落語家 新作落語 愛犬家 三遊亭円丈落語の世界

不滅のロッキーくん

更新日:2009/11/11


うわ~~い、ろうとミーは読売新聞に載ったぞ~~~ん!

ろうとミーで読売新聞に5回連載されたよ!

【ここあるのが読売新聞に書いた5回分だよ】

ミッキー洋服最近、どうもミッキーろっきぃの更新が少ない。もう10年近く飼っているとそうそう珍しいことはないし、2頭ともおばちゃんなって、静かになっちゃったからねえ。


そうしたら読売新聞から、ろっきぃとミッキーのことを書いてくれ。それでうちのろっきぃとミッキーが、09年7月毎金曜日に計5回も読売新聞の夕刊、ペットライフの中に「交遊録」に載った。スゴイね。円丈が、文を書いて、編集の人が若干アレンジして・・。


このアレンジも結構よかった。そこで5回をこのHPに転載することにした。しかも原稿料もいい。もう万々歳だね!!


  ただ写真とか、そのままだと少し使用料をとられるので、そこで文章だけを紹介した。・・・・いや、セコイね。中身はこのろっきぃミッキーの集大成みたいな内容だけど読んでちょうだい。

【画像:寒がりミッキーのごあいさつを書いておいてよ】



第5回・7月31日金曜日・読売新聞夕刊(ペットライフの「交遊録」より)

『ラスト・ドッグ』(その5)

ろっきぃ写真もう犬を飼い始めて23年!ペット・ロスも 2 回体験した。自分で作った新作落語『わたし犬』よろしく瀕死の愛犬を抱いて夜道を走ったこともある。そんな風に書くと根っからの犬好きと思われるかもしれないが、実は犬は全然好きじゃなかった。本当は鶉を飼おうと思ったら家族から「鶉を飼うなら犬を飼え!」の大合唱で犬を飼った訳だ。では犬のどんなとこが嫌いだったのか?

それは犬の尻尾を振るところ。「動物の癖にヨイショしやがって!」みたいな。だが初代ロッキーは、私が帰ると盛んに尻尾を振る。
一切無視をしたが、それでも尻尾を振り続ける。陰日向なくしっぽを振り続ける姿を見てる内に「偉い!なんて偉い奴だ、立派だ」と、それ以来犬好きになった。
しかも犬とは、心が通じ合ってしまう。そうして人間と犬が友達になる。だから愛犬家はみんな「うちの子が」なんて犬をわが子のように呼ぶ。

昔は夫婦にとって“子はかすがい”なんて言ってたが、今は子供がいてもどんどん離婚する。それで代わって登場したことわざが“犬はカスガイ”犬を飼うと散歩や、餌やりなどがあるのでそんなにケンカも出来ないし、まして離婚になれば真っ先に犬をどうするかとと言うことを真っ先に考える。やはり“犬はかすがい”なのだ。

【画像:こらっ、ろっきぃ!!そんなに近づくな~っ!!!】

公園に犬の散歩に行くと老人と老犬が、一緒に散歩してるのが、良く目につく、主人と犬が、一緒に老いていった姿だ。

中高年の飼い主は、今飼ってる犬が死んで次を飼うか迷う時、自分と犬の寿命のことを考えずにいられない。これから先、犬を飼ったとして、ちゃんと飼いきれるのかどうか、と言うことだ。仮に 75 才で子犬を飼い始めると飼い主が先に死んでしまう恐れがある。自分が先に死んで犬の面倒を見る人がいないと思えば、もう新しい犬は飼えない。でも本当に犬が必要なのはそう言う一人暮らしの老人だと言うのも切ない。

私は64歳で今のろっきぃとミッキーが、共に約9才。犬の寿命は平均10~15歳だそうで、長くて18才前後だろう。10年後に私は、74歳。だからこの 2 頭がうちのラスト・ドックになる。
正直なところ、犬より、先に逝きたい。もう犬の死に際に立ち会うのは嫌だ。ろっきぃとミッキーには、頑張って40歳ぐらいまで生きてもらって、私が先に死んで、後はカミサンに 2 頭の面倒を飼ってもらう・・。そう上手くはいかないかな。

第4回、7月24日金曜日 読売新聞夕刊(ペットライフの「交遊録」より)

『2頭の仲犬にお任せ』(その4 )

仲犬にお任せ7月10日で我が家のシバ犬三代目ろっきぃ(メス)が満9才になった。実はこのろっきぃには当初、4代目ロッキーを産ませる計画があった。ところがウチの近くで居候犬をしていたミッキー(メス)も飼うことなり、2頭飼いになった。
もし子供を産ませると3頭飼いになってしまう。中型犬の3頭飼いは正直キツイ。そこで子犬はあきらめた。ろっきぃ、ごめん!

