山西省博物館は、太原市内にあって元道教寺院(道観)が博物館として使われているものである。山西省各地から出土した古い仏像、石碑などが、前面が吹き抜けになっている細長い右刻碑廊に多数展示されている。その一隅に写真のような狛犬(?)が並んでいて、手前から羊、辟邪、虎である。
日本では、石造の羊を殆ど見ること出来ず、東京・高輪の願生寺に石造羊があるが、実はこれも中国からの渡来品だと聞いている。
羊は墓を護る霊獣と言うよりは、生贅として捧げられたもののようである。中国では永詐寺の羊のように、お寺の境内などに良く石造羊を見かける。
中央に見える胸を反らせた狛犬は、表示板に「辟邪」とあり、天禄・麒麟等と共に魔除けの鎮墓獣である。北斉〜隋時代のもので、6〜7世紀頃である。
(太原市 山西省博物館石刻碑廊)
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