第4回地口行灯〜動物編〜

 【これがオリジナル注文地口行灯】

 実はこの円丈似顔絵の地口行灯、綾瀬稲荷の唐松宮司さんが。北千住の吉田絵馬屋さん足立区千住4丁目)に頼んで特注したもの。唐松さんに感謝、感謝!「三河の太夫」と「みかんの太夫」を引っ掛けたもの。

  なんで三河なんだ?と言えば円丈は愛知県出身で「三河」にしたようなんだ。ホント名古屋だから尾張なんだけど。まあ、細かいことはこっちに置こう。「みかんの太夫」は未完成な芸人と言う意味で「みかん」なのか?なんなのか?うん。今度聞いて見よう。

   三遊亭 円丈

【製作 足立区千住4丁目 吉田絵馬屋】

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【そもそも地口行灯とは?】
 
「地口行灯」とはなにか?まず地口は語呂合わせのことで。昔からのことわざや、誰でも知っているフレーズなどを語呂合わせのパロディにした絵紙。それを行灯の枠に貼ったものです。地口絵紙は江戸時代後期に生まれたものだといわれています。



〜動物編〜
 地口行灯コレクション2



【1】熊   箱根八里は熊でもこすが

【絵柄】
 熊が振り分け荷物で箱根八里を越えてる絵柄

【意味】
 書いてあるの文字は「箱根八里王(は)熊でも古す可゛」で元は「箱根八里は馬でも越すが」の地口になってる。
なお「箱根八里は馬でも越すが・・」あと「越すに越されぬ大井川」と続く訳。昔、東海道大井川の川越の大変さを表わした言葉なんだね。


【2】鬼  鬼に片棒

【絵柄】
鬼(
一角の赤鬼) が、2人で重い物を担いでいるが、後ろの鬼は描かれていてない。実は2人で担ぐ時、どちらか1人を「片棒」と言う。更に言えば、前の方を「先棒」、うしろの方を「後棒」とも言う。 

【意味】
 元の言葉は意味「鬼尓(に)金棒」それを片棒に引っ掛けて「鬼に片棒」としゃれている訳だね


【3】猩々(しょうじょう)    猩々せんどう

【猩々とは?】
赤い長い髪を持ち、酒好きの水の妖精だと言う今で言う妖怪の一種?

【絵柄】
猩々が船を操って船頭の真似をしてる。
 

【意味】
ここには「せん登゛う」と書いてあり、「猩々せんどう(船頭)」。・・で元の言葉は何?それなんだ。元は「僧正遍照(そうじょう へんじょう)」でそれを引ッ掛けて「猩々せんどう(船頭)」となる。う〜〜ん、今の時代にはやや分かり難い。

【4】 鳶(とんび)  とんびが種まく

【絵柄】
とんびが、畑に種を蒔いている。
 


【意味】
書いてある文字は「登んび可゛種まく」(とんびが種まく)で元は「権兵衛が種まく」、良く「権兵衛が種まきゃ、カラスがほじくる」と言うあれが元になっている。これも30代以下では分かりにくい言葉になりつつあるのだろうか?やや淋しいねえ。


【5】 馬   馬の五郎時致(ときむね)

【絵柄】
馬が五郎時至致(ときむね)になっている。えっ、絵の説明になっていない?そう?
 
【意味】
 「馬の五郎時致」と言うのは、「曽我の五郎時致(ときむね)」のシャレ。鎌倉時代の曽我兄弟仇討ちをした弟の方。兄は祐成、富士野の狩場で父の仇、工藤祐経を討った故事から来ている。


もっと地口行灯を知りたい人は
 
種類と分布  足立区立郷土博物館の美人で評判の学芸員、荻原ちとせ(おぎはら)さん の調査では絵柄は狐柄のみならず、絵馬屋で165種が確認されており、 清瀬市や長野県の小布施町などにも様々あるとか、また 「地口どうろう」などの別称もあるとのこと。
 内 容  歌舞伎や謡の有名な言葉やことわざ・成語をもじっていうしゃれであって、この語呂合わせは、噺家に通じるものです。 地口行灯は浅草の伝法院通りにも掲げられていますし、年初め歌舞伎座では、歌舞伎の地口が販売されています。
連絡先 足立区立郷土博物館  大谷田5−20−1  月曜休館日
   TEL3620−9393 テレホンサービス3620−9292


 ・・・・てなことで今回はコレまで!!
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