この2頭は、外で会ってた頃は仲が良かった。ところがミッキーが我が家に来た瞬間から、ろっきぃにとって永遠の侵入者になってしまった。それ以来仲が悪いのだ。

だからこの2頭エサをやる時も容器を2m以上、離さないといけない。ろっきぃが、ミッキーにガンを飛ばしてケンカになる。
あと座布団にミッキーが座ってるとろっきぃが「どけ!」と促すが「えっ、何か言った?全然聞こえなかった」ミーは知らんぷりしてかわす。とにかくこの2頭は仲が悪い。

“ 仲がいい ” のは来客の時。ミッキーは、ワンワン吠えて、ろっきぃは、喜んで飛びかかる。初めて来たお客さんは、びっくりする。これは飼い主の責任!すんません。

【画像:ミーとろう、もう適当にやってって感じだね】

それとゴキブリを見つけた時。ミッキーが、壁にいるゴキブリを発見すると興奮して吠えて襲いかかり、ハンテイングする。それをろっきぃは、後から付いて騒いでいるだけだ。 そして大嫌いな雷の時も喧嘩してる場合じゃない、2頭とも別な場所でタダがたがた震えてるだけ。

あと一緒に車に乗った時も普段仲が悪くても喧嘩しない。2頭とも車が苦手だからだ。特にミッキーは必ず吐く!しかもドライブで「今日は吐かなくてよかった、あと5分で家に着く」と言う時にゲー!もう泣きたくなる。
とにかく、うちの2頭、仲が悪いから年に2、3回は噛みつき合う。もう2頭飼いを上手にするためには、ある程度は、犬に任せるしかない、と思ってる。「もう好きなようにやって」みたいなところが重要だ。
ミッキーの方が運動神経、敏捷性とも優れているけど、いつも最後に勝つのはろっきぃ!ろっきぃの方が、毛皮が厚くて丈夫だから怪我しない。一方、ミッキーの毛皮が薄くて噛み合って、怪我をするのは何時もミッキーだ。まあ、全治2日程の軽傷だけど。

一応、ろっきぃの方が順位が上だが、“苦労人”ミッキーが、花を持たせているだけと言ううわさもある。本当のところは良く分からない。

第3回、7月17日金曜日 読売新聞夕刊(ペットライフの「交遊録」より)

『飼育方法はいい加減』(3)

ろっきぃミッキー我が家のシバ犬ろっきぃと居候犬ミッキーの飼い方はホントいい加減だ。だけどもし、体験飼育と言うのがあって、うちで2、3日飼われたら、どこの犬もウチの子になりたがる。そりゃ自信がある。

なぜならウチでは人間が食べるかなりの食べ物が、犬も貰えるから。もう餌に釣られて、みんなうちの子になりたがる。いい加減な食べ方をさせて!とおしかりを受けそうだが、基本的には、ドッグフードが中心で、与えるのは、おすそ分け程度のわずかな量だからご安心を。
我が家では朝食は必ず、醤油を掛けない卵ごはんと砂糖の入ってないプレーンヨーグルトを食べるが、これは塩分も糖分もダメな犬と一緒に食べるための朝食なのだ。

ファミリーなら犬も人も一緒にごはんを、と言う考え方なのだ。でも塩気のあるおかずの肉を犬に上げる時は、お湯の入った丼に肉を浸し、塩分を取り、それを噛んで更に塩気を抜き、噛みながら犬にやるから、もう親鳥が、ひなに餌をやってるようだね。

  とにかく人間の食べるものなら、何でも食べさせて上げたい。それと「骨は胃に刺さるので危険」と言われる。実際、ミッキーは骨が二度、胃に刺さって内臓出血したことがある。そこで我が家では、トリの骨は、植木バサミで 5mm 角ほどに刻んで、中の髄をやっているが、別に問題は起きていない。

【画像:この2頭仲が良さそうだけど・・仲が悪い】


ろっきぃミッキー食べ物だけでなく、実は過ごさせ方もいい加減だ。室内犬の場合、飼い主が「ハウス!」なんて言うけど、我が家は犬のハウスがない、好きな時、好きなとこにいる。だからハウスって言わない。

躾は、もっといい加減で、出来るのは「お座り!」と「待て」だけ、他には何にも出来ない。2代目ロッキーは「待て」が出来ずに走りだして車に轢かれた。だから命に関わることがあるから「待て」だけは、どんなことあってもさせる。

よく犬をボスにするなと言うけど、ウチのろっきぃなんて、自分を人間だと思ってるし、何か欲しい時は、前足で「おい、何かくれ」って引っ掻いて催促するから、ボスだと思っているかも知れない。
でも別に犬がボスだと思っていたっていいじゃん。と思う。ホントに犬が、ボスでいちいち犬に「今月、液晶テレビを買っていいでしょうか?」って指示を仰いだら、まずいけど。犬がボスと思ってるだけなら平気だよ。犬とは、仲良く暮らすことが大切なんだ。

【画像:犬と人がゴロゴロいる風景・・・人も犬もいたいとこにいる】

第2回、7月10日金曜日 読売新聞夕刊(ペットライフの「交遊録」より)

『「居候犬」改めミッキー』(第2回)

