可愛そうなシュガー・スチックに愛を込めて 2003/1/11
    【MENU】
  ◎おしるこを作る編
  ◎金時豆を煮る編
  ◎母ちゃんの手は魔法の手
 シュガースチックのなにが可愛いそうなの?私はコヒー好きで一日10杯ほど飲むが、すべて砂糖抜き。新幹線の車内販売とか、コーヒーを頼むと「お砂糖は?」と言うから必ず「ミルクだけ!」と言うとJR東日本の車内販売は、ミルクと砂糖を分けてるからミルクだけ置いていく。ところがJR東海の方は、ミルクとシュガーがセットになっているから使わなくてもおきて行く。
 でも全く手付かずのシュガーは捨てられないから欲しくもないシュガー・スチックを持って帰る。こんなケースは他にもあって、シュガーが少しずつ溜まって来て今や30本近くになった。
  便利さのためなら使いもしないシュガーをセットに付ける!いつから日本人は、それほど傲慢になったのか?子供の頃、砂糖は貴重だった甘味世代は砂糖が捨てられない。そこでその砂糖に感謝を込めてその砂糖でシュガー感謝おしるこ祭りをした。グラニュー糖たちよ。ありがとう。君たちはおいしい!

  
三遊亭 円 丈
【これで1年チョイかなあ・・でもホントはもっとあったと思うけどな・・】



円丈おしるこを作る編
 合羽橋を歩いていたらアズキを売ってた
 
 実はこのしるこ祭りは一年ほど前から考えていた。しかしあまり普段、スーパーにも行かないからあまり小豆にも出会わない。すると浅草の合羽橋を歩いていたら、1軒の店で小豆をうっていた。これでおしるこ祭りができるぞ。その隣を見ると金時豆も売っていた。次の2つの豆を購入した。
(1)十勝産小豆300g--320円だっけ?
(2)十勝産金時豆300g370円だっけ?
 しかしなんか小豆を買うと心がウキウキしてきた。 よ〜〜しおしるこを作るぞ!

【300gの北海道十勝産アズキとついでに金時豆も買う】

ずぶの素人料理人円丈
 円丈は料理が得意なの?ゼ〜〜ンゼン!
 
 円丈は、一体どの程度料理が出来るのか?もう全然!!結婚以来30年料理をしたことがない。学生時代は自炊してたけどグループ自炊で料理は他人任せて専ら食べる専門。ホントに料理はしたことがない。しかし料理に興味はある。ただ結構凝り性なので料理に凝るとその内毎日オカズを作らされそう。それもあって。料理はしないようにしてる。
 【料理番組の出た時の思い出】
 そう言えば昔、テレビの料理番組でなにか一品自慢の料理を披露しなけりゃあいけない時があった。そこでかみさんに相談したら「はんぺんにチーズを挟んで焼いた海苔巻いたら?簡単だよ」と言われてそれ通りのものを作ったら、その時の料理の先生は一言「これは料理とは言いません!」と言われた。「そうか、こんな単純なものは、料理じゃないのか?へ〜〜〜え、なるほどねえ」と感心したことがある。まあ、その位、料理はやったことがない。その私は今回、おしる粉に挑戦した。

良く分からないが・・洗って煮よう!
 ・・まあとりあえず茹でれば・・?

【料理法】
  まあ、良く分からないけど。うちの死んだおふくろが昔良く練炭の上でコトコトとアズキを煮ていた。まあ、こういうものは取り合えずアズキを洗って、それから茹でりゃあ、いいんじゃないの!それでアズキを半分(150g)を煮ることにした。素人考えでも300gだと出来上る量が多すぎる感じがするからね。で150gを!
 (1)アズキを洗う
 (2)ストーブに乗せてアズキを茹でる。
 (3)15分ほど経つとナベが、コトコトと音を立て良い感じだね
 (4)1時間経過・
・でこの先どうすんの?
 (5)じゃあ、ネットで調理法を調べて見よう?・・・ホントいい加減だね。

