復活シリ−ズ第1弾
   


最古のイヌ
最古のキツネ
最古のネズミ
最古のカメ
最古のイノシシ
最古のトラ
最古のカッパ
最古のウサギ
最古のオオカミ
最古のサル
最古のウシ
 良く稲荷神社にいるキツネとか、日枝神社にいるサルなど左右一対いる神の使いを神使という。ただし天神さんに良くいる一頭だけの「なで牛」や、一頭の神馬などは、この神使に入らない。
  そうこれが最古だ!これより古いものがあったらぜひ連絡を! 円 丈

最古のイヌ…正徳元年九月(1711)

「成田不動.妙見宮」…成田市成田

 イヌはどういう訳か、お不動さんに多い。と言ってもこの成田と目黒不動ぐらいなものだが、一般の神社では殆どお目にかかれない。
 次に古いのもやはり成田不動で釈迦堂にある寛政10年(1798)になる。
 なお、神田明神にある特大の招魂社系(S8年)はモデルが秋田犬、それから大館市にも秋田犬をモデルにした狛犬があるが、これらはデフォルメされているので狛犬に分類するコトとした。



最古のキツネ..宝暦一二年二月(1762)

「吹上稲荷」…文京区大塚5-21

 大体、神使類の建立は新しくこの宝暦でも充分古い方。全国的に見ると東京にキツネなどの古い神使類が集中しており、東京以外で1800年代以前のキツネはいまだに確認してない。東京は神使のメッカとも言える。

なお建立年度だけなら葛飾区東金町4-28 半田稲荷.寛延元年(1748)が一番古いが残念ながら天明時代に再建したので1現存する最古のキツネは吹上稲荷と言うコトになる。



最古のネズミ…嘉永三年四月(1850)

「福相寺」…杉並区堀ノ内3-48

ネズミになると建立さらに下がる、実は、ごく最近まで江戸期のものはないとおもっていたら、大津さんと言う方に教えて頂き、このネズミの存在を知った。今まで二対のネズミを見たがすべて戦後の作だった。これは福相寺の大黒堂に建立されたもの、デキはわるくないがリアル過ぎてどーも...。でも貴重なものだ。



最古のカメ…天保十三年六月(1842)

「北星神社」…千葉県我孫子市市田台4−

 なぜ北星神社にカメか、方位の四神の内、北の方角は玄武(カメとヘビを現す)。そこでここではカメが神使に選ばれた......と思うんだけどどうだろう?

 なお、同じ我孫子市柴崎の柴崎神社にも嘉永五年三月(1852)のミカゲのカメがいる。建立年が確認できたなかで江戸期のカメはこの二対だけ、我孫子は隠れたカメのメッカだった。

 


最古のイノシシ…文化五年(1808)

「御岳神社」…青梅市御岳

 一度以前ここでも取り上げたが、つまりそれほど貴重だと言うことだね。今まで知っているイノシシはすべて大正以降。それより前はないと思っていたが、なんと文化年間のイノシシがいた。
奉納が繁栄講、その繁栄とイノシシの子だくさんで繁栄と洒落で建立したものだろう。

 


最古のトラ…明和3年4月(1835)

    

「天現寺」…港区南麻布4-2-
石工入口興兵衛

 明和3年は神使のなかでもスンゴイ古い。1700年代の神使は殆んど存在しない。この天現寺には、虎が2対あって、もう1対が、天保6年(1835)で作者包吉 石工藤兵衛。日本で2番目に古く絶品で見る角度で虎が違って見える。
 そして淋しげで味わいがあるのは文京区本駒込の吉祥寺、経堂前の虎(弘化4年1847)だ。なぜか寺にしかいない。


最古のカッパ…江戸期

「常堅寺」

岩手県遠野市土淵町土淵
(伝)江戸時代 作天石?

 カッパが果たして神使になるかどうか分からないが一応ここに入れておいた。
 
  ここのカッパは有名で寺が火事になった時カッパが頭の皿に水を入れて消火したので天石和尚が感謝の印として和尚自らがこのカッパを彫り上げたと伝えられている。

 


最古のウサギ…万延2年(1861)

「調神社」…浦和市岸町3−7
…石工板橋宿 兼吉

唯一江戸期建立のウサギ。と言ってもまだ2対しか確認をしていないが、デキは良い。このウサギ、実は元々この別当寺に建立されたのが後にここへ移築されたと言うことだ。しかし江戸期のウサギは多分これ1対だけで今後発見される可能性は低そうだ。だからこのウサギを大事にしよう。

 


最古のオオカミ…文化7年(1810)

「三峰神社」
 埼玉県大滝村三峰
 奉納 江戸 四谷講中

 江戸期のオオカミは4対ほどあるが、これが最古でデキもすばらしい。

  またこのオオカミより古いものがあるとすれば、青梅市御岳.御岳神社のブロンズのオオカミ(現在、建立年を確認していない)だけだと思う。

  もしあれば連絡を。もう地獄の果てまで見に行くつもり。

  

 


最古のサル…享和3年(1836)
狛研会員久保田氏からの報告!

    【浅間神社】
埼玉県志木市上宗岡4-27-20
猿 享和3年(1803)6月吉日 願主豊後屋仁右衛門 
阿吽はしていませんが、拝殿の前の灯籠と並んで阿吽の位置にいます。彫りは質素で両手を胸の前で合わせ何ともいえぬ表情をしていてほのぼのとしたものを感じます。(以上久保田氏文)
【円丈】私の見たのは天保だからそれより、30年以上前。しかし調べるともっと前の1700年代のサルがなんかいそうだね。さあ君も探せ!!

 


最古のウシ…安政6年(1859)

   

「牛島神社」…墨田区向島1
…石工角治郎

これは1対いるのでいわゆる「なで牛」ではなく、神使の仲間に入れることにした。
  今のところこれ以外に1対になった牛はまだ見ていない。
  してみるとムチャクチャ貴重なウシ。天然記念物にしたいほどだ。



 以上江戸期の神使で確認したのはこれだけ。古くなればこの他にも雷鳥、クマ、猫、龍、鯛、狸、鹿などがあり、鯛を除けばすべてみている。もしキリンだのカブトムシの狛犬を見つけたらぜひお知らせを!

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