東日本狛犬名品十対 |
地 方 | 県 名 | 数 |
東北地方 | 北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島 | 7県 |
中部地方 | 新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知 | 9県 |
宮城県には仙台狛犬と言うタイプがいるが、このれがその仙台狛犬の祖になる。3回ほど見たが、とにかくその存在感!どっしりとそこにある。それは見た者の心を打つ。雨が降っていても毅然としている。すばらしい。 【塩竃神社】宮城県塩竃市一森山1- (楼門前)仙台狛犬 延享4年8月吉日(1747)石工大丸屋**** |
福井には笏谷石(凝灰岩)と言う石があり、それで彫った狛犬が笏谷狛犬。白山にも似たような凝灰岩で彫った白山狛犬があるが全く同型。福井県の神社には笏谷狛犬良く見られる。それらはどれもこれもよく似てる。 オカッパ頭で正面を向く。この写真の狛犬と同じような笏谷狛犬が数百対以上あるだろうか。笏谷狛犬を代表してここに入れておいた。特にこれが図抜けている訳ではない。 【常宮神社】福井県敦賀市常宮 (末社前)笏谷石狛犬(背に碑文読めず)船町山本余平兵衛 |
金沢には、逆立ちした逆さ獅子がいる。明治に入ってから本格化したが、これを彫った福島伊之助は名工だ。石はきめの細かい凝灰岩。何対は逆さ獅子を彫ってるが、やはりこれが一番良い。 またこの明治の頃。他の石工も逆さ獅子を区伊之助に負けじと彫ってるが、完全に負けてる。やはり伊之助は天才だ。完全に抜けている。 【石浦神社】石川県金沢市本田町3-1- 】 (末社前)逆さ獅子 明治24年11月 石工福島伊之助 |
関東でもこう言うのをはじめタイプと言うが、地方では意外と出会うことがない。殆ど人に顧みられることもなく300年ここにいた狛犬。うれしそう口を開いていた。出会うとうれしい。
【七久里神社 長野県飯田市七久里】 (参道)はじめタイプ(背に刻字あり読めず)1600年代? |
出来だけなら名品と言うほどでもない。しかしこれが広島の石工の作。わざわざ日本海を回り、北前船でこの北海道江差の地まで運ばれ、今、こうしているかと思えば、なにかしみじみとしてしまう。そうやって見ると名品なのだ。
【厳島神社】北海道江差町字鴎島 広島構え獅子・明治32.5.吉 備前松浜石工森喜一 奉納武田庄兵衛 |
浪速狛犬としては、ごく初期の作品。なにわといえばコロッとした太った狛犬が多いが、これはスラリとしている。この狛犬は仮に大阪にあったとしてもやはり名品になるだろう。 あまり狛犬をミケゲで彫るのは慣れてないのだろう。石の表面がややでこぼこしてる。だがこの狛犬はそれすら味にしている。文句なく良い! 【日吉神社】秋田県能代市御指南町2- なにわミガケ 明和6年正月吉日(1759)奉納秋田伊多波氏 |
青森県には、こう言うおじさん顔の狛犬が時々いる。そう言う意味で名品とは言えないかもしれないが、中でもこれは飛び抜けておじさん顔。 底抜けに人の良さそうなこんな狛犬に出会った時、まるで親戚の田舎のおじさんに会ったような懐かしさを覚える。 【弘前八幡宮】青森県弘前市八幡町1-1- (1の鳥居前)尾立ち 明治32年8月15日 石工山田三次郎 |
まるでフット・ボールの選手のような格好をした玉獅子。銘がなないので正確なことは分からないが、作品的に見て昭和に入ってからの作と思われる。しかし良い。もうひとつ近くで同型の狛犬をみたが、それはひどかった。 【日吉神社】石川県小松市本折町 (末社)弁財天 玉獅子銘なし |
文化、文政の狛犬は、まだ完全に形式が決まっていないが、かなり洗練されてきた時代。味のある狛犬が多い。その中で出会ったこの狛犬。見た瞬間、ニンマリとしてしまった。かわいくチョコンと乗っている風情がなんとも可愛い。イイね 【直江八幡宮】新潟県上越市東本町4-3- (参道)なにわ砂岩 文政10年8月(1827)奉納 本誓寺*中 |
少し変わった狛犬で最初見た時、まあ狛犬には違いないが、一体なんだろうと思った。そして青森県は何回か行き、この狛犬と同型も2.3対見た。 これの後ろ姿とったが、まるでなんだか分からない姿で写っていた。そして今もこの狛犬は一体なんなんだろうと考えてしまう。見る方が考えてしまう名品らしい!! 【最勝寺】青森県弘前市銅屋町 (観世音堂)狛犬 文久元年5月(1861) |