H・Pでおしるこの調理法を検索!
 ネットにあった調理法とは・・?
 まあ、今時のネットならおしるこの調理法ぐらいあるだろう?そこで
(1)いつも使ってるGooで「料理」と「おしるこ」で検索。
(2)するとあるある。いやあ、ネットって便利だよね。チャンと教えてくれるH.Pがあるんだから。その検索した調理法によれば、
ぜんざい 作り方(料理:村上祥子氏)
 1. 小豆は水洗いして鍋に入れ、4倍の高さまで水を入れて火にかける。 
 2. ぐらぐらと5分間煮て、アクを全部ゆで汁に出す。
 3. ゆで汁をすててざるへ上げて水洗いし、鍋にもどす。再び4倍の高さまで水を注ぎ、強火にかける。
 4. 煮立ったら中火にして、浮いてくるアクをていねいにすくう。アクを十分にとると味がすっきりする。
 5.ふたをずらしてらしてかけ弱火にして約1時間30分煮る。指でつまんでらくにつぶれる位に柔らかく。 
 6. 木べらで小豆を押さえながら、ゆで汁を小豆の表面が顔を出すまで捨てる。 
 7. 砂糖を加えて弱火で、木べらで静かに混ぜながら煮る。全体にとろりとしたらできあがり。
 8. お椀によそい、焼いたもちをのせる。好みでたくあんを添える。
 おい、2が違うぞ!「ぐらぐら5分煮て。アクを全部出す・・」私は1時間コトコトと煮ちゃった。ま、まずい!
それからあわてて茹で汁を捨てる。でも勿体ないので全部捨てないで少し残しておく!この辺のもったいないと言う感覚は名古屋人感覚だなあ。

ストーブでコトコトと更に1時間・・。
 いよいよシュガー・スティツクを投入〜〜〜っ
 
 そして更に煮ること1時間!もう十分、いよいよ砂糖の投入。シュガーは全部で26本。今回は半分の13本を使い、残りは次回にまわす。足りない分の砂糖はカミサンが調理で使ってるのを使用。我が家は白砂糖ではなくやや赤っぽい黒砂糖ッぽいやつ。今のシュガースチックは大体4g13本だから約50g!さあ、入れるぞ〜〜っ。

 味付け目標・・・甘さ控え目

 とにかく甘すぎるのは最悪。そこでやや少なめ目に砂糖を入れて、足りなかったら砂糖を足す方式。それでは投入〜〜ッ!

砂糖を入れ、アズキをややつぶす感じでかき回す・・10分ほど

 こうして1.2回、砂糖を少し追加して。やや甘味が薄めのでけど。カンセ〜〜〜〜イ!なんだ、なんだ、昔、子供の頃、お袋が、一日掛りでおしるこを作っていたが、なんなんだ。おれにだってできるじゃないか?あとは餅を入れて完成!

【うん、うん、こんなもんだ!!イイ、うまい!ストーブの上で完成】

 



 頂きま〜〜〜す!

 シュガーくん、おいしかったよ。ありがとう!

 それから餅を一切れずつ入れて家族3人で丁度1杯ずつあった。3〜4杯分のおしるこだね。家族はみんな喜んで食べていたので。まあまあ、いいんじゃないの?
 【 味 】
今は甘すぎるのがダメな時代。コーヒーのグラニュー糖は、甘味が少ないので逆に今のおしるこ調理用に合ってるんじゃないかね。この程度の甘味で十分だと思う。
 【問題点】
 おしる粉の色!これがやや白っぽい。まるで素人が作ったような色!だって素人だろ?でもだからこそプロ風に小豆の色がクキッと出たおしる粉にしたかった。もう1回作るからなんとか、次回はクキッとした良いアズキ色に仕上げたい。次回は頑張るぞ〜〜〜っ!
 シュガーくん、おいしかったよ。ありがとう!グラニュー糖って良い味でてるよ。ねえ、あんたもシュガー・スティックを持ち帰って、お汁粉を作りなさい。

【ろっきぃも思わず生唾を飲むおいしいおしる粉】


第2部おまけ編・・金時豆を煮る

 ついでに金時豆で煮豆をする!

 お汁粉がまあまあだったので、直ぐに調子にのる円丈!それならと一緒に買ってきた金時豆の煮物に挑戦だ。調理法は、ネットで探せば良い。でもお汁粉より、煮豆の方がなんとなく難しいそうだね。死んだおふくろだって、お汁粉や、アンコは良く作ったけど金時豆を煮たのは見たことがないものね。きっと難しかったんだよ。でもなんかおもしろそうじゃないか。やってみよう。

 H.Pで検索したら「金時豆の煮物ってめちゃ難しい2日5時間かかる」と言う難しレシピ!もうひとつが2時間で出来る簡単レシピと2つあった。迷うことなく私じゃ簡単レシピの方を選んだ。そしてこの金時豆にはシュガースティックは使わない。普通の調理用砂糖を使うことにした。果たして円丈はチャンと金時豆の煮物ができるのか?はじまり、はじまり〜〜っ!

