるネタは、避けてトリらしいネタをやろうと思って、そこで『いたちの留吉 』をやる。しかし、笑うけど笑い方が重い。ドヨッとした笑い。しかも暑い!羽織を着てるせいかと思ったが、暑い!汗がドンドンでてくる。反応はドヨッ。マウスを出してみたがドヨッ。ネタに入ってもドヨッ!それなりには受けたけど。う〜〜ん、終わったら、疲れが出てドヨッ。ああ、疲れた。
 【終わってからの感想・・えっ、お客さんが疲れてた?客席が暑すぎた?】
 高座を降りてきてから聞いたら、お客さんは、前座の上がる11時半の時点で既に満員。「最初から良く笑っていたから、もう疲れていたのでは?」そうだよな。そんなに4時間も5時間も笑っていられないよな。そうしたらTV東京のプロデューサー稲井氏ガ来てくれて「いやあ、暑かったね。お客さんだって少しボウ〜ッとしちゃうよね」といわれた。客席が超満員だから、人間の熱でムンムンした。そうだよね。ここ2〜3年であんなに汗を出したのはじめたもん。そうか、暑くてその上、疲れていたから、反応がドヨッだったのか?ああ、ドヨッ!


 【3月24日4日目(水曜日)・・『ランゴランゴ』】
 【この日のお客さん】
 昨日ほど多くはないけど、それでも1階、2階ほぼ満員で立ち見も出てる。とにかく芸人は、行く先々の水の合わねば・・昨日より、客層も昨日と同じだが、少し明るい感じ。とりあえず『ランゴランゴ』をやって見よう。これならまるっきりソレるもことないはず。
 【実際やって見てネタの選択】.....『ランゴランゴ』
 『ランゴランゴ』をやる。マクラで「お笑い小噺ツボ体操」をやってから噺に入ろうと思ったけど、もしかしてソレると思い、中止する・・しかしやった方が良かったかなあ。『ランゴランゴ』はそれなりに受けたが、ラストのアフリカ人の師匠の出てくるとこが、いつもより、受けない。  アフリカ人が、やや引く時があるけど今日は少しその気味があった。
 【終わってからの感想・・完璧を求めてはいけない!
 う〜〜ん、こんなもんだろうなあ。昨日、終わってからある人に言われた「円丈さんは、完璧を狙い過ぎる!」そうかもしれない。いつも100%受けないと気が済まないようなところがある。マージャンやっても毎回、自分だけ上がってないとおもしろくないような点がある。そんなことは不可能。・・だから今回はとても満足してますです。ハイ!
【ヒザののいる、こいるさんと意味なく雄たけびを上げる円丈】




 【3月25日5日目(木曜日)・・ランボーは難しいでしょ?と言った『ランボー怒りの脱出』】
 【この日のお客さん】

 この日もお客さんは満員でやはり高齢者が多い。
  実はこの日、23区をメッタ斬りにする『東京23区』を少しネタを整理したので、まあ白けていいからをやろうと思って自宅で地図を出したら、地図のフチを補強してたテープが縮みで地図が、もうシワシワ!シワを伸ばしたけど、まだシワシワ。そこで「名古屋弁金明竹」をやろうと思ったら・・前座が既にやってた。とんでもない!
  こうなると「ランボー」か、「横松和平」。それで3人の弟子(小田原丈、天どん、かぬう)に「今日のお客さんに『ランボー怒りの脱出』はどうかね?」と聞いたら3人が3人とも「いやあ、今日のお客さんに『ランボー』は難しいでしょ!」と言う返事。こう言われると突然、やる気が出て来るのが円丈。
  「よ〜〜し、『ランボー』をやってやろうじゃないか!白けるのが恐くて芸人が出来るか?円丈の恐さを教えてやる!ぐああ」突然、ヒートして高座に上がった。

 【実際やって見てネタの選択】.....『ランボー怒りの脱出』
 この日は、のっけからハイテンションで攻める!マクラはそれなりに受けたが、「ランボー」に入るとお客が引いた。あれ、やっぱ、マズイかな。しかしそんなことにはお構いなく更にハイテンションで攻める。攻めて、攻めまくる。中盤までは、かなり笑いが落ちたが、押して押して押しまっくった。結果、後半からは、笑いが序々に回復!そしてラストの3段オチにはひとつひとう中手がきて、最後はめでたし、めでたし。
 【終わってからの感想・・久々におもしろい高座だった】
 ?いやいや、絶対笑わせるんだ。と言う強い意志をを持って高座に上がって、それなりに受けるとやったぜと言う爽快感がある。ホント満足だね。帰りにサンケイ新聞の栫井さんが来てて「今日のお客さんにあれだけ受ければ充分でしょ!」と言われた。うれしい。

◎さて明日はなにをやろうか?

