朝陽門(東門)・延平門(西門)・朱雀門(南門)・玄武門
(北門)に囲まれた地区、横浜市山下町界隈。
その中でも中華街大通りとそれに直交する4本の路地周辺が
横浜中華街の中心地区。
沢山の中華料理店・中華材料店・中国物産店等が並び、常に活気に
満ち、人で溢れ返っている。そして、そこには沢山の狛犬が
それぞれの店を守護し、かつ客を招き入れようと鎮座している。
横浜に住む狛犬好きとしては、やはり一度はその渡来系狛犬達
に会わない訳には行かない!と、行って来ました。
今回は「中華街の参道狛犬」だけが対象です。ここで言う
「中華街の参道狛犬」とは、店の外(ショーウインドウを含む)
にある狛犬という意味。有名な大きな店等では、店内に立派な
狛犬が沢山あるらしいとの情報も得ていますが、それらは
「中華街の神殿狛犬」として区別します。さあ、これが中華街
の狛犬だ!
(写真1-朱雀門)
案内板台座狛犬
西・南・北の各門の横には中華街の案内板があり、何とその台座が狛犬!
この狛犬は各門とも全て同じだが、狛犬の台座の彫刻が各門ごとにその動物
(白虎・玄武・朱雀)が彫られている。首に鈴を付けた小型の渡来系。
入口からこんな歓迎を受けると狛犬好きはたまらない!
(写真2-案内板台座狛犬..表) (写真3-案内板台座狛犬..裏)
関
帝 廟 |
(写真4-関帝廟) |
はじめに礼儀として中華街の中心である関帝廟へ挨拶。豪華絢爛なこの建物は、
ご存知三国志の英雄関羽を祭った寺院。商売繁盛の神様としても有名で観光客,
華僑の参拝者が絶えない。
関帝廟の狛犬..1
拝殿への階段下。
やや大型の典型的な
渡来系紐獅子タイプ。
やや大型の典型的な
渡来系紐獅子タイプ。
やや大型の典型的な
渡来系紐獅子タイプ。
やや大型の典型的な
渡来系紐獅子タイプ。
台湾建国37年の銘がある。
渡来系の常として左右とも阿。
ペイントが施されている。
オスのシンボル及び尻の穴あり。
(写真5-関帝廟狛犬-右)
関帝廟の
渡来系玉垣獅子..2
拝殿正面、賽銭箱の横の柱
(から飛び出した丸い装飾部)
に左右1対がへばりついている。
柱の彫刻模様と言えなくもないし、
勿論玉垣ではないが、ここは
気分として渡来系玉垣獅子と
分類したい。小型。
(写真6-渡来系玉垣獅子-左)
阿由葉的中華街狛犬分類
さて、いよいよ中華街を歩くことにする。今回見つけた「中華街の参道狛犬」
は全部で28対。これを全部紹介するわけにも行かないので、典型的なものを
ご覧いただくことにする。
TYPEー1 正統的中国四千年狛犬
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萬珍樓 點心舗狛犬
胸に鈴を付けた白い石の渡来系。両阿で右側は
足の下子獅子、左側は足の下に玉。萬珍樓 本店
(中華街大通り)。このタイプの中では彫りが
最もスバラシイ!からみついた紐に3匹もの
子獅子が絡まっている。台座の龍の彫刻もイイ。
萬珍樓 點心舗(広東通り)も同タイプ。
(写真7-萬珍樓 本店)
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ホテル狛犬
中華街ではホテルにだって狛犬だ!
Holiday Inn Yokohama (開港道)
の入口には典型的なタイプー1の
白い狛犬がいる。
(写真8-ホテルHoliday Inn Yokohama)
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TYPEー2 正統的金色的狛犬
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中華海鮮酒家 海王の狛犬
形式はタイプー1と同じ。違いは金色系統に
塗られていること。
中華海鮮酒家 海王(長安道)。金色が少し
剥がれかかって来てしまってはいるが、
いかにも中華街らしい雰囲気を感じさせて
くれる一品。
(写真9-中華海鮮酒家 海王)
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金鹿菜館狛犬
金鹿菜館(開港道)中華街の狛犬は90%以上、右に子獅子・左に玉となっている。この1対は珍しい例外。単に置き間違えたっていう気もするが…
(写真10-金鹿菜館)
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TYPEー3 紐的狛犬
均昌閣 新館狛犬
北門通りにある中国広東料理舗 均昌閣新館
入口にある典型的な渡来系紐獅子タイプ。
渡来系紐獅子のタイプ。
数は少ない。希少品!