【これが十勝産金時豆!なかなか豆に風格がある!豆の真打だな】

第2部金時豆を煮る

 これが金時の煮豆の仕方

【金時豆の煮方A、Bのふたつの方式】
  金時豆の煮豆をネットで調べたら2つの煮方があった。ひとつは豆を1昼夜、水につけてからミョウバンを使い、ひたすら煮続け。完成まで2日と5時間!とあった。そんな本格的なのはやってらんない。別に噺家辞めて煮豆屋になる訳じゃない。

【完成まで2時間の簡略方式】
 そしてもうひとつB方式で2時間で出来る調理法があったのでその通りにやってみた。
 【1】 洗った豆と4倍の水を入れてナベは蓋をしないで中火にかける。
 【2】 7分程で豆が浮いてきて、豆の皮にシワがよって来るまで煮続ける。
 【3】 次に豆が沈むくらいの水を入れ、中火で沸騰させる。煮立ったら弱火にしさらに煮続ける。
 【4】 約50分ぐらい煮て、皮が割れてきたらすぐに煮るのをやめ、指先で軽く潰れるくらいで火を止める。
 【5】 金時豆が覆い被さるぐらいまで水を捨て砂糖と塩少々を入れ、弱から中火で豆を壊さないように5分ほどで仕上げる。
 【6】 出来上がり!完成まで2時間ほど、更に1時間寝かせて置くと美味しくなる。

第2部金時豆を煮る

 ついに円丈生まれて初の煮豆の完成

 それそもこの煮物って言うのは、名が「煮物」って言うんだから煮るのが難しいだろうなあと思うね。レシピ通り作ったけど一番、不思議だったのは、豆の皮にシワが寄って、ホントに浮んだことだね。当たり前だろ?レシピにそう書いてあるんだから。そうなんだけど。ホントにシワが出来て浮ぶなんて。不思議だよな。しかも水を足したら書いてある通りに豆が沈むんだ。不思議だよなあ。
  一番注意したのが、豆の皮が割れることだね。皮が割れすぎると「だから素人はダメだ」なんて思われるのがいやなんだ。それに気をつけたからあまり割れなかった。もうひとつ注意したのは、煮物だから最後の仕上がりにあまりつゆが残ると「だから素人は・・」って言われるからね。これはかなりしつこいほど最後に残るつゆは少なく仕上げた。
 【 味 】
 これもやや甘味が少ない味付けで売ってる金時豆より、ず〜〜っ上品な味!ホントに?もちろん。
 【問題点】
 少し豆が固かったのが問題。豆の皮が、割れるのを恐れて多少煮る時間が短くなり、それで固くなったと思う。でもずぶの素人が簡略バージョンの調理法でここまでできたんだから、いいんじゃないの?
【これがド素人円丈作金時豆の茹で上がり!初めてにしちゃあ・・まあまあかなあ


第3部ごちそうのすべては母の手から生れた

 昔、かあちゃんの手は魔法の手だった

 子供の頃の母親は、今の母親って可愛そうだと思う。だって昔の母親の手は魔法の手だった。今の時代のように甘い物でもなんでもすべて買って来た時代じゃない。大体のものは母親が作った。ご馳走はすべて母親の手から生れた。そうかあちゃんの手は、魔法の手だった。のり巻もいなり寿司もチラシ寿司もおしるこもおはぎもすべて母親が作ったのだ。もちろん当時でもお金を出せばお店で売っていた。しかしそんな豊かな時代じゃなかった当時、お寿司もおしるこもみんな母親が作った。
 今も母親がのり巻を巻くのを固唾を呑んで見守っていたのを覚えている。のり巻を巻くお袋の姿は、それは晴れ舞台で歌うソプラノの歌手のように自信に満ち溢れ、神々しくさえあった。出来上がるのを今か今かと待った。また練炭の上のナベがコトコトと音させながらアンコを煮てるのを一日何回もフタを開け、早く出来ないか?その小豆はオハギになるのか?おしるこになるのか?その決定権は、全ておふくろにあった。普段大した物を食べていない子供にとって、母親の作るご馳走は、年に一度二度しか食べられない。夢の食べ物だった。だから出来上がった巻き寿司もおはぎも多少形が悪くても子供たちは、大喜びで食べた。そして事実それはとんでもなくうまかった。そう母ちゃんの手は魔法の手だった。
 しかし今の時代、母親がのり巻を時間を掛けて作っても多分それほど喜ばないだろうね。中には「なぜこんなまずいもん作ったの?」と聞くかもしれない。魔法の手を持たなくなった今のお母さんが、子供から尊敬されると言うのは大変なことだと思う。

 

甘味世代の私

 甘味に飢えてた少年時代・・それがあの落語「グリコ少年」になった

 とにかく子供時代は、甘味に飢えていた。オハギ、お汁粉・・そしてチョコレートなんて。もう夢の食べ物だった。甘い物がない時、砂糖をそのまま舐めたほどだった。そんな時、キャラメルは、割りと気楽に食べられる甘味。それでも森永キャラメルは贅沢で。一番、気楽に食べていたのが、おまけつきグリコキャラメルだった。それが、後の円丈の代表作、新作落語「グリコ少年」になった。とにかく発表当時、「グリコ少年」は、爆笑で無敵だった。いやあ、受けた。今はダメだけどね。
【ろっきぃも思わず生唾を飲むおいしいおしるこ】



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