穴コブ狛犬
熊野神社/市原市金剛地 安永ニ巳(1773)年六月日
ところで頭の形に就いては、穴といったほうが良い凹みのある狛犬のあることはご存知だと思いますが、何故このような凹みがあるのか、日頃から疑問に思っておりましたので、改めて問題提起を致したいと存じます。是非皆様のご意見をお聞かせ願います。
写真は、一寸河童と見間違うような怪奇な容貌をしています。そして頭の皿には水が溜まるような大きな穴が開いているのです。
一般的にはこのような穴は、角が落ちた跡の穴であるとする説明がされています。例えば藤原郁子氏は著者「狛犬」の中で、「穴は昔は角が頭上についていて、取れた跡であると思っている。それも自然に取れたのでは無く、故意にえぐり取ったと見ている。」と述べられています。しかし一つや二つの狛犬ならばともかく、あちこちに在る多くの狛犬の角を取って歩いたとは到底理解出来ないし、抉り取ったとしてもなにか理由がある筈で、この説明では何とも納得できないのです。 |