ミッキーシバ犬三代目のろっきぃとは別のもう1頭、雑種メス・ミッキーは、元は野良犬というか、捨て犬だった。8年前、ろっきぃと散歩中に近くのシベリアンハスキーの家の前を通りかかると、そこの犬小屋からノソノソと首輪も付いてない子犬が出てきた。それが今のミッキーだった。最初は、ハスキー犬の子犬と思ったが全然似てない。
しかも近づいたら逃げていく。それから何度か通って分かったのは、この子犬は、捨て犬で勝手にハスキー犬の小屋に同居して、餌も一緒に食べてるようだ、と言うことだった。つまり居候犬。そこでこの犬を居候のイソちゃんと勝手に名前を付けて呼んでいた。耳や口の形を見ると、どうもコギーとダックスフントの雑種のようだ。
しばらくすると突然、イソちゃんが、いなくなってしまい、しかも情報がない。すると飼い主でもないのに心配になる。それで色々と聴いて回ったが、良く分からない。それで保健所に電話したが、うちの近所で捕獲された犬はいないと言う。一体どこに・・と思ったら、なんと近くの秋田犬の所でちゃっかり居候をしていると言う。この頃は、もうこの犬を引き取ろうと決めていた。
しかしこのイソちゃん、なかなか捕まらない。一度は、ウチの庭への柵を開け、餌で釣って庭に入ったから、捕まえようとしたら、なんと 1.8 mの我が家のブロック塀をジャンプして逃げて行った。凄い。
それで保健所に「責任を持って飼う」と言う条件で捕獲をお願いしたら、いとも簡単に掴まった。

引き取りに行くと「小さい頃からノラをしてた犬は人に慣れにくいので、通常は払い下げをしないのですが、最初からそう言う条件ですので・・」と許可がでた。一歩間違えれば安楽死!いやあ、よかった、よかった。イソちゃん改めミッキーと名付けた。
このミッキー、野良時代に世間の荒波にもまれたせいか、タフで要領が良く、頭もなかなか良い。町をさまよっていた頃、信号を青になるのを待って道路を渡っていたと言う目撃情報もある。
最初は緊張していたが、この8年で少しずつ慣れ、情愛や、甘えも見せるようになってきた。日に日に我が家の犬になっていく姿を見ると、この犬を飼って良かったと思う。計算外だったのがろっきぃとの関係。
一緒に飼い始めたらもう大ゲンカ、しかし、ミッキーは、相手(ろっきぃ)に譲りながらも。すきを見て少しずつ自分の立場を有利な方に導いてしたたかさも持ってる。もし人間なら、噺家になっても売れたんじゃいあんだろうか?

【画像:この上目づかいの目が、ノラ時代の名残りだね】

第1回、7月3日金曜日 読売新聞夕刊(ペットライフの「交遊録」より)

『三代目ろっきぃはお嬢様』(1)

ろっきぃ現在我が家には、二頭の犬を飼っている。野良犬で近所の犬小屋にちゃっかり居候して、 そこの犬の餌を分けてもらっていた居候犬ミッキー雑種メス推定年齢8才。 もう一頭がわが家で三代目のシバ犬で間もなく9才になるお譲ろっきぃ。「犬がお嬢様?」と聞かれそうだが、このろっきぃは、実際小さい頃乳母犬に育てられた。
この犬は、ブリーダーから直接買った。なんでもこの母犬が、高年出産でお乳が出ないからと乳母犬預けられ、ろっきぃ一頭だけで育てられていた。
子犬のころに兄弟遊びをしなかったので、その分、我がままでやや気位が高い、要するにお嬢様犬なんだ。もう自分のことを人間だと信じて疑わない。家族で食事に出かける時は必ず後を追う。

「なんであたしだけ置いて行くの? アタシも人間でしょ?連れていきなさいよ、コラ」ともう必死の形相。

かわいそうだど思うけど、犬が一緒に食事できる店って、殆どないから、ミッキーと共に置いて行く。自分を人間だと思っているから散歩中に他の犬に合っても犬よりも飼い主の人間が好きだ。

【画像:このペシャリ型お座りは、おやつを粘り強く要求する時のポーズ、要警戒!!】

よその飼い主から可愛いいねえなんて言われるのが、無常にうれしいらしい。これは昔のことだけど、近くのラーメン屋さんを通りかかった時のこと。そこのおばちゃんが出てきて「まあ、可愛いい犬だこと」と言って頭をなでなでしてくれて、なんとチャーシューを一枚くれたことがあった。
もうこの時のことは、ろっきぃにとって人生最高の日だったんだね。以来、そのことがろっきぃの頭から離れない。それからは頭を撫でてくれそうな人の方へ近づいて行って「可愛いねえ」と撫でられるのが散歩の何よりの楽しみになっている。もうチャーシューはでないけれど。  しかし、なんでメスに「ロッキー」なんだ?と言われそうだが、実は初代ロッキーも二代目ロッキーも柴のオスだった。オスだから息子がロッキーと名を付けた。
2代目もオスでシバでロッキー。それにしてもオスのシバってすごい自己チューでマイペースなんだ。人間の命令なんてほとんど聞かない。もう少し大人しいシバがいい。それならメスのシバ、となり、それで「ロッキー」を平仮名で「ろっきぃ」にした。でも今度はスンゴイ臆病!こんな臆病なシバは見たことがない。何でも思った通りには行かないね。

そんじゃ・・・・・・・・。読んでくれてありがとう!!!

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