第1回
「狛犬写真の基礎の基礎」
ライタ− 三遊亭円丈
今回の取材地は千葉県野田市。狛犬巡りを兼ねてプロ及川氏と一緒に狛犬撮りに同行した。いやあ、プロは違うわ!ほんと違う。見よ。もうカメラの構え方から違う。
コレがプロの撮影道具だっ!
(1)カメラ
とにかく一眼レフ!使い捨てカメラは、使わずに捨てなさい!
(2)レフ板(反射板)
新聞一面を二つ折りにした位の大きさのボ−ル紙にややシワシワ感のある銀紙を貼って手製にしたもの。
(3)アングル.ファインダ−
あると低い位置から狙う時、大変ラクだ。各大手カメラ.メ−カ−でアクセサリ−として売られている。
(4)小型フラッシュ
いわゆる外付けストロボのこと。今回は基礎編なので使用しなかった。少し角度を変えてフラッシュを焚くことによって立体感を出すのだ。
(5)新聞紙、タオル
地面に膝をついたり、撮影したり,何かと使える。
(6)その他、カサ、地図、手帳、小びんのミネラルウォ−タ−
コレは円丈からの情報。カサを持っていくのは、実は雨の降らないお守りにしてる。
また小びんのミネラルウォ−タ−は、飲む以外にも汗を拭いたり、顔や,手を洗ったりできる。普通の神社では、手水舎に水がないことが,多いので役に立つ。
しかし一人で狛犬巡りに行った時、助手もいないのにどうやって狛犬にこのレフ
板で光りを当てるんだろう?どうして?
するとアンクル先生はかく語りき。
「狛犬を撮影してると見物人が寄ってくる。そこで持ってくれない?と頼む!」
なるほどプロは見物人を助手にする!
私は考えた事もなかった。いやあ。勉強になるなあ。
帽子は後ろにて脇をしめろ! やっぱり、構えただけでプロは絵になるなあ。全然違うわ!俺なんか、狛犬だけで2万枚撮ってるのに今だに構える時わきが甘い!ホントに相撲取りでなくて良かった。 それに私も帽子を被ってるが、そのままで撮り。アンクル氏は、帽子を後ろに廻すんだ。なんで?なんで?帽子を廻すの?そこでアンクル及川氏はかく語りき。 「ワイドレンズなど使用の際,良く画面がケラれることがある。それを防止するんだ!」 エッ、ワ,ワイドレンズ?ケラれ?なな、なに?それ? |
◎ワイド.レンズとは....(広角レンズのこと20ミリから50ミリくらいまでの焦点距離を云う)
(広角レンズのこと20ミリから50ミリくらいまでの焦点距離を云う)
◎「ケラれ」とは....(レンズの画角内に遮蔽する物が入り込むことで写真の隅が暗くなる現象)
(レンズの画角内に遮蔽する物が入り込むことで写真の隅が暗くなる現象)
「相手と目線を同じにする!」
これが,大切なんだ。そしてアンクル及川氏はいきなり新聞を広げ、伏せた!これだ。これがプロ!ややヒョロッとしたアンクル氏だが、 低いものは、こうやって伏せて写せ!つまり狛犬と同じ高さで撮る!
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(1)簡単にフラッシュを焚くな!!
そう狛犬にフラッシュを焚くと円丈の言う「石が死ぬ」の状態になるが、これは円丈のような素人がフラッシュを焚いた場合だ。プロ.アンクル先生は、フラッシュを否定しない。
「多灯ライティングの応用テクニックがある。フラッシュは、別な角度から焚けば良い!...だがややこしい計算が必要になる。だから初級には不向き!!今回はフラッシュなし!!
「ハハ〜〜ッ!」てな訳だ。 が、これは
円丈のような素人がフラッシュを焚いた場合だ。プロ.アンクル先生は、フラッシュを否定しない。
阿の方,光りの条件は同じ。アンクル先生撮影 | 内臓フラッシュ失敗。円丈撮影 |
そこでタダのシロウト円丈が内臓フラッシュ使用の写真とアンクル先生のフラッシュなしの写真を比べて見て欲しい。もう全然違う。だから内蔵フラッシュなんて使っちゃダメ!!
(2)少しアンダ−気味がいい。
石の狛犬は、石の質感と陰影だけが、超大切なんだ。アンクル先生も
「半目盛りか、一目盛り程アンダ−気味すると良い!!」
(3)レフ板を有効に使え。
狛犬は,暗いところにいる場合が多い。そんな時このレフ板の登場なんだ。
勿論、自分で持って撮影出来ないので他の参拝客に頼んで持ってもらう。コレも既に写真術のひとつ!!!
(4)曇りもしくは雨ならAS400の一本勝負!!
この日は少し雨が,降ったり、止んだりの天気。アンクル先生はかく語りき。
「もうこう言う日は感度400のフィルム。時には800で三脚なしで充分!!」
(5)広角レンズを使うな!
本的に狛犬を撮るのにバックまでドンぴしゃりとピントが合ってしまう広角レンズを使ってはならない!標準もしくは望遠で撮るようにする!!
とアンクル先生はかく語りき。もうごもっともです。ましてバックに看板の文字や、絵が入るとロクな写真にならない。
その看板は、外すアングルにする。シロウト円丈でさえ、厳守してる。それさえできないアンタは、なんなの?