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第二回石仏の種類
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文殊菩薩(もんじゅぼさつ)
普賢菩薩とともに釈迦如来の脇侍(きょうじ)として釈迦三尊を構成する。
像容は、通常、獅子に乗り、右手に智剣、左手に経巻などを持っているが、
一定していない。
【文殊寺】浦和市三室。
【延命寺墓地】板橋区志村 にもあります。
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文殊菩薩 天明元年(1781) クリックすると大きくなるよ |
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不動明王(ふどうみょうおう) 明王の特徴は、右手に悪魔を断ち切る剣を握り、左手に人を引き寄せたり、あるいは悪魔をしばるための羂索(けんさく)を持ち、光背が火炎になっているのが普通である。 かっての山岳修行者は、この仏を感得しようと山岳に分け入り、滝に打たれて修行したことから、水との関わりを持ち、滝に不動明王の石仏が、祀られるようになった。 石仏としては、数が多く、立像、坐像もある。 【高幡不動】日野市高幡。 見分け方ワンポイント |
愛染明王(あいぜんみょうおう) 愛染とは人間の持ってる愛欲をむさぼる心や、執着し染まってしまう心を、悟りの境地に高めることを言い、愛染明王は、これを象徴する仏である。愛染を「藍染」として、藍を染める仏となり、江戸時代後半には染物業者に熱心に信仰された。 像容は獅子の冠に腕は六本で、各手に鈴、杵、弓矢。蓮華を持ち、宝瓶で支えた蓮華座に坐っている。都内ではあまり見当たらないが、取手市にはかなりの数が確認できる。 【愛宕神社】取手市新町。 見分け方ワンポイント |
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仁 王(におう) 寺院の山門に、怒りの形相すごく金剛杵(こんごうしょ)を振りかざし、仏法を守るべく仁王立ちになっている。 皆さんが良く見掛ける仁王は、大半が木彫りか、ズロンズで石造のものは、数が多いとは言えない。
見分け方ワンポイント |
役行者(えんのぎょうじゃ) 高下駄を履き、杖をついた髭の老人の石造があったら、それが役行者(役小角.えんのおずぬ)である。時には二匹の鬼を従えていることもある。 【乗蓮寺】板橋区赤塚 見分け方ワンポイント |
大黒天(だいこくてん) 大黒天は、インドではシバ神の侍者として破壊の神。中国では、寺の厨坊の柱(大黒柱)に祀られ、糧食の守護神となり、福神に転換されて日本に伝えられた。像容は、皆さんもご承知のように烏帽子(えぼし)をかぶり、右手に小鎚を持ち、左手で肩に福袋を握りしめ、米俵を踏んで微笑んでいる。 【神田明神】(日本一大きい).千代田区外神田善性寺.(ここの大黒天は、小鎚を背負い、大判を何枚も前に抱えている)荒川区東日暮里 にあります。 見分け方ワンポイント |
弁財天(べんざいてん) 仏教では、古代インドの女神弁財天を川の化身としている。日本でも江ノ島弁才天、琵琶湖の竹生島、そして広島県厳島と、いずれも水にかかわる所に祀られている。 像容は通常、琵琶を持つ腕二本の坐像が多いが、腕八本のもあり、持物も弓、矢、斧、鍵、宝珠、輪宝など多彩である。
見分け方ワンポイント |
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雷 神(らいじん) 昔の人は、雷は「神鳴り」で、落雷を神の怒り、雷光を稲妻と言い、雷のもたらす雨は稲の成育に欠かせないものとしていた。像容は、小太鼓を連ねた輪を円光背状に背負った鬼神が、雲に乗っている。石仏としては、数が少なくなかなか見ることが出来ない。 【源法寺】 江戸川区東小松川。 見分け方ワンポイント |
田の神(たのかみ) 田の神は、文字どうり田を守り、豊作をもたらす神である。分布は、九州南部に集中し、他はわずかに各地に点在しているのみである。像容は、しゃもじ、飯椀を持つ者、鎌や鍬など持つものなど、様々である。 【東光寺】目黒区八雲。 見分け方ワンポイント |
奪衣婆(だつえば) 冥土(めいど)に行く途中にあると言う三途(さんず)の川岸、 そこの衣領樹の下にいて、亡者の衣類を剥ぎ取って樹上の懸衣翁 (けんねおう)に渡すと言われる老女の鬼。 剥ぎ取った衣類を木の枝にかけて、枝のしなりぐあいでその人の 罪の軽重を 計ると言われている。 【長傳寺】港区元麻布。 【乗蓮寺】板橋区赤塚にもあります。 見分け方ワンポイント |
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