(写真11-中国広東料理舗 均昌閣 新館)
TYPE−4 飾窓的狛犬
ショーウインドウ内の狛犬たち
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飾窓狛犬その1
ショーウインドウ内狛犬。当然小型サイズ。ほとんどは陶器製で、彩色の美しいものが多い。そのスタイルはバラエティーに富んでいる。
知味鮮(関帝廟通り)。美しい大きな玉、口には剣をくわえているという、ちょっと変わったタイプ。
(写真12-知味鮮) |
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飾窓狛犬その2
型的というのはないが、これは何となく標準的を感じさせる。多くはショーウインドウの左右両端に置かれているが、これは1対が並べて置かれている。
(写真13-鳳林)
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飾窓狛犬その3【柱利用タイプ1】 どうしても狛犬を置きたい!
狭いところに小さな店がひしめいている中華街、店頭にはドーンと立派な狛犬を置きたいと願うものの、スペースの無さは如何ともし難い。
しかしそれでも置きたい!という偉い店もある。
それがこの店頭の柱を利用したタイプ。
(写14-揚州飯店別館) |
飾窓狛犬その4
【柱利用タイプ2】揚州飯店別館は店頭の柱を凹ませて、そこに置いている。
狛犬としてはタイプー2。
華正樓
銘菓本舗(南門シルクロード)は柱の上へ置いている。この狛犬もタイプー2、小型。
(写真15-華正樓銘菓本舗.中華街大通り) |
珍種タイプ発見!
萬珍樓 広東通口狛犬
「中華街の参道狛犬」は上記タイプ1〜4でほぼ
全てが分類できてしまう。
その中で、1対だけ変わったのを見つけた。
萬珍樓 広東通口(広東通り)にあるこの狛犬は、
ちょっと雰囲気が違う。
赤い鈴を付けているのも目立つが、何より前足を
折っているその姿!材質も石では
なく石膏のようだ。台は木製。
(写真16-萬珍樓 広東通口)
「中華街狛犬」の撮影術
中華街で狛犬を見るのは人との戦い!とにかく狭い通りに人・人・人…が溢れ返っ
ている。
ポイント1 |
必ず平日の午前中、なるべく早めに行くべし! |
ポイント2 |
だひたすら耐えて待つべし!写真を撮るのは風に揺れる野草を撮るのと同じ。どんなに風が吹いていても必ず止まる一瞬があるように、必ず人波が絶える一瞬がある。そのチャンスを逃さないこと。 |
ポイント3 |
店内の狛犬は「中華街の神殿狛犬」は聖域と心得るべし!変に店の中を窺っていると邪魔になり、怪しまれる。たとえ運良く中に入れてくれたとしても、暗い条件で撮影する準備をしていないとお手上げになる。 |
ポイント4 |
中華街の狛犬巡りに弁当は不要!ランチタイムは \600. 〜 \800.
で美味しい中華定食(料理一品・スープ・ライス・ザーサイ・デザート)の食べられる店が沢山ある。 |
ランチタイムの人気店の行列
ランチタイムの人気店の行列。人通りの絶えた瞬間に左側の狛犬が撮影チャンス
になった。しかし、右側の狛犬はこの行列が終わるまで無理…
(写真17-順海閣 新館)
中華街その他の楽しみ
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狛犬の形を取らなくても獅子は沢山いる。東西南北の各門以外にも、それぞれの通り
の出入り口には門があり、そこにも獅子を見つける事が出来る。
萬珍樓 點心舗の入口にある門の最上部は霊獣の行列!他の門でもこの形式は珍しく
ない。
龍などの動物に興味があるなら、それはもう宝の山!至る所に色々な動物を発見
できる。土産店・中国物産店には獅子も龍も亀も虎も…何でもある!
(写真18-萬珍樓
點心舗)
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