 

  【3月26日6日目(金曜日)・・予定通り『東京32区』】
 【この日のお客さん】
 大体、平日はいつも年齢層の高いお客さん。今日もそう!ほぼこの日も1.2階とも満員状態。昨日、やろうと思った地図を使った『東京23区』をやることに決めていた。これは去年、池袋のトリでやってパッとしなかったネタ。そのリターン・マッチもある。ネタも少し整理した。まあ、さほど受けないかも知れないけど、丸っきり、逸れることもないだろう。お客さんにいつも合わせていたんじゃネタは広がらない。やっちゃえ!
 【実際やって見てネタの選択】.....地図で23区をメッタ斬りにする『東京23区』
 マクラを軽く振り。ある程度受けさせて本題に。この「東京23区」の初演は、もう20年前、当時は随分受けたネタ。それを2年前にリメイクし、たまにやる。だかまだ往年にウケにはない。23区に入るとややそれるギャグもある。思ったほどは受けなかったが、それなりになんとかなってフィニッシュ!まあ、まあ、かなあ。
 【終わってからの感想・・まあ、まあ】
 ホント、こんなもんだと思う。自分の中に少し古くなってる部分があるのでは、と思ってる。昔ほどの新鮮さはなくなったのかも知れない。もう少し新しい切り口を追加して、アト一段パワー・アップしたい。


 【3月27日7日目(土曜日)・・休み・・ごめんね!】

 

 【3月28日8日目(日曜日)・・休み・・ごめんね!】

 

 【3月29日9日目(月曜日)・・『金さん銀さん』】

 【この日のお客さん】
 この日、更にお客さんが多い。客層は、やはり高齢者。なんか、疲れが出てきた。正直楽したい。そこでわりとこのお客さんの世代ならあう名古屋弁の落語『甦れ金さん銀さん』をやろう!
 【実際やって見てネタの選択】.....名古屋弁の落語『甦れ金さん銀さん』
 ?マクラから、名古屋のネタを話して・・『金さん銀さん』。お客さんは、結構笑っていた。でもこの日はなぜか、お客さんと私の間には途方もない距離を感じた。なぜだか分からない。一体感がない。笑ってるんだけどなぜか、お互い心が通じていないような妙な隔たりを感じていた。それにどうもお客さんの1割ほど、もっと他のネタを聞きたがっているような感じを受けた。いや、全てのお客さんを納得させることは、不可能に近い。
 【終わってからの感想・・笑ったけど・・・】
 まあ、合格だけど・・・さあ、明日頑張ろう!

 

 【3月30日千秋楽(火曜日)・・迷ったけど『横松和平』】

 【この日のお客さん】
 基本的には平日は連日同じ客層。なんとなんくやや若い人が多いかなと言う感じ。笑い方もやや感度が良いかな・・・と言う感じ。今日は「名古屋弁金明竹」か。「横松和平」、そこで「横松・・」に決める。別に根拠はないけど、楽だし、まあ、やるかと言う感じ。
 【実際やって見てネタの選択】....「横松和平」
 「横松和平」をやる。しかしマクラも話に入ってからのウケも悪い!あれ、このネタのお客さんさんじゃないかな?終わってから仲間が言うには、少しお客さんに戸惑いがあったようだ。それで後半、回転寿司あたりから結構請け出し、ラストの反応は、良かった。幕が閉まる寸前、一番前の女性のお客さんが握手を求めてきた。暖かな拍手で幕!みんなそれなりに喜んでいたみたいで、やって良かったと言う気がした。
 【終わってからの感想・・まあ、まあ、よかったね】
 この「横松」をやっていたら途中で帰る人が10人はいた。いつもより、結構多い。しかし残ったお客さんは、喜んでいた。昨日は、受けたけどなにか、一体感のない感じがしたが、今日は一体感を持てた。だから少しだけホッとしたやって良かった